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「アル?大丈夫?」
「……ん?」
目を覚ますとベッドの上だった。
……そうだ思い出した。
俺は漂流していて先程助けられたのであった。
どうやら安堵し、眠ってしまっていたようだ。
「いやーにしてもよく生きてたねー。アル。」
声の方に目を向けるとどこか見覚えのある顔があった。
「……?あ!お前!レインか!?」
昔まだ小さかった頃王国とアナテルとの国交正常化を成し遂げるにあたり、王国とアナテル国の婚姻同盟を結ぶことになった。
その時まだ、6歳だったエルドニア国王の孫の俺とアナテル国の国王の孫娘のレインが初めてあったのだ。
つまりは俺の許嫁である。
まだ、幼かったこともあり、成人するまでは結婚はしないとしてきていたが関係は続いていた。
「いやー!懐かしいな!」
「もう何年もあえてなかったからねー。」
アナテル国は帝国とは敵対関係にあったので、帝国を挟んであるエルドニアに来るのは容易ではなく、なかなか会えずにいた。
「いや、本当に助かった。感謝する。……んだけど……。」
「?」
イリスはきれいな赤みがかった髪である。
俺と同じくらいの身長で、昔はいつもお姫様のような格好だったが……。
「なんだ?その格好?」
なんというか……カリブの海賊とイギリス軍の制服の間のような、しっかりとした正装のようにも見えるが少し露出が多い気がする。
胸も大きくもなく小さすぎず丁度良いサイズだと思う。
あとヘソ見えてるんだけど。
「こ、これはアナテル国軍の制服だから仕方なく……。」
「軍にいるのか!?」
一国の姫が軍隊にいる。
昔は走り回るのも嫌いな、おしとやかな娘だった気がするが。
「そんなことより、どうしてあんなところにいたの?」
話題を変えてきた。
取り敢えず俺は全てを説明した。
これまでにあったことすべて。
母上のことも含めて。
「フレン様が……。」
母上は俺とレインが初めてあったとき、人見知りだったレインと俺とよく遊んでくれていた。
レインにとっても忘れられない存在だろう。
「……ところでそのセラって女は?どういう関係?イリスとか言う女も。」
「どういう関係って言っても、信頼している仲間だよ。」
レインの目線がつらい。
「本当にそれだけ?」
「はい。」
ずっと疑いの眼差しを向けてくる。
「取り敢えず仲間と合流したい。近くにいると思うからちょっと探して見てくれないか?」
「……嫌。」
そっぽ向くレイン。
「聞くとセラって女は帝国の人間で、セインは一度裏切って、ローゼンとルーゼンは盗賊ギルド?そんな奴ら信用ならないわね。」
「いや、でも今は……。」
レインは立ち上がる。
「何を言っても駄目だから。これ以上貴方に危険な目にあってほしく無いの。王国も今や全て帝国のものだし……。」
「……叔父上がまだ戦っているだろ?」
レインは少し驚いた顔をするがすぐにいつも通りの表情に戻る。
「いえ、何でもないわ。忘れて。」
「……お、おい!」
部屋を出ようと扉の前まで行くレイン。
それを止めようとベッドから起きようと思うが体がうまく動かない。
というか腕とベッドがロープで繋がれている。
あ、足もじゃん。
「あ、あのーレインさん?」
「貴方そんな傷だらけになってたのに今までまともに休んでなかったんでしょ。昔から我慢する子だったもんね。とにかく今から港に戻るから絶対安静にしててね。それまで私が面倒を見るから。」
扉を出るときレインがこちらを見ていた。
なんか笑ってた。
レインのきれいな赤い瞳がとても怖く感じた。
(俺どうなるんだろ?)
「……ん?」
目を覚ますとベッドの上だった。
……そうだ思い出した。
俺は漂流していて先程助けられたのであった。
どうやら安堵し、眠ってしまっていたようだ。
「いやーにしてもよく生きてたねー。アル。」
声の方に目を向けるとどこか見覚えのある顔があった。
「……?あ!お前!レインか!?」
昔まだ小さかった頃王国とアナテルとの国交正常化を成し遂げるにあたり、王国とアナテル国の婚姻同盟を結ぶことになった。
その時まだ、6歳だったエルドニア国王の孫の俺とアナテル国の国王の孫娘のレインが初めてあったのだ。
つまりは俺の許嫁である。
まだ、幼かったこともあり、成人するまでは結婚はしないとしてきていたが関係は続いていた。
「いやー!懐かしいな!」
「もう何年もあえてなかったからねー。」
アナテル国は帝国とは敵対関係にあったので、帝国を挟んであるエルドニアに来るのは容易ではなく、なかなか会えずにいた。
「いや、本当に助かった。感謝する。……んだけど……。」
「?」
イリスはきれいな赤みがかった髪である。
俺と同じくらいの身長で、昔はいつもお姫様のような格好だったが……。
「なんだ?その格好?」
なんというか……カリブの海賊とイギリス軍の制服の間のような、しっかりとした正装のようにも見えるが少し露出が多い気がする。
胸も大きくもなく小さすぎず丁度良いサイズだと思う。
あとヘソ見えてるんだけど。
「こ、これはアナテル国軍の制服だから仕方なく……。」
「軍にいるのか!?」
一国の姫が軍隊にいる。
昔は走り回るのも嫌いな、おしとやかな娘だった気がするが。
「そんなことより、どうしてあんなところにいたの?」
話題を変えてきた。
取り敢えず俺は全てを説明した。
これまでにあったことすべて。
母上のことも含めて。
「フレン様が……。」
母上は俺とレインが初めてあったとき、人見知りだったレインと俺とよく遊んでくれていた。
レインにとっても忘れられない存在だろう。
「……ところでそのセラって女は?どういう関係?イリスとか言う女も。」
「どういう関係って言っても、信頼している仲間だよ。」
レインの目線がつらい。
「本当にそれだけ?」
「はい。」
ずっと疑いの眼差しを向けてくる。
「取り敢えず仲間と合流したい。近くにいると思うからちょっと探して見てくれないか?」
「……嫌。」
そっぽ向くレイン。
「聞くとセラって女は帝国の人間で、セインは一度裏切って、ローゼンとルーゼンは盗賊ギルド?そんな奴ら信用ならないわね。」
「いや、でも今は……。」
レインは立ち上がる。
「何を言っても駄目だから。これ以上貴方に危険な目にあってほしく無いの。王国も今や全て帝国のものだし……。」
「……叔父上がまだ戦っているだろ?」
レインは少し驚いた顔をするがすぐにいつも通りの表情に戻る。
「いえ、何でもないわ。忘れて。」
「……お、おい!」
部屋を出ようと扉の前まで行くレイン。
それを止めようとベッドから起きようと思うが体がうまく動かない。
というか腕とベッドがロープで繋がれている。
あ、足もじゃん。
「あ、あのーレインさん?」
「貴方そんな傷だらけになってたのに今までまともに休んでなかったんでしょ。昔から我慢する子だったもんね。とにかく今から港に戻るから絶対安静にしててね。それまで私が面倒を見るから。」
扉を出るときレインがこちらを見ていた。
なんか笑ってた。
レインのきれいな赤い瞳がとても怖く感じた。
(俺どうなるんだろ?)
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