【祝!完結!】第六天魔王、織田信長、再臨す 〜関ヶ原から始める織田家再興物語〜 

中村幸男

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第二次関ヶ原の戦い 開戦

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「霧が立ち込めているな……」
「三郎殿。これではまるで……」
 
 三郎は頷く。
 
「あぁ、あの日の関ヶ原、そのままだな」
 
 敵陣は見えず、味方すらも怪しい。
 すると、有楽斎が近づく。
 
「三郎殿。我等は予定通り、少数の手勢で独自に動きまする」
「有楽斎殿。宜しく頼みまする」
 
 三郎は頭を下げる。
 そして、有楽斎はその場をあとにする。
 有楽斎には遊撃軍として臨機応変に動いてもらう予定であった。
 これは、先の関ヶ原と同じであった。
 
「さて、そろそろ始まるか……」
 
 すると、突如として銃撃音が鳴り響く。
 
「始まったか!?」
 
 秀則は身を乗り出し、戦場を見る。
 
「……見えぬ!」
「落ち着け秀則。じきに伝令が来る」
「申し上げます!」
 
 すると、三郎の言う通りに伝令が現れる。
 
「長宗我部様、伊達勢に仕掛けました! 福島様も続かれます!」
「ほらな。秀則。ここからどう動くかが大事だぞ」
 
 
 
「かかれ! 手柄をあげよ!」
「我等も行くぞ! この正則に続け!」
 
 長宗我部勢が伊達勢に銃撃を仕掛け、福島隊も仕掛ける。
 
「怯むな! 放てぇ!」
 
 接近する福島勢に対して津軽勢も銃撃で反撃する。

「くっ! まだまだ! 我に続け!」
「怯まないか……流石は福島正則!」

 しかし、福島正則の勢い凄まじく、津軽勢は抑えきれない。
 
「引け! 伊達殿の陣まで引くのだ!」
 
 津軽勢は陣を捨て、より後方の伊達政宗の陣へ逃げる。
 それを、福島、長宗我部勢は追う。
 
「追え! このまま伊達も攻め崩せ! この盛親に続け!」
「行け! 一気に攻めよ!」
 
 
 
「津軽為信様、こちらへ引いて来ます!」
「潰走しているか……」
 
 政宗のその言葉に伝令は答える。
 
「いえ、潰走はしておらず、津軽為信様の指揮のもと、こちらへ引いておられます!」
「そうか……流石は津軽殿だな」
「どうされますかな?」
 
 成実が聞く。
 政宗は考える。
 
「敵との距離はどれ程か?」
「は。それなりに離れておりまする。どうやら、津軽殿が配置した殿軍が、良く働いているようにございます」
「そうか……ある程度は想定通りだな」
 
 政宗は立ち上がる。
 
「出陣じゃ! 今敵は山を駆け上り、我先にと走り、陣は乱れ疲れておる! これを機に一気に山をかけ下り、敵を攻める! 我に続け!」
「馬を引け! 出陣じゃ! 殿に続け!」
 
 第二次関ヶ原の戦いの幕が開いた。
 再び、天下分け目の戦が始まる。
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