アルム~アラ40女子がいきなり異世界の第三王子に転生して無意識に無双してプチハーレム状態なんだけど、私はBL要素が見たいの!!~

さいとう みさき

文字の大きさ
98 / 150
第三章:イザンカ王国

3-29:魔光弾ランチャー

しおりを挟む

「来ました! ドドスの『鋼鉄の鎧騎士』が出ました!!」


 見張り兵のその叫び声に皆一斉に緊張の度合いが上がる。
 それもそのはず、今までの魔獣とは違い「鋼鉄の鎧騎士」には魔法が通じない。
 つまり、キャノンタイプやタンクタイプの放つ魔光弾が対魔処理されたそれに通用しないのだ。


「五号機準備できましたわ!!」


 しかしこちらも何もしていないわけではない。
 すぐさま虎の子である五号機が魔光弾ランチャーを引っ張り出し、それを遠くの森から出てきたドドスの「鋼鉄の鎧騎士」に向けて狙いを合わせる。


「よし、新型のその威力を見せてやれ! 目標ドドスの『鋼鉄の鎧騎士』!! 撃てぇっ!!」


 将校が準備ができたのを確認して攻撃命令を下す。
 五号機はその先端を相手の「鋼鉄の鎧騎士」めがけて狙いを定める。


 じじじじじぃ……
 きゅうぅううううぅぅぅぅ~

 かっ!

 どがあぁああああああぁあぁぁぁぁぁんんっっっ!!!!
 

 ランチャーの銃口に光が集まり、集束した瞬間真っ赤な光の塊になりそれは放たれた。
 まるでドラゴンブレスが放たれたかのように周りの空気を焼きながら、しかし確実に遠くにいる相手の「鋼鉄の鎧騎士」を仕留めるために赤い軌跡を残して飛んで行く。

 次の瞬間相手の「鋼鉄の鎧騎士」一体が上半身をまるで飴を溶かすかの様にぐにゃりと形をゆがめて崩れたと思ったらその場で四散した!


 ボシュっ!

 どばぁああああぁぁぁんっ!!


 さらに後ろにいた一体も下半身を貫かれ、破裂する。


 ぶしゅっ!

 どっぱぁああっぁぁぁぁぁんっ!!


 周りにいた数体の「鋼鉄の鎧騎士」も余波を受けてその爆風に押され倒れる。
 何が起こったかわからないドドスの「鋼鉄の鎧騎士」たちはさすがに進軍をいったん止めた。
 破壊された自軍の「鋼鉄の鎧騎士」を見て動きを止める。
 そしてさらにその後ろの自軍の兵たちにも甚大な被害が出ていることにやっと気が付く。



 がごんっ!
 バシュ!

 ごとんっ!


 こちらの城壁の上で魔光弾ランチャーを放った五号機は、魔光弾ランチャーから使い終わった魔晶石のカートリッジをリロードして吐き出す。
 一度に数十個の魔晶石を一瞬で使い終わったそのカートリッジはあまりの急激な消費で熱を持ったようで湯気が出ている。


「や、やりましたわ!! 次弾、次のカートリッジを急ぎ五号機の魔光弾ランチャーにですわ!!」


 こちらの兵士たちもそのあまりの威力に皆一瞬動きを止めていたが、ミリアリア姉さんのその声で我へと帰り、その場で歓声を上げる。



 うぉおおおおおぉぉぉぉぉっ!!



「すごいぞ! あの『鋼鉄の鎧騎士』が一発ではじけ飛んだぞ!!」

「すげぇっ! 『鋼鉄の鎧騎士』が!!」

「これでドドスの『鋼鉄の鎧騎士』なぞ怖くないぞ!!」


 兵士たちが口々にそう言っている中、ミリアリア姉さんは次弾を装填させるためにカートリッジの装着を急がせる。



「だめだ! いくら魔光弾を浴びせてもヒドラの回復の方が早い!! もうすぐ城壁にまで来るぞ!!」

 が、ここで魔獣相手に攻撃を加えていたキャノンの近くにいた兵士が叫ぶ。


「五号機、次の標的を魔獣ヒドラへ! 急げっ!!」


 その声に将校が反応してすぐに次の標的をヒドラに変えることを指示する。
 それにカートリッジの交換が終わった五号機が魔光弾ランチャーを構えなおしてこちらの城壁に迫りくるヒドラたちに向ける。
 

 じじじじじぃ……
 きゅうぅううううぅぅぅぅ~

 かっ!


 どがあぁああああああぁあぁぁぁぁぁんんっっっ!!!!
 

 またしても放たれた赤い光は向かってくるヒドラに吸い込まれ、その赤い線のような光を隣のヒドラにもずらしながら動かす。
 すると、二体いたヒドラは赤い光が過ぎた後に地面ごと大爆発を起こし、宙に舞いながらその体を四散させる。

 それはまさしく地獄絵図だった。

 大地はあまりの熱量に岩ですら溶け、真っ赤に地面を焼き飛び散ったヒドラの死体は炎に包まれて地面に転がる。
 一瞬で二体とも葬り去ったその赤い閃光は見るものを圧倒し、その動きを止めさせる。
 
 誰もが目の前で起こっている現象に理解が追い付かず、その惨劇を目の当たりにして固まる。


 が、やはり我に返ったイザンカの兵士たちが歓声を上げ始める。


「ずげぇ! ヒドラも簡単に吹っ飛ばしたぞ!!」

「一瞬で二体も!!」

「イザンカばんざーいぃっ!!」


 本来ヒドラのような大型の魔獣は数体の「鋼鉄の鎧騎士」で対処してやっと討伐ができるほどだ。
 それを一瞬で二体も葬り去ったのだ。

 まるで勝利を確信したかのように一斉に雄たけびが上がり、まるで勝ち鬨のような声が上がる。
 

 
 がごんっ!
 バシュ!

 ごとんっ!


 五号機はそんな中、魔光弾ランチャーをリロードさせるためにまたカートリッジを吐き出す。
 それを見た兵士たちが慌てて次のカートリッジを装填させようとするが、魔光弾ランチャーがかなりの熱を持ってしまってなかなか次のカートリッジを装填するのに手間取ってしまっていた。


「想定以上に砲身が熱を持っていますわね?」

「クールダウンが必要なんじゃない?」

 ミリアリア姉さんは兵士たちの作業を見ながら五号機と魔光弾ランチャーの様子を気にする。
 確かにたった二発を放っただけでここまで魔光弾ランチャーが熱を持つとは想定外だった。
 しかし兵士たちは次弾のためにやけどもいとわずカートリッジを装填する。


「ドドス『鋼鉄の鎧騎士』が動き出しました! 一直線にこちらに一斉に走ってきます!!」


 だがここでまた見張りの兵士が大声で叫ぶ。
 見れば森の中で体制を整えた数十体のドドスの「鋼鉄の鎧騎士」が盾を構えながらこちらに走ってくる。
 その盾を見てミリアリア姉さんは叫ぶ。


「あれは『対魔の盾』!! 物理的な攻撃には弱いのに魔術に対してだけは絶対的に効果を発揮する盾ですわ!!」


 よくよく見れはその盾はきらびやかな装飾がされた大盾だった。
 どうやら魔晶石やら何やらが表面に埋め込まれたものらしい。
 それを五体の「鋼鉄の鎧騎士」が構えてこちらに走ってくる。

 よくもまぁ、そんなものまで引っ張り出してくる。


「でも理論上ではそんな盾も凌駕する出力だよね?」

「ええ、理論上はですわ。しかし万が一がありますわ、威力を収束させて魔光弾ランチャーを放つ必要がありますわ! 五号機聞こえますの? 標準モードから照準モードに切り替えですわ! そして照準モードで相手が標準の真ん中に入ったら引き金を引くのですわ!!」

「聞こえたか五号機! ミリアリア嬢の指示通り急ぎ照準モードへ! 標的が照準の中に入ったら魔光弾を放てっ!!」


 この状況下、ミリアリア姉さんの指示で五号機は「対魔の盾」を構えたドドスの「鋼鉄の鎧騎士」に照準を定め、威力を絞って魔光弾ランチャーの砲身を向ける。


『逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、照準の真ん中に入ったら引き金を引く……』


 五号機に搭乗した操縦者はそう呟きながら砲身を相手の「鋼鉄の鎧騎士」に向ける。
 そしてゆらゆらと揺らめいていたその砲身がぴたりと止まった瞬間、それは魔光弾を放つ。

 
 
 じじじじじぃ……
 きゅうぅううううぅぅぅぅ~

 かっ!

 どしゅぅうううううううぅぅぅっ!!!!


 先ほどの魔光弾の発射と違い完全に赤い細い光となって放たれるそれは五号機自体もその威力に足場を揺らしよろめくほどだった。
 赤い閃光は瞬時に「対魔の盾」を構えたドドスの「鋼鉄の鎧騎士」を捕らえる。

 そして次の瞬間、まるでその赤い光に切断されるかのように「対魔の盾」後ごとろにいた「鋼鉄の鎧騎士」も貫く。
 が、五号機がよろめいたため赤い光はその横にずれ隣の「対魔の盾」を構えた「鋼鉄の鎧騎士に移る。


 じじじじぃ……

 ずぱんっ!


 どっがぁあああああぁぁああぁぁんんッっ!!!!


 その赤い光は二体の「対魔の盾」を構えた「鋼鉄の鎧騎士」を貫き焼き切り上半身をずらしてから爆発を起こす。
 その余波は周りにいた「鋼鉄の鎧騎士」をも一緒に吹き飛ばす。

 
「やったぁっ!!」


 思わず私もそれを見てそう叫んだ時だった。


 じじじじじぃ……
 ぐぐぐぐぅ……


 どっが――――ぁあああぁんッ!!



「何っ!?」

「なんですのっ!?」

 その爆発は間近で起こった。
 私は反射的に私たちに【絶対防壁】を展開する。



 そして爆発音がした方を見ると、そこには魔光弾ランチャーごと爆発に包まれる五号機の姿があったのだった。
  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...