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経緯
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「まず、ザルノールより勇者二人と一人の騎士が訪れた」
俺はガルンからの申し出をサティスに正式に伝え、協力関係を築く事の許可を得た。
ガルンは魔王軍との正式な協力を取り付けた後、軍事クーデターの内情を説明し始める。
「当時、ドヴェルグ王家は実質的な政権を掌握していなかった。魔王軍から離脱した我々への罰としてな。つまり軍部が政権を掌握しており、我々は象徴に過ぎなかった。それでも国民からの支持は強かったのだ」
王家が象徴的存在、か。
現代にも数多くある話だが軍部が実権を握るというのはあまりよろしくはないか。
「軍部との仲が悪かったわけではないのだ。魔王軍の劣勢が続いて魔王から離れることになった時、ザルノール王家からドヴェルグ王家が政治を執り行うことは禁止されていた。我々はそれを守っていたというのに、ザルノールから勇者らが派遣され、軍部をそそのかしてクーデターか起こったのだ」
「……ザルノールは何故? 魔王軍を離れてからも多くの国との外交を禁じてはいましたが、ザルノールとはそれでも国交があった筈。採掘された鉱物資源や加工された品々は全てザルノールに渡っていて、ドヴェルグ国を掌握する必要は……」
「それは、私たちのせいじゃないのかい?」
俺の疑問に、カルラが答えた。
「私達、魔王軍が各地で勝利を収め、ノージリアが味方した。エルフまで協力する動きを見せているとなると、ザルノールが慌てるのも頷けるさ」
「成る程……ドヴェルグ国が魔王軍に味方する前に完全に掌握しようとしてるって事ね……自分の手駒にしたがってるのか……」
カルラの答えにロームも納得する。
魔王軍の行動にザルノールも危機感を覚え始めたのか、動き始めたらしい。
この流れは良い。
今まで魔王軍を甘く見て本格的に動かなかったザルノールが動き始めたというのは良い兆候だ。
これにより、他国との外交関係も変わり始めるだろう。
「さて……どちらにせよ相手の戦力とこちらの戦力の比較、地形の把握に……やる事は沢山あるな……ガルン殿……いや、ガルン王。その辺りの情報共有をお願いできますか?」
「あぁ、無論だ。ドリン、まとめて資料を持ってきてくれ」
「は!」
ドリンと呼ばれた衛兵は奥へと下がっていく。
「何にせよ、今後は各地に潜伏する同志と協力して敵の勢力を削いでいく。その際はドリンと共に行動してもらうことになる」
ガルンがそう言うとすぐさまドリンが戻って来て資料を手渡す。
「某、ドリンと申します。若が生まれてからずっと若の警護をしている者です。どうぞよろしくお願い致します」
「えぇ、佐切勘助です。よろしくお願いします」
これで準備は整った。
さて……作戦を練るとしようか。
俺はガルンからの申し出をサティスに正式に伝え、協力関係を築く事の許可を得た。
ガルンは魔王軍との正式な協力を取り付けた後、軍事クーデターの内情を説明し始める。
「当時、ドヴェルグ王家は実質的な政権を掌握していなかった。魔王軍から離脱した我々への罰としてな。つまり軍部が政権を掌握しており、我々は象徴に過ぎなかった。それでも国民からの支持は強かったのだ」
王家が象徴的存在、か。
現代にも数多くある話だが軍部が実権を握るというのはあまりよろしくはないか。
「軍部との仲が悪かったわけではないのだ。魔王軍の劣勢が続いて魔王から離れることになった時、ザルノール王家からドヴェルグ王家が政治を執り行うことは禁止されていた。我々はそれを守っていたというのに、ザルノールから勇者らが派遣され、軍部をそそのかしてクーデターか起こったのだ」
「……ザルノールは何故? 魔王軍を離れてからも多くの国との外交を禁じてはいましたが、ザルノールとはそれでも国交があった筈。採掘された鉱物資源や加工された品々は全てザルノールに渡っていて、ドヴェルグ国を掌握する必要は……」
「それは、私たちのせいじゃないのかい?」
俺の疑問に、カルラが答えた。
「私達、魔王軍が各地で勝利を収め、ノージリアが味方した。エルフまで協力する動きを見せているとなると、ザルノールが慌てるのも頷けるさ」
「成る程……ドヴェルグ国が魔王軍に味方する前に完全に掌握しようとしてるって事ね……自分の手駒にしたがってるのか……」
カルラの答えにロームも納得する。
魔王軍の行動にザルノールも危機感を覚え始めたのか、動き始めたらしい。
この流れは良い。
今まで魔王軍を甘く見て本格的に動かなかったザルノールが動き始めたというのは良い兆候だ。
これにより、他国との外交関係も変わり始めるだろう。
「さて……どちらにせよ相手の戦力とこちらの戦力の比較、地形の把握に……やる事は沢山あるな……ガルン殿……いや、ガルン王。その辺りの情報共有をお願いできますか?」
「あぁ、無論だ。ドリン、まとめて資料を持ってきてくれ」
「は!」
ドリンと呼ばれた衛兵は奥へと下がっていく。
「何にせよ、今後は各地に潜伏する同志と協力して敵の勢力を削いでいく。その際はドリンと共に行動してもらうことになる」
ガルンがそう言うとすぐさまドリンが戻って来て資料を手渡す。
「某、ドリンと申します。若が生まれてからずっと若の警護をしている者です。どうぞよろしくお願い致します」
「えぇ、佐切勘助です。よろしくお願いします」
これで準備は整った。
さて……作戦を練るとしようか。
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