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佐切の勝ち筋
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「ファレスの攻略……そう言えばそういう話もあったな。最近の戦況が最悪すぎて忘れてた」
「はい……私も頭から抜けてました……確かにあそこなら容易に内側に入れます。街の構造も既に把握してますし、街の中に入り込みさえすれば……後は作戦次第でどうとでもなりそうです」
やはりキサラは魔王軍の頭脳担当といった所か。
頭の回転も速いし理解も速い。
四天王の他の面子がどういったものかは知らないが、彼女が生き残って良かったのだろう。
……そう言えば、魔王軍の人間から四天王という名称は聞いたことが無かった気がする。
正式にはそう呼ばれていないのか……じゃあ俺が勝手にそう思い込んでいたのか。
……それに思い返してみれば、キサラは『私の他にも同等の立場の者が四人……』とかなんとか言っていた気がする……。
なら五大将なのか?
危ない……恥をかく所だったな。
「どうした佐切殿。ぼーっとして。どこか……具合でも悪いのか?」
「……あ、あぁ……すみません。何でもないです」
いかんいかん。
どうでも良い所で評価を落とす所だった……。
やはりジョバンニさんは頼りになる。
さて、話に戻ろう。
「ですが、要塞街ファレスの攻略は魔王軍の反攻作戦の第一段階に過ぎません」
「魔王軍の反攻作戦……ファレスの攻略の他にもあるのか?」
「はい勿論。そうでなくては、要塞街ファレス攻略など進言しません。そこで止まるのなら、兵力が分散して余計に戦況が悪くなります」
そう、第一段階である。
魔王軍勝利の道筋には要点がいくつかあるのだ。
「要塞街ファレス攻略後、まずは過去、魔王軍が行った事の回収を行います」
「回収……そもそも過去魔王軍が行った事とは何だ……」
「魔王軍が行った事……あっ!」
どうやら、キサラは気づいた様子であった。
「まさか……」
キサラは俺の事を見ていた。
正解だ。
「そう。我々魔王派の事です。我々のリーダーの話によれば、魔王派は現在搦手砦で戦っている者だけだと言いますが、それだけでは無いと予想してます。魔王派に参加してないだけで思想は同じくする者、情勢の悪化で参加できなかった者、未だに隠れ潜んでいる者、そうでなくても要塞街ファレスで我々に協力してくれているカルラさん達エルフの方々のように、王国に反発する勢力は必ずあるはずです」
長々と語ったが、つまり言いたい事はこうだ。
「要塞街ファレスの攻略で、魔王軍はまだ終わってない事、スキル持ちが完璧でない事を示し、ザルノール国の結束を揺らがせるのです! そして、反スキル至上主義勢力の蜂起を促す! そうすれば自ずとザルノール国へ反旗を翻す者達が現れ、我々の戦力増強に繋がり、それは勝ちへと……」
「……つながるか?」
しかし、サティス良い顔をしなかった。
「私には、どれだけ兵力が増えたところで、スキル使いに蹂躙される未来が見えているがな。すまんな。私はそういう立場な以上、失敗する未来を常に考えなくてはならないんだ」
やはり、サティスの危惧するところはそこか。
さて、どう切り崩していくか……。
「はい……私も頭から抜けてました……確かにあそこなら容易に内側に入れます。街の構造も既に把握してますし、街の中に入り込みさえすれば……後は作戦次第でどうとでもなりそうです」
やはりキサラは魔王軍の頭脳担当といった所か。
頭の回転も速いし理解も速い。
四天王の他の面子がどういったものかは知らないが、彼女が生き残って良かったのだろう。
……そう言えば、魔王軍の人間から四天王という名称は聞いたことが無かった気がする。
正式にはそう呼ばれていないのか……じゃあ俺が勝手にそう思い込んでいたのか。
……それに思い返してみれば、キサラは『私の他にも同等の立場の者が四人……』とかなんとか言っていた気がする……。
なら五大将なのか?
危ない……恥をかく所だったな。
「どうした佐切殿。ぼーっとして。どこか……具合でも悪いのか?」
「……あ、あぁ……すみません。何でもないです」
いかんいかん。
どうでも良い所で評価を落とす所だった……。
やはりジョバンニさんは頼りになる。
さて、話に戻ろう。
「ですが、要塞街ファレスの攻略は魔王軍の反攻作戦の第一段階に過ぎません」
「魔王軍の反攻作戦……ファレスの攻略の他にもあるのか?」
「はい勿論。そうでなくては、要塞街ファレス攻略など進言しません。そこで止まるのなら、兵力が分散して余計に戦況が悪くなります」
そう、第一段階である。
魔王軍勝利の道筋には要点がいくつかあるのだ。
「要塞街ファレス攻略後、まずは過去、魔王軍が行った事の回収を行います」
「回収……そもそも過去魔王軍が行った事とは何だ……」
「魔王軍が行った事……あっ!」
どうやら、キサラは気づいた様子であった。
「まさか……」
キサラは俺の事を見ていた。
正解だ。
「そう。我々魔王派の事です。我々のリーダーの話によれば、魔王派は現在搦手砦で戦っている者だけだと言いますが、それだけでは無いと予想してます。魔王派に参加してないだけで思想は同じくする者、情勢の悪化で参加できなかった者、未だに隠れ潜んでいる者、そうでなくても要塞街ファレスで我々に協力してくれているカルラさん達エルフの方々のように、王国に反発する勢力は必ずあるはずです」
長々と語ったが、つまり言いたい事はこうだ。
「要塞街ファレスの攻略で、魔王軍はまだ終わってない事、スキル持ちが完璧でない事を示し、ザルノール国の結束を揺らがせるのです! そして、反スキル至上主義勢力の蜂起を促す! そうすれば自ずとザルノール国へ反旗を翻す者達が現れ、我々の戦力増強に繋がり、それは勝ちへと……」
「……つながるか?」
しかし、サティス良い顔をしなかった。
「私には、どれだけ兵力が増えたところで、スキル使いに蹂躙される未来が見えているがな。すまんな。私はそういう立場な以上、失敗する未来を常に考えなくてはならないんだ」
やはり、サティスの危惧するところはそこか。
さて、どう切り崩していくか……。
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