貴方なんか興味ありませんわ

curosu

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あの後

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王子が帰ったあの後、なぜかスティーの膝の上に座らされ、抱き締められたり髪をなでられながら...色々と仕事の報告を受けたり手当てされたり説教されたり。

確かに「続きはまた後で」とは言われていたけれど...。

うーん...この状況に色々突っ込みたいけど、それよりも気になる案件がいくつか。

話し合っているうちに夜も更け、スティーも宿の別の部屋に帰っていった。

今日は大変な1日でした。

もうこういうことはないように祈りましょうかね...。

おやすみなさい。

------

カタッと音を立てて、テレシアの寝ている寝室に誰かが入ってくる。

勿論、寝室の隣にある部屋にいるメイドや護衛達の許可を得て入ってきた。

その許可を得た人物は寝ているテレシアに近づき、首筋を改めて確認する。

そこそこ力強く噛まれたため、首筋には痛々しい跡が残っている。

自らが手当てをしたとはいえ、傷を水で洗い、薬を塗ってガーゼで覆っただけ。

首筋を痛めた可能性も考え、寝ている時も痛みを感じるのではとその人物は心配になったが...すーすーと寝息をたてながら穏やかに眠っている顔を見れば安心できた。

そっと首筋に触れても痛むことはなさそうだし、傷から熱が出てる様子もなさそうだ。

起きたあと、また手当てをし直したりした方が良いだろう。

そう考えながら、ガーゼの上にそっと触れるだけのキスをして自分の部屋に帰っていった。


------

後日、王宮に帰って数日経った王子の元にひとつの手紙が届いた。

その内容は、簡単にまとめるとこういうことだった。

「テレシアを束縛しようなど愚か。
テレシアはお前ごときが束縛できる女じゃない。
ちなみにお前が噛みついた場所は俺が上書きした後、他にも見えないところに俺のキスマーク・・・・・・・を増やしておいた。
テレシアに対しての礼儀を勉強し直し、仕事に励め。

p.s.
ちなみにテレシアはお前が陛下から受けた密命を詳しく知っているからな。嫉妬させて自分に関心を向けさせようとしても無駄だぞ。
そもそも、テレシアはお前に対しての関心はほぼないからな。嫉妬なんてするわけない。
周りの人間のことをきちんと見ることだな。
今回はお前のミスだ。」

それを見た王子は手紙をビリビリに破いたあと、執務机に拳を勢いよく叩きつけた。


王子は知らないだろう。

手紙の送り主が、自分の主であり大切な人であるテレシアを害した抗議という理由もあるが、王子への嫌がらせで手紙を送ったことを。

上書きと言っているが、薬で上書き(手当て)しただけだということを。

キスマークをつけたと嘘を言っていることを。

手紙の送り主は今頃きっとすっきりした顔で仕事をしているだろう。
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