124 / 141
本編
第116話 お疲れ様会 剣舞披露
しおりを挟む
セドリック様が催しの順番を決め私たちのもとへ戻ってきた。
「ごめん、最後になってしまった。みんな最後の方は避けたいという思いは同じで、結局くじ引きで最後を引いてしまった。すまない」
「いいではないですか、最終調整がギリギリまでできますよ」
バイロンえらいぞ。そうそう、そんなに気にすることはない。みんなが口々に、最後まで練習できる、より良い演技ができるよと励ましていた。
「それでは、通しでまた練習しよう。そして時間になったら衣装に着替え、衣装など身だしなみの最終チェックをして演技をしよう」
他のクラスや班は合唱が多かった。お兄さまのクラスは楽器による合奏だった。みんな一人一人が演奏が上手なため、プロの演奏か?と思うぐらい素晴らしい音楽を奏でていた。みんな聞き惚れていた。今まででダントツ、レベルの高い演目だった。
「やはり3年生はすごいな。聞き惚れてしまったよ。一人一人のレベルが高い」
「さぁ、俺たちも準備をしよう。今までで最高の演技をしようじゃないか」
「おう(はい)」
衣装に着替え、おかしなところがないか、破れているところがないか、動きにくくないかなどチェックした。
みんな緊張している。最終演技だ。この世界円陣を組むという行為がないらしいから、円陣を組ませてみんなの意識を一つにした。
セドリック様からの最終の言葉。
手を中心に出して、
「悔いのないように頑張ろう」
"おー"
周りがなんだ?という顔をしてAクラスを見た。
"かっこいい""かわいい""きれい"などなど称賛されていた。
さあ、舞台に並らび音楽が聞こえ、踊り始めた。
剣舞は皆で合わせ、殺陣は緊迫した状況で剣を合わせ、時々、ハッやヤーなど一斉に声を出して、女性は優雅な舞なんとか踊り切った。観客、特に女性陣はキャーキャー言っていたわね。衣装を着るとより一層かっこいいですから。
先生がやってきて賞賛してくれた。
「お前たちすごいよ。よく頑張った。先生方や生徒たちみんな、すごい、かっこいい、きれいなど言葉を発していたよ。俺なんて、先生が指導したのですか?なんて言われ曖昧に答えておいたよ。Aクラスはすごいぞ。ははは」
先生何にもやってないよね?
「アイリ、お前たちすごいな。これを練習していたのか?衣装もテオドール殿と作っていたのはこれか!よく考えたよ」
久々のお兄さまの頭撫で撫で。
「ルルも綺麗だったよ」
こちらも頭撫で撫でされて、ルーは真っ赤になって照れていた。かわいいじゃないの。お兄さまもやるわね。2人の関係も良好ね。
「1年A組の皆、お疲れ様。素晴らしかったよ」
カイデール殿下に褒めていただいた。
みんな緊張して直立していた。バイロンたち大丈夫か?
「考えたのが誰かはなんとなくわかるが、セドリック、班長として皆をまとめて素晴らしかった」
「はっ、ありがとうございます」
「ところで相談だが、今度、各国の王立学園の文化交流会が催される。3年が代表として出席するのだが、剣術大会、魔術大会などがある。そして、今日みたいに各国で催しを披露する。この剣舞を披露して良いかな?担任の先生同士で話は出ていると思う。君たちが踊った剣舞、かなり構成もよくできた素晴らしいものだった。それを我々3年が踊ってもいいだろうか?」
「カイデール殿下や3年生の皆さんが踊った方がかっこいいと思います。ぜひ、踊ってください。我々はそれを見てみたいです。我々とどう違うのか、検証したいです」
「プレッシャーがかかるな。君たちと同じように素晴らしい剣舞を舞うことができるようにがんばるよ。ありがとう」
3年で剣舞を踊るなんて、私たち1年生より迫力があるのではないのかな。体が仕上がっている3年生。1年生はまだ貫禄がないのよ。ひよっこといえばひよっこよね。3年の剣舞楽しみ。
「それではみなさん、会食をしながら結果発表をします。それぞれのテーブルに座り食事を始めてください」
Aクラス2班の席に座り、今までのキャンプの振り返りをした。
「楽しかったね。テント生活も快適だったよ。アイリさん、あのテント、君の家の商会で売っているのだよね。魔道具も。あのエアコン?というのが欲しいな。どこでも使えそうではないか?そういえば、バイロン、自転車というのはどんなものなんだ?
セドリック様がエアコンと自転車?に興味津々。
「そ、それは」
私の方を見るなー。もう、頷いて話するように促した。
「アイリ様の商会とうちの商会で同時販売するのです。うちは平民用です。貴族用は軽量化を図った素材です。平民用はザビに強い素材重視です。足でペダルを漕いで走るものです」
「バイロン、全く意味がわからないよ」
見て、乗ってみないとわからないのよね。
「セドリックさん、興味があるなら、試乗会に招待するわよ。テッシーもくるわよ」
セドリックにどうするか促してみた。
「アイリさん、ぜひ招待して欲しい。テオ叔父上もくるのか。会えるのが楽しみだ」
「俺も招待して欲しい」
ジョージさんも興味津々。
「みんなうちにまた遊びに来ればいいわよ。無駄に大きい庭があるから、試乗会ができるのよ」
バイロンもみんなと一緒に遊びたいかな。
「バイロンどうする?その日貴族だけの試乗会にする?平民用も乗ってもらって、違いをわかってもらうにはいいと思うのよ。バイロンもうちに来て、性能など説明すればいいのではないの?」
「ああ、そうだな。うん、平民用の自転車は貴族方の試乗会が終わったあとでもいいかな。俺もアイリ様の家に訪問するよ」
興味がある人は我が家にくることになった。絶対お兄さまのご学友たちもくるだろう。
そうこうしているうちに、結果発表だ。
1年
優勝A-2班
2位A-1班
3位B-2班
私たちの班が優勝だ。2位は1班。
評価は、全ての課題が1位ということ。最後の剣舞も素晴らしかった。仲間と協力する大切さ、自分の役割をしっかり把握し行動したことを評価するとのことだった。
「我々が優勝だ。やったな。みんなと同じ班になれて楽しかったし、良かった。今後もいろいろな行事がある。みんなで協力して、楽しく過ごしていこう。ありがとう」
班長セドリック様が締め括った。
そして、みんなを取りまとめ、がんばってくれたセドリック様をみんなで感謝し讃えた。
本当に楽しかった。でも、やっと家に帰れる。シャワーだけでは物足りなかった。お風呂に入れるぞー。
「ごめん、最後になってしまった。みんな最後の方は避けたいという思いは同じで、結局くじ引きで最後を引いてしまった。すまない」
「いいではないですか、最終調整がギリギリまでできますよ」
バイロンえらいぞ。そうそう、そんなに気にすることはない。みんなが口々に、最後まで練習できる、より良い演技ができるよと励ましていた。
「それでは、通しでまた練習しよう。そして時間になったら衣装に着替え、衣装など身だしなみの最終チェックをして演技をしよう」
他のクラスや班は合唱が多かった。お兄さまのクラスは楽器による合奏だった。みんな一人一人が演奏が上手なため、プロの演奏か?と思うぐらい素晴らしい音楽を奏でていた。みんな聞き惚れていた。今まででダントツ、レベルの高い演目だった。
「やはり3年生はすごいな。聞き惚れてしまったよ。一人一人のレベルが高い」
「さぁ、俺たちも準備をしよう。今までで最高の演技をしようじゃないか」
「おう(はい)」
衣装に着替え、おかしなところがないか、破れているところがないか、動きにくくないかなどチェックした。
みんな緊張している。最終演技だ。この世界円陣を組むという行為がないらしいから、円陣を組ませてみんなの意識を一つにした。
セドリック様からの最終の言葉。
手を中心に出して、
「悔いのないように頑張ろう」
"おー"
周りがなんだ?という顔をしてAクラスを見た。
"かっこいい""かわいい""きれい"などなど称賛されていた。
さあ、舞台に並らび音楽が聞こえ、踊り始めた。
剣舞は皆で合わせ、殺陣は緊迫した状況で剣を合わせ、時々、ハッやヤーなど一斉に声を出して、女性は優雅な舞なんとか踊り切った。観客、特に女性陣はキャーキャー言っていたわね。衣装を着るとより一層かっこいいですから。
先生がやってきて賞賛してくれた。
「お前たちすごいよ。よく頑張った。先生方や生徒たちみんな、すごい、かっこいい、きれいなど言葉を発していたよ。俺なんて、先生が指導したのですか?なんて言われ曖昧に答えておいたよ。Aクラスはすごいぞ。ははは」
先生何にもやってないよね?
「アイリ、お前たちすごいな。これを練習していたのか?衣装もテオドール殿と作っていたのはこれか!よく考えたよ」
久々のお兄さまの頭撫で撫で。
「ルルも綺麗だったよ」
こちらも頭撫で撫でされて、ルーは真っ赤になって照れていた。かわいいじゃないの。お兄さまもやるわね。2人の関係も良好ね。
「1年A組の皆、お疲れ様。素晴らしかったよ」
カイデール殿下に褒めていただいた。
みんな緊張して直立していた。バイロンたち大丈夫か?
「考えたのが誰かはなんとなくわかるが、セドリック、班長として皆をまとめて素晴らしかった」
「はっ、ありがとうございます」
「ところで相談だが、今度、各国の王立学園の文化交流会が催される。3年が代表として出席するのだが、剣術大会、魔術大会などがある。そして、今日みたいに各国で催しを披露する。この剣舞を披露して良いかな?担任の先生同士で話は出ていると思う。君たちが踊った剣舞、かなり構成もよくできた素晴らしいものだった。それを我々3年が踊ってもいいだろうか?」
「カイデール殿下や3年生の皆さんが踊った方がかっこいいと思います。ぜひ、踊ってください。我々はそれを見てみたいです。我々とどう違うのか、検証したいです」
「プレッシャーがかかるな。君たちと同じように素晴らしい剣舞を舞うことができるようにがんばるよ。ありがとう」
3年で剣舞を踊るなんて、私たち1年生より迫力があるのではないのかな。体が仕上がっている3年生。1年生はまだ貫禄がないのよ。ひよっこといえばひよっこよね。3年の剣舞楽しみ。
「それではみなさん、会食をしながら結果発表をします。それぞれのテーブルに座り食事を始めてください」
Aクラス2班の席に座り、今までのキャンプの振り返りをした。
「楽しかったね。テント生活も快適だったよ。アイリさん、あのテント、君の家の商会で売っているのだよね。魔道具も。あのエアコン?というのが欲しいな。どこでも使えそうではないか?そういえば、バイロン、自転車というのはどんなものなんだ?
セドリック様がエアコンと自転車?に興味津々。
「そ、それは」
私の方を見るなー。もう、頷いて話するように促した。
「アイリ様の商会とうちの商会で同時販売するのです。うちは平民用です。貴族用は軽量化を図った素材です。平民用はザビに強い素材重視です。足でペダルを漕いで走るものです」
「バイロン、全く意味がわからないよ」
見て、乗ってみないとわからないのよね。
「セドリックさん、興味があるなら、試乗会に招待するわよ。テッシーもくるわよ」
セドリックにどうするか促してみた。
「アイリさん、ぜひ招待して欲しい。テオ叔父上もくるのか。会えるのが楽しみだ」
「俺も招待して欲しい」
ジョージさんも興味津々。
「みんなうちにまた遊びに来ればいいわよ。無駄に大きい庭があるから、試乗会ができるのよ」
バイロンもみんなと一緒に遊びたいかな。
「バイロンどうする?その日貴族だけの試乗会にする?平民用も乗ってもらって、違いをわかってもらうにはいいと思うのよ。バイロンもうちに来て、性能など説明すればいいのではないの?」
「ああ、そうだな。うん、平民用の自転車は貴族方の試乗会が終わったあとでもいいかな。俺もアイリ様の家に訪問するよ」
興味がある人は我が家にくることになった。絶対お兄さまのご学友たちもくるだろう。
そうこうしているうちに、結果発表だ。
1年
優勝A-2班
2位A-1班
3位B-2班
私たちの班が優勝だ。2位は1班。
評価は、全ての課題が1位ということ。最後の剣舞も素晴らしかった。仲間と協力する大切さ、自分の役割をしっかり把握し行動したことを評価するとのことだった。
「我々が優勝だ。やったな。みんなと同じ班になれて楽しかったし、良かった。今後もいろいろな行事がある。みんなで協力して、楽しく過ごしていこう。ありがとう」
班長セドリック様が締め括った。
そして、みんなを取りまとめ、がんばってくれたセドリック様をみんなで感謝し讃えた。
本当に楽しかった。でも、やっと家に帰れる。シャワーだけでは物足りなかった。お風呂に入れるぞー。
1,268
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
私は既にフラれましたので。
椎茸
恋愛
子爵令嬢ルフェルニア・シラーは、国一番の美貌を持つ幼馴染の公爵令息ユリウス・ミネルウァへの想いを断ち切るため、告白をする。ルフェルニアは、予想どおりフラれると、元来の深く悩まない性格ゆえか、気持ちを切り替えて、仕事と婚活に邁進しようとする。一方、仕事一筋で自身の感情にも恋愛事情にも疎かったユリウスは、ずっと一緒に居てくれたルフェルニアに距離を置かれたことで、感情の蓋が外れてルフェルニアの言動に一喜一憂するように…?
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる