93 / 93
ゲームクリア?
しおりを挟む
それからしばらくして、捕虜としてフレク叔父上に預けていたセイルズとランが野盗に襲われて死んだという報せが届いた。
共にいたフルートはどさくさに紛れ、脱走し行方不明とのことだ。
フローゼルは元々こちらで預かっていたので、大丈夫であった。
あれほど俺たちを苦しめたセイルズがこんなにあっけなく死ぬとは驚きである。
彼はセインの父親でもあったし、俺からしても様々な事を教えてくれた師でもあった。
敵ではあるが、しっかりとした墓を建ててあげるとしよう。
ランもリンと一緒の墓に埋めることにした。
なので、俺は今回の戦没者の慰霊碑を多額の金を投じて立てることにした。
敵味方関係なくだ。
また、ジョナサンの墓を彼の地元でもある王国時代の俺の領地に作った。
セインもジゲンも協力してくれた。
そして、俺は内政にも本腰を入れた。
幸いにも帝国は金をかなり溜め込んでいたので、税は低く設定した。
諸外国とも貿易をすることになったので、外交収入や貿易による収入も見込める。
レインもジゲンも永世的に友好関係を築こうと言うことで話がまとまったので、とてもありがたい。
まあ、アナテルは俺がレインと結婚する予定なので今後どうなるのかはわからないが。
また、屯田兵政策も志願者が予定人数を満たしたので実行に移した。
家を継ぐことの出来ない次男坊や三男坊が多く集まった。
これは兵力の補填も目的ではあるので、これから訓練が必要だが、国防力も備わったし未開拓地も開拓出来る。
勿論不満が出ないように精一杯の支援はしている。
だが、彼らを率いる正規軍が俺に不満を持っている者達なので、いずれ反乱は起こるだろうがそれも見越して帝都から遠い所にやったのだ。
そして、やることが一段落ついたころ、俺はセラとレインを呼んだ。
レインが使節団としてこちらに来ているタイミングで、声をかけた。
「で、話って何?アル?」
「あの、本当に私もですか?何か間違ってません?」
まあ、レインと話があるってことは外交関係だと思うだろう。
だが、今回はそうではない。
「いや、そろそろしっかりと覚悟決めないとなって思ってさ。」
「「覚悟?」」
2人の声が見事に重なる。
いきなりこんなことを言われても困惑するだろう。
「2人にこれを受け取って欲しい。」
俺は机の引き出しから2つの小さな箱を取り出し、2人に渡した。
「開けてみてくれ。」
出来るだけ平常心を装っているが、心臓の音がとてもうるさい。
「……あ。」
「これは……。」
箱の中にはあかい宝石がはめ込まれた指輪が入っていた。
「その宝石は前にセラからもらったお守りの効果があるっていう宝石を加工した物だ。家族になるんだから皆に共有しないとな。」
俺は密かに職人にあの宝石を加工して指輪にしてもらったのだ。
「え、えっと、アルフレッド様。これってつまり……。」
「これってプロポーズ?」
セラが恥ずかしがって言えなかった事をレインが何も気にせずに言う。
断られる事は無いと思ったが、想定はしていた。
もし失敗したら俺は死ぬつもりだった。
恥ずかしくて100回は死ねる。
「ま、まぁそうだな。」
「……はぁ。」
「……アルフレッド様。」
レインにため息をつかれた。
セラはどこか真剣な顔をしている。
もし、全部冗談であなたの事が嫌いでした。
なんて言われたら立ち直れない。
まあ、俺の方が立場は上だったからお膳立てとして付き合ってあげていただけでしたとかもあり得る。
「遅いです。」
「……え?」
予想外の答えが帰ってきた。
「そうよ!私達はずっと待ってたのに!」
「えっと……つまりOKってこと?」
「当たり前じゃないですか!」
取り敢えず良かった。
本当に。
「本当に遅かったわね!アル!」
「母上!?」
するといきなり扉を開け、母上が入ってきた。
「レインとセラが呼ばれたって聞いてもしかしてと思って盗み聞きさせてもらったわ!」
「盗み聞きって……。」
少しあきれてしまう。
元気になったのはいいか、やりたい放題やっている。
まあ、母上らしくていいのだが。
「まあ、良いです。」
「ええ!ということで早速式を上げましょう!既に段取りはすんでいるわ!セイン!」
「はっ!」
母上が指をならすと直ぐ様セインが現れた。
セインは書類を渡してきた。
「今後の予定の合間を縫って式の予定を組み込んでおきました。既に支度も整っております。また、諸外国の要人にも既に喧伝しております。ご確認下さい。」
相変わらず手が速い。
というか俺の誕生日の時からセインが母上の手先に成り下がっている。
まあ、別にいいんだが。
「なるほど、外国の要人を招くことで俺がプロポーズを弱気になってやらなかったとしても、既に招待状は送ってますって言えばやるしかないもんな。うん、流石だ。コノヤロウ。」
「はは、ありがとうございます。」
笑ってんじゃねえよ!
しかも誉めてねぇし!
「さあ!そうと決まれば早速支度よ!セラ!レイン!貴女達はこっちよ!セイン!アルの事は任せたわ!」
「畏まりました。」
母上がセラとレインをつれていった。
2人も母上のことは知らなかったようで、驚き、困惑した表情のままつれていかれた。
「で、俺は何をすればいいんだ?」
「……さあ?」
ってわからないんかい!
いや、相手が母上では仕方ない気もする。
「お前も大変だな……。」
「若ほどではありません……。」
数日後、招待状を送った国から要人が到着し、久々に懐かしい顔触れが集まった。
アーロン兄上にゼイル、ジゲンにフレク叔父上、イリスさん、ルーゼン、ローゼンの兄弟等、今回の戦争で共に戦った者達が一同に介した。
そんな中、多くの民衆に見守られながら行われたのは花嫁が2人いる結婚式である。
どうなるのか不安ではあったがセインや母上が上手く段取りをやってくれていたのでスムーズに進行した。
何せこういう経験は一度も無いので不安だらけだ。
「では、新郎新婦のご入場です!」
因みに母上が司会をしている。
俺は右側にセラ、左にはレインをつれて前へと進んでいく。
2人ともとても綺麗で、少しでも直視すれば目が離せなくなってしまう。
というか俺は緊張のし過ぎでまともに動けていない。
「ふふ、アル。落ち着いて。」
「そうですよ、リラックス、リラックス。」
セラとレインに緊張をほぐされる。
とは言ってもやはり、緊張はする。
そして、緊張の余り気がつけば一番大事なところまで来てしまっていた。
既に指輪の交換は終わっていた。
つまり、次はあれだ。
「では、誓いのキスです!お願いします!」
母上がものすごい盛り上がっている。
自分の大事な息子と自分が保護した娘にも等しい存在、そして昔から知っている俺の許嫁のレイン。
まあ、自分の子供が結婚するとなればあれくらいのテンションになるのだろうか。
俺もいずれはその気持ちが分かる時が来るのだろうか。
……いや、あれは親バカだからだろう。
というか今、俺は人生で最大級の分かれ道にいる。
「……。」
「……。」
2人とも無言でこちらを見つめている。
2人のどちらから先にキスをするかという問題だ。
俺は2人とも平等に愛している。
どちらかに優劣をつけるなど無理だ。
それに、2人の間に亀裂が生まれるかもしれないし、レインは次の国主だ。
民衆の目もあるから軽率な事は出来ない。
だからレインから先にというのはやはり違う気がする。
だが、セラからしてしまえば先程の問題が生じてしまう。
いや、それよりもレインがすねるだろう。
「アルフレッド様?」
「アル?」
ならば、俺は3つ目の道を行こう。
「2人とも俺が良いというまで目をつぶってくれ。決して開けるなよ。開けたら絶交だからな。」
2人に釘を指しておく。
互いにずっと目をつぶっていればどちらが先か分からない。
これで、2人の間の関係を気にする必要は無い。
「セイン!」
俺はセインを呼んだ。
あらかじめ話を通しておいたので、使用人とセインが2人でこちらに大きめの布を持ってくる。
「お待たせしました。」
「よし、ありがとう。手筈通りに頼む。」
母上が2人をつれて出ていった後俺はセインと共にこの問題をどうするか考えていた。
それの答えがこれだ。
少し強引だが、やるしかない。
俺達3人を布で覆い、周りから見えなくした。
「ちょっ!ちょっと!セイン!離れなさい!せっかく良いところなのに!」
しかし、セインは動かない。
「ええーい!衛兵!セインを取り押さえて!」
「は、はい!」
衛兵が数名動き出す。
しかし、セインは動じず俺達を隠し続ける。
「おっと!邪魔はさせないぜ!」
「アルフレッド様に貰った命だ。これくらいはさせてくれよ!」
「ローゼン!ルーゼンもか!」
どうやら衛兵をルーゼンとローゼンが押さえてくれたようだ。
「おっと、俺達もいるからな。とっとと済ましちゃいな。」
「親友とその想い人のためです、これくらいはして見せますよ。」
「ジゲン!イリスさんもありがとう!」
どうやら外には頼りになる人が集まってくれているようだ。
「ええー!こうなったら力ずくよ!もっと兵を集めて!」
ゾロソロと兵が集まってくる。
「これは依頼ということであとで請求させてもらいますよ!双蛇の名が汚れちまうんでね!」
「ああ!そういうことでいいさ!後できっちり払ってやる!」
双蛇殿まで出てくるのならばもはや心配はいらない。
「ふふ、アルフレッド様、どちらが先とか気にしなくても良いんですよ?」
「そうよ、私はとっくにセラの事は認めてるし、何も思わないわよ。」
2人がそう言ってくれるのはありがたいが、これは2人の為なのだ。
「いや、俺は2人を同じくらい愛してる。だからどうしても優劣をつけてしまうようになってしまうから、せめて2人には俺の初めての相手が自分だと思えるような手段にしたかったんだ。2人が永遠に事実を知らなければそれは事実になるんだよ。」
俺がどちらに先にキスをしたかは俺しか知らない。
その事実を墓場まで持っていけば2人は自分が先にキスをされたと思えるのだ。
それで良いんだ。
「嫌です。」
「ええ、私も。」
しかし、断られてしまった。
「ええ……。じゃあ、どうする?」
「そうね、ここは運に任せてみましょう。」
レインは懐から一枚のコインを取り出した。
「そうね、表が出たら私が、裏ならセラが先にするってことで。」
「良いですね。わかりました。」
「確かにそれなら……。」
これの結果ならば文句も言いようが無いだろう。
だが、確かレインはコイントスで好きな面を出すという特技を持っていたはずだ。
レインの方をみるとこちらにウインクをしていた。
「じゃあいくわよ!」
レインはコインを空に打ち上げそれを手の甲でキャッチした。
なるほど、これで、表を出して先にキスする権利を貰おうというわけか。
抜け目ない。
するとレインは手の甲をこちらに見えるように開いた。
するとコインは裏だった。
「あら、裏ね。なら先は譲るわ。遠慮しないで思う存分しちゃいなさい。」
なるほど、レインはセラに譲るつもりだったのだ。
このコインもそのために用意していたのかもしれない。
「で、では。」
「あ、ああ。」
セラが目を閉じ、こちらを向いている。
レインは気を使って反対を向いている。
セラは少し顔を赤らめていた。
俺はセラと唇を重ねた。
人生で初めてしたが、案外すんなり出来た。
セラには一目惚れであったが、それからも彼女の内面を知ってからも更に好きになってしまった。
彼女を失うことは耐えられなかった。
だから傷を負った時には焦ったし、もう傷ついてほしくはなかった。
だが、彼女がいたからこそ今の俺がいるわけだし、今後とも彼女に頼ることもあるだろう。
だから俺も彼女から頼られるくらいには立派になって見せなければ。
そして、セラと離れる。
「あ、ありがとうございました。」
「いや、こちらこそ。これからもよろしくなセラ。」
何がありがとうなのか微妙に分からないが、こちらこそと返しておく。
「じゃ、次は私ね。」
「ああ。」
今度はレインと向かい合う。
セラは反対側を向いていた。
「レイン。さっきはありがとうな。」
「あら、なんのこと?」
セラに聞こえないように小さな声で話しかける。
どうやらレインは認めるつもりはないようだ。
「さ、早くしましょう。」
「ああ。」
レインが目をつぶっている。
覚悟を決め、唇を重ねる。
レインとは許嫁の関係だったが、親が決めたにもかかわらず、相性が良かったのかすぐに仲良くなれた。
彼女と過ごした時間は小さい頃の少しの年月だけだったが、とても楽しかった。
互いを理解するには充分な時間だった。
それから数年が経ち、互いに成長してから死にかけてた俺を助けてくれた。
その時はすこし束縛が強くて重いような気がしたが、内面は変わっておらず、安心したのを覚えている。
長い間会えなかったのが、あの束縛を生んだのだろうか。
だが、それからも共に過ごしたが、とても楽しかった。
これから共に過ごす時間も楽しくなりそうだ。
そして、俺はレインと離れた。
「今回気を使ってもらった分はいずれ返すからな。」
「あら、じゃあ期待しておくわね。」
「アルフレッド様。それは私のセリフです。」
どうやらセラに聞こえていたようだ。
「それは私が返すものですよ。」
「レイン。気づかれてたみたいだぞ。」
「……なんのことかしら。」
あくまでも認めないつもりらしい。
「さあ、セイン!終わったぞ!」
セインに声をかけると布が落ち、周囲の様子が見えるようになった。
もはや会場はめちゃくちゃで衛兵だけではなく、民衆までもが乗り込んできていた。
そういえば民衆もすごいヤジを飛ばしていたな。
まあ、俺が2人とそういう関係なのは前から知られていたから期待していたのだろう。
俺達が甘い雰囲気になっている間にすごいことになっていた。
まあ、ほとんどはゼイル殿が押さえていたのだが。
「ああ、せっかくの場面を見れなかった……。」
母上は明らかに肩を落とし、落ち込んでいた。
「母上。後で母上だけに見せてあげますから。元気出してください。」
すると、母上はあからさまに元気になった。
「わかったわ!衛兵!民衆を押さえて!」
コロコロと変わる指示に衛兵は対応し、場は落ち着きを取り戻した。
まあ、色々とあったが取り敢えずこれで、ハッピーエンドってことでいいんじゃなかろうか。
やり残した事や心残りなんかもまだあるが、それらはまた、別の機会にってことで。
もしかしたら誰かが勝手に解決してくれるかもしれないしな。
取り敢えず、俺はこの幸せな時間を全力で守るとしよう。
ゲームクリア!ってことでよろしく!
数年後、建国記念祝典にてエルドニア・シャムス二重王国初代帝王、アルフレッド・シャム・エルドニア
、何者かに暗殺される。
エルドニア・シャムス二重王国は再度滅ぶこととなった。
共にいたフルートはどさくさに紛れ、脱走し行方不明とのことだ。
フローゼルは元々こちらで預かっていたので、大丈夫であった。
あれほど俺たちを苦しめたセイルズがこんなにあっけなく死ぬとは驚きである。
彼はセインの父親でもあったし、俺からしても様々な事を教えてくれた師でもあった。
敵ではあるが、しっかりとした墓を建ててあげるとしよう。
ランもリンと一緒の墓に埋めることにした。
なので、俺は今回の戦没者の慰霊碑を多額の金を投じて立てることにした。
敵味方関係なくだ。
また、ジョナサンの墓を彼の地元でもある王国時代の俺の領地に作った。
セインもジゲンも協力してくれた。
そして、俺は内政にも本腰を入れた。
幸いにも帝国は金をかなり溜め込んでいたので、税は低く設定した。
諸外国とも貿易をすることになったので、外交収入や貿易による収入も見込める。
レインもジゲンも永世的に友好関係を築こうと言うことで話がまとまったので、とてもありがたい。
まあ、アナテルは俺がレインと結婚する予定なので今後どうなるのかはわからないが。
また、屯田兵政策も志願者が予定人数を満たしたので実行に移した。
家を継ぐことの出来ない次男坊や三男坊が多く集まった。
これは兵力の補填も目的ではあるので、これから訓練が必要だが、国防力も備わったし未開拓地も開拓出来る。
勿論不満が出ないように精一杯の支援はしている。
だが、彼らを率いる正規軍が俺に不満を持っている者達なので、いずれ反乱は起こるだろうがそれも見越して帝都から遠い所にやったのだ。
そして、やることが一段落ついたころ、俺はセラとレインを呼んだ。
レインが使節団としてこちらに来ているタイミングで、声をかけた。
「で、話って何?アル?」
「あの、本当に私もですか?何か間違ってません?」
まあ、レインと話があるってことは外交関係だと思うだろう。
だが、今回はそうではない。
「いや、そろそろしっかりと覚悟決めないとなって思ってさ。」
「「覚悟?」」
2人の声が見事に重なる。
いきなりこんなことを言われても困惑するだろう。
「2人にこれを受け取って欲しい。」
俺は机の引き出しから2つの小さな箱を取り出し、2人に渡した。
「開けてみてくれ。」
出来るだけ平常心を装っているが、心臓の音がとてもうるさい。
「……あ。」
「これは……。」
箱の中にはあかい宝石がはめ込まれた指輪が入っていた。
「その宝石は前にセラからもらったお守りの効果があるっていう宝石を加工した物だ。家族になるんだから皆に共有しないとな。」
俺は密かに職人にあの宝石を加工して指輪にしてもらったのだ。
「え、えっと、アルフレッド様。これってつまり……。」
「これってプロポーズ?」
セラが恥ずかしがって言えなかった事をレインが何も気にせずに言う。
断られる事は無いと思ったが、想定はしていた。
もし失敗したら俺は死ぬつもりだった。
恥ずかしくて100回は死ねる。
「ま、まぁそうだな。」
「……はぁ。」
「……アルフレッド様。」
レインにため息をつかれた。
セラはどこか真剣な顔をしている。
もし、全部冗談であなたの事が嫌いでした。
なんて言われたら立ち直れない。
まあ、俺の方が立場は上だったからお膳立てとして付き合ってあげていただけでしたとかもあり得る。
「遅いです。」
「……え?」
予想外の答えが帰ってきた。
「そうよ!私達はずっと待ってたのに!」
「えっと……つまりOKってこと?」
「当たり前じゃないですか!」
取り敢えず良かった。
本当に。
「本当に遅かったわね!アル!」
「母上!?」
するといきなり扉を開け、母上が入ってきた。
「レインとセラが呼ばれたって聞いてもしかしてと思って盗み聞きさせてもらったわ!」
「盗み聞きって……。」
少しあきれてしまう。
元気になったのはいいか、やりたい放題やっている。
まあ、母上らしくていいのだが。
「まあ、良いです。」
「ええ!ということで早速式を上げましょう!既に段取りはすんでいるわ!セイン!」
「はっ!」
母上が指をならすと直ぐ様セインが現れた。
セインは書類を渡してきた。
「今後の予定の合間を縫って式の予定を組み込んでおきました。既に支度も整っております。また、諸外国の要人にも既に喧伝しております。ご確認下さい。」
相変わらず手が速い。
というか俺の誕生日の時からセインが母上の手先に成り下がっている。
まあ、別にいいんだが。
「なるほど、外国の要人を招くことで俺がプロポーズを弱気になってやらなかったとしても、既に招待状は送ってますって言えばやるしかないもんな。うん、流石だ。コノヤロウ。」
「はは、ありがとうございます。」
笑ってんじゃねえよ!
しかも誉めてねぇし!
「さあ!そうと決まれば早速支度よ!セラ!レイン!貴女達はこっちよ!セイン!アルの事は任せたわ!」
「畏まりました。」
母上がセラとレインをつれていった。
2人も母上のことは知らなかったようで、驚き、困惑した表情のままつれていかれた。
「で、俺は何をすればいいんだ?」
「……さあ?」
ってわからないんかい!
いや、相手が母上では仕方ない気もする。
「お前も大変だな……。」
「若ほどではありません……。」
数日後、招待状を送った国から要人が到着し、久々に懐かしい顔触れが集まった。
アーロン兄上にゼイル、ジゲンにフレク叔父上、イリスさん、ルーゼン、ローゼンの兄弟等、今回の戦争で共に戦った者達が一同に介した。
そんな中、多くの民衆に見守られながら行われたのは花嫁が2人いる結婚式である。
どうなるのか不安ではあったがセインや母上が上手く段取りをやってくれていたのでスムーズに進行した。
何せこういう経験は一度も無いので不安だらけだ。
「では、新郎新婦のご入場です!」
因みに母上が司会をしている。
俺は右側にセラ、左にはレインをつれて前へと進んでいく。
2人ともとても綺麗で、少しでも直視すれば目が離せなくなってしまう。
というか俺は緊張のし過ぎでまともに動けていない。
「ふふ、アル。落ち着いて。」
「そうですよ、リラックス、リラックス。」
セラとレインに緊張をほぐされる。
とは言ってもやはり、緊張はする。
そして、緊張の余り気がつけば一番大事なところまで来てしまっていた。
既に指輪の交換は終わっていた。
つまり、次はあれだ。
「では、誓いのキスです!お願いします!」
母上がものすごい盛り上がっている。
自分の大事な息子と自分が保護した娘にも等しい存在、そして昔から知っている俺の許嫁のレイン。
まあ、自分の子供が結婚するとなればあれくらいのテンションになるのだろうか。
俺もいずれはその気持ちが分かる時が来るのだろうか。
……いや、あれは親バカだからだろう。
というか今、俺は人生で最大級の分かれ道にいる。
「……。」
「……。」
2人とも無言でこちらを見つめている。
2人のどちらから先にキスをするかという問題だ。
俺は2人とも平等に愛している。
どちらかに優劣をつけるなど無理だ。
それに、2人の間に亀裂が生まれるかもしれないし、レインは次の国主だ。
民衆の目もあるから軽率な事は出来ない。
だからレインから先にというのはやはり違う気がする。
だが、セラからしてしまえば先程の問題が生じてしまう。
いや、それよりもレインがすねるだろう。
「アルフレッド様?」
「アル?」
ならば、俺は3つ目の道を行こう。
「2人とも俺が良いというまで目をつぶってくれ。決して開けるなよ。開けたら絶交だからな。」
2人に釘を指しておく。
互いにずっと目をつぶっていればどちらが先か分からない。
これで、2人の間の関係を気にする必要は無い。
「セイン!」
俺はセインを呼んだ。
あらかじめ話を通しておいたので、使用人とセインが2人でこちらに大きめの布を持ってくる。
「お待たせしました。」
「よし、ありがとう。手筈通りに頼む。」
母上が2人をつれて出ていった後俺はセインと共にこの問題をどうするか考えていた。
それの答えがこれだ。
少し強引だが、やるしかない。
俺達3人を布で覆い、周りから見えなくした。
「ちょっ!ちょっと!セイン!離れなさい!せっかく良いところなのに!」
しかし、セインは動かない。
「ええーい!衛兵!セインを取り押さえて!」
「は、はい!」
衛兵が数名動き出す。
しかし、セインは動じず俺達を隠し続ける。
「おっと!邪魔はさせないぜ!」
「アルフレッド様に貰った命だ。これくらいはさせてくれよ!」
「ローゼン!ルーゼンもか!」
どうやら衛兵をルーゼンとローゼンが押さえてくれたようだ。
「おっと、俺達もいるからな。とっとと済ましちゃいな。」
「親友とその想い人のためです、これくらいはして見せますよ。」
「ジゲン!イリスさんもありがとう!」
どうやら外には頼りになる人が集まってくれているようだ。
「ええー!こうなったら力ずくよ!もっと兵を集めて!」
ゾロソロと兵が集まってくる。
「これは依頼ということであとで請求させてもらいますよ!双蛇の名が汚れちまうんでね!」
「ああ!そういうことでいいさ!後できっちり払ってやる!」
双蛇殿まで出てくるのならばもはや心配はいらない。
「ふふ、アルフレッド様、どちらが先とか気にしなくても良いんですよ?」
「そうよ、私はとっくにセラの事は認めてるし、何も思わないわよ。」
2人がそう言ってくれるのはありがたいが、これは2人の為なのだ。
「いや、俺は2人を同じくらい愛してる。だからどうしても優劣をつけてしまうようになってしまうから、せめて2人には俺の初めての相手が自分だと思えるような手段にしたかったんだ。2人が永遠に事実を知らなければそれは事実になるんだよ。」
俺がどちらに先にキスをしたかは俺しか知らない。
その事実を墓場まで持っていけば2人は自分が先にキスをされたと思えるのだ。
それで良いんだ。
「嫌です。」
「ええ、私も。」
しかし、断られてしまった。
「ええ……。じゃあ、どうする?」
「そうね、ここは運に任せてみましょう。」
レインは懐から一枚のコインを取り出した。
「そうね、表が出たら私が、裏ならセラが先にするってことで。」
「良いですね。わかりました。」
「確かにそれなら……。」
これの結果ならば文句も言いようが無いだろう。
だが、確かレインはコイントスで好きな面を出すという特技を持っていたはずだ。
レインの方をみるとこちらにウインクをしていた。
「じゃあいくわよ!」
レインはコインを空に打ち上げそれを手の甲でキャッチした。
なるほど、これで、表を出して先にキスする権利を貰おうというわけか。
抜け目ない。
するとレインは手の甲をこちらに見えるように開いた。
するとコインは裏だった。
「あら、裏ね。なら先は譲るわ。遠慮しないで思う存分しちゃいなさい。」
なるほど、レインはセラに譲るつもりだったのだ。
このコインもそのために用意していたのかもしれない。
「で、では。」
「あ、ああ。」
セラが目を閉じ、こちらを向いている。
レインは気を使って反対を向いている。
セラは少し顔を赤らめていた。
俺はセラと唇を重ねた。
人生で初めてしたが、案外すんなり出来た。
セラには一目惚れであったが、それからも彼女の内面を知ってからも更に好きになってしまった。
彼女を失うことは耐えられなかった。
だから傷を負った時には焦ったし、もう傷ついてほしくはなかった。
だが、彼女がいたからこそ今の俺がいるわけだし、今後とも彼女に頼ることもあるだろう。
だから俺も彼女から頼られるくらいには立派になって見せなければ。
そして、セラと離れる。
「あ、ありがとうございました。」
「いや、こちらこそ。これからもよろしくなセラ。」
何がありがとうなのか微妙に分からないが、こちらこそと返しておく。
「じゃ、次は私ね。」
「ああ。」
今度はレインと向かい合う。
セラは反対側を向いていた。
「レイン。さっきはありがとうな。」
「あら、なんのこと?」
セラに聞こえないように小さな声で話しかける。
どうやらレインは認めるつもりはないようだ。
「さ、早くしましょう。」
「ああ。」
レインが目をつぶっている。
覚悟を決め、唇を重ねる。
レインとは許嫁の関係だったが、親が決めたにもかかわらず、相性が良かったのかすぐに仲良くなれた。
彼女と過ごした時間は小さい頃の少しの年月だけだったが、とても楽しかった。
互いを理解するには充分な時間だった。
それから数年が経ち、互いに成長してから死にかけてた俺を助けてくれた。
その時はすこし束縛が強くて重いような気がしたが、内面は変わっておらず、安心したのを覚えている。
長い間会えなかったのが、あの束縛を生んだのだろうか。
だが、それからも共に過ごしたが、とても楽しかった。
これから共に過ごす時間も楽しくなりそうだ。
そして、俺はレインと離れた。
「今回気を使ってもらった分はいずれ返すからな。」
「あら、じゃあ期待しておくわね。」
「アルフレッド様。それは私のセリフです。」
どうやらセラに聞こえていたようだ。
「それは私が返すものですよ。」
「レイン。気づかれてたみたいだぞ。」
「……なんのことかしら。」
あくまでも認めないつもりらしい。
「さあ、セイン!終わったぞ!」
セインに声をかけると布が落ち、周囲の様子が見えるようになった。
もはや会場はめちゃくちゃで衛兵だけではなく、民衆までもが乗り込んできていた。
そういえば民衆もすごいヤジを飛ばしていたな。
まあ、俺が2人とそういう関係なのは前から知られていたから期待していたのだろう。
俺達が甘い雰囲気になっている間にすごいことになっていた。
まあ、ほとんどはゼイル殿が押さえていたのだが。
「ああ、せっかくの場面を見れなかった……。」
母上は明らかに肩を落とし、落ち込んでいた。
「母上。後で母上だけに見せてあげますから。元気出してください。」
すると、母上はあからさまに元気になった。
「わかったわ!衛兵!民衆を押さえて!」
コロコロと変わる指示に衛兵は対応し、場は落ち着きを取り戻した。
まあ、色々とあったが取り敢えずこれで、ハッピーエンドってことでいいんじゃなかろうか。
やり残した事や心残りなんかもまだあるが、それらはまた、別の機会にってことで。
もしかしたら誰かが勝手に解決してくれるかもしれないしな。
取り敢えず、俺はこの幸せな時間を全力で守るとしよう。
ゲームクリア!ってことでよろしく!
数年後、建国記念祝典にてエルドニア・シャムス二重王国初代帝王、アルフレッド・シャム・エルドニア
、何者かに暗殺される。
エルドニア・シャムス二重王国は再度滅ぶこととなった。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
ハイエルフ少女と三十路弱者男の冒険者ワークライフ ~最初は弱いが、努力ガチャを引くたびに強くなる~
スィグトーネ
ファンタジー
年収が低く、非正規として働いているため、決してモテない男。
それが、この物語の主人公である【東龍之介】だ。
そんな30歳の弱者男は、飲み会の帰りに偶然立ち寄った神社で、異世界へと移動することになってしまう。
異世界へ行った男が、まず出逢ったのは、美しい紫髪のエルフ少女だった。
彼女はエルフの中でも珍しい、2柱以上の精霊から加護を受けるハイエルフだ。
どうして、それほどの人物が単独で旅をしているのか。彼女の口から秘密が明かされることで、2人のワークライフがはじまろうとしている。
※この物語で使用しているイラストは、AIイラストさんのものを使用しています。
※なかには過激なシーンもありますので、外出先等でご覧になる場合は、くれぐれもご注意ください。
『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』
KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。
日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。
アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。
「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。
貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。
集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。
そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。
これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。
今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう?
※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは
似て非なる物として見て下さい
【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。
大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。
そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。
しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。
戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。
「面白いじゃん?」
アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
正式には諸葛亮 字が孔明と言い、孔明を使いたいなら諸葛孔明とするのが本当
読み始めですが既に続きにワクワクです
女神「これは‼️孔明の罠‼️」