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商店街夏のサバイバルバトル!
次女!VS牙!勝つのはわた「俺だ!」私だ!
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十分前。
ダブル店長が戦ってる同時刻、次女も牙との戦いに終わりが見えたと思っていた。
水手裏剣で牙を当てるその隙を見つけ牙目掛けて水手裏剣を投げるが横から別の攻撃が当たり水手裏剣は牙には当たらなかった。
流石に次女は驚きこの状況がやばいと頭に電気信号が流れてくるかのように鳴り響く。
冷や汗をかきもう一人の人物を探すが見つからない。下手に牙に攻撃をしてもそれすら牙に当たる前に地に落ちてしまう。
最悪自分自身に当てられる可能性の方が高い。
そう思い物陰に隠れようとすると足元を撃たれ身動きが取れなくなってしまった。
すると探していた自分はあっさりと出てきて水鉄砲の銃口をこちらに向けたまま現れた。
その人物は私もよく知っている。夜の道とも呼ばれている裏通りにある古本屋の店長さん。
如月恵多さんだった。
まさか牙のお兄さんまでいるのは予想外だった。如月さんは銃口を私に向けたまま牙の隣に立って「ごめんね」と私に謝った。
まるで映画のワンシーンで仲間に裏切られたかのようなシーンに見えてしまう。
「女の子相手に二対一はずるいかな」
「めちゃくちゃズルいです。あんなに優しい店長の如月さんが私に銃口を向けるなんて、ちょっと傷つきましたよ」
「ごめんね。今度君の好きな作家の本を大量に発注しとくよ」
「許します!」
牙は小声で「チョロ」と薄ら笑いしているのがはっきり聞こえちょっとカッチーンときた。
だけど、今この状態で冷静さを忘れてはいけない。でないとやられてしまう。
なんとか逃げる糸口だけでも見つからないか私は二人の周りを目でキョロキョロと動かして探していると如月さんはゆっくりと驚く程優しい声色で私に話しかけた。
「実はね、君の所のチームを利用させて貰ったんだ」
その優し声からとんでもない台詞を聞かされた。まるで悪役に向いてないキャラが悪役になってしまったかのような。優しい人ほどやる事はえげつないようなそんな感じがした。
私はおそらく目を見開いて驚いたような顔をしているに違いない。だって普段は古本屋のレジで座って本を読んでいてオススメがあったら教えてくれたりしてくれるあの優しい如月さんしか私は知らない。
私が驚いているのをお構いなしに如月さんは話を続けた。
「僕達はね、毎年このイベントに出ていたんだ。けど鬼神の親子がとても強くてね。いつも僕達は彼らに負けていたんだ。けど今年君達のチームが参加すると知ってもしかしたら鬼神の親子が敗北するのではと少し賭けてたんだ。君達のチームが勝つ事に。結果は予想通り。後は君達のチームを潰せば不安要素は取り除ける。それに君達の大将はやられた。後は君だけだよ」
「一応、私含めて後三人はいますよ」
「問題はない」
問題はないか。舐められたもんだなと私は思った。
でも、如月さんは問題ないとは言ったが二人は脱落したとは言っていない。仮に私がここでやられてもあの二人が生き残ってくれていれば私達のチームが勝つ確率はある。
出来るだけ、相手の体力を削り逃げる隙を作って隠れないといけないと思い周りを見渡すと水風船が近くに落ちていた。
その落ちてた水風船を如月さんに目掛けて投げその隙に私は逃げるように走り出した。如月さんは水風船を避けて私を追い掛けようと走り出すが私には追いつけない。足なら私の方が上だった。だけど、上には上がいる。牙は壁を走り私が行く道を塞ぎ通せんぼする。が、お構いなしに私はもう一つ隠していた最後の水風船を牙に目掛けて投げると割るわけにいかなかったのか水風船を避け隙に私は牙の横にすり抜けた。
牙が「チッ」と舌打ちしたのを聞こえ思わずざまぁみろと思ってしまう。
だがまた私が行く先を如月さんが阻む。
如月さんは早いスピードで私に近づき至近距離で水鉄砲を撃ってきた。如月さんが持ってるのはおもちゃ屋に売ってる普通の水鉄砲。普通に撃っても私には届かないが私の目にご尊顔が大きく見える位まで近づかれてはさすがに当たってしまう。
近づけられないように距離をとっても牙に攻撃されてそちらにも目を向けないといけない。二人に集中したくても攻撃してくるタイミングや私が避ける位置を予測されて躱すのもギリギリ。
このままいくと体力が削れて私はやられてしまう。
「なにか、助かる糸口が、あるはず」
必死に探しても何も見つからない。
二人を見ているとまるで狼で、私は逃げ回る兎のようだった。
逃げて逃げて逃げまくっていると、私は行き止りまで追い詰められとうとう私は食べられる兎になった。
「ここまでだね。君にしてはよく頑張ったよ」
私は潔く負けを認めた。もう体力も限界で前は行き止り、後ろには塞がれて敵が二人いる。
もう、為す術はない。
優勝商品とか一位とかいらなかった。ただ私は……。
「勝ちたかったなぁ」
そう、ぼやいていた。
「バイバイ」
如月さんは水鉄砲を私に向けた時「諦めんな馬鹿!」と源の声が聞こえた。
上から源ちゃんが落ちてきて思わず如月さんは後ろに下がった。
「勝ちたい? あぁ、俺達が入れば勝てるに決まってるだろ!」
「然り! 俺達を舐めてもらっては困る!」
忍も私が使ってたガトリングガンを下にいる二人に向けて撃ち落としてきた。
そして下に降りて私にガトリングガンを渡してくれた。
「次女はこれ食って回復しろ。俺達で時間稼ぐから、三人で倒すぞ」
「うん!」
源ちゃんは私にクッキーを渡してくれた。うちの店長お手製のクッキー。
「忍、いくぞ!」
「承知!」
忍は水手裏剣で二人を攻撃し源ちゃんは至近距離で牙に攻撃を仕掛けた。
私は涙目になりながらクッキーを食べなんとか体力は回復されて空腹も満たされていく。
自分の頬を叩いて元気づけして私も武器を構えて途中乱入に入った。
「復活ー!」
「早」
私達のやりとりを見た如月さんはくすくすと笑って「いいね、面白くなってきたよ」と目は完全に怖くなってきた。
「あ、ごめん、源ちゃん私やっぱ牙の相手するわ」
「おい、俺一人にこの人の相手は無理だ! 牙は忍に任して俺達は如月さんのほうをやるぞ」
「いや、無理無理無理無理。目が完全にイッちゃってるよ。悪役の目だよ! 私達二人じゃ絶対無理」
「諦めたらそこで負けるぞ」
「どっかのバスケの監督のセリフみたいな事言わないで!」
バカ話して場の雰囲気が少し和み私の心は平常心を保つ事が出来た。
お陰で手と足の震えも無くなった。
無くなったけど、相手が強すぎる。
私と源ちゃんで同時攻撃をしてもまるで未来予知でもしてるかのようにスルスルと交わしていく。そして、持ってる武器は玩具の水鉄砲なのに私達に確実に当てようとする。それでも交わせなくはない。もし威力がある水鉄砲だったら恐らく私達はすぐにやられてた。
「う~ん、やっぱり威力がないな。玩具にしたのが失敗だったかな?」
「そうですね、玩具にした事を後悔させてあげますよ」
如月さんは玩具の銃をまじまじと見つけチャンスと思ってガトリングガンを撃つと「じゃあ……武器を変えようか」と如月さんはそう呟き、目の色を変えた。
それと同時に場の空気も変わり今は真夏なのに、まるで冬の極寒のような寒さを肌に感じた。今まで感じた事の無い感覚に私は源ちゃんの腕を掴んで後ろに下がらせた。源ちゃんは何がなんだかわからないような顔をして私と如月さんの交互に見ているがそれでも分からないような顔をしている。
如月さんは玩具の水鉄砲をポイッと捨てて着ているコートの中から別の武器を取り出した。
見た目はさっきの玩具と何も変わらない水鉄砲。それを見た源ちゃんは「あれは!?」と玩具の銃を見て驚き私を米担きしてそそくさと逃げた。その時如月さんは私達に銃口を向けて撃つとさっきの玩具とは全然違う威力で水が噴射された。それも壁にぶつかると弾は弾け水が広がる。
それを何発も如月さんは私達撃ってくる。
物陰に隠れ私は源ちゃんあの銃はなんなのか聞いた。
「源ちゃん、あれなに? なんかめっちゃヤバいんやけど」
「次女はいつ関西人になった。口調が関西弁になってるぞ。あれはウォーターハイパーガンで撃った時に弾は五秒後に弾けるようになってる。例えるなら小さい爆弾のような感じだ」
「へぇ~、すごく詳しいね」
その言葉に源はダラダラと汗を流し「………あれ」としどろもどろになりながら青い顔をしている。そして続けて言ったのは「あれ……設計したの……俺」と言った。
私達の間に風が透き通り私は唖然とする。
「作ったのは?」
「博士」
またしても風が透き通り私は何も言えなかった。私の中で何を思って今どんな感情なのか自分自身なのに全く分からない。
私が言えたのは………
「なんで向こうがこっちよりええ武器持ってんのおかしない!」
ツッコム事しか出来なかった。
「ほんまおかしいで! なんで源ちゃんが考えた武器があちらさんが使ってはるん!? これで負けたら源ちゃんのせいやからな! あと博士も! うち基本ボケ担当なのになんで源ちゃんがボケてんの!」
源ちゃんはオロオロしながら「実は……」と代弁を始めた。
「実は、イベントが始まる一週間前にあの武器が完成したんだけど、出来た武器が無くなったって博士から連絡があって。でもあれ失敗作だしいっかと思って博士と俺は捜索しなかったんだ」
私は物陰の隙間から敵の武器を見た後源ちゃんの方を見て「あれのどこが失敗なの?」と聞いた。向こうはお構いなしにバンバンこっちに撃っては弾を補充してまた撃ってくる。そんなやばい武器にどこが失敗なのか私は分からなかった。
「実はあの武器は致命的なミスがあるんだ。それは銃ではなく弾の方なんだ。銃の方は弾をより早く飛ばせるように作られている、だが弾がそれに耐えられなくて発射する前に中で破裂する恐れがある。弾作るのが一番難しいんだ。だから、その内弾を撃ち続けたら中から破裂してその圧で銃も使い物にならなくなる……はず」
「なるほど、銃は成功だけど弾が失敗作なんだね」
「あぁ、避け続けたらおそらく失敗の弾が当たるかもしれない。避け続けるぞ、俺達はスタミナがそこそこあるからな!」
「よっしゃあぁやったるぞ!」
と言ったは良いが、かれこれ3分は逃げ続けてもハズレの弾は中々アタリが出てこない。
私達はまた物陰に隠れ私は源ちゃんに問い詰めた。
「ねぇ源ちゃん。私達カップ麺が出来上がる時間まで逃げたよね。中々弾が破裂しないのだけど。さすがに三分逃げてあんなに撃ってたらハズレがきてもおかしくない?」
「………なにも言えねぇ」
源ちゃんは力尽きたかのように倒れた。流石の源ちゃんこれは分からず仕舞いで私達は別の作戦を練る事にした。
「でも、なんで弾が破裂しないの? 如月さん、もしかして弄った?」
「あれ設計したのは俺で作ったのは博士だぞ。もし弄ってたら俺も博士も凹むぞ」
確かにそれはそう。特に発明家の博士ちゃんが自分が作った物を弄られて凹まない方がおかしい。今私達の目の前にあるあの武器がもし弄られて博士ちゃんが作った時より優れていたらこっち負ける確率が上がる一方。
このままでは埒があかない。
「どうしよ」
「逃げて別のエリアに行くか?」
「忍はどうする? てか、あの人がみすみす私達を逃がすと思う?」
沈黙が流れた後、激しい音が響き何事かと思ったら牙が如月さんの隣に立っていた。
「嘘、まさか」
「……忍が」
嫌な予感は嫌と言う程よく当たる。でも、今だけはその予感が外れてほしかった。
だけど、現実はそう簡単には私達の良いようには動かない。
「牙、遅かったね」
「あぁ、骨がある奴だったから時間掛かったわ。これで二対二だな」
私と源ちゃんは武器を構えている如月さんと牙を見て顔を青くする。
「二対二でも差があり過ぎる」
「こんなのどうやって勝つんだよ」
「よし、私が牙やるから源ちゃんは如月さんやって」
「待て待て待て待て。やばい方を俺に押し付けるな。それだったら次女が如月さんと戦えよ、俺牙やるから」
「無理だって、如月さん一人でも私達二人じゃ勝てないよ」
「俺達二人?」
「なに? 何か秘策があるの?」
「いけるか分かんねえが、一か八か」
源は厳しい顔をしながら懐からある物を取り出した。それを敵の二人に見せながら源は「牙!」と叫ぶ。
「今俺の手にはファンタビアンカの30%割引の券と期限付きのクッキー無料で貰える券がある! 欲しかったら俺達側についてくれ!」
次女はすっ転んだ。それもそう。自分働いている店の福引きを源のお兄さんにと思い賄賂で渡した福引きをまさかここで取引のように使うとは誰もましてや次女でも思わなかった。
こんなのうまく牙を釣れないと思った次女は「源ちゃん、なにやって」と内心焦っている。
だが、次女の予想は別の方に行く。
「何枚ある?」
なんと牙は食い付いた。
次女は「えっ? 牙甘い物好きだったけ?」と自分の記憶にある牙を思い出して甘いの物を食べてる所を思い出そうとするが思い出せない、と言うより無い。
そんな次女をほっといて源は牙と交渉を続けた。
「二つで三十枚づつある! 約一ヶ月分だ!」
牙はふっと笑い自分の兄に武器を向けて「のった」と言った。
交渉が成功して次女は「嘘、マジで」と驚きが絶えなかった。
「割引クーポンで釣られるなんて。牙、そんなに甘い物好きだったっけ?」
「…………………めっちゃ好きだけど」
「間が多いよ」
牙は武器を振り如月さんに攻撃をするが、如月さんは牙の裏切りに驚きながらも攻撃をかわし銃で牙を撃とうとするが、横からガトリングガンに撃たれそれをかわし銃を引いた。
「まぁ、なにはともあれ。形勢逆転、でいいの?」
「いいんじゃね。勝てばなんでもいいーっしょ」
「兄ちゃん、ごめん」
如月さんは冷や汗を流しながらもうっすらと笑いこの状況を楽しそうにしていた。
「いいね、楽しくなって来たよ」
如月さんはまた別の武器を取り出し左手に銃、右手に短刀のような物を出した。
私達も武器を構えて第二ラウンドに入る。
ご飯がもっと食べたいなぁ~。
ダブル店長が戦ってる同時刻、次女も牙との戦いに終わりが見えたと思っていた。
水手裏剣で牙を当てるその隙を見つけ牙目掛けて水手裏剣を投げるが横から別の攻撃が当たり水手裏剣は牙には当たらなかった。
流石に次女は驚きこの状況がやばいと頭に電気信号が流れてくるかのように鳴り響く。
冷や汗をかきもう一人の人物を探すが見つからない。下手に牙に攻撃をしてもそれすら牙に当たる前に地に落ちてしまう。
最悪自分自身に当てられる可能性の方が高い。
そう思い物陰に隠れようとすると足元を撃たれ身動きが取れなくなってしまった。
すると探していた自分はあっさりと出てきて水鉄砲の銃口をこちらに向けたまま現れた。
その人物は私もよく知っている。夜の道とも呼ばれている裏通りにある古本屋の店長さん。
如月恵多さんだった。
まさか牙のお兄さんまでいるのは予想外だった。如月さんは銃口を私に向けたまま牙の隣に立って「ごめんね」と私に謝った。
まるで映画のワンシーンで仲間に裏切られたかのようなシーンに見えてしまう。
「女の子相手に二対一はずるいかな」
「めちゃくちゃズルいです。あんなに優しい店長の如月さんが私に銃口を向けるなんて、ちょっと傷つきましたよ」
「ごめんね。今度君の好きな作家の本を大量に発注しとくよ」
「許します!」
牙は小声で「チョロ」と薄ら笑いしているのがはっきり聞こえちょっとカッチーンときた。
だけど、今この状態で冷静さを忘れてはいけない。でないとやられてしまう。
なんとか逃げる糸口だけでも見つからないか私は二人の周りを目でキョロキョロと動かして探していると如月さんはゆっくりと驚く程優しい声色で私に話しかけた。
「実はね、君の所のチームを利用させて貰ったんだ」
その優し声からとんでもない台詞を聞かされた。まるで悪役に向いてないキャラが悪役になってしまったかのような。優しい人ほどやる事はえげつないようなそんな感じがした。
私はおそらく目を見開いて驚いたような顔をしているに違いない。だって普段は古本屋のレジで座って本を読んでいてオススメがあったら教えてくれたりしてくれるあの優しい如月さんしか私は知らない。
私が驚いているのをお構いなしに如月さんは話を続けた。
「僕達はね、毎年このイベントに出ていたんだ。けど鬼神の親子がとても強くてね。いつも僕達は彼らに負けていたんだ。けど今年君達のチームが参加すると知ってもしかしたら鬼神の親子が敗北するのではと少し賭けてたんだ。君達のチームが勝つ事に。結果は予想通り。後は君達のチームを潰せば不安要素は取り除ける。それに君達の大将はやられた。後は君だけだよ」
「一応、私含めて後三人はいますよ」
「問題はない」
問題はないか。舐められたもんだなと私は思った。
でも、如月さんは問題ないとは言ったが二人は脱落したとは言っていない。仮に私がここでやられてもあの二人が生き残ってくれていれば私達のチームが勝つ確率はある。
出来るだけ、相手の体力を削り逃げる隙を作って隠れないといけないと思い周りを見渡すと水風船が近くに落ちていた。
その落ちてた水風船を如月さんに目掛けて投げその隙に私は逃げるように走り出した。如月さんは水風船を避けて私を追い掛けようと走り出すが私には追いつけない。足なら私の方が上だった。だけど、上には上がいる。牙は壁を走り私が行く道を塞ぎ通せんぼする。が、お構いなしに私はもう一つ隠していた最後の水風船を牙に目掛けて投げると割るわけにいかなかったのか水風船を避け隙に私は牙の横にすり抜けた。
牙が「チッ」と舌打ちしたのを聞こえ思わずざまぁみろと思ってしまう。
だがまた私が行く先を如月さんが阻む。
如月さんは早いスピードで私に近づき至近距離で水鉄砲を撃ってきた。如月さんが持ってるのはおもちゃ屋に売ってる普通の水鉄砲。普通に撃っても私には届かないが私の目にご尊顔が大きく見える位まで近づかれてはさすがに当たってしまう。
近づけられないように距離をとっても牙に攻撃されてそちらにも目を向けないといけない。二人に集中したくても攻撃してくるタイミングや私が避ける位置を予測されて躱すのもギリギリ。
このままいくと体力が削れて私はやられてしまう。
「なにか、助かる糸口が、あるはず」
必死に探しても何も見つからない。
二人を見ているとまるで狼で、私は逃げ回る兎のようだった。
逃げて逃げて逃げまくっていると、私は行き止りまで追い詰められとうとう私は食べられる兎になった。
「ここまでだね。君にしてはよく頑張ったよ」
私は潔く負けを認めた。もう体力も限界で前は行き止り、後ろには塞がれて敵が二人いる。
もう、為す術はない。
優勝商品とか一位とかいらなかった。ただ私は……。
「勝ちたかったなぁ」
そう、ぼやいていた。
「バイバイ」
如月さんは水鉄砲を私に向けた時「諦めんな馬鹿!」と源の声が聞こえた。
上から源ちゃんが落ちてきて思わず如月さんは後ろに下がった。
「勝ちたい? あぁ、俺達が入れば勝てるに決まってるだろ!」
「然り! 俺達を舐めてもらっては困る!」
忍も私が使ってたガトリングガンを下にいる二人に向けて撃ち落としてきた。
そして下に降りて私にガトリングガンを渡してくれた。
「次女はこれ食って回復しろ。俺達で時間稼ぐから、三人で倒すぞ」
「うん!」
源ちゃんは私にクッキーを渡してくれた。うちの店長お手製のクッキー。
「忍、いくぞ!」
「承知!」
忍は水手裏剣で二人を攻撃し源ちゃんは至近距離で牙に攻撃を仕掛けた。
私は涙目になりながらクッキーを食べなんとか体力は回復されて空腹も満たされていく。
自分の頬を叩いて元気づけして私も武器を構えて途中乱入に入った。
「復活ー!」
「早」
私達のやりとりを見た如月さんはくすくすと笑って「いいね、面白くなってきたよ」と目は完全に怖くなってきた。
「あ、ごめん、源ちゃん私やっぱ牙の相手するわ」
「おい、俺一人にこの人の相手は無理だ! 牙は忍に任して俺達は如月さんのほうをやるぞ」
「いや、無理無理無理無理。目が完全にイッちゃってるよ。悪役の目だよ! 私達二人じゃ絶対無理」
「諦めたらそこで負けるぞ」
「どっかのバスケの監督のセリフみたいな事言わないで!」
バカ話して場の雰囲気が少し和み私の心は平常心を保つ事が出来た。
お陰で手と足の震えも無くなった。
無くなったけど、相手が強すぎる。
私と源ちゃんで同時攻撃をしてもまるで未来予知でもしてるかのようにスルスルと交わしていく。そして、持ってる武器は玩具の水鉄砲なのに私達に確実に当てようとする。それでも交わせなくはない。もし威力がある水鉄砲だったら恐らく私達はすぐにやられてた。
「う~ん、やっぱり威力がないな。玩具にしたのが失敗だったかな?」
「そうですね、玩具にした事を後悔させてあげますよ」
如月さんは玩具の銃をまじまじと見つけチャンスと思ってガトリングガンを撃つと「じゃあ……武器を変えようか」と如月さんはそう呟き、目の色を変えた。
それと同時に場の空気も変わり今は真夏なのに、まるで冬の極寒のような寒さを肌に感じた。今まで感じた事の無い感覚に私は源ちゃんの腕を掴んで後ろに下がらせた。源ちゃんは何がなんだかわからないような顔をして私と如月さんの交互に見ているがそれでも分からないような顔をしている。
如月さんは玩具の水鉄砲をポイッと捨てて着ているコートの中から別の武器を取り出した。
見た目はさっきの玩具と何も変わらない水鉄砲。それを見た源ちゃんは「あれは!?」と玩具の銃を見て驚き私を米担きしてそそくさと逃げた。その時如月さんは私達に銃口を向けて撃つとさっきの玩具とは全然違う威力で水が噴射された。それも壁にぶつかると弾は弾け水が広がる。
それを何発も如月さんは私達撃ってくる。
物陰に隠れ私は源ちゃんあの銃はなんなのか聞いた。
「源ちゃん、あれなに? なんかめっちゃヤバいんやけど」
「次女はいつ関西人になった。口調が関西弁になってるぞ。あれはウォーターハイパーガンで撃った時に弾は五秒後に弾けるようになってる。例えるなら小さい爆弾のような感じだ」
「へぇ~、すごく詳しいね」
その言葉に源はダラダラと汗を流し「………あれ」としどろもどろになりながら青い顔をしている。そして続けて言ったのは「あれ……設計したの……俺」と言った。
私達の間に風が透き通り私は唖然とする。
「作ったのは?」
「博士」
またしても風が透き通り私は何も言えなかった。私の中で何を思って今どんな感情なのか自分自身なのに全く分からない。
私が言えたのは………
「なんで向こうがこっちよりええ武器持ってんのおかしない!」
ツッコム事しか出来なかった。
「ほんまおかしいで! なんで源ちゃんが考えた武器があちらさんが使ってはるん!? これで負けたら源ちゃんのせいやからな! あと博士も! うち基本ボケ担当なのになんで源ちゃんがボケてんの!」
源ちゃんはオロオロしながら「実は……」と代弁を始めた。
「実は、イベントが始まる一週間前にあの武器が完成したんだけど、出来た武器が無くなったって博士から連絡があって。でもあれ失敗作だしいっかと思って博士と俺は捜索しなかったんだ」
私は物陰の隙間から敵の武器を見た後源ちゃんの方を見て「あれのどこが失敗なの?」と聞いた。向こうはお構いなしにバンバンこっちに撃っては弾を補充してまた撃ってくる。そんなやばい武器にどこが失敗なのか私は分からなかった。
「実はあの武器は致命的なミスがあるんだ。それは銃ではなく弾の方なんだ。銃の方は弾をより早く飛ばせるように作られている、だが弾がそれに耐えられなくて発射する前に中で破裂する恐れがある。弾作るのが一番難しいんだ。だから、その内弾を撃ち続けたら中から破裂してその圧で銃も使い物にならなくなる……はず」
「なるほど、銃は成功だけど弾が失敗作なんだね」
「あぁ、避け続けたらおそらく失敗の弾が当たるかもしれない。避け続けるぞ、俺達はスタミナがそこそこあるからな!」
「よっしゃあぁやったるぞ!」
と言ったは良いが、かれこれ3分は逃げ続けてもハズレの弾は中々アタリが出てこない。
私達はまた物陰に隠れ私は源ちゃんに問い詰めた。
「ねぇ源ちゃん。私達カップ麺が出来上がる時間まで逃げたよね。中々弾が破裂しないのだけど。さすがに三分逃げてあんなに撃ってたらハズレがきてもおかしくない?」
「………なにも言えねぇ」
源ちゃんは力尽きたかのように倒れた。流石の源ちゃんこれは分からず仕舞いで私達は別の作戦を練る事にした。
「でも、なんで弾が破裂しないの? 如月さん、もしかして弄った?」
「あれ設計したのは俺で作ったのは博士だぞ。もし弄ってたら俺も博士も凹むぞ」
確かにそれはそう。特に発明家の博士ちゃんが自分が作った物を弄られて凹まない方がおかしい。今私達の目の前にあるあの武器がもし弄られて博士ちゃんが作った時より優れていたらこっち負ける確率が上がる一方。
このままでは埒があかない。
「どうしよ」
「逃げて別のエリアに行くか?」
「忍はどうする? てか、あの人がみすみす私達を逃がすと思う?」
沈黙が流れた後、激しい音が響き何事かと思ったら牙が如月さんの隣に立っていた。
「嘘、まさか」
「……忍が」
嫌な予感は嫌と言う程よく当たる。でも、今だけはその予感が外れてほしかった。
だけど、現実はそう簡単には私達の良いようには動かない。
「牙、遅かったね」
「あぁ、骨がある奴だったから時間掛かったわ。これで二対二だな」
私と源ちゃんは武器を構えている如月さんと牙を見て顔を青くする。
「二対二でも差があり過ぎる」
「こんなのどうやって勝つんだよ」
「よし、私が牙やるから源ちゃんは如月さんやって」
「待て待て待て待て。やばい方を俺に押し付けるな。それだったら次女が如月さんと戦えよ、俺牙やるから」
「無理だって、如月さん一人でも私達二人じゃ勝てないよ」
「俺達二人?」
「なに? 何か秘策があるの?」
「いけるか分かんねえが、一か八か」
源は厳しい顔をしながら懐からある物を取り出した。それを敵の二人に見せながら源は「牙!」と叫ぶ。
「今俺の手にはファンタビアンカの30%割引の券と期限付きのクッキー無料で貰える券がある! 欲しかったら俺達側についてくれ!」
次女はすっ転んだ。それもそう。自分働いている店の福引きを源のお兄さんにと思い賄賂で渡した福引きをまさかここで取引のように使うとは誰もましてや次女でも思わなかった。
こんなのうまく牙を釣れないと思った次女は「源ちゃん、なにやって」と内心焦っている。
だが、次女の予想は別の方に行く。
「何枚ある?」
なんと牙は食い付いた。
次女は「えっ? 牙甘い物好きだったけ?」と自分の記憶にある牙を思い出して甘いの物を食べてる所を思い出そうとするが思い出せない、と言うより無い。
そんな次女をほっといて源は牙と交渉を続けた。
「二つで三十枚づつある! 約一ヶ月分だ!」
牙はふっと笑い自分の兄に武器を向けて「のった」と言った。
交渉が成功して次女は「嘘、マジで」と驚きが絶えなかった。
「割引クーポンで釣られるなんて。牙、そんなに甘い物好きだったっけ?」
「…………………めっちゃ好きだけど」
「間が多いよ」
牙は武器を振り如月さんに攻撃をするが、如月さんは牙の裏切りに驚きながらも攻撃をかわし銃で牙を撃とうとするが、横からガトリングガンに撃たれそれをかわし銃を引いた。
「まぁ、なにはともあれ。形勢逆転、でいいの?」
「いいんじゃね。勝てばなんでもいいーっしょ」
「兄ちゃん、ごめん」
如月さんは冷や汗を流しながらもうっすらと笑いこの状況を楽しそうにしていた。
「いいね、楽しくなって来たよ」
如月さんはまた別の武器を取り出し左手に銃、右手に短刀のような物を出した。
私達も武器を構えて第二ラウンドに入る。
ご飯がもっと食べたいなぁ~。
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さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
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