11 / 18
助手見習い 4
しおりを挟む
後日。
自分達は東の隣村へ向かっていた。
本来なら一日もかからずつくはずなのだが、既に日が落ち始めていた。
明らかにローペースだ。
理由は明らかである。
「ちょっと……そろそろ休憩にしないかい?」
「さっき休憩したばっかりですよ。あと少しですから。」
クレアさんがバテているのだ。
どうやらこういう道にはなれていないらしい。
確かに首都近郊ではこのような整備されていない、最早獣道と言った方が正しいような道は無いので仕方ない気もする。
「本当にこの道しかないのかい?」
「はい。まぁ、厳密には裏道がありますけど……道とは言えないような酷い道ですけどそっちにします?」
すると、クレアさんは全力で首を横に振る。
まだ元気そうだ。
「じゃ、行きましょう。」
「ちょっ、せめてペースを……。」
流石にかわいそうなので進むペースは遅くする。
だが、この調子では本当に明日になってしまう。
「あっ、では。」
「え?」
進んでいくと道が2つに別れていた。
左の道は村へと続く道だが、右の道は中継地点として使われる洞窟へと続いている。
大昔は坑道として使われていたものらしく、今は放棄され、村と村の間の休憩所と化している。
だが、村の者は誰も利用しないので、無用の長物とかしていた。
「こっちの道に休むのに丁度良い洞窟があるんです。そこで休みましょう。」
「おお!そうだね!そうしようか!」
見るからに元気になる。
まぁ、元気になってくれたのなら良いだろう。
「……これは。」
「ふむ、暫く使われていないんじゃなかったっけ?」
洞窟へと近づくと明かりが見えてきたのだ。
明らかに人がいる。
まだ洞窟まで少し距離があるのにこれだけ明るいということはかなりの規模である。
暗くなってきているのも1つの要因だろうが、それでも明るすぎる。
「そういえば、1つ気になったんだが。」
「はい?」
クレアさんが何かに気がついたようだ。
「これまで歩いてきた道はかろうじて馬車が通れるような道だったがあの分かれ道の村へと続く道はとてもじゃないが馬車が通れる道ではなかったと思う。」
「……なるほど。」
確かにあそこから先は更に道が悪く、馬車で通るのは至難の技だろう。
それに比べてこちらの道は昔坑道として栄えていたのもあってか道がしっかりとしている。
「ああ。異世界人達はその洞窟を臨時の拠点にしてるんじゃないかな?」
「……昔、あの坑道はいろんな村へと繋がってると聞いた事があります。もしかしたら……。」
奴等は活動を首都から田舎の方へと移していると聞いた。
もし、本当に坑道が様々なところに繋がっていたとしたら奴等にとっては嬉しい限りだろう。
「なんにせよ、近づいてどうなってるか直接確かめた方が良い。」
「はい。」
そのまま道を進んでいくと坑道が見えてきた。
予想通りにかなりの人数がおり、テントが建てられ、臨時の拠点のような物になっていた。
宿泊所のような建物まで建てられ始めている。
そして、馬車が坑道の入り口に止められており、荷台には檻がつまれていた。
つまり、風車の人が見たのは檻だったのだ。
しかし、檻の中身は空で何もなかった。
だが、見覚えのある2人の男女が坑道の奥へと連れられていくのが見えた。
「あっ!」
「……あれが君の両親かい?」
静かに頷く。
今すぐにでも助けに行きたい。
だが、警備が厳重だしテントの中の人間も加わるとなれば流石に危険だ。
「ここは一度退こう。」
「……はい。」
悔しいが、今は撤退が最善だろう。
感情に身を任せても良いことは何も無い。
「村に戻れば坑道の地図か何かがあるかもしれない。それが分かればどこに連れて行かれたかも推測がつくと思うよ。」
「そうですね。目的も達せましたし、一度帰りましょうか。」
すると、クレアさんは何かに気がついたようだった。
全く休憩出来ずに同じ道を引き返すということに。
「……帰りの方が楽ですから。頑張りましょう。」
「……はぁ。」
大きなため息をつく。
だが、流石にのんびり帰る訳には行かないので心を鬼にして連れていこう。
自分達は東の隣村へ向かっていた。
本来なら一日もかからずつくはずなのだが、既に日が落ち始めていた。
明らかにローペースだ。
理由は明らかである。
「ちょっと……そろそろ休憩にしないかい?」
「さっき休憩したばっかりですよ。あと少しですから。」
クレアさんがバテているのだ。
どうやらこういう道にはなれていないらしい。
確かに首都近郊ではこのような整備されていない、最早獣道と言った方が正しいような道は無いので仕方ない気もする。
「本当にこの道しかないのかい?」
「はい。まぁ、厳密には裏道がありますけど……道とは言えないような酷い道ですけどそっちにします?」
すると、クレアさんは全力で首を横に振る。
まだ元気そうだ。
「じゃ、行きましょう。」
「ちょっ、せめてペースを……。」
流石にかわいそうなので進むペースは遅くする。
だが、この調子では本当に明日になってしまう。
「あっ、では。」
「え?」
進んでいくと道が2つに別れていた。
左の道は村へと続く道だが、右の道は中継地点として使われる洞窟へと続いている。
大昔は坑道として使われていたものらしく、今は放棄され、村と村の間の休憩所と化している。
だが、村の者は誰も利用しないので、無用の長物とかしていた。
「こっちの道に休むのに丁度良い洞窟があるんです。そこで休みましょう。」
「おお!そうだね!そうしようか!」
見るからに元気になる。
まぁ、元気になってくれたのなら良いだろう。
「……これは。」
「ふむ、暫く使われていないんじゃなかったっけ?」
洞窟へと近づくと明かりが見えてきたのだ。
明らかに人がいる。
まだ洞窟まで少し距離があるのにこれだけ明るいということはかなりの規模である。
暗くなってきているのも1つの要因だろうが、それでも明るすぎる。
「そういえば、1つ気になったんだが。」
「はい?」
クレアさんが何かに気がついたようだ。
「これまで歩いてきた道はかろうじて馬車が通れるような道だったがあの分かれ道の村へと続く道はとてもじゃないが馬車が通れる道ではなかったと思う。」
「……なるほど。」
確かにあそこから先は更に道が悪く、馬車で通るのは至難の技だろう。
それに比べてこちらの道は昔坑道として栄えていたのもあってか道がしっかりとしている。
「ああ。異世界人達はその洞窟を臨時の拠点にしてるんじゃないかな?」
「……昔、あの坑道はいろんな村へと繋がってると聞いた事があります。もしかしたら……。」
奴等は活動を首都から田舎の方へと移していると聞いた。
もし、本当に坑道が様々なところに繋がっていたとしたら奴等にとっては嬉しい限りだろう。
「なんにせよ、近づいてどうなってるか直接確かめた方が良い。」
「はい。」
そのまま道を進んでいくと坑道が見えてきた。
予想通りにかなりの人数がおり、テントが建てられ、臨時の拠点のような物になっていた。
宿泊所のような建物まで建てられ始めている。
そして、馬車が坑道の入り口に止められており、荷台には檻がつまれていた。
つまり、風車の人が見たのは檻だったのだ。
しかし、檻の中身は空で何もなかった。
だが、見覚えのある2人の男女が坑道の奥へと連れられていくのが見えた。
「あっ!」
「……あれが君の両親かい?」
静かに頷く。
今すぐにでも助けに行きたい。
だが、警備が厳重だしテントの中の人間も加わるとなれば流石に危険だ。
「ここは一度退こう。」
「……はい。」
悔しいが、今は撤退が最善だろう。
感情に身を任せても良いことは何も無い。
「村に戻れば坑道の地図か何かがあるかもしれない。それが分かればどこに連れて行かれたかも推測がつくと思うよ。」
「そうですね。目的も達せましたし、一度帰りましょうか。」
すると、クレアさんは何かに気がついたようだった。
全く休憩出来ずに同じ道を引き返すということに。
「……帰りの方が楽ですから。頑張りましょう。」
「……はぁ。」
大きなため息をつく。
だが、流石にのんびり帰る訳には行かないので心を鬼にして連れていこう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる