81 / 141
本編
第76話 1日遊んで終わりました
しおりを挟む
2階も案内し、夕飯ができるまで、お風呂に入ってもらった。夕食どきは食事室に来ていただいた。
「アグリ様、こちら我が領地で作っているウィスキーとショーチューとアップルシードルです。ウィスキーは氷で徐々に薄めてチビチビ飲んでください。度数が高いので。ショーチューは水で薄めたり、そこにレモンや梅干しなどを入れてもおいしいです。アップルシードルは女性向けですが美味しいです。あとは、こちらが魚介類、お肉料理などです」
「酒がうまい。風呂上がりは格別うまいぞ。このウィスキー?はぁ、うまい。うまいしか言えないな」
「父上飲みすぎないようにしてくださいね。明日があるのですから。アレク、明日さ、プール入らないか?入ってみたい」
「あっ、そうだ。試運転をしなければならないのだ。リド手伝ってもらえないか?」
「なんだね、アレクセイ殿、なんの試運転なんだ?また何か作ったのか?」
聞かれてはいけない人に聞かれた。
「あ、あの、そうです。最近作ったものを試運転しようと持ってきているのです。ご飯の時にアイリに聞いてみます」
食事室で、酒、料理でもてなした。うちの王都タウンハウスのダン料理長に先に来てもらい、作ってもらっていた。なぜかフランも来ていたのにはびっくりした。ダン料理長の弟子みたいなものだ。こちらでも一緒に料理をしていたらしい。美味しい料理ともてなし、ありがとうと感謝を伝えた。
「アイリ、明日、あれの試運転をしようと思ったのだがいいか?」
「そうですね、私がルーと遊ぶために、安全性を確認してもらわないと困るからいいですよ。水着用意しますね。あとフランも来ているので一緒に遊んではどうですか?」
フランも頑張っているから、お兄さま達とここの領地の良さをもっと知ってほしい。
「そうだな、全くフランは料理のこととなると人が変わるんだよ。ダン料理長と一緒に料理していることが多いからな。ダン料理長に言って、明日フランと一緒遊ぶことにするよ」
「アイリ嬢、私もいいかな?もちろん国王陛下が来た時のためにの安全確認はする」
「アグリ様、大丈夫です。ただ、アグリ様の時間は大丈夫なのですか?お仕事の方は良いのですか?」
「あぁ、大丈夫だよ。優秀な副団長がいるのであいつに任せておけばなんとでもなる。1ヶ月ここにいてもいいのではないかと考えているよ」
いや、1ヶ月いられてもこちらも困る。流石にその副団長がキレるのではないのかしらね?
「父上、また、ローウェン副団長殿に怒られますよ。羽交い締めにされ連行されますよ」
そうだろうね。怒られるよね。連行されるのか?
朝食後、お兄さまたちは海で水上バイクの試運転。ウエットスーツ、海に落ちても浮くことができる魔法を付与し、安全バッチリ。あとは水上バイクの試運転です。
「なんだね、これは?」
アグリ様とリドルード様が驚いている。見たこともない乗り物よね。
「お兄さま、すごい。すごい。水上バイクです。ここがスイッチですか?ボタン式」
「ああ、ボタン式で押せばエンジンが点火し、お前の言っていたスロットルで速度を加減速できる。試運転楽しみなんだよ」
お兄さま、ニコニコです。
「それでは、試運転を始めるぞ。はじめはゆっくりやってみる。はぁ、ドキドキしてきたよ」
お兄さまが、エンジン点火、スロットルを徐々に回していく。動き出した。
おおー、とみんなが言っている。制作に携わったドリルたちも見ていた。
あっ,お兄さま,スピード狂か?速度をある一定以上速度を出さないよう改良させないと。進路変更も問題なしだね。
楽しそうな顔でお兄さまが戻ってきた。
「アイリ、これは気持ちいいよ。楽しい」
「アレク、俺も試してみたい。ダメか?」
「いや、私も乗ってみたいぞ」
親子して目を輝かせて懇願してきた。
フランは自分も乗っていいのか?と気後れしていたが、いつも領地のために頑張ってくれているので、今日はお兄さま達と一緒に遊んでほしいことを伝えた。満面の笑みで頷いていた。
「アイリ、安全性には問題なさそうだが、他の数台も試した方がいいだろう?俺が乗った水上バイクを渡してもいいか?」
「安全講習をこれからします。お兄さまは他の水上バイクの試運転を進めてください」
「ああ、わかった。それでは試運転してくるよ」
颯爽と試運転に行ってしまったわよ。
「さて、お三方。まず水上バイクに乗るための安全講習をしてから乗ってもらいます。よろしいでしょうか?」
「「はい!」」
それから、ボディスーツの特性、どの範囲まで行って良いか、海に落ちてしまった場合のその後の対処法など話をした。接近しすぎてもぶつからない付与をしているが安全性を十分守って運転してほしいことを口をすっぱく言った。守らなければ、もう2度と乗ることを禁止する旨を約束してもらった。
ちょうどお兄さまが戻ってきたので、一台ずつ乗ってもらうことにした。
アグリ様は楽しそうに乗って行ってしまった。リドルード様は慎重派なのか、はじめゆっくり、慣れてきたらスピードを上げて行った。
「お兄さま,最大速度を下げましょう。40キロぐらいでいいのではないですか?」
「アイリ、もう少し早くていいのではないかなぁ。40キロはちょっと遅いかな」
お兄さま、やはりスピード狂ですか?
「速度制限は大事です。事故を想定していたとしても起こるものは起こってしまいます。打ちどころが悪いと死んでしまいます。そういう悲しい出来事を起こさないためにも、安全第一です。お兄さま」
「ごめん、アイリ。そうだな、安全第一だな」
お兄さまたちご学友達は、絶対これで遊ぶでしょう。わかっているんだから。だから厳しく安全性と速度制限は必須なのよ。
「怒るなよ、ごめん,アイリ。お前、絶対俺たちが遊び呆けると思っているだろう」
「もちろん、思ってますよ。だからの速度制限なのです」
さあ、ここからが私が1番楽しみにしていた水上バイクに引っ張ってもらうバナナボートもどき、絶叫トイとうつ伏せタイプを作ったので試乗会です。両親に怒られる案件だと思うけど、楽しみなの。
お兄さまに運転してもらい、私は絶叫トイに座り、いざと思っていたら、またアグリ様とリドリード様が一緒に乗ることになった。フランは遠慮してしまった。次は乗せるから大丈夫よと伝えた。
「お兄さま、セットしました。では、運転よろしくお願いします。アグリ様はリドリード様、振り落とされないようにしっかり捕まってください。身体強化を使ってはダメです。では、お兄さまどうぞ」
はじめはゆっくりだか、加速していき、右にきゃー、左にきゃー、途中上下に揺れ,鳩尾フゥッという感じです。隣の2人も楽しそうね。
「アイリ、俺もやりたい」
お兄さま、子供か。
「では、私が運転します。お兄さま、このバナナボートに乗ってください」
そして、アグリ様、リドルード様、お兄さま、フラン4人を乗せ、いざ出発。
「お兄さま、振り落とされないように頑張ってください。身体強化は本当にダメですよ」
「アイリ、安全運転しないのか?」
「しないわよ。いくわよ」
ゴー。はじめはまっすぐ加速するけど、さぁ、始めますか。まずは左。右。ジャンプできるかな。
後ろでは、やめろー、うわー、落ちる、落ちるからー、など聞こえてきた。がんばれ。
後ろを振り返りニヤリとし、また、右、左と運転していたらうわーと聞こえた。誰が落ちたなぁと振り返るとリドリード様とお兄さまが落ちていた。フランはなんとか持ち堪えていた。
「お兄さま、リドルード様回収しにきました。乗ってください」
2人を見てアグリ様は大笑いしている。アグリ様は落ちなかったからね。
「アイリ、これ楽しいぞ。身体強化を使っては面白くないな。自力で支えるのがいいな。これ国王陛下に見せない方がいいのではないか?」
「えっ、お兄さま、でも私ルーと遊びたいけどどうしましょう」
2人で悩んでいるとアグリ様が、楽しいから隠さないでほしいと懇願してきた。
「父上に判断を委ねよう」
この後、プールで遊び、お風呂に入り、ご飯を食べ、寝た。うーん、全く視察ではない。遊んで今日は終わってしまった。
次の日、領内を周り、危険箇所がないか確認し、もう一泊して帰りました。遊んでいただけのような気がする。
ちなみに私はカーテンを作って帰りました。ほぼ完成です。
あとは、ドリル、キーリ、ドゥーブルの納得がいくまで作業をするとのことでした。ほどほどでいいからね。
「アグリ様、こちら我が領地で作っているウィスキーとショーチューとアップルシードルです。ウィスキーは氷で徐々に薄めてチビチビ飲んでください。度数が高いので。ショーチューは水で薄めたり、そこにレモンや梅干しなどを入れてもおいしいです。アップルシードルは女性向けですが美味しいです。あとは、こちらが魚介類、お肉料理などです」
「酒がうまい。風呂上がりは格別うまいぞ。このウィスキー?はぁ、うまい。うまいしか言えないな」
「父上飲みすぎないようにしてくださいね。明日があるのですから。アレク、明日さ、プール入らないか?入ってみたい」
「あっ、そうだ。試運転をしなければならないのだ。リド手伝ってもらえないか?」
「なんだね、アレクセイ殿、なんの試運転なんだ?また何か作ったのか?」
聞かれてはいけない人に聞かれた。
「あ、あの、そうです。最近作ったものを試運転しようと持ってきているのです。ご飯の時にアイリに聞いてみます」
食事室で、酒、料理でもてなした。うちの王都タウンハウスのダン料理長に先に来てもらい、作ってもらっていた。なぜかフランも来ていたのにはびっくりした。ダン料理長の弟子みたいなものだ。こちらでも一緒に料理をしていたらしい。美味しい料理ともてなし、ありがとうと感謝を伝えた。
「アイリ、明日、あれの試運転をしようと思ったのだがいいか?」
「そうですね、私がルーと遊ぶために、安全性を確認してもらわないと困るからいいですよ。水着用意しますね。あとフランも来ているので一緒に遊んではどうですか?」
フランも頑張っているから、お兄さま達とここの領地の良さをもっと知ってほしい。
「そうだな、全くフランは料理のこととなると人が変わるんだよ。ダン料理長と一緒に料理していることが多いからな。ダン料理長に言って、明日フランと一緒遊ぶことにするよ」
「アイリ嬢、私もいいかな?もちろん国王陛下が来た時のためにの安全確認はする」
「アグリ様、大丈夫です。ただ、アグリ様の時間は大丈夫なのですか?お仕事の方は良いのですか?」
「あぁ、大丈夫だよ。優秀な副団長がいるのであいつに任せておけばなんとでもなる。1ヶ月ここにいてもいいのではないかと考えているよ」
いや、1ヶ月いられてもこちらも困る。流石にその副団長がキレるのではないのかしらね?
「父上、また、ローウェン副団長殿に怒られますよ。羽交い締めにされ連行されますよ」
そうだろうね。怒られるよね。連行されるのか?
朝食後、お兄さまたちは海で水上バイクの試運転。ウエットスーツ、海に落ちても浮くことができる魔法を付与し、安全バッチリ。あとは水上バイクの試運転です。
「なんだね、これは?」
アグリ様とリドルード様が驚いている。見たこともない乗り物よね。
「お兄さま、すごい。すごい。水上バイクです。ここがスイッチですか?ボタン式」
「ああ、ボタン式で押せばエンジンが点火し、お前の言っていたスロットルで速度を加減速できる。試運転楽しみなんだよ」
お兄さま、ニコニコです。
「それでは、試運転を始めるぞ。はじめはゆっくりやってみる。はぁ、ドキドキしてきたよ」
お兄さまが、エンジン点火、スロットルを徐々に回していく。動き出した。
おおー、とみんなが言っている。制作に携わったドリルたちも見ていた。
あっ,お兄さま,スピード狂か?速度をある一定以上速度を出さないよう改良させないと。進路変更も問題なしだね。
楽しそうな顔でお兄さまが戻ってきた。
「アイリ、これは気持ちいいよ。楽しい」
「アレク、俺も試してみたい。ダメか?」
「いや、私も乗ってみたいぞ」
親子して目を輝かせて懇願してきた。
フランは自分も乗っていいのか?と気後れしていたが、いつも領地のために頑張ってくれているので、今日はお兄さま達と一緒に遊んでほしいことを伝えた。満面の笑みで頷いていた。
「アイリ、安全性には問題なさそうだが、他の数台も試した方がいいだろう?俺が乗った水上バイクを渡してもいいか?」
「安全講習をこれからします。お兄さまは他の水上バイクの試運転を進めてください」
「ああ、わかった。それでは試運転してくるよ」
颯爽と試運転に行ってしまったわよ。
「さて、お三方。まず水上バイクに乗るための安全講習をしてから乗ってもらいます。よろしいでしょうか?」
「「はい!」」
それから、ボディスーツの特性、どの範囲まで行って良いか、海に落ちてしまった場合のその後の対処法など話をした。接近しすぎてもぶつからない付与をしているが安全性を十分守って運転してほしいことを口をすっぱく言った。守らなければ、もう2度と乗ることを禁止する旨を約束してもらった。
ちょうどお兄さまが戻ってきたので、一台ずつ乗ってもらうことにした。
アグリ様は楽しそうに乗って行ってしまった。リドルード様は慎重派なのか、はじめゆっくり、慣れてきたらスピードを上げて行った。
「お兄さま,最大速度を下げましょう。40キロぐらいでいいのではないですか?」
「アイリ、もう少し早くていいのではないかなぁ。40キロはちょっと遅いかな」
お兄さま、やはりスピード狂ですか?
「速度制限は大事です。事故を想定していたとしても起こるものは起こってしまいます。打ちどころが悪いと死んでしまいます。そういう悲しい出来事を起こさないためにも、安全第一です。お兄さま」
「ごめん、アイリ。そうだな、安全第一だな」
お兄さまたちご学友達は、絶対これで遊ぶでしょう。わかっているんだから。だから厳しく安全性と速度制限は必須なのよ。
「怒るなよ、ごめん,アイリ。お前、絶対俺たちが遊び呆けると思っているだろう」
「もちろん、思ってますよ。だからの速度制限なのです」
さあ、ここからが私が1番楽しみにしていた水上バイクに引っ張ってもらうバナナボートもどき、絶叫トイとうつ伏せタイプを作ったので試乗会です。両親に怒られる案件だと思うけど、楽しみなの。
お兄さまに運転してもらい、私は絶叫トイに座り、いざと思っていたら、またアグリ様とリドリード様が一緒に乗ることになった。フランは遠慮してしまった。次は乗せるから大丈夫よと伝えた。
「お兄さま、セットしました。では、運転よろしくお願いします。アグリ様はリドリード様、振り落とされないようにしっかり捕まってください。身体強化を使ってはダメです。では、お兄さまどうぞ」
はじめはゆっくりだか、加速していき、右にきゃー、左にきゃー、途中上下に揺れ,鳩尾フゥッという感じです。隣の2人も楽しそうね。
「アイリ、俺もやりたい」
お兄さま、子供か。
「では、私が運転します。お兄さま、このバナナボートに乗ってください」
そして、アグリ様、リドルード様、お兄さま、フラン4人を乗せ、いざ出発。
「お兄さま、振り落とされないように頑張ってください。身体強化は本当にダメですよ」
「アイリ、安全運転しないのか?」
「しないわよ。いくわよ」
ゴー。はじめはまっすぐ加速するけど、さぁ、始めますか。まずは左。右。ジャンプできるかな。
後ろでは、やめろー、うわー、落ちる、落ちるからー、など聞こえてきた。がんばれ。
後ろを振り返りニヤリとし、また、右、左と運転していたらうわーと聞こえた。誰が落ちたなぁと振り返るとリドリード様とお兄さまが落ちていた。フランはなんとか持ち堪えていた。
「お兄さま、リドルード様回収しにきました。乗ってください」
2人を見てアグリ様は大笑いしている。アグリ様は落ちなかったからね。
「アイリ、これ楽しいぞ。身体強化を使っては面白くないな。自力で支えるのがいいな。これ国王陛下に見せない方がいいのではないか?」
「えっ、お兄さま、でも私ルーと遊びたいけどどうしましょう」
2人で悩んでいるとアグリ様が、楽しいから隠さないでほしいと懇願してきた。
「父上に判断を委ねよう」
この後、プールで遊び、お風呂に入り、ご飯を食べ、寝た。うーん、全く視察ではない。遊んで今日は終わってしまった。
次の日、領内を周り、危険箇所がないか確認し、もう一泊して帰りました。遊んでいただけのような気がする。
ちなみに私はカーテンを作って帰りました。ほぼ完成です。
あとは、ドリル、キーリ、ドゥーブルの納得がいくまで作業をするとのことでした。ほどほどでいいからね。
1,438
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる