旦那様、離縁の申し出承りますわ

ブラウン

文字の大きさ
8 / 23

第8話

しおりを挟む
 私はその後伯爵領地に移り住んだ。離縁後、社交界に顔を出したくないし、つわりがあるので、精神的に良くないと思い、伯爵領へ行った。

 私とロイド様の離縁と、クララ様との再婚話が尾ひれをつけて噂されているらしい。もちろん、ロイド様とクララ様がルメニエール信仰に反した行為をしているのではないかという噂である。妻を領地に残し、王都で一緒に過ごし、二人で腕を組み、観劇や買い物などを目撃している者も多い。ルメニエール信仰のこの国では、愛人を持つことも許していない。平民の愛人のための離縁。それほどまでにすばらしい平民の女性なのかと噂された。話のタネになると思いお茶会の誘いをしようと画策する者もいた。こうして社交界のうわさも広がっていった。

 両親や兄夫婦は社交界があるので王都にいる。私は伯爵領に行き、予算管理と収支報告書の作成をしていた。なんで私が収支報告しなければいけないのよ。酷いわよね。収支報告の書式を作ったのは私。特許も出した。それにより業務がスムーズに行うことができるようになったが、しかし出戻りの私に仕事を任せるなんてひどいわ。

「お嬢様、あまり仕事ばかりしているとお体に触ります。お茶にいたしませんか?料理長がお嬢様に教えていただいたお菓子が美味しくできるようになったと言っておりました」

「まぁ、楽しみだわ」

 私は仕事の傍ら料理もしている。つわりで食べられないことが多いので、食べられるレシピを考えている。少しでも栄養のある料理。もしくはゼリーみたいなものやスムージーなどもいいわね。今後の妊婦さんの助けになるような商品も考えてていこう。

 伯爵領は東の海に近い領地。侯爵領は南の海。海は海でも気温が違う。東の海は荒波という感じだ。逆に侯爵領の海は南、通常は穏やかな青い海。台風のような大きな雨風がくると被害が多くなる場所。

 東の海も魚介類、海藻類が豊富だった。前世の記憶を思いだしてから、貝殻を使った農耕肥料などを手掛けた。だから、侯爵領の農業の立て直しに役立ったことが一番うれしかった。侯爵領でもそれらの肥料を作り販路とした。

 東の海の生態を調べていくと天草があった。寒天が作れた。これで、栄養ゼリーを作る。果物はもちろん煮凝りで食べられるように創作料理を考えた。

 妊婦向けの食事レシピは役に立った。王国中に広がり、作り方の講習も大盛況である。

 王都の社交時期が終わり、兄の嫁であり友達のキャシーと私は伯爵領にいる。お互い安定期になりお腹がだいぶ大きくなった。お互い大変なのでマタニティー腹巻きを作成し、お腹の重さの負担軽減と冷え予防対策をした。2人でマタニティライフを満喫していた。もちろんキャシーにも商品開発を手伝ってもらっているわよ。

 しばらくは穏やかに過ごしていた。

 私は伯爵領でのんびり?商品開発の案を考えながら妊活生活を送っている。学園時代に友人であり、兄嫁のキャシーと、仕事の合間にお茶を楽しんでいる。

 妊婦に安心のカフェイン抜きのお茶を抽出に成功。領内の妊婦を集めて、意見交換会や新米ママパパ講習などを行っている。もちろん子供を持つ家庭の相談も聞いている。明るい家庭生活を目指している。一人で抱え込まず、相談できる環境を構築している。それが未来に繋がると思っている。

 領内の女性で働きたいが子供がいるため働くことが出来ないという悩みを聞き、託児施設などを創設した。そこで預かっている間、読み書きや計算などを教えた。そのことが反響を及ぼし、学校を作ることになった。もちろん、託児施設も常設した学校だ。あとはそれぞれの職業に特化した職業訓練施設も開設。希望はするがいざ職業に就いて合わなかったとなった場合、次の就職先が見つからず挫折する若者などのために訓練所で自分に合った職業を探してもらう一貫だった。挫折は若者に限りではないので、全年齢を対象とした。

 うちの伯爵領は活気に溢れといる。向上心溢れる人たちが多かった。伯爵家の性格がみんなそんな感じなので、領民も似てくるのだろうか。伯爵家の人たちもそうだが、商売っ気あふれる領民たちだった。


 父宛てに、王都や希望する領地で講習をしてほしいと嘆願書が来ているらしい。あまり馬車で動きまわりたくないけど。講師を育てあげ各地へ派遣しようかしら。まずは子育て支援を定着させるために自分で講師をしないといけないわね。まだお腹が大きくなっていないからばれない程度に活動しましょう。

 みんなの相談に乗り、何が不便か、あったらいいなグッズを研究していきましょう。楽しみだわ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

再会の約束の場所に彼は現れなかった

四折 柊
恋愛
 ロジェはジゼルに言った。「ジゼル。三年後にここに来てほしい。僕は君に正式に婚約を申し込みたい」と。平民のロジェは男爵令嬢であるジゼルにプロポーズするために博士号を得たいと考えていた。彼は能力を見込まれ、隣国の研究室に招待されたのだ。  そして三年後、ジゼルは約束の場所でロジェを待った。ところが彼は現れない。代わりにそこに来たのは見知らぬ美しい女性だった。彼女はジゼルに残酷な言葉を放つ。「彼は私と結婚することになりました」とーーーー。(全5話)

わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~

絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました

四折 柊
恋愛
 子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)

初恋の人を思い出して辛いから、俺の前で声を出すなと言われました

柚木ゆず
恋愛
「俺の前で声を出すな!!」  マトート子爵令嬢シャルリーの婚約者であるレロッズ伯爵令息エタンには、隣国に嫁いでしまった初恋の人がいました。  シャルリーの声はその女性とそっくりで、聞いていると恋人になれなかったその人のことを思い出してしまう――。そんな理由でエタンは立場を利用してマトート家に圧力をかけ、自分の前はもちろんのこと不自然にならないよう人前で声を出すことさえも禁じてしまったのです。  自分の都合で好き放題するエタン、そんな彼はまだ知りません。  その傍若無人な振る舞いと自己中心的な性格が、あまりにも大きな災難をもたらしてしまうことを。  ※11月18日、本編完結。時期は未定ではありますが、シャルリーのその後などの番外編の投稿を予定しております。  ※体調の影響により一時的に、最新作以外の感想欄を閉じさせていただいております。

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

1度だけだ。これ以上、閨をともにするつもりは無いと旦那さまに告げられました。

尾道小町
恋愛
登場人物紹介 ヴィヴィアン・ジュード伯爵令嬢  17歳、長女で爵位はシェーンより低が、ジュード伯爵家には莫大な資産があった。 ドン・ジュード伯爵令息15歳姉であるヴィヴィアンが大好きだ。 シェーン・ロングベルク公爵 25歳 結婚しろと回りは五月蝿いので大富豪、伯爵令嬢と結婚した。 ユリシリーズ・グレープ補佐官23歳 優秀でシェーンに、こき使われている。 コクロイ・ルビーブル伯爵令息18歳 ヴィヴィアンの幼馴染み。 アンジェイ・ドルバン伯爵令息18歳 シェーンの元婚約者。 ルーク・ダルシュール侯爵25歳 嫁の父親が行方不明でシェーン公爵に相談する。 ミランダ・ダルシュール侯爵夫人20歳、父親が行方不明。 ダン・ドリンク侯爵37歳行方不明。 この国のデビット王太子殿下23歳、婚約者ジュリアン・スチール公爵令嬢が居るのにヴィヴィアンの従妹に興味があるようだ。 ジュリエット・スチール公爵令嬢18歳 ロミオ王太子殿下の婚約者。 ヴィヴィアンの従兄弟ヨシアン・スプラット伯爵令息19歳 私と旦那様は婚約前1度お会いしただけで、結婚式は私と旦那様と出席者は無しで式は10分程で終わり今は2人の寝室?のベッドに座っております、旦那様が仰いました。 一度だけだ其れ以上閨を共にするつもりは無いと旦那様に宣言されました。 正直まだ愛情とか、ありませんが旦那様である、この方の言い分は最低ですよね?

あなたと別れて、この子を生みました

キムラましゅろう
恋愛
約二年前、ジュリアは恋人だったクリスと別れた後、たった一人で息子のリューイを生んで育てていた。 クリスとは二度と会わないように生まれ育った王都を捨て地方でドリア屋を営んでいたジュリアだが、偶然にも最愛の息子リューイの父親であるクリスと再会してしまう。 自分にそっくりのリューイを見て、自分の息子ではないかというクリスにジュリアは言い放つ。 この子は私一人で生んだ私一人の子だと。 ジュリアとクリスの過去に何があったのか。 子は鎹となり得るのか。 完全ご都合主義、ノーリアリティなお話です。 ⚠️ご注意⚠️ 作者は元サヤハピエン主義です。 え?コイツと元サヤ……?と思われた方は回れ右をよろしくお願い申し上げます。 誤字脱字、最初に謝っておきます。 申し訳ございませぬ< (_"_) >ペコリ 小説家になろうさんにも時差投稿します。

処理中です...