アルム~アラ40女子がいきなり異世界の第三王子に転生して無意識に無双してプチハーレム状態なんだけど、私はBL要素が見たいの!!~

さいとう みさき

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第一章:転生

1-9:緊急会合

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「賊はまだ捕まらんのかっ!?」


 アマディアス兄さんは普段からは想像がつかない程の様子でご立腹だった。
 いや、シューバッド兄さんもエシュリナーゼ姉さん、アプリリア姉さんも同じだった。

 只今ここイザンカの王城の一室で私を襲った賊について話し合われていた。


「マリーがいたのに逃げられたとなれば、只者ではないのであろう。相当な使い手か何かであろうな……」

 国王である父はそう言って椅子に深く座り込む。
 その様子を見てアマディアス兄さんたちも一斉に参考人として来ていたマリーを見る。


「それでマリー、その賊とはどんな感じだった?」

「はい、アマディアス様。確かに国王が仰られる通り只者ではございませんでした。まるで黒龍様に仕えるローグの民かのように……」


「何っ!?」


 マリーのその言葉を聞き、アマディアス兄さんは思わず椅子から腰を浮かす。
 見ればアマディアス兄さんだけでなく国王である父も同様に驚きに腰を浮かしていた。


「ローグの民? それって何??」

 思わず私は口を開きマリーに聞く。
 するとマリーは一旦口を閉じてから父を見ると、頷くのでまた口を開き話始めた。


「ローグの民とは、我がイザンカ王国と友好関係を築き同盟となっているジマの国の守護神たる女神殺しの黒龍様に仕える暗殺集団とも言われております」

 マリーは確認するように一言一言しっかりとそう言う。

 暗殺集団……
 この世界にもそう言った物騒なモノがいるって事?
 と言うより、そのジマの国って同盟を結んでいる国っぽいけど、その守護神に仕える連中が私を殺そうとしたって事!?


「ローグの民はその特異なる鍛錬によりジマの騎士たちでさえ歯が立たないと言われている集団。あの手口、私の操魔剣なぎなた奥義疾風を受けてなお無事と言うのも頷けます……」

「だとすると、これはジマの国の意志と言うのか? 同盟国のジマの国が何故アルムを!?」

 マリーのその言葉にアマディアス兄さんは立ち上がり叫ぶようにマリーに聞く。
 しかしマリーは下を向いて唇を噛んだまま黙っている。


「よせ、アマディアス。まだジマの国が差し向けたと決まったわけではない」

「しかし父上。我が弟アルムに危害をくわえようとしたのは明白。これは宣戦布告と同じです!!」


 あ、いや、アマディアス兄さん?
 そこまで飛躍しなくてもいいんじゃ……


「そうね、私のアルムに手を出したからには相応の覚悟をしてもらわなければね」

「そ、そうですね。アルム君に何か有ったら私だって我慢できませんもの!!」

「ジマの国かぁ。ねぇマリーどこかに抜け道とかないの? あの国を正攻法で攻めるには天然の渓谷が防壁になってなかなかうまくいかないからね~」


 エシュリナーゼ姉さんにアプリリア姉さん、そしてシューバッド兄さんまで!?


「落ち着かんかお前たち! ジマの国は我が国と同盟国、まだあの国が差し向けた刺客とは決まっておらん。それにいくら『鋼鉄の鎧騎士』を持たぬ国でもその守護神たる『女神殺しの竜』がいる国を相手に事を構えるならドドス共和国同様に手痛い目に合うのは必然じゃ!!」


「しかし……」

 興奮止まぬ兄や姉たちを国王である父は一喝して治める。
 その辺は流石に一国の王。
 一喝されたみんなは次の父の言葉を待つ。

「マリー、その者は本当にローグの民だったのか?」

「確証は……ありません。しかしあの姿形、その能力、そして目くらましの発光弾など通じるものは否定できないかと」

 マリーのその言葉を聞き、父はまた大きくため息をついて椅子に深く座り直す。

「だとすると、その者を捕らえるのは不可能だろう。ジマの国に変わりはないのか?」

「私の知る限りは…… 明日早速、ジマの国の知り合いに探りを入れてみます」

「……頼む」

 父王はそう言って立ち上がりアマディアス兄さんを見て言う。


「アルムだけではない。お前たちも重々に注意するがよい。この旨はマクルスにも話そう。ちょうどまだこの城におるからな」

「……分かりました。警備の強化をさせます」

 アマディアス兄さんはそう言って退出する父を見送る。
 そして完全に父王が出て行った後に私の前まで来ていきなり抱きしめて来た。


 ばっ!
 抱きっ!!


「うわぁ、アマディアス兄さん?」

「アルム……良かった、本当に無事で……」


 えっ?
 なになにっ!?

 超美形のアマディアス兄さんが私に抱き着いている!?
 なにこれ、なんのご褒美!?


「あ”ーっ! アマディアス兄さん、私のアルムに!!」

「兄さん駄目です、アルム君は私のです!!」

「アマディアス兄さん、次僕がアルム抱っこする番ね♪」

「アルムお兄ちゃん、私も抱っこする!」


 途端に他の兄姉、妹たちも騒ぐ。
 でも、こんなアマディアス兄さんは初めてだ。


「マリー、私は城の警備の強化指示をする。アルムの事は……お前に頼んだ、元ジマの国の騎士よ。その忠誠今はただアルムの身の為に!」

「ははっ! この命に代えましてもアルム様は私が守って見せます!!」

 アマディアス兄さんはそう言って私から離れ、何時ものクールな表情に戻る。
 そしてこの部屋を後にすると、すぐにエシュリナーゼ姉さん、アプリリア姉さん、そしてシューバッド兄さんやエナリアまで私に抱き着いてくる。


「もうこうなったら今晩からアルムは私と一緒に寝なさい! 姉である私がずっと守ってあげるわ!!」

「何言ってるんですかエシュリナーゼ姉さん! アルム君と一緒に寝るのはこの私です!!」

「なんだよ、アルムとずっと遊べるなら僕の部屋においでよ」

「アルムお兄ちゃんと一緒にねんねします!」

 
 もみくちゃにされる私。
 その騒ぎは暫し続くのだった。


 * * * * *


 ちゃぽん


「ねぇマリー。マリーってジマの国の騎士だったの?」

「……昔の事です」

 とりあえず落ち着いて湯あみをしている。
 この世界にもお湯に浸かる習慣があって、お城には浴場がある。
 ただ、今日はまだ来賓やエイジたちもいるし、襲撃を喰らったので部屋に大きな桶を持ってきてもらってここで湯あみをしていた。

 していたのだが……


 なんでマリーも一緒に入ってるの!?


「あのさ、なんで今日に限ってマリーも一緒に湯あみしているの?」

「用心の為です!」

 そう言って目の前で大きな胸を揺らす。
 これって、うちの母と同じかそれ以上か。
 正直生前の私より大きい。

 ちょっとうらやましいけど、あれだけ大きいと肩がこって仕方ないだろう。
 生前の私でさえ、日本人の平均的サイズだったが肩こりがしたもんだ。
 でもマリーやうちの母は絶対にそれよりツーカップからスリーカップ大きい!
 もう、なんでも挟めるのは確実!!

 ぐっ、やっぱり悔しい!!


「あの、アルム様?」

「あ、い、いや、なんでもないよ……」

「もしかして、その、お乳が恋しいのでしょうか? でしたら母乳は出ませんが私でよければ////////」


「いりませんっ!! そうじゃなくて、ジマの国に関してもっと教えてほしいのっ!」


 私の目の前に大きな胸を両手で差し出し、何故にはにかみながら嬉しそうな顔をする?
 マリー、やっぱりお前もなのか??


 しかし、私がジマの国と言った瞬間マリーは真顔に戻る。
 そしてややうつむいて言う。


「アルム様……確かに私は元ジマの国の騎士でした。しかし今はこのイザンカ王国に忠誠を誓い、恩義あるジェリア様にお仕えすると誓いました。そしてそのジェリア様がアルム様をお産みになり、アルム様をお助けするよう申されました。ですから私はアルム様の為でしたら何でもします」


 そう、細々とした声で言う。
 いつものマリーとは思えないような弱々しさだ。

「お母様がそんな事を?」

「はい、しかし今はアルム様のご成長を目の当たりにするにつれ、アルム様のご成長が私の生きがいになっております!!」

 ぐっと目の前にまで迫ってきてそう言う。
 その言葉は何時もどおりの、いやそれ以上に力がこもっていた。


「分かった、ありがとうマリー」

「いえ、当然の事ですので」


 そう言いながら私を洗ってくれて湯あみを終える。
 寝間着に着替え、ベッドに入ると何故かマリーまで一緒に入って来ようとする!?


「あの、なんでマリーも一緒にベッドに入るの?」

「警護の為です! ご安心をアルム様の御身は今私が必ずやお守りいたします!!」


 ばんっ!


「ちょっとマテぇっ! アルムは私と一緒に寝るのよ!!」

「違います、アルム君は私と一緒寝るのです!!」

「アルムぅ~、寝るまでお話しようよ~」

「お兄ちゃん、私もう眠いです……」


 何故か、はぁはぁするマリーがベッドに入ろうとすると、いきなり扉が開かれみんながなだれ込んでくる。

 そしてまた夜中だと言うのに騒ぎになる。
 まったく、いい加減にしてほしいものだ。


 私はギャーギャー騒ぎの中、枕を頭にかぶって耳を塞ぐのだった。

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