アルム~アラ40女子がいきなり異世界の第三王子に転生して無意識に無双してプチハーレム状態なんだけど、私はBL要素が見たいの!!~

さいとう みさき

文字の大きさ
47 / 150
第二章:ジマの国

2-10:そこに立つ者

しおりを挟む

「アルム様っ!」



 なんかマリーの声が聞こえるけど、うるさいなぁ……

 私は呼ばれる声に導かれていつの間にか岬へと来ていた。
 そこは下の海が見渡せられる、やや高い岬で、崖のようになっている。

 そしてそこに目を凝らすとうっすらと黒い靄のようなものが見える。
 私はそれを見るとあの声が聞こえる。


『こっちへこぉおおぉぉぃぃいいいぃ』


「誰……だよ? 僕を呼ぶのは……」

 なんかぼうっとした頭のままそちらにフラフラと歩く。


「我が主よ!!」


 が、そんな私の前にアビスが立ち塞がる。


「メイド! 貴様がいながらこれはなんだ!? 我が主よ、奴の声に耳を傾けてはなりません!」

「ア……ビス?」

 目の前にアビスがいるのは分かる。
 でも邪魔だ。
 私は片手あげて邪魔なアビスをどかす。


「どいて、【火球】」


 ぼっ!
 ぼぼぼぼぼぼぼっ!!


 片手をあげた私の周りにも何十ものファイアーボールが浮かび上がる。


「我が主よ! 正気に戻られよっ!!」


 どがぁ~んッ!!

 
 私の【火球】は全弾アビスに着弾する。
 業火の中、燃え盛るアビス。
 しかし、アビスの体がふいに大きくなり、魔人本来の姿になる。
 まあ、アビスならこのくらい平気か。


『我が主よ、お気を確かに!!』

「さっすが…… 魔人だよねぇ~。じゃあこれはどうかな?」


 そう言って私はアビスに向け手ををかかげる。
 が、その前にマリーが飛び出して来る。


「アルム様ぁツ!」


「マリー…… 邪魔だよどいて。僕は岬のそこへ行かなきゃならないんだから……」

「何故です!? そこに何があると言うんです!?」

 マリーはそう言って両手を開いて私の行く手を阻もうとする。
 そこに何がある?
 
 そりゃぁ……
 そりゃぁ?

「え、えっと…… 僕を呼んで…… いる、から?」


 あれ?
 私って誰に呼ばれていたんだっけ??

 ぼうっとした頭にそんな疑問が浮かぶと、ややも思考がまともに動き始める。


『ちっ、邪魔が入ったせいか……』


 あの声がそう言う。
 ああ、そうだ、この声だ。
 私の心の奥底にいつの間にか入って来て、そして私の心をつかむようなその声。


『主よ! しっかりしてください!! 奴は、奴は主様のその魔力を狙っているのです!!』
 
『魔人風情が…… 消えろ!』


 その声がそう言った瞬間だった!


 私の意識はアビスの周りに【絶対防壁】を展開する。
 それも多重結界。
 アビスを三重の【絶対防壁】で囲むとその防壁が一気に二枚ほど破られる。


『ほう、流石だな…… それ程の魔力、我が手に入れられればこの世界も容易く手に入れられるというモノを…… 幼子ゆえに簡単に操れると思ったのだがな』


 その声は岬の先に黒い塊となって現れる。
 その威圧感にマリーも気付き、そちらを見るとひとりの男性が立っていた。

 真っ白な肌、真っ赤な瞳、銀色の髪の毛、そして年の頃三十路くらいの貴公子のような姿をしている。
 彼はこちらに向かって優雅に胸に手を当て、腰を折り挨拶をしてくる。


「お初にお目にかかる。我は七大冤獄の主、貴殿らで言う所の悪魔の王。こちらに我が門が呼ばれ様子を見てみれば、膨大な魔力を持つ者がいるではないか。その魂、我が存分に使ってやろうと思ったのだがな」


 そいつはそう言ってゆっくりと顔を上げる。
 そしてその瞳を見た私は即座にそこへ【爆裂核魔法】を叩き込んでいた!
   
 
 きゅぅ~……

 カッ!


 どぼごぃあぁああああぁぁぁぁぁぁぁんッ!!!!


「アルム様!?」

「我が主よ!?」


 今の一撃で目の前にあったはずの岬は完全に吹き消し飛んだ。


「はぁはぁはぁ、お、お前はぁ……」

「流石であるな。しかし残念ながらあとわずかに我に届かぬな……」


 完全に吹き飛んだ岬があったその場所に球体の防御壁を保ったそいつが宙に浮いていた。
 私の【核爆裂魔法】をしのぐとは。
 これは魔人ですら消し飛ばす程の威力なのに。


「ふっ、まぁいいだろう。今日はここまでとしよう。いずれまた会う事もあろう。今日は挨拶とでもしておこう」


 そう言ってそいつはニヤリと笑いながら虚空にその姿を消してゆく。
 全身に鳥肌が立っている。
 あいつは一体……


「アルム様!」

「我が主よ!!」


 がっくりと膝を落している私にマリーも人の姿に戻ったアビスも慌て寄って来る。
 私はあの虚空を睨んだままつぶやく。


「悪魔の王……」




 それはアビスを超える存在だったのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...