私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?

さいとう みさき

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第八章お兄ちゃんは妹と今年もよろしくしなきゃいけないよ?

8-4一年の計は元旦にあり?

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 私たちは二年参りで神社に来ていた。


 「やっと順番が来たか。さ、由紀恵」

 
 お兄ちゃんはそう言って私を真ん中に来させる。
 
 「大丈夫だと思うけど一応願掛けな。由紀恵が無事高校合格しますように」

 そう言ってお兄ちゃんはお賽銭を投げガラガラをしながらお祈りをする。
 私もお兄ちゃんと同じくお賽銭を投げ願掛けをする。



 ―― 無事お兄ちゃんの高校に受かりますように。そして余分な虫がお兄ちゃんにつきませんように。更にお兄ちゃんともっと仲良くなれますように! ――


 
 今年は奮発して百円も投げ入れた。
 きっと御利益があるだろう。


 願いを掛けてからみんなで横にずれ向こうで巫女さんが販売をしているお守り買う。

 一応「買う」と言う表現は良く無いらしいので納めるというらしいけど、まあ結局は買うのと同じよね?

 そんなこと思いながら合格祈願のお守りを手に入れ紫乃の言う甘酒を買いに行こうとする。


 「なあ、せっかくだからおみくじ引いていこうぜ!」


 親友その一がそう言う。

 「ん? そうだな。今年はどんな年になるか占ってみるか」
 
 「いいわね、恋愛成就とか」

 「思い人来るとかだと良いですね先輩!」

 「‥‥‥将来の旦那様、縁結び」

 お兄ちゃんたちは乗り気だ。


 「そうだね~、一年の計は元旦にありっていうもんね~」

 「紫乃それ違うわよ?」

 「でも長澤先輩たちやってみませんか?」


 吉野君もそう言うしやってみようか?
 私たちは百円入れておみくじを引いてみる。
 

 「うーん、微妙だな。小吉だな、なになに女難の相だって?」

 「見てみろよ! 俺大吉だぞ!!」

 なんかお兄ちゃんの引いたおみくじの「女難の相」ってのが引っかかるけど「凶」じゃないだけ良いわね。

 むしろなんで親友その一辺りが大吉なのよ!?

 「日頃の行いが良いからなぁ、俺って! なになに、本年も何事もなく穏便に暮らせる? え? 何それ? それだけ??」


 ある意味大吉だわね。
 特にこいつには。


 「うーん中吉かぁ、可もなく不可もなくかぁ」

 「あ、私は大吉! 先輩見てみてくださいよ、待ち人着たりですよ!!」

 「小吉‥‥‥ 続けることが吉となる‥‥‥ 長澤君を見守るの続ける、電信柱から‥‥‥」

 「あ~私は大吉~!! 願い成就だって! やったぁ、桜川東高校合格だぁ~!」

 「中吉、継続は力なりですか。僕も長澤先輩を追って桜川東に‥‥‥」

 
 みんなおみくじを引き終わってそれぞれの内容を見ている。

 「まあ、こう言うのは大概当たり障りのない事が書いてあるもんよね? さて私のは~っと」

 私は引いた自分のおみくじを見る。



 『大凶』



 へ?
 ええと、これって確か「だいきょう」って読むんだっけ?


 ‥‥‥
 ‥‥‥‥‥‥
 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥


 「お、お兄ちゃん! だ、大凶だってぇっ!!」


 私の引いたおみくじが有ろうことか「大凶」とかなっているぅ!?
 有り得ない!
 なにそれっ!


 「由紀恵落ち着け、なんて書いてある?」

 「え、ええとぉ、試練来たりて思い人受難、急がば回れ、過信は大事に至りてよくよく身体をいたわるべし。何にこれ?」

 良く意味は分からないけど不吉な感じはする。

 
 なんて事よ!
 あたし今年受験生なのよ!?


 「由紀恵ちゃん落ち着いて、こう言うのは神社の木の枝に結び付けて厄払いするのよ!」

 「あ、高橋先輩その結び方は願い成就の方ですよ?」

 「‥‥‥最強の敵脱落」

 
 こらこらこら!
 何不穏な事させよとしているのよ!?


 私は涙目でどうして良いのか分からずお兄ちゃんを見るとスマホで何か検索している。

 「あった! 由紀恵、厄除けの結び方はこうだよ、早い所神社の木の枝に!」

 お兄ちゃんは検索した図解付きの画面を私に見せながら境内の端の方にある木の枝に連れて行く。
 そして画面を見ながらその結び方で私の大凶の髪を結んでくれる。


 「これで大丈夫だろう」


 「なんか災難だね由紀恵ちゃん。そうだ、もう一回くじ引けばいいんじゃね?」

 「そうそう何度も引くもんじゃないわよ」
 
 「そうですよ、そんなことしたら御利益無くなっちゃいますよ!」

 「悪い時は何度引いても同じ‥‥‥ また凶が来たらどうするつもり?」


 無責任な親友その一の言葉に高橋静恵や矢島紗江、泉かなめも抗議する。

 「だ、大丈夫ですよ長澤先輩、お兄さんが厄払いしてくれたんですから」

 吉野君が涙目の私にそう言ってくれる。

 「由紀恵ちゃん、こう言う時は気分転換で甘酒飲んで悪い運気を吹き飛ばすのだぁ~!」

 やたらと元気な紫乃に言われ私はお兄ちゃんに引っ張られながら甘酒を買いに行く。

 そしてみんなで甘酒飲んで一息。 
 おかげで少しは落ち着いた。 



 なんか新年早々とんでもない事になっちゃったけど私大丈夫なのかな?

 わたしは新年初の大きなため息をつくのだった。 
 
 
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