49 / 93
開戦の狼煙
しおりを挟む
「それにしてもすごい数だな。」
「あぁ。」
俺は今、ジゲンと共に陣を見渡している。
因みにジゲンとジョナサンにはしっかりと問いただしておいた。
向こうにはマトウ軍の主力1万。
対するこちらは1万5千。
数の上ではこちらが勝っているように見えるが、実はそういうわけではない。
レイン率いるアナテル軍は5千。
そしてレイン方面の敵軍は1万。
元々つれてきたアナテルの援軍は1万だったのだが、半分をこちらに持ってきて、こちらを主力にして敵主力を打ち破り、レイン方面の敵を挟撃するという手筈だ。
同数同士が戦えばどちらも負ける可能性がある。
しかし、片方に戦力を集中させれば、片方は勝てる。
それに、レインには防衛に徹しろと指示を出してある。
レインの実力は確かだしすぐに全滅は無いだろう。
「おお!あの旗印は神刀派に並ぶとも言われる武刃派のものだ。あっちに見えるのは歴史ある派の甲義派か。」
「こちらもよくこんなに集まってくれたよな。」
さまざまな旗印がならんでおり、中々壮観である。
それぞれの派のリーダーが最前線で戦ってくれるのはとても頼れるものである。
この地方は王族による統治が無くなってからは各領主がそれぞれ自分の派閥を作り、好き放題やっていた。
傭兵として活躍するものや他の国に仕えた者、戦から離れ自分の所領に引きこもった者等様々である。
そんな者達がここに集まってくれたのだ。
「アルフレッド様!」
「おお!これは遠路はるばるありがとうございます。ジゼル殿!」
緑がかった髪をした彼はアナテル国の陸軍大将である。
実力はすさまじく、レインの武術の指南役だったらしい。
因みにレインの元には海軍大将のマインがついている。
女ながらにして、海軍大将まで上り詰めたとして、アナテルでは、有名人である。
レインは軍略についてはマインから教わったそうだ。
因みにレインは軍を総括する立場の上級大将となっている。
それほどの実力が彼女にはあるという。
「いえいえ、姫の婿殿のためでしたらどこへでも行きますとも。」
「ありがたい。ですが、エルドニアが無い今、その約束が生きているのかどうか。」
正直国が無くなった以上、婚姻同盟の意味もないので、それがまだ効力を持っているのかは謎である。
「何をおっしゃいますか!姫より相思相愛と聞いていますぞ!」
一体レインは何を言ったのか。
今度問いただしてみよう。
「まぁ、取り敢えず今は目の前のことに集中致しましょう。」
こちらは中央には神刀派や、我々の手勢を筆頭としてセラ、ジョナサン、ローゼンの3人を配置し、右翼にジゼル、左翼にヤン殿を配置している。
作戦としては中央の突破力をもってして、敵陣を突破し、敵陣後方より、両翼と連携し、敵を挟撃するというものである。
シンプルだが、あの3人なら可能だと判断した。
因みにセインは傷が深い(自業自得含め)ので本拠地にて待機、イリスは後方にて負傷者の手当てを行っている。
「では、挨拶も済ませたので私は陣へ戻ります。」
「ええ、では。」
走り去っていくジゼル。
寝返りについては不安だったので、セインに手勢を使って調べさせ、既に白だということはわかっている。
「いよいよだなジゲン。」
「あぁ。前世で果たせなかったお家の再興を今度こそ果たして見せるぞ。」
ジゲンは刀を抜き、天に掲げる。
そしてそれを一気に振り下ろした。
「全軍!かかれ!」
「そら!」
ローゼンの斧の一薙ぎで複数の敵が倒れる。
「はあっ!」
それに負けじとセラも前線で槍を振るう。
結局アルフレッドとセラがどうなったのか聞けずじまいだったが、この戦が終わってからで良いだろう。
それに、大体予想はつく。
「ジョナサン!後ろ!」
セラの声が聞こえる。
しかし、声がする前から敵が来ていることは気づいていた。
「大丈夫です。」
しかし、後ろの敵が攻撃することはなかった。
既に倒れている。
「もう斬りました。」
「す、すごい……。」
こちらは一応剣豪将軍足利義輝の生まれ変わりだ。
もうあまり記憶は残ってはいないのだが、剣術は体が覚えていた。
まぁ、完璧ではないが。
これまではあまり注目を浴びたくないので、控えめに戦っていたが、もう隠す必要もないだろう。
「……気になるな。」
「どうした!?ジョナサン殿!?」
ローゼンが近づいてくる。
「いえ、少しうまく行きすぎている気がして。相手は教団がついてますし、ルーゼン殿が指揮をとっていると考えると何か相手に策があるのではないかと。」
予めの調査で神聖帝国襲撃を企んでいた教団の部隊は一部がこちらに合流していることは判明していた。
するとローゼンはしばらく考えてから口を開く。
「おう。難しいことはよくわからねぇが確かに兄貴なら、何か仕掛けてくると思うぜ。ここは俺達に任せて、お前はアルフレッド様の所へ行ってきな。」
なるほど、弟であるローゼンが言うのなら本当に何かあるかもしれない。
急いで向かうとしよう。
「ありがとうございます。では。」
順調すぎる。
中央はうまく敵を押し、もうすぐ突破出来そうな勢いだ。
両翼も上手くやってくれている。
「どうした?アルフレッド?」
「いや、少し違和感が……。」
だが、一体何があるというのだろうか。
俺が敵なら……。
「っ!まさか!地図をくれ!」
近くにいた者に地図を持ってこさせる。
地図を見て、最悪の事態を想定する。
「いや、流石に……。だが……。」
「おい!一体どうしたと言うんだ!?」
流石にこちらの様子が気になったのかジゲンが疑問を口にする。
「伝令!レインの方はどうなっている!?」
「はっ!にらみ合いが続いており、まだ、戦は始まっておりません!」
レインの方には遠話水晶で適時連絡を取れるようにしていた。
そして、まだ戦闘が始まっていないというのならもはや確定だろう。
「ジゲン。敵はこちらと同じことを考えてるぞ。」
「どういうことだ?っ!まさか!」
戦場を見渡す。
敵中央はもはや崩れはじめており、圧倒的優勢である。
「あぁ。相手もアナテル方面の部隊をこちらに回してきているぞ。」
しかも敢えてタイミングをずらし、兵が疲弊したタイミングや、この本陣と味方部隊が引き離されたタイミングで挟撃しに来る。
まだ、現れていないが必ずや来るだろう。
なぜならこのような手口を俺は知っている。
「くそ!セイルズめ!」
「一体どこから現れるんだ!?」
ジゲンも地図を見る。
「わからん。候補地が多すぎる。だが、この本陣を動かして対応して時間稼ぎをすれば、勝てる。本隊と合流すれば敵の別働隊よりも兵力は勝るはずだからな。」
「なるほどな……。」
しかし場所がわからない。
一か八かで動かすのはリスクが高すぎる。
かと言って現れてから動いたのでは遅すぎる。
一体どうすれば……。
「急げ!」
林道の中を走る。
違和感を感じ、そのことをアルフレッドに伝えるために少数の手勢を率いて走っていた。
「ジョナサン様!一体何が!?」
「恐らくだが、敵も部隊をこちらへ回している!」
恐らく今がベストタイミングである。
挟撃するならば本陣と主力が離れた今がチャンスだ。
アルフレッドがそのことに気付いていない可能性もある。
だから急いでいるのだ。
「っ!誰だ!」
すると先頭を走っていた者が馬を止め、左の林を見つめる。
剣に手をかけている。
馬を止め、そちらの方を見ると林の中に無数の人影があった。
「ちっ!気づかれたか!全くツイてない!」
「ですが隊長!敵は少数です!全滅させましょう!」
林の中に隠れていた無数の敵が出てきた。
恐らく挟撃しようとこちらの方面に来た敵の別働隊だろう。
「おい。今すぐ全員で散らばってこのことをアルフレッド様に伝えろ。もし、本陣にたどり着けなさそうなら火でも放てば嫌でも気づくだろう。それに運が良ければ敵も死ぬ。」
「ジョナサン様は!?」
馬を降り、剣を抜く。
「全員。短剣のみを携帯しろ。剣は地面に刺しておけ。ここは俺が食い止める。」
仲間達は戸惑いを隠していない。
「良いからいけ!早くしろ!」
すると仲間たちは多少戸惑いつつも剣を地面に刺し、馬を走らせた。
「逃がすな!追え!」
「させん!」
弓を構えた敵兵に剣を投げて殺した。
「あいつらを追いたければま俺を倒してからいけ。ただではやられ無いがな。」
背負っていた弓も地面に置き、地面に刺さっていた剣を抜き、構える。
「全員で囲んで殺せ!」
敵の少し太った隊長が号令を出すと即座に囲まれた。
(では剣豪将軍の本気を出すとしようか!)
「あぁ。」
俺は今、ジゲンと共に陣を見渡している。
因みにジゲンとジョナサンにはしっかりと問いただしておいた。
向こうにはマトウ軍の主力1万。
対するこちらは1万5千。
数の上ではこちらが勝っているように見えるが、実はそういうわけではない。
レイン率いるアナテル軍は5千。
そしてレイン方面の敵軍は1万。
元々つれてきたアナテルの援軍は1万だったのだが、半分をこちらに持ってきて、こちらを主力にして敵主力を打ち破り、レイン方面の敵を挟撃するという手筈だ。
同数同士が戦えばどちらも負ける可能性がある。
しかし、片方に戦力を集中させれば、片方は勝てる。
それに、レインには防衛に徹しろと指示を出してある。
レインの実力は確かだしすぐに全滅は無いだろう。
「おお!あの旗印は神刀派に並ぶとも言われる武刃派のものだ。あっちに見えるのは歴史ある派の甲義派か。」
「こちらもよくこんなに集まってくれたよな。」
さまざまな旗印がならんでおり、中々壮観である。
それぞれの派のリーダーが最前線で戦ってくれるのはとても頼れるものである。
この地方は王族による統治が無くなってからは各領主がそれぞれ自分の派閥を作り、好き放題やっていた。
傭兵として活躍するものや他の国に仕えた者、戦から離れ自分の所領に引きこもった者等様々である。
そんな者達がここに集まってくれたのだ。
「アルフレッド様!」
「おお!これは遠路はるばるありがとうございます。ジゼル殿!」
緑がかった髪をした彼はアナテル国の陸軍大将である。
実力はすさまじく、レインの武術の指南役だったらしい。
因みにレインの元には海軍大将のマインがついている。
女ながらにして、海軍大将まで上り詰めたとして、アナテルでは、有名人である。
レインは軍略についてはマインから教わったそうだ。
因みにレインは軍を総括する立場の上級大将となっている。
それほどの実力が彼女にはあるという。
「いえいえ、姫の婿殿のためでしたらどこへでも行きますとも。」
「ありがたい。ですが、エルドニアが無い今、その約束が生きているのかどうか。」
正直国が無くなった以上、婚姻同盟の意味もないので、それがまだ効力を持っているのかは謎である。
「何をおっしゃいますか!姫より相思相愛と聞いていますぞ!」
一体レインは何を言ったのか。
今度問いただしてみよう。
「まぁ、取り敢えず今は目の前のことに集中致しましょう。」
こちらは中央には神刀派や、我々の手勢を筆頭としてセラ、ジョナサン、ローゼンの3人を配置し、右翼にジゼル、左翼にヤン殿を配置している。
作戦としては中央の突破力をもってして、敵陣を突破し、敵陣後方より、両翼と連携し、敵を挟撃するというものである。
シンプルだが、あの3人なら可能だと判断した。
因みにセインは傷が深い(自業自得含め)ので本拠地にて待機、イリスは後方にて負傷者の手当てを行っている。
「では、挨拶も済ませたので私は陣へ戻ります。」
「ええ、では。」
走り去っていくジゼル。
寝返りについては不安だったので、セインに手勢を使って調べさせ、既に白だということはわかっている。
「いよいよだなジゲン。」
「あぁ。前世で果たせなかったお家の再興を今度こそ果たして見せるぞ。」
ジゲンは刀を抜き、天に掲げる。
そしてそれを一気に振り下ろした。
「全軍!かかれ!」
「そら!」
ローゼンの斧の一薙ぎで複数の敵が倒れる。
「はあっ!」
それに負けじとセラも前線で槍を振るう。
結局アルフレッドとセラがどうなったのか聞けずじまいだったが、この戦が終わってからで良いだろう。
それに、大体予想はつく。
「ジョナサン!後ろ!」
セラの声が聞こえる。
しかし、声がする前から敵が来ていることは気づいていた。
「大丈夫です。」
しかし、後ろの敵が攻撃することはなかった。
既に倒れている。
「もう斬りました。」
「す、すごい……。」
こちらは一応剣豪将軍足利義輝の生まれ変わりだ。
もうあまり記憶は残ってはいないのだが、剣術は体が覚えていた。
まぁ、完璧ではないが。
これまではあまり注目を浴びたくないので、控えめに戦っていたが、もう隠す必要もないだろう。
「……気になるな。」
「どうした!?ジョナサン殿!?」
ローゼンが近づいてくる。
「いえ、少しうまく行きすぎている気がして。相手は教団がついてますし、ルーゼン殿が指揮をとっていると考えると何か相手に策があるのではないかと。」
予めの調査で神聖帝国襲撃を企んでいた教団の部隊は一部がこちらに合流していることは判明していた。
するとローゼンはしばらく考えてから口を開く。
「おう。難しいことはよくわからねぇが確かに兄貴なら、何か仕掛けてくると思うぜ。ここは俺達に任せて、お前はアルフレッド様の所へ行ってきな。」
なるほど、弟であるローゼンが言うのなら本当に何かあるかもしれない。
急いで向かうとしよう。
「ありがとうございます。では。」
順調すぎる。
中央はうまく敵を押し、もうすぐ突破出来そうな勢いだ。
両翼も上手くやってくれている。
「どうした?アルフレッド?」
「いや、少し違和感が……。」
だが、一体何があるというのだろうか。
俺が敵なら……。
「っ!まさか!地図をくれ!」
近くにいた者に地図を持ってこさせる。
地図を見て、最悪の事態を想定する。
「いや、流石に……。だが……。」
「おい!一体どうしたと言うんだ!?」
流石にこちらの様子が気になったのかジゲンが疑問を口にする。
「伝令!レインの方はどうなっている!?」
「はっ!にらみ合いが続いており、まだ、戦は始まっておりません!」
レインの方には遠話水晶で適時連絡を取れるようにしていた。
そして、まだ戦闘が始まっていないというのならもはや確定だろう。
「ジゲン。敵はこちらと同じことを考えてるぞ。」
「どういうことだ?っ!まさか!」
戦場を見渡す。
敵中央はもはや崩れはじめており、圧倒的優勢である。
「あぁ。相手もアナテル方面の部隊をこちらに回してきているぞ。」
しかも敢えてタイミングをずらし、兵が疲弊したタイミングや、この本陣と味方部隊が引き離されたタイミングで挟撃しに来る。
まだ、現れていないが必ずや来るだろう。
なぜならこのような手口を俺は知っている。
「くそ!セイルズめ!」
「一体どこから現れるんだ!?」
ジゲンも地図を見る。
「わからん。候補地が多すぎる。だが、この本陣を動かして対応して時間稼ぎをすれば、勝てる。本隊と合流すれば敵の別働隊よりも兵力は勝るはずだからな。」
「なるほどな……。」
しかし場所がわからない。
一か八かで動かすのはリスクが高すぎる。
かと言って現れてから動いたのでは遅すぎる。
一体どうすれば……。
「急げ!」
林道の中を走る。
違和感を感じ、そのことをアルフレッドに伝えるために少数の手勢を率いて走っていた。
「ジョナサン様!一体何が!?」
「恐らくだが、敵も部隊をこちらへ回している!」
恐らく今がベストタイミングである。
挟撃するならば本陣と主力が離れた今がチャンスだ。
アルフレッドがそのことに気付いていない可能性もある。
だから急いでいるのだ。
「っ!誰だ!」
すると先頭を走っていた者が馬を止め、左の林を見つめる。
剣に手をかけている。
馬を止め、そちらの方を見ると林の中に無数の人影があった。
「ちっ!気づかれたか!全くツイてない!」
「ですが隊長!敵は少数です!全滅させましょう!」
林の中に隠れていた無数の敵が出てきた。
恐らく挟撃しようとこちらの方面に来た敵の別働隊だろう。
「おい。今すぐ全員で散らばってこのことをアルフレッド様に伝えろ。もし、本陣にたどり着けなさそうなら火でも放てば嫌でも気づくだろう。それに運が良ければ敵も死ぬ。」
「ジョナサン様は!?」
馬を降り、剣を抜く。
「全員。短剣のみを携帯しろ。剣は地面に刺しておけ。ここは俺が食い止める。」
仲間達は戸惑いを隠していない。
「良いからいけ!早くしろ!」
すると仲間たちは多少戸惑いつつも剣を地面に刺し、馬を走らせた。
「逃がすな!追え!」
「させん!」
弓を構えた敵兵に剣を投げて殺した。
「あいつらを追いたければま俺を倒してからいけ。ただではやられ無いがな。」
背負っていた弓も地面に置き、地面に刺さっていた剣を抜き、構える。
「全員で囲んで殺せ!」
敵の少し太った隊長が号令を出すと即座に囲まれた。
(では剣豪将軍の本気を出すとしようか!)
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ハイエルフ少女と三十路弱者男の冒険者ワークライフ ~最初は弱いが、努力ガチャを引くたびに強くなる~
スィグトーネ
ファンタジー
年収が低く、非正規として働いているため、決してモテない男。
それが、この物語の主人公である【東龍之介】だ。
そんな30歳の弱者男は、飲み会の帰りに偶然立ち寄った神社で、異世界へと移動することになってしまう。
異世界へ行った男が、まず出逢ったのは、美しい紫髪のエルフ少女だった。
彼女はエルフの中でも珍しい、2柱以上の精霊から加護を受けるハイエルフだ。
どうして、それほどの人物が単独で旅をしているのか。彼女の口から秘密が明かされることで、2人のワークライフがはじまろうとしている。
※この物語で使用しているイラストは、AIイラストさんのものを使用しています。
※なかには過激なシーンもありますので、外出先等でご覧になる場合は、くれぐれもご注意ください。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。
大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。
そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。
しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。
戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。
「面白いじゃん?」
アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる