保育園からずっと大切にしていた義妹に、大切な人の形見を壊されてもう遅い

シリアス

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1章 小学生1年生編 守りたい義妹

4話 どうにもならない虐め

陽太と結衣は、小学校の門をくぐった。新しい制服は、陽太には少し大きく、結衣には少しきつかった。陽太は、結衣の手をぎゅっと握った。結衣の小さな手は、冷たく震えていた。
「陽太…学校、どんなかな…」
結衣の声は、いつもより弱々しかった。陽太は、結衣に笑顔を見せた。
「結衣、大丈夫だよ! きっと、楽しいよ! 俺、ずっとそばにいるから!」
陽太の言葉に、結衣は小さく頷いた。
「うん…陽太がいるなら、あたし、頑張れる…」
結衣の笑顔は、陽太の胸を温かくした。でも、その笑顔は、すぐに暗い影に飲み込まれることになる。
教室に入ると、陽太と結衣は隅の席に座った。クラスメイトの目は、二人をチラチラと見ていた。陽太のシャツは、洗濯されてないからシミだらけ。結衣のスカートも、裾がほつれている。陽太は、結衣の手をそっと握った。
「結衣、怖がらないで…俺、いるよ…」
結衣は、陽太の手を握り返した。
「陽太…あたし、陽太がいるから、平気…」
でも、陽太の心は、ざわついていた。クラスメイトの囁き声が、耳に刺さる。
«あの二人、めっちゃ汚いね…»
«貧乏っぽい…臭いんじゃない?»
陽太は、目を伏せた。結衣が傷つかないように、陽太は笑顔を作った。
「結衣、今日、給食だよ! 楽しみだな!」
陽太の声に、結衣はパッと笑った。
「うん! 陽太と一緒なら、給食、すっごく楽しみ!」
陽太の心は、結衣の笑顔で少しだけ軽くなった。でも、その笑顔は、すぐに試されることになる。
昼休み、陽太と結衣は、教室の片隅で弁当を食べていた。弁当といっても、昨日の残りのご飯を詰めただけ。陽太は、結衣に大きめの米粒を譲った。
「結衣、これ、食べて! 俺、少なくて平気だから!」
結衣は、陽太の顔を見て、目をうるっとさせた。
「陽太…いつも、あたしのことばっか…陽太、優しいね…」
陽太は、結衣の笑顔に胸がぎゅっと熱くなった。
「結衣が笑っててくれるなら、俺、なんでもできるよ…」
でも、その瞬間、クラスメイトの女の子たちが、結衣のそばに近づいてきた。
«ねえ、結衣、なにそれ? めっちゃ汚い弁当!»
女の子の声に、結衣の手がピタッと止まった。陽太は、結衣の前に立ちはだかった。
«やめろ! 結衣、関係ない! 弁当、悪くないだろ!»
陽太の声は、震えていた。女の子たちは、クスクス笑った。
«うわ、陽太も臭え! 貧乏人、近づかないでよ!»
陽太の胸が、ズキッと痛んだ。でも、陽太は、結衣の手をぎゅっと握った。
«結衣、怖がらないで…俺、いるから…»
結衣は、陽太の手を握り返した。でも、彼女の目は、涙でうるんでいた。
«陽太…あたし、みんなに笑われて…怖い…»
陽太は、結衣に笑顔を見せた。
«結衣、大丈夫だよ…俺、結衣を守るよ…絶対…»
陽太の言葉は、結衣の心を少しだけ温かくした。でも、クラスメイトの笑い声は、陽太と結衣の小さな世界を切り裂いた。
放課後、陽太と結衣は、校庭の隅で縮こまっていた。クラスメイトの男の子たちが、二人を囲んだ。
«臭い兄弟、なんで学校に来たんだよ? 消えろ!»
男の子の声に、結衣がびくっと震えた。陽太は、結衣を背中に隠した。
«やめろ! 結衣、悪くない! 俺にしろ!»
陽太の声は、必死だった。男の子が、陽太を押した。
«ハッ、ヒーロー気取り? 貧乏臭えやつが!»
陽太は、地面に倒れた。膝がズキッと痛んだ。でも、陽太はすぐに立ち上がり、結衣の手を握った。
«結衣、怖がらないで…俺、いるから…»
結衣は、陽太の背中で泣いていた。
«陽太…ごめん…あたし、弱いから…みんな、怖い…»
陽太は、結衣に笑顔を見せた。
«結衣、無事なら、俺、嬉しいよ…結衣の笑顔、俺の全部だから…»
陽太の心は、結衣の涙でズキズキ痛んだ。俺、結衣を守らなきゃ…でも、俺、弱い…どうすれば…?
家に帰ると、陽太は義父に怒鳴られた。結衣が、給食のスプーンを落としたと母親が告げ口したからだ。
«お前ら、なんでそんなドジばっかなんだ!? 使えねえ!»
義父の手が、陽太の頬を叩いた。陽太は、床に倒れた。結衣が、陽太の前に飛び出した。
«やめて! 陽太、悪くない! あたしが落としたの!»
結衣の声は、震えていた。義父は、結衣を睨んだ。
«なんだ? テメエも生意気か!?»
義父の手が、結衣に向かって伸びた。陽太は、咄嗟に結衣を背中に隠した。
«やめて! 結衣、関係ない! 俺にしろ! お願い!»
陽太の叫び声に、義父はニヤッと笑った。
«ハッ、ガキが…いい度胸だな!»
義父の手が、陽太の腹にグサッと入った。陽太は、息が詰まり、床に崩れ落ちた。結衣が、陽太に駆け寄った。
«陽太! 陽太! 痛いよね!? ごめん…あたし、弱いから…»
結衣の声は、涙でぐしゃぐしゃだった。陽太は、なんとか笑顔を作った。
«結衣…泣かないで…俺、平気だよ…結衣が無事なら…それでいい…»
陽太の頬には、赤い手形が浮かんでいた。腹はズキズキ痛む。でも、陽太は、結衣の涙を見ると、痛みを忘れた。結衣は、陽太の胸に顔を埋めて泣いた。
«陽太…あたし、陽太のこと、ほんとに大好きだよ…でも…なんで、こんな目に…»
結衣の心は、陽太への愛と、恐怖でいっぱいだった。陽太があたしを守ってくれる…でも、みんなが笑うの、怖い…あたし、陽太に頼ってばっかり…。結衣は、その気持ちを言葉にできなかった。でも、その恐怖が、結衣の心に小さな影を落とした。
«結衣…俺、ずっとそばにいるよ…仲間だろ?»
陽太の声は、優しかった。結衣は、陽太の胸で頷いた。
«うん…陽太、ずっと仲間だよ…あたし、陽太の妹、ずっと続けるから…»
陽太は、結衣を抱きしめながら、思った。結衣が笑っててくれるなら、俺、どんなことでも頑張れる…。

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