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狙撃手
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「ドローンがついてきてるな。」
ドローンは発見したら撃ち落とすようにしているが、それでも限界がある。
「しかし、おかしいな。」
「どういうことです?」
先程から敵の追撃が然程激しくは無い。
こちらも全速力で目標へ向かっているが、アイならば予測して先回りするだろう。
だが、今の所行った先での遭遇戦は無い。
「上手く行き過ぎている。こちらも敵の行動を予測して動いてはいるが、いくらなんでもおかしい。」
「成る程……。」
地図を確認する。
先程から敵に遭遇しては逃げるようにして前進を続けている。
この先は広場だ。
「この先は見晴らしが良い。良いか。戦闘の基本を忘れるな。遮蔽物から遮蔽物へは八秒以内に移動しろ。」
「了解!」
八秒とは、敵が狙いを定めて撃つことが出来る平均時間だと言われている。
それまでに隠れるというのが戦闘の鉄則だ。
「隊長。敵戦車はどこに行ったんですかね?」
「……総員、待て。」
地図をもう一度見る。
あの戦車はサイレントモードでの行動が可能である。
あの戦車中隊の居た位置。
そして、現在地に我々が到達した時間。
先回りするには十分な時間だ。
「総員反転!別ルートで目的地へ向かう!」
「し、しかし敵が居ますよ!」
敵はこちらを追い詰めるように展開している。
背後には敵がいるだろう。
「大丈夫だ!敵は反転するとは予測していない!もし想定していたとしても目の前に待ち構えている戦車よりはマシだ!」
「せ、戦車!?」
「この先の広場に敵戦車中隊が待ち構えている可能性が高い。」
ならば、さっさと反転したほうが良い。
「付いて来い!迂回して前進する!」
そう言い、反対側の角を出る。
「っ!?」
何か嫌な予感を感じ、すぐに身を隠す。
が、俺のすぐ後ろをついてきていた隊員は反応が遅れた。
角から身を出している。
「え?」
俺はそいつの襟首を掴み、こちらの物陰に引きずり込もうとする。
が、その刹那発砲音と共にそいつの頭は消えていた。
「ちっ!スナイパーだ!」
成る程。
俺達が後退すると見越して後退するのを防ぐため狙撃手を配置していたのか。
恐らく、俺達が通過するのをわざと見逃していたのだろう。
「まさか……。」
そこでふとスミスの最後を思い出す。
スミスも頭が吹き飛んでいた。
かなりの口径の銃なのだろう。
そして、あの時スミスは動いていた。
なのにスナイパーは頭に当ててみせた。
今回もそうだ。
本当は俺を狙っていたのだろう。
だが、すぐに身を隠したので狙いを変えた。
この判断の早さ、射撃精度、銃の威力。
まさかな……。
「た、隊長。どうしますか?」
「戦車か、スナイパーか。」
スナイパーが一人とは限らない。
だが、あの戦車中隊を相手に突破出来るとは思えない。
「よし、後退する。迂回して前進するぞ。」
「スナイパーは、どうしますか?」
策はある。
が、賭けだ。
「対戦車兵。」
「は、はい!」
彼は降下した際に敵戦車中隊に殲滅された対戦車戦に特化した民間軍事会社、アンチタンカーズの生き残りだ。
彼は最後の一人である。
「対戦車装備は残ってるな?」
「はい。一発だけ残っています。殆どは最初に撃ち尽くしてしまいました。」
彼は若い。
どうやら新兵だ。
「よし、それだけあれば十分だ。良いか。俺達の命運はお前に預けた。責任重大だぞ。」
「は、はい……。」
そう言うと、彼はうつむく。
少し不安がらせてしまったか。
「冗談だ。良いか?お前が失敗しても気に病む必要はない。失敗すれば次の作戦を考えれば良いだけだ。お前は言われたことを全力で愚直に成せば良い。」
「……はい!」
よし、やる気は入ったな。
もし、奴が仇だというのなら必ず復讐を果たして見せよう。
ドローンは発見したら撃ち落とすようにしているが、それでも限界がある。
「しかし、おかしいな。」
「どういうことです?」
先程から敵の追撃が然程激しくは無い。
こちらも全速力で目標へ向かっているが、アイならば予測して先回りするだろう。
だが、今の所行った先での遭遇戦は無い。
「上手く行き過ぎている。こちらも敵の行動を予測して動いてはいるが、いくらなんでもおかしい。」
「成る程……。」
地図を確認する。
先程から敵に遭遇しては逃げるようにして前進を続けている。
この先は広場だ。
「この先は見晴らしが良い。良いか。戦闘の基本を忘れるな。遮蔽物から遮蔽物へは八秒以内に移動しろ。」
「了解!」
八秒とは、敵が狙いを定めて撃つことが出来る平均時間だと言われている。
それまでに隠れるというのが戦闘の鉄則だ。
「隊長。敵戦車はどこに行ったんですかね?」
「……総員、待て。」
地図をもう一度見る。
あの戦車はサイレントモードでの行動が可能である。
あの戦車中隊の居た位置。
そして、現在地に我々が到達した時間。
先回りするには十分な時間だ。
「総員反転!別ルートで目的地へ向かう!」
「し、しかし敵が居ますよ!」
敵はこちらを追い詰めるように展開している。
背後には敵がいるだろう。
「大丈夫だ!敵は反転するとは予測していない!もし想定していたとしても目の前に待ち構えている戦車よりはマシだ!」
「せ、戦車!?」
「この先の広場に敵戦車中隊が待ち構えている可能性が高い。」
ならば、さっさと反転したほうが良い。
「付いて来い!迂回して前進する!」
そう言い、反対側の角を出る。
「っ!?」
何か嫌な予感を感じ、すぐに身を隠す。
が、俺のすぐ後ろをついてきていた隊員は反応が遅れた。
角から身を出している。
「え?」
俺はそいつの襟首を掴み、こちらの物陰に引きずり込もうとする。
が、その刹那発砲音と共にそいつの頭は消えていた。
「ちっ!スナイパーだ!」
成る程。
俺達が後退すると見越して後退するのを防ぐため狙撃手を配置していたのか。
恐らく、俺達が通過するのをわざと見逃していたのだろう。
「まさか……。」
そこでふとスミスの最後を思い出す。
スミスも頭が吹き飛んでいた。
かなりの口径の銃なのだろう。
そして、あの時スミスは動いていた。
なのにスナイパーは頭に当ててみせた。
今回もそうだ。
本当は俺を狙っていたのだろう。
だが、すぐに身を隠したので狙いを変えた。
この判断の早さ、射撃精度、銃の威力。
まさかな……。
「た、隊長。どうしますか?」
「戦車か、スナイパーか。」
スナイパーが一人とは限らない。
だが、あの戦車中隊を相手に突破出来るとは思えない。
「よし、後退する。迂回して前進するぞ。」
「スナイパーは、どうしますか?」
策はある。
が、賭けだ。
「対戦車兵。」
「は、はい!」
彼は降下した際に敵戦車中隊に殲滅された対戦車戦に特化した民間軍事会社、アンチタンカーズの生き残りだ。
彼は最後の一人である。
「対戦車装備は残ってるな?」
「はい。一発だけ残っています。殆どは最初に撃ち尽くしてしまいました。」
彼は若い。
どうやら新兵だ。
「よし、それだけあれば十分だ。良いか。俺達の命運はお前に預けた。責任重大だぞ。」
「は、はい……。」
そう言うと、彼はうつむく。
少し不安がらせてしまったか。
「冗談だ。良いか?お前が失敗しても気に病む必要はない。失敗すれば次の作戦を考えれば良いだけだ。お前は言われたことを全力で愚直に成せば良い。」
「……はい!」
よし、やる気は入ったな。
もし、奴が仇だというのなら必ず復讐を果たして見せよう。
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