アルム~アラ40女子がいきなり異世界の第三王子に転生して無意識に無双してプチハーレム状態なんだけど、私はBL要素が見たいの!!~

さいとう みさき

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第三章:イザンカ王国

3-14:困難

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「うわぁ、まただっ!!」


 只今私たちは予算増加してもらった中、新型の「鋼鉄の鎧騎士」を作成し始めていた。

 フレームとなる魔鉄で出来た内骨格を作成しているのだけど、魔力伝達が良いのでフレームの関節自身に駆動系の魔晶石を埋め込んで設置している。

 今までは関節の近くに設置して外骨格どうしを動かしていた。
 さらに言えばその魔晶石に供給する魔力は中央からの魔力を一旦充填器に溜めるので、瞬間的には溜まった分を放出して駆動系の魔晶石を瞬時に動かせていたけど、その後が魔力が少なくなってしまい力が出せなくなる。
 結果瞬発力はあっても非力な駆動系となり、魔力伝達も悪いので再チャージまで細々として動きになってしまう。

 だから今までのうちの「鋼鉄の鎧騎士」は一撃離脱型だった。

 集団戦で戦うには一定の効果は有るものの、一騎討の時にはかなり不利になる。
 なのでそれがバレないうちに新しい「鋼鉄の鎧騎士」を作り上げなければならない。


「うーん、魔鉄フレームの内骨格にする事により動力源の連結型魔晶石核からの魔力伝達は良くはなりましたわ……しかし駆動系の魔晶石が魔力量に耐えられずすぐに焼き付けを起こしてしまうとはですわ……」

「盲点だったねぇ~。うちの駆動系魔晶石って瞬間は良いけど長時間出力には耐えられないんだ……」

 これは前世で言う所のモーターの焼き付きと同じだった。
 高速回転できるモーターはパワーもトルクも瞬時で出るけど、ずっと動かしていると熱が上がり軸などが焼き付いて動かなくなってしまう現象がある。
 こちらの世界の駆動系魔晶石も同じ理由で瞬間は良いとしても長時間には耐えられなかった。

「一回り大きい駆動系魔晶石に代えるしかありませんね」

「でもこれ以上関節が大きくなってしまうと動きに制限が出てしまいますわ」

 エマニエルさんとミリアリア姉さんはそう言って考え込む。
 パワーに長時間耐えられるには単純に大型の物に代えるのが手っ取り早いけど、そうすると今度はスペースなどの問題となってしまう。

 小型でパワーがあり、しかも長時間使用に耐えられる物だなんて……


「アルムく~ん、お疲れ様! お茶の時間ですよぉ~」

 みんなして悩んでいたらアプリリア姉さんがお茶を持って来た。
 当然エナリアも一緒に来ている。


「アルム様、アプリリア様もおいでです。休憩を成されてはいかがですか?」

「う~ん、そうだね。一休みして何か良い方法が無いか考えてみようか」

 マリーに温かいタオルを手渡され油などで汚れた顔を拭く。
 こざっぱりした頃にアプリリア姉さんが準備したお茶をエナリアがもってきてくれる。

「はい、お兄様♡」

「ありがと、エナリア」

 お茶を受け取って口に運びながら「鋼鉄の鎧騎士」の内部骨格を見上げる。
 と、エナリアが聞いてくる

「お兄様、これってうまく行ってるのですか?」

「うーん、今関節の問題があってねぇ。瞬間は良いけど長く動かす事が出来なんだよね~」

「何故です?」

「うん、駆動系の魔晶石が長時間の魔力供給に持たないんだ。使い過ぎると熱を持ってダメになっちゃうんだよね~」

 エナリアは今八歳。
 当然こんな魔動機について詳しくはない。
 確か初級魔法をエマリエルさんから習っているはずだった。

「ふーん、難しい事は分かりませんが、順番っ子で魔晶石がお仕事できればいいですね」

「そうだね…… ん? 順番に……」

 エナリアのその言葉に笑いながらそう言っていてふと変な事に気が付く。
 今開発している「鋼鉄の鎧騎士」は言うなれば一軸関節だ。
 可動範囲などは十分に取られている人体を参考にしているから、一軸でも必要十分には動く。
 しかし、こいつは人ではない。
 多関節であっても何ら問題はないはず……


「そうか、交互か! それなら!!」


 私は慌ててミリアリア姉さんの元へ行く。
 そして図面を確認して確信する。

 今回の新型の「鋼鉄の鎧騎士」は人体を模している。
 だから最初から、例えば上腕と下腕の間に駆動系魔晶石を埋め込み、人間でいう関節のようになっている。

 もしここを二重関節にしたならば?

 稼働位置は若干ずれるものの、動き全体ではそれほどではない。
 一個目と二個目を常に交互に動かせば瞬間的な動作が多い「鋼鉄の鎧騎士」の駆動系魔晶石の負担が軽くなる。
 それに、リミッターを解除すれば二つ同時に短時間だけ駆動系の魔晶石が動けば各関節のパワーは二倍!


「行ける! このスペースならばこうしてこうすれば、二重関節にすれば行ける!!」

 すぐさま大きさを計って図面にそれを書き込んで行くと、若干ごつい形状にはなるものの、従来の大きさでまとまった。
 そして外装の取り付け位置と動いた時の最大位置を比較しても問題がない。
 つまりあのミスリルで出来たオリジナルの外装が取り付けられると言う事になる。


「これ、凄いですわ、アルム!」

「制御系が少し複雑になるけど、そのうち開発しなきゃいけない駆動系の魔晶石が出来るまでの辛抱だよね。いや、大きさが同じに出来るならそのまま入れ替えれば駆動系が二つ動くから最大倍の力が出せるかもしれないよ!」


 そう言って早速図面の改定を始める私とミリアリア姉さん。


「なるほど、人体の形状にこだわらなければそう言う方法もある訳ですね……『鋼鉄の鎧騎士』、必ず人型にこだわらずに柔軟な発想を織り込む。これはきっとすごい『鋼鉄の鎧騎士』になります!!」



 エマリエルさんはそう言って私とミリアリア姉さんがあーだこーだ言いながら図面変更する様子を見ているのだった。

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