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依頼者 5
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自分は今洞窟の中を進んでいた。
指示された洞窟は地元の者なら誰でも知っている所だったのでスムーズに辿り着けた。
「おい、止まれ。」
声がする。
聞き覚えの無い声だったが敵意を感じたので言われた通りにした。
「両手をあげて膝をつけ。」
辺りは暗く、ほとんど見えていない。
明るい所で目が慣れてしまったのもあるが、それを差し引いてもこの暗さは致命的だろう。
「おい、その眼帯はどうした?そんな物つけてるなんて話は聞いてねぇぞ。」
どうやら自分の情報をあらかじめ村の者か両親辺りから聞いていたのだろうか。
相変わらず敵の気配は遠い。
相手はこちらのことがよく見えているようだった。
こちらは暗闇に目が慣れていないのに加え、向こうは暗闇に慣れている。
かなり不利だな。
「……首都で怪我をしたから眼帯をしている。」
「……そうか。」
この男は用心深い。
この少しのやり取りでそれがわかった。
クレアさんからは全て任せろと言われたが最大限注意する必要がありそうだ。
この眼帯もクレアさんから渡されたものだが、何のためか知らされてはいない。
そして、警戒されても困るので嘘を言っておいた。
「よし、その場を動くなよ。武器を持ってきていないか調べる。おい、やれ。」
「うす。」
別の声が聞こえてきた。
恐らく奴の仲間だろう。
その仲間が自分の体を調べていく。
「大丈夫そうです。」
「ああ、下がれ。」
気配が離れていく。
周囲に人の気配を感じることは出来ないが恐らく複数人は潜んでいるだろう。
「目的は?」
「お前が呼んだ研究所の所長をお前が殺せ。それが出来ないならお前は両親と同じ命運を辿ることになるぞ。」
とんでもないことを言い出した。
相変わらず相手の顔は見えないが本気で言っているのだろう。
なんとなく予想はしていたが、やはりこの集団は彼女と関わりがあるようだ。
「お前なら油断を誘えるだろう。殺せればお前の両親は助けてやる。」
「……本当か?」
勿論こいつらの要求に答えるつもりは無い。
恭順するフリをしなければ両親の身に危険が生じてしまうからだ。
顔は見えない、が恐らく思い通りにいっているので笑みを浮かべていることだろう。
しかし、こいつらと因縁があると言うのなら彼女も、この展開も予想しているだろう。
「耳を塞げ、少年!」
クレアさんの声がした。
言われた通りに急いで耳を塞ぐ。
すると、瞬く間に辺りを閃光と衝撃波が襲う。
「ぐあっ!」
「な、なんだ!?」
「何も見えねぇ!」
敵は軽いパニックに陥っているようだった。
なるほど、このための眼帯だったのか。
眼帯を外すと辺りがよく見えた。
既に暗さに目が慣れているので、相手の混乱している様子がよく見える。
3人の屈強な男達が目や耳をおさえ、苦しんでいる様が見える。
「さぁ!少年、確保するぞ!」
「わ、分かりました!」
声のする方を見るとクレアさんが洞窟に入ってきていた。
道中、敵の監視がいたのには気づいていたが、彼女は全て無力化してきたのだろうか。
そのままクレアさんと共に男達を縛り上げて行くのであった。
なんだかあっけなかったが、両親の姿はどこにも無い。
安心するのはまだ早いようだ。
指示された洞窟は地元の者なら誰でも知っている所だったのでスムーズに辿り着けた。
「おい、止まれ。」
声がする。
聞き覚えの無い声だったが敵意を感じたので言われた通りにした。
「両手をあげて膝をつけ。」
辺りは暗く、ほとんど見えていない。
明るい所で目が慣れてしまったのもあるが、それを差し引いてもこの暗さは致命的だろう。
「おい、その眼帯はどうした?そんな物つけてるなんて話は聞いてねぇぞ。」
どうやら自分の情報をあらかじめ村の者か両親辺りから聞いていたのだろうか。
相変わらず敵の気配は遠い。
相手はこちらのことがよく見えているようだった。
こちらは暗闇に目が慣れていないのに加え、向こうは暗闇に慣れている。
かなり不利だな。
「……首都で怪我をしたから眼帯をしている。」
「……そうか。」
この男は用心深い。
この少しのやり取りでそれがわかった。
クレアさんからは全て任せろと言われたが最大限注意する必要がありそうだ。
この眼帯もクレアさんから渡されたものだが、何のためか知らされてはいない。
そして、警戒されても困るので嘘を言っておいた。
「よし、その場を動くなよ。武器を持ってきていないか調べる。おい、やれ。」
「うす。」
別の声が聞こえてきた。
恐らく奴の仲間だろう。
その仲間が自分の体を調べていく。
「大丈夫そうです。」
「ああ、下がれ。」
気配が離れていく。
周囲に人の気配を感じることは出来ないが恐らく複数人は潜んでいるだろう。
「目的は?」
「お前が呼んだ研究所の所長をお前が殺せ。それが出来ないならお前は両親と同じ命運を辿ることになるぞ。」
とんでもないことを言い出した。
相変わらず相手の顔は見えないが本気で言っているのだろう。
なんとなく予想はしていたが、やはりこの集団は彼女と関わりがあるようだ。
「お前なら油断を誘えるだろう。殺せればお前の両親は助けてやる。」
「……本当か?」
勿論こいつらの要求に答えるつもりは無い。
恭順するフリをしなければ両親の身に危険が生じてしまうからだ。
顔は見えない、が恐らく思い通りにいっているので笑みを浮かべていることだろう。
しかし、こいつらと因縁があると言うのなら彼女も、この展開も予想しているだろう。
「耳を塞げ、少年!」
クレアさんの声がした。
言われた通りに急いで耳を塞ぐ。
すると、瞬く間に辺りを閃光と衝撃波が襲う。
「ぐあっ!」
「な、なんだ!?」
「何も見えねぇ!」
敵は軽いパニックに陥っているようだった。
なるほど、このための眼帯だったのか。
眼帯を外すと辺りがよく見えた。
既に暗さに目が慣れているので、相手の混乱している様子がよく見える。
3人の屈強な男達が目や耳をおさえ、苦しんでいる様が見える。
「さぁ!少年、確保するぞ!」
「わ、分かりました!」
声のする方を見るとクレアさんが洞窟に入ってきていた。
道中、敵の監視がいたのには気づいていたが、彼女は全て無力化してきたのだろうか。
そのままクレアさんと共に男達を縛り上げて行くのであった。
なんだかあっけなかったが、両親の姿はどこにも無い。
安心するのはまだ早いようだ。
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