脛かじり生活(願望)を堪能人生録~ゆるく楽しく生活していけるはずだよね?

ブラウン

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193 これはハーレムとは言わない!

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 女性という生き物は美に対し異常な執着を見せるんだ。そして俺は連行されたんだ。

 姉様を王宮に連れてきて、母様やお祖母様、大お祖母様達は喜んだ。皆それぞれの家族紹介をし、最近の情勢や近況報告などを話しをしていた。王族と言っても堅苦しくはなくフレンドリーだ。よかった。

 そしてまた含みのある”事の発端は”から始まる話。そして、皆一斉に俺を見るんだ。お決まりだ。そして、ライアン様は立ち会っていなかったが、リルクルコンビと出会った話になり、2匹は饒舌に話をしていた。俺は補足をした。

「皆さん、間違った解釈をしてはいけないので説明しますが、僕はいるかもしれない精霊様にお菓子をお供えしただけなのです。存在しているのなら、お菓子や料理を気軽に食べてね、という、本当に気楽な考えだったのです。邪な考えは全くないです。軽ーい気持ちだっただけです。そこ間違えないでくださいね。大それたことをしようなんて全く考えてないですから。僕は領地の片隅でのほほんと実家の脛を齧って暮らしたいです。何度も言いますが父様、そこのところよろしく!」

「何が、そこのところよろしくだ。色々仕事を増やしていくのはケビンだぞ!これから王都商会を開業したり、ライアン様の領地で競馬をしたり、スティングレイ辺境伯領でダンジョンに行くのだろう?辺境伯領にも商会を立ち上げる約束をしていたではないか。生地にしても化粧品にしても、女性陣はやる気にみなぎっている。これ以上広げると本当に大変だ!人材が足りない。辺境伯領でも面談をしないといけなくなるのだ。お酒、美容部門、ドレス部門はもっと忙しくなる未来なんだよ。はぁ」

 父様のその不用意な美容、化粧品に反応した女性陣!そしてその時にアリステリア様の一言が大事になってしまったのだ。ジェラルディン様がアリステリア様と母様に質問しまくりだった。

 "アリステリアお姉様のお肌はなぜそんなにお美しいの?"から始まったのだった。

 "メルシーやクラウディアも肌が美しいわ。いったいどんなお手入れをすればそれほど美しくなるのかしら?"

 隣国アリステリアの母国は日差しが強く、肌が赤くなってしまうそうだ。白い肌の人は赤くなってしまうからね。日焼けグッズでも作ればいいのではないか?快適糸で日傘はどうだろう?ポーションで日焼け止めと日焼けしてしまった時用のローション。シミ予防シミ対策がいちばん女性にはいいのかもしれない。

「ジェラ、これはねぇ、ケビンちゃんが化粧品を渡してくれたのよ。はじめはアルバートとレオンハルトの持ち物に入っていたものを私がうばっ、お願いして見せてもらったのよ。女性用の化粧品みたいだから私が使用してケビンちゃんに感想を伝えることになったのよ」

 別に化粧品に関しては感想を求めていなかったのだがなぁ。レオンがシャンプーや化粧品などを母上に奪われたと言っていたから、まぁ、強制的に渡したのだろう。物は言いようだ。だがしかし、俺の名前を言ってしまったアリステリア様。ジェラルディン様ほか女性陣の目が怖いよぉ。ロックオン!されている感じだ。

「ケビンちゃん、食事が終わったら一緒にお話ししましょうね。どんな化粧品があるのか教えて欲しいわ」

「あ、あの母様の方が詳しいと思うのです。母様に「メルシーはお父様とルーナと一緒に過ごすそうよ。メルシーとお父様の邪魔はしないようにね、ケビンちゃん」

 すかさず会話をかぶせに来たジェラルディン様。王族にお生まれになった風格がございますね。貧乏伯爵家に生まれた俺には風格のふの字もない。

「は、はい、では食事のあとどういった化粧品があるかお見せ致します」

 敬語になってしまった俺。さっさと使い方を教えて逃げよう。

「やだぁ、ケビンちゃん、怖がらないで」

 ジェラルディン様がかわいく謝ってきた。美人な人は上手く使い分けているんだ。翻弄されるのは男だ。俺には耐性がないからすぐ許してしまう。アリステリア様にすべて丸投げしてしまおう。

「大丈夫です。アリステリア様、シャンプーなどは使い方はお分かりかと思いますので、そこは皆さんに伝授してほしいです」

「ええ、良いわよ。うちの優秀な侍女たちは日夜もっと美しくなるためにはどうすればいいか考え実践しているわ。そういえばオルコット侯爵領も化粧品に着手すると聞いたわ。何か知っているのかしら、ケビンちゃん?」

 もう情報を掴んでいるの?俺が勝手に情報を流すのはダメだよな。ここはライアン様だ。

「あのまだ着手する段階ですので、詳しいことは、その分かりません。ライアン様に聞くのがいいかと思います」

 疑いのまなざしが鋭い。

「今僕が持っている美容関係類をお渡ししたほうがいいですか?」

 話を反らさなければ。化粧品の実践をすれば気がそれるはず。反れてほしい。アリステリア様の含みのある目が怖いよぉ。見透かされているようだ。

「そうね、ジェラ、私が知っていることをはじめに教えるわ。それからケビンちゃん、新製品があったら教えてね」

 そして俺は女性達に囲まれた。いつも言っているが俺の周りには既婚者か歳がかなり上の女性に囲まれているんだ。これはハーレムとは言わない。

 それからは化粧品、シャンプー、トリートメント、フレグランス、練り香水、美顔器を渡した。母様には先に商会のオープン記念にする練り香水や美顔器をアリステリア様に渡していいか打診をしていた。

 長い長い時を女性達と過ごした。が、しかし俺はソファでクルさんと寝ていた。ついていけん。




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