脛かじり生活(願望)を堪能人生録~ゆるく楽しく生活していけるはずだよね?

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287 ルーナ、初のお出かけ

 今日はルーナの初のお出かけ日なのだ。パチパチパチ。場所は王都商会のこども広場。ことの発端は俺がルーナに着ぐるみのモデルをしてもらっていた時に着ぐるみを着たルーナをこども広場に連れて行こうか相談したのだ。

「父様、母様、ルーナに音楽とダンスと他の子供達との触れ合いを体験させたいので、王都商会のこども広場に連れて行っていいですか?1週間後にイザークとメメルのステージなのでそこに連れて行こうと思うのです」

「おっ、いいではないか。そうだな、領地の子供達とは触れ合っていたがタウンハウスに来てからはそういったことをしていなかったな。音楽にのってダンスするルーナは可愛いだろうなぁ。ジュリもそういえばこども広場に連れて行っていなかった。まぁ剣術ばかりしていたから、まったく退屈していなかっただろうがみんなでこども広場に行こう。ルーナにその動物の洋服を着せていくのか?それはリル様か?」

 今着ている着ぐるみは白い犬だ。全てアニメ画風に作っているのでこの世界にない動物だからわからないと思うけど可愛いと思ってくれるかもしれない。パペットに続き、今度は着ぐるみだ。

「それ、ケビンが着たら可愛いのではないか?ジュリの方が大きくなってしまったからケビンの方が合うね」

 ニヤニヤして俺を揶揄うロナウド兄様。グググ。ジュリの体格が大きくなったのだ。騎士に向けてまっしぐら。

「酷いよ、ロナウド兄様。小さい子が着るから可愛いんだよ。僕は10歳なのでちょっと年齢的に無理かもしれないです」

 サンリオ風やディズニー系をここでもパクリまくった。パクリは正義。あのピーターさんと一緒に飛ぶ妖精さんのコスチュームはちょっと大胆だから控えめで羽をつけたよ。

 こうしてルーナをこども広場に連れていくことが決まったのだ。

 ベビーカーに乗せてやってきた。ルーナは人の多さにびっくりしたようだけどキャッキャキャッキャしていた。かわゆいぞ、ルーナ。

 イザークとメメルさんが準備をしていたので近づいて話をした。

「イザーク、メメル、準備は順調?」

「ケビン、あれ?今日はみんなで来たの?うわぁ、ルーナちゃん。見ない間に大きくなったね。かわいい、何この洋服。リル様?」

 ふふふっ、今日は子供達みんなの着ぐるみを用意してあるんだ。洋服の上から着られるように作ったよ。

「集まったこども達の分を作ったから、入り口で洋服を選んでもらって、一緒に歌って踊ってもらおうよ」

 着ぐるみを展示して、こども達や親御さんに選んでもらい、スタッフに着せられるように説明した。鈴がついているリストバンドをつけて踊るんだ。

 これで準備オーケー。さぁ、始まるよ。

 イザーク、メメル、リューク、ビオラード達がステージに出てきた。

『みなさーん、こんにちはー』

 こんにちは~、とお約束の観客とのやりとり。

「今日はみんなかわいい洋服を着ているね。かわいいねぇ。リルちゃん、クルちゃん、バルちゃん、他にも妖精さん、うさぎさん、いっぱいいるね。では音楽に合わせて可愛く踊ろうね。時にはカッコよく踊るよ」

 メメルさんの優しく、かわいい声が広場中に響き渡る。ちゃっかりリル、クル、バルストリオはステージに上がっている。あの子達は。自由人。人か?ちがうな、自由従魔め。

 音楽に合わせて、こども達が体を動かす。クルクル回ったり、手を大きく広げてリズムを取る。

 ルーナも一緒に手をパチパチしている。立ちあがろうとして尻餅をつく。尻餅をついてもパットが入っているから衝撃はないよ。そして尻尾もついている。お尻フリフリで、尻尾もフリフリなんだ。かわいい。父様や母様もメロメロだ。こういう時にカメラやビデオがあればいいのに。

「イーサン兄様、この前急ピッチで頼んだビデオはまだですかー」

 呑気にビデオの催促したらイーサン兄様にマジ怒られた。ヒェ。

「ケビン、魔道具作りがどれだけ大変かわかる?にいさまー、こんなかんじの作って、よろピク、なんて言って帰っていくケビンなんだよ。ケビンが言った魔道具があったら本当に便利ですごいと思うよ。でも、そこから俺たち魔道具士達が必死で考えて作り出していくんだよ。次から次へと、本当にケビンは難題を置いていくんだよ。はぁ。まぁ、みんな楽しんでやっているから、壁を乗り越えようと熱くなっているからいいんだけど、もう少しペースを落としてくれないか」

 クシャクシャと俺の頭を撫でて苦言と共に笑っているイーサン兄様。

 でもね、イーサン兄様、ビデオは急ピッチに作ってもらわないと、競馬祭りでも使うし、何よりエディお兄ちゃんの想い人がいじめにあっているかもしれないんだ。特にあの婚約者と称する男。

「ごめんなさい、イーサン兄様。でもビデオは急ピッチに作って欲しいです。頑張ってください、ファイト!」

 がっくしと肩を落とすイーサン兄様。能天気な俺に何も言えなくてなってしまったのだろう。俺はイーサン兄様が頼りなんだ。

「まぁ、ドバイン様がこの件を真剣に取り組んでいる。みな、寝る間も惜しんで議論を出し合っているから近いうち形になると思う」

「兄様、体を壊さない程度にしてくださいね。きちんと寝てください。魔道具士のみんな、話をしだすとずっと話をしとますからね。気をつけてくださいね」

「あははは、そうだな。話をしだすと朝になっているからびっくりだよ」

 いやいやいや、気づいたら朝だったはやばいじゃないか。全く兄様達は。

「そういえば、お祖父様にここに来ることを伝えてあるのか?後で聞いたら残念がるのではないか?こんなかわいいルーナの姿を見られなくて絶対悔しがると思うよ。また、うちのタウンハウスにずっと入り浸るのではないか?」

「入り浸ることはしないでしょう。ケンおじちゃんが許さないですよ。怒ると怖いんですから」

「ケビン、お前、ケンドリックおじ上におこられたのか」

「お祖父様に怒っていた流れ弾が僕に来たって感じです。ガクブルですよ」

「お前もほどほどにな」

 呆れ返っているイーサン兄様。俺は被害者なんだよ。みんな俺を巻き込まないでよ。

 イーサン兄様の話を聞いていると着々とビデオ作成は進んでいるようだ。嬉しいな。早くルーナのこのかわいい姿を残しておきたいね。がんばれ、イーサン兄様達。

 こども広場での着ぐるみダンスは好評を得た。また計画して楽しいこども広場にしよう。ルーナが楽しんでくれたのが一番だ。

 家族との触れ合いは大事だ。頑張るぞ。 

 お祖父様がこのことを聞いて落ち込んでいたのはしょうがない。国王陛下のお仕事の方が重要だよ。今度、ルーナに洋服のモデルをする時はお祖父様も一緒にすることを約束させられ事なきを得た。

 お祖父様のルーナ愛がハンパない。










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