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家族との時間
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「「「……すいませんでした。」」」
俺は今、城の俺の部屋にて母上とレインとセラを叱っていた。
3人には正座をさせている。
まだ体が万全な状態ではないというのに、無理をしてここまで来て、式典を台無しにしてくれたのだ。
そして、レインまでも何故かいるし。
話を聞くとレインは出航する直前に母上からの知らせを受けて、急いで支度をして来たそうだ。
因みに衣装はイリスさんが用意したらしい。
母上達の狙いはあの場で俺の血筋を証明し、後を継ぐ事を認めさせ、ついでに2人を俺の嫁として紹介することでとっとと結婚させようとしたらしい。
まあ、結局狙い通りになっているのが腹立たしいが。
「ね、ねぇアル?なんでイリスはお咎め無しなの?」
「イリスさんが母上から頼まれたら断れると思いますか?」
母上は何も言い返せない。
イリスさんは部屋の隅で申し訳無さそうにしている。
自分も怒られると思っていたのだろう。
そして、流石に可哀想になってきたのでセインに指示を出し、3人分の椅子を持ってこさせた。
「……アルフレッド様。」
「ん?どうした?セラ。」
3人は椅子を用意したにも関わらず、座ろうとしない。
「立てません。」
「……。」
キリッとした顔で言う。
いや、そんなかっこ良く言ってもセリフはダサいのだが。
まあ、この世界の人間に正座は少しきつかったか。
「ふぅ……ありがとうございます。」
「た、助かった。」
「生き返ったばっかりなのにこれは酷くない……?」
補助してあげてやっと椅子に座らせられた。
「これに懲りたらもう勝手な事はしないでくださいね。」
「……え?」
母上が変な声を上げる。
「母上……まさかまだ……。」
「いや、その、もしもよ?もしも他にも既に何かしようとしていたら……。また、正座?」
無言で頷く。
「……。」
3人共目を合わせようとしない。
いや、イリスさんの方を見てみるとイリスさんも目を合わせようとしない。
「……母上?」
「ええい!ままよ!」
母上が手を上げる。
すると、辺りが一気に暗くなる。
「なっ!?」
カーテンが閉まる音がしたので使用人は母上のグルだったのか。
ほんの微かな光しか入ってきていない。
明るいところに慣れたこの目ではほとんど何も見えていない。
「母上!?反省してませんね!?」
しかし、反応は無い。
だが、気配はある。
念のため周囲を警戒しておく。
幸い壁が近かったので壁を背にして剣は持ってきていなかったので、護身用の短剣を構える。
だが、構えると同時にカーテンが開き、光が差し込んだ。
「っ!」
いきなり眩しくなったので、一瞬ひるんだが俺の心配は杞憂だったようだ。
「「アル!」」
「「アルフレッド様!」」
「若!」
母上とレイン、セラとイリス、更にはセインまでもがクラッカーを持ち、待ち構えていた。
脇には使用人もクラッカーを持って待ち構えていた。
目の前には人の身長程もあるケーキがある。
なるほど、まだ何も言われていないがどういうことかは察せた。
「「「「「誕生日おめでとうございます!」」」」」
クラッカーがならされ、中身が舞う。
確かに最近すっかり忙しくて忘れていたが今日は俺の誕生日だ。
俺は取り敢えず短剣をしまった。
「……セイン。いつの間にお前もそっち側になった……。」
「最初からです。」
最初からと言っているが一体どこが最初なのかも分からん。
「セインはね、時計塔から私達を引きずり下ろすときに勧誘したの。」
「……はあ。まあいいや。取り敢えずありがとう。皆。すっかり忘れていたよ。これで17になったのか。」
するとレインが近づいてきた。
「これは私からのプレゼントよ!誕生日おめでとう!」
「おお!ありがとう!開けてもいいか?」
前世でこういった事を全くやったことが無かったのでとても嬉しい。
「ええ!勿論!」
箱を開けると中にあったのはアナテルに伝わる伝統衣装であった。
でも、確かこの衣装は……。
「えっと、レイン?この衣装って確か……。」
「ええ!その衣装を来た人はその衣装と対になる衣装を着ている異性と結ばれるって話があるのよ。永遠に、死んだあとも、転生したとしてもね。」
レインの目が怖い。
そして、転生は実際にしているので、本当にありそうで怖い。
俺は箱を閉じた。
「うん、ありがとう、大事にするよ。」
「え!?着てくれないの!?」
不満を隠そうとしないレインをよそに、他の者からもプレゼントをもらう。
イリスさんは孤児院の子供達と作ったというマフラーである。
これから寒くなる季節なのでありがたい。
セインは使用人から剣を受けとると、俺に渡してきた。
剣はとても豪華な意匠が施されていた。
「元々個人的にこの日に渡そうと、この国の最高の鍛冶師に作らせたものです。」
「おお!これはすごいな!」
剣を鞘から抜き、刀身をみるとすごい業物だというのが分かる。
「今後は若も大衆の前に立つ事が多くなるはずです、そういった場面でも使えるように致しました。」
さすがはセインだ。
よく考えられている。
「ありがとう。セイン。」
「いえ、当たり前の事をしたまでです。」
そして、次に俺はセラと母上からプレゼントを貰った。
「私達は2人から合同でプレゼントよ!」
「2人分なので、期待してください!」
少し大きめの箱を貰う。
「では。」
箱を開ける。
そこには宝石がいくつか入っていた。
様々な色の宝石が光輝いている。
「これは?」
「それらの宝石は私がこれまで大事にしてきた宝石の全てです。」
「私がお母様から受け継いだ物も入ってるわ。お母様は宝石集めが趣味だったようでね、セラも綺麗な物が好きだったから、私が受け継いだのをセラに渡していたの。だから私とセラからの贈り物よ。」
少し見ただけでも分かるほどに全てが高いものだと分かる。
「因みに、その中にあるもの全てを合わせたら国はは買えるわね。簡単に。」
「それほど高価なものをなぜ?」
すると、2人は笑う。
「その宝石はね、お守りでもあるの。それをお母様から受け継いだらお母様は病で亡くなったわ。そして私もセラに渡したら死んじゃったし。でね、2人で話してやっぱりアルには死んでほしく無いよねってなってアルに渡すってことになったの。」
「でも、それだとセラが……。」
お守りというか不吉なものの気がしてきた。
「いえ、大丈夫です。因みにですけど、フレン様のお母様が最初に拾ったこの宝石がお守りの効果があるらしいです。」
セラは箱の中から1つの宝石を取り出した。
おそらく、この他は本当になんの効果もないただ綺麗な宝石なのだろう。
一際大きく、赤く光り輝いている。
「これからは常に一緒にいるのですからあなたの物は私の物に逆に私の物はあなたの物にもなるんです。だから大丈夫です。」
そう言われてしまうと何も言い返せない。
まあ、そもそも確実な証拠が無いのだ。
信じすぎるのも良くないだろう。
「そうか、ならわかった。」
そして、俺は一度皆にしっかりと向き直った。
「今日は本当にありがとう!最高に嬉しいよ!さあ、今日はパーティーだ!皆で楽しむとしよう!」
せっかくこんな大きなケーキがあるんだ。
皆で味あわなくては損だ。
その日は夜遅くまで使用人達も交えての誕生日パーティーとなった。
俺がこの世界に転生してきてこんなに楽しいと感じた事はない。
先程の宝石も使い方は決めたし、目一杯楽しむとしよう。
俺は今、城の俺の部屋にて母上とレインとセラを叱っていた。
3人には正座をさせている。
まだ体が万全な状態ではないというのに、無理をしてここまで来て、式典を台無しにしてくれたのだ。
そして、レインまでも何故かいるし。
話を聞くとレインは出航する直前に母上からの知らせを受けて、急いで支度をして来たそうだ。
因みに衣装はイリスさんが用意したらしい。
母上達の狙いはあの場で俺の血筋を証明し、後を継ぐ事を認めさせ、ついでに2人を俺の嫁として紹介することでとっとと結婚させようとしたらしい。
まあ、結局狙い通りになっているのが腹立たしいが。
「ね、ねぇアル?なんでイリスはお咎め無しなの?」
「イリスさんが母上から頼まれたら断れると思いますか?」
母上は何も言い返せない。
イリスさんは部屋の隅で申し訳無さそうにしている。
自分も怒られると思っていたのだろう。
そして、流石に可哀想になってきたのでセインに指示を出し、3人分の椅子を持ってこさせた。
「……アルフレッド様。」
「ん?どうした?セラ。」
3人は椅子を用意したにも関わらず、座ろうとしない。
「立てません。」
「……。」
キリッとした顔で言う。
いや、そんなかっこ良く言ってもセリフはダサいのだが。
まあ、この世界の人間に正座は少しきつかったか。
「ふぅ……ありがとうございます。」
「た、助かった。」
「生き返ったばっかりなのにこれは酷くない……?」
補助してあげてやっと椅子に座らせられた。
「これに懲りたらもう勝手な事はしないでくださいね。」
「……え?」
母上が変な声を上げる。
「母上……まさかまだ……。」
「いや、その、もしもよ?もしも他にも既に何かしようとしていたら……。また、正座?」
無言で頷く。
「……。」
3人共目を合わせようとしない。
いや、イリスさんの方を見てみるとイリスさんも目を合わせようとしない。
「……母上?」
「ええい!ままよ!」
母上が手を上げる。
すると、辺りが一気に暗くなる。
「なっ!?」
カーテンが閉まる音がしたので使用人は母上のグルだったのか。
ほんの微かな光しか入ってきていない。
明るいところに慣れたこの目ではほとんど何も見えていない。
「母上!?反省してませんね!?」
しかし、反応は無い。
だが、気配はある。
念のため周囲を警戒しておく。
幸い壁が近かったので壁を背にして剣は持ってきていなかったので、護身用の短剣を構える。
だが、構えると同時にカーテンが開き、光が差し込んだ。
「っ!」
いきなり眩しくなったので、一瞬ひるんだが俺の心配は杞憂だったようだ。
「「アル!」」
「「アルフレッド様!」」
「若!」
母上とレイン、セラとイリス、更にはセインまでもがクラッカーを持ち、待ち構えていた。
脇には使用人もクラッカーを持って待ち構えていた。
目の前には人の身長程もあるケーキがある。
なるほど、まだ何も言われていないがどういうことかは察せた。
「「「「「誕生日おめでとうございます!」」」」」
クラッカーがならされ、中身が舞う。
確かに最近すっかり忙しくて忘れていたが今日は俺の誕生日だ。
俺は取り敢えず短剣をしまった。
「……セイン。いつの間にお前もそっち側になった……。」
「最初からです。」
最初からと言っているが一体どこが最初なのかも分からん。
「セインはね、時計塔から私達を引きずり下ろすときに勧誘したの。」
「……はあ。まあいいや。取り敢えずありがとう。皆。すっかり忘れていたよ。これで17になったのか。」
するとレインが近づいてきた。
「これは私からのプレゼントよ!誕生日おめでとう!」
「おお!ありがとう!開けてもいいか?」
前世でこういった事を全くやったことが無かったのでとても嬉しい。
「ええ!勿論!」
箱を開けると中にあったのはアナテルに伝わる伝統衣装であった。
でも、確かこの衣装は……。
「えっと、レイン?この衣装って確か……。」
「ええ!その衣装を来た人はその衣装と対になる衣装を着ている異性と結ばれるって話があるのよ。永遠に、死んだあとも、転生したとしてもね。」
レインの目が怖い。
そして、転生は実際にしているので、本当にありそうで怖い。
俺は箱を閉じた。
「うん、ありがとう、大事にするよ。」
「え!?着てくれないの!?」
不満を隠そうとしないレインをよそに、他の者からもプレゼントをもらう。
イリスさんは孤児院の子供達と作ったというマフラーである。
これから寒くなる季節なのでありがたい。
セインは使用人から剣を受けとると、俺に渡してきた。
剣はとても豪華な意匠が施されていた。
「元々個人的にこの日に渡そうと、この国の最高の鍛冶師に作らせたものです。」
「おお!これはすごいな!」
剣を鞘から抜き、刀身をみるとすごい業物だというのが分かる。
「今後は若も大衆の前に立つ事が多くなるはずです、そういった場面でも使えるように致しました。」
さすがはセインだ。
よく考えられている。
「ありがとう。セイン。」
「いえ、当たり前の事をしたまでです。」
そして、次に俺はセラと母上からプレゼントを貰った。
「私達は2人から合同でプレゼントよ!」
「2人分なので、期待してください!」
少し大きめの箱を貰う。
「では。」
箱を開ける。
そこには宝石がいくつか入っていた。
様々な色の宝石が光輝いている。
「これは?」
「それらの宝石は私がこれまで大事にしてきた宝石の全てです。」
「私がお母様から受け継いだ物も入ってるわ。お母様は宝石集めが趣味だったようでね、セラも綺麗な物が好きだったから、私が受け継いだのをセラに渡していたの。だから私とセラからの贈り物よ。」
少し見ただけでも分かるほどに全てが高いものだと分かる。
「因みに、その中にあるもの全てを合わせたら国はは買えるわね。簡単に。」
「それほど高価なものをなぜ?」
すると、2人は笑う。
「その宝石はね、お守りでもあるの。それをお母様から受け継いだらお母様は病で亡くなったわ。そして私もセラに渡したら死んじゃったし。でね、2人で話してやっぱりアルには死んでほしく無いよねってなってアルに渡すってことになったの。」
「でも、それだとセラが……。」
お守りというか不吉なものの気がしてきた。
「いえ、大丈夫です。因みにですけど、フレン様のお母様が最初に拾ったこの宝石がお守りの効果があるらしいです。」
セラは箱の中から1つの宝石を取り出した。
おそらく、この他は本当になんの効果もないただ綺麗な宝石なのだろう。
一際大きく、赤く光り輝いている。
「これからは常に一緒にいるのですからあなたの物は私の物に逆に私の物はあなたの物にもなるんです。だから大丈夫です。」
そう言われてしまうと何も言い返せない。
まあ、そもそも確実な証拠が無いのだ。
信じすぎるのも良くないだろう。
「そうか、ならわかった。」
そして、俺は一度皆にしっかりと向き直った。
「今日は本当にありがとう!最高に嬉しいよ!さあ、今日はパーティーだ!皆で楽しむとしよう!」
せっかくこんな大きなケーキがあるんだ。
皆で味あわなくては損だ。
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