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冒頭
第3話 生徒会長、瀬戸氷織
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名波さんの好感度確認を終えた青野は、少々気落ちしつつも気持ちを切り替えてきた。
「いや待て! 優紀は一旦置いておいてだ、次が本命だからな!」
「あー、件の生徒会長か」
「ああ! ここは上がってくれなきゃ困るぜ!」
「はいはい、どうだったかな……」
2人目。冷たく気高い生徒会長、瀬戸氷織。彼女は俺達の1つ上の2年生で、3年生たちを差し置いて生徒会長を努めている。
腰まで伸びたサラリとなびく銀髪は、氷織という名前にふさわしい美しさだと評判だ。目つきがやや厳しいせいか、一部では雪女のようだなんて言われている。
『瀬戸会長に一目惚れしました! 僕と付き合ってください!』
『……悪いけど、私は貴方の事を何も知らないから』
男子たちにとてもモテるようで、こんな感じで告白しては玉砕した男子生徒が山のように積みあがっているとのこと。恋愛どころか人間に興味がないのではないか、なんて噂も出るほどだった。さて、そんな瀬戸先輩の好感度は果たしてどうなっていたか。
「じゃあ次は瀬戸先輩、12だ」
「…………え、はぁ!?」
一瞬、青野の時間が止まった。どうにか再起動した青野だが、額に大量の汗が吹き出し始めている。
「どういうことだよ!? むしろ下がってるじゃないか!?」
「昨日は15だったからな。更に嫌われてしまったみたいだぞ」
「嘘だぁーっ!」
瀬戸先輩に対しては何らかの勝算があったらしい。しかし結果は大撃沈、青ざめた額をガンッと机に打ち付けた。初対面の相手での30程度なのだけれど、なんと12まで下がってしまったのだ。つまり彼女は、明確に青野の事が嫌いになっていることを表している。
ちなみに、俺に見える好感度の数字は色が付いている。高いと燃えるように赤く、低いと凍えるような青に変わる。瀬戸先輩の12は、凍り付いているかのように真っ青だった。
「お前、何やらかしたんだよ……」
「いやいや納得いかねえよ! せっかく荷物持ち頑張ったんだぞ!?」
「腕パンパンの原因それかよ……」
俺の聞いた情報からすると、青野の言うイベントとやらに、荷物持ちとして付き合ったようだ。確か、生徒会の備品を新調するための運搬作業がある、という話だった。
けれど、俺の持っている情報は青野の言葉とは異なっているのが引っかかる。
「確か会長、台車を使うから1人で良いって話じゃなかったか?」
「そんな事されたら俺の力自慢ができないだろ! 台車ごと担いでやったさ!」
「台車の意味ねえ……」
無駄に労力を増やして筋肉痛になるなんて、あまりにもアホらしいアピールだった。自分の横に台車を担いだ男が歩いていたら、目立つことこの上ない。会長は嫌な思いをしたのだろう。下がった好感度がはっきりと主張していた。
「それにさ、お前が頼んでも無いのに勝手に付いてきたって聞いたぞ?」
「いやいや! 俺はただ会長との距離を詰めたくてな……、頼まれては無かったし、礼も言われなかったけど」
「それでどうして好感度が上がると思ったんだよ……」
常識的に考えて、女性に男が一方的に付きまとったら、好きになるどころか怖がられてしまう。これも既に忠告したのだが、当然青野はまともに聞いてくれないから、かなりうんざりしてきた。
「けどさ、そこまでアピールしたいなら何で生徒会には入る気が無いんだ?」
「バカ言え、他のヒロイン達との時間が無くなっちゃうじゃないか。それにそんな設定は存在しない」
「設定って……」
青野の言う設定は、独りよがりの決めつけにしか見えない。バカを言っているのはどっちだと呆れるものの、これもやはり思うだけで留める。
それにしても、会長が一人で作業をしていたという情報を、どうやって知ったのだろうか。俺は青野には話していないから、知りようが無いはずなのだけれど。
「いや待て! 優紀は一旦置いておいてだ、次が本命だからな!」
「あー、件の生徒会長か」
「ああ! ここは上がってくれなきゃ困るぜ!」
「はいはい、どうだったかな……」
2人目。冷たく気高い生徒会長、瀬戸氷織。彼女は俺達の1つ上の2年生で、3年生たちを差し置いて生徒会長を努めている。
腰まで伸びたサラリとなびく銀髪は、氷織という名前にふさわしい美しさだと評判だ。目つきがやや厳しいせいか、一部では雪女のようだなんて言われている。
『瀬戸会長に一目惚れしました! 僕と付き合ってください!』
『……悪いけど、私は貴方の事を何も知らないから』
男子たちにとてもモテるようで、こんな感じで告白しては玉砕した男子生徒が山のように積みあがっているとのこと。恋愛どころか人間に興味がないのではないか、なんて噂も出るほどだった。さて、そんな瀬戸先輩の好感度は果たしてどうなっていたか。
「じゃあ次は瀬戸先輩、12だ」
「…………え、はぁ!?」
一瞬、青野の時間が止まった。どうにか再起動した青野だが、額に大量の汗が吹き出し始めている。
「どういうことだよ!? むしろ下がってるじゃないか!?」
「昨日は15だったからな。更に嫌われてしまったみたいだぞ」
「嘘だぁーっ!」
瀬戸先輩に対しては何らかの勝算があったらしい。しかし結果は大撃沈、青ざめた額をガンッと机に打ち付けた。初対面の相手での30程度なのだけれど、なんと12まで下がってしまったのだ。つまり彼女は、明確に青野の事が嫌いになっていることを表している。
ちなみに、俺に見える好感度の数字は色が付いている。高いと燃えるように赤く、低いと凍えるような青に変わる。瀬戸先輩の12は、凍り付いているかのように真っ青だった。
「お前、何やらかしたんだよ……」
「いやいや納得いかねえよ! せっかく荷物持ち頑張ったんだぞ!?」
「腕パンパンの原因それかよ……」
俺の聞いた情報からすると、青野の言うイベントとやらに、荷物持ちとして付き合ったようだ。確か、生徒会の備品を新調するための運搬作業がある、という話だった。
けれど、俺の持っている情報は青野の言葉とは異なっているのが引っかかる。
「確か会長、台車を使うから1人で良いって話じゃなかったか?」
「そんな事されたら俺の力自慢ができないだろ! 台車ごと担いでやったさ!」
「台車の意味ねえ……」
無駄に労力を増やして筋肉痛になるなんて、あまりにもアホらしいアピールだった。自分の横に台車を担いだ男が歩いていたら、目立つことこの上ない。会長は嫌な思いをしたのだろう。下がった好感度がはっきりと主張していた。
「それにさ、お前が頼んでも無いのに勝手に付いてきたって聞いたぞ?」
「いやいや! 俺はただ会長との距離を詰めたくてな……、頼まれては無かったし、礼も言われなかったけど」
「それでどうして好感度が上がると思ったんだよ……」
常識的に考えて、女性に男が一方的に付きまとったら、好きになるどころか怖がられてしまう。これも既に忠告したのだが、当然青野はまともに聞いてくれないから、かなりうんざりしてきた。
「けどさ、そこまでアピールしたいなら何で生徒会には入る気が無いんだ?」
「バカ言え、他のヒロイン達との時間が無くなっちゃうじゃないか。それにそんな設定は存在しない」
「設定って……」
青野の言う設定は、独りよがりの決めつけにしか見えない。バカを言っているのはどっちだと呆れるものの、これもやはり思うだけで留める。
それにしても、会長が一人で作業をしていたという情報を、どうやって知ったのだろうか。俺は青野には話していないから、知りようが無いはずなのだけれど。
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