201 / 294
200 びっくり仰天ですね
しおりを挟む
フィルパパが準備万端でやってきた。
「さぁ、いこう」
「あの、向こうに魔鳥で先ぶれしないのですか?」
「ん?ジェラルディンをびっくりさせてやろうかと思うんだ。まぁ、国王陛下であるお義父上に失礼かと思ったが皆をびっくりさせてやろう、あははは」
クルさんや、フィルパパ、従者の方、護衛騎士2人、フィルお兄ちゃん、料理人2人、俺入れて8人ですが本当に本当に大丈夫ですか?どこか異次元空間に置いてけぼりは嫌ですけど!
「さあ、ケビン、バカな心配していないで行くわよ。パパッと行けるから安心して。ほら抱っこして!」
抱っこは必要なのか?ピンクルを抱っこして、では皆さん行くよ。
「ど、どきどきしますね」
俺もドキドキだよ。異空間放浪はイヤだ。料理人さん、大丈夫?さて、アッという間に着きますから大丈夫ですよ。
「クル、じゃあ、お願い」
一瞬で戻ってきた。いきなり俺たちが現れてびっくりしていたが、きゃー、とジェラルディン様の声が聞こえた。見るとフィルパパに抱きついていたよ。はいはい、仲がよろしいことで。
「お義父上、お久しぶりでございます。此度は転移をさせていただき、こちらに来られることができました。クル様にご助力いただき感謝申し上げます」
ジェラルディン様の肩を抱き寄せ、お祖父様に挨拶していた。
「相変わらず仲がいいな、お前たちは」
「お義父上にはかないませんよ」
なんだよ、この夫婦仲良しアピールは。しかしジェラルディン様の肩を寄せみんなに挨拶している。
王太子ケンおじちゃんとアリステリア様の結婚はアリステリア様が押しかけ結婚。その結婚式でジェラルディン様を見初めて、半ば誘拐のような形ですぐ結婚したフェルナンド様。ドタバタ劇があったのだそうだ。他国の方との結婚はこんな形で結婚するものなのだろうか。
「ところで、義父上。何がどうなっているのですか?いったいこの国で何が起こっているのですか?」
またあのくだりを言われるのか!
「ことの始まりはケビンだ!」
えー、お祖父様、断言しないでよ。ほらあの眼力で見られてしまった。精霊様からリルクルコンビまでの話。
フェルナンド様がお腹を抱えて笑っています。この人は感情豊かな方なのか?金縛りにあったかのように目力が強く、ジェラルディン様への愛情表現は大胆だし、そして笑い上戸。
「本当になんと言うか、発想が豊かなのか?規格外なのか、突拍子もないのか、ケビンといると楽しいな。うちの国に来ないか?うちの子にならないか?」
はい?うちの子にならないかとは?これはアメリカンジョークだな。俺はいま忙しいのだ。そんなジョークに付き合っている暇はない。
「フェルナンド様、ケビンはうちの子ですので他所にはやらないですよ」
「あははは、すまんすまん、ルーク。ちょっと言ってみたかったのだ。まぁ、本気にしていいんだよ、ケビン」
ロックオン!いやいやいや、丁重にお断りいたします。俺はうちの家族が大好きなので行きませーん。そのことはきちんと言わないとね。
「フェルナンド様、僕は家族が大好きなので家族の元をぜったい離れません。僕は脛を齧って生きていくのですから、そんなわがままを言えるのは父様、イーサン兄様、ロナウド兄様ぐらいです。父様には100歳まで働いてもらわないといけないので、父様を労わりつつ働かせます。なので、イタッ、うー、父様痛いですぅ」
お約束のゲンコツ。イーサン兄様、ロナウド兄様はまたかという呆れ顔。母様は困った子ねと、と頬に手を当てて微笑んでいる。
「それに、アリス、お前、肌がきれいすぎないか?ん?若返ったか?いや、髪の毛が美しくなったのか?一体、これは」
フェルナンド様がアリステリア様を見て驚いていた。水精霊様の瓶の水をほんの少し入れただけでこの効き目だ。あまり使わないでおこうと心に決めた化粧品だ。一応、アリステリア様への献上品だ。うちには温泉があるからそちらで傷やシミや潤いなどがまかなえてしまう。これは内緒のことだよ。
「うふふふ、どう綺麗でしょう。うらやましいでしょう。ジェラルディンは家族割をケビンがしてくれるでしょうがフェル、あなたは正規値段を支払いなさい」
アリステリア様、フィルパパを煽らないでください。俺が関りがあると思われたくないのですが。それにしても2人は仲が悪いのか?
「ケビン?これもケビンが関わっているのか?」
目力が刺さる。俺は首を振る。
「もうすでに僕の手から離れ、母様やボールドウェッジ公爵様のところのアニーベル様、アンジュ様が中心となって美容部門を取り仕切ります。僕は何もしていないです。売買の関係は商会長のロナウド兄様か母様に言ってください」
良しこれで丸投げで来た。僕は言うだけ言って後は母様達にお任せなのだ。作るのは美容部門の錬金術師と薬師、魔道具は魔道具士エリン達がいる。皆に頑張ってもらおう。
「ふむ。ロナウド、商会を王都に立ち上げるのだな?見学させてもらっていいだろうか?」
「はい、ジェラルディン様も帰国前に行きたいとおっしゃってましたので、オープン前ですが案内させていただきます」
「よろしく頼む。ところで、第二王女であったフランソワとジェファーソンはどうしたのだ?」
そうなのだ、母様のもう一人の姉フランソワ様がいないのだ。旦那様はスチュワート公爵嫡男ジェファーソン様なのだ。どうしたのだろう。また姉様や隣国料理人を転移で連れてくる仕事があるのか?タクシー代払ってもらおうかな。
「さぁ、いこう」
「あの、向こうに魔鳥で先ぶれしないのですか?」
「ん?ジェラルディンをびっくりさせてやろうかと思うんだ。まぁ、国王陛下であるお義父上に失礼かと思ったが皆をびっくりさせてやろう、あははは」
クルさんや、フィルパパ、従者の方、護衛騎士2人、フィルお兄ちゃん、料理人2人、俺入れて8人ですが本当に本当に大丈夫ですか?どこか異次元空間に置いてけぼりは嫌ですけど!
「さあ、ケビン、バカな心配していないで行くわよ。パパッと行けるから安心して。ほら抱っこして!」
抱っこは必要なのか?ピンクルを抱っこして、では皆さん行くよ。
「ど、どきどきしますね」
俺もドキドキだよ。異空間放浪はイヤだ。料理人さん、大丈夫?さて、アッという間に着きますから大丈夫ですよ。
「クル、じゃあ、お願い」
一瞬で戻ってきた。いきなり俺たちが現れてびっくりしていたが、きゃー、とジェラルディン様の声が聞こえた。見るとフィルパパに抱きついていたよ。はいはい、仲がよろしいことで。
「お義父上、お久しぶりでございます。此度は転移をさせていただき、こちらに来られることができました。クル様にご助力いただき感謝申し上げます」
ジェラルディン様の肩を抱き寄せ、お祖父様に挨拶していた。
「相変わらず仲がいいな、お前たちは」
「お義父上にはかないませんよ」
なんだよ、この夫婦仲良しアピールは。しかしジェラルディン様の肩を寄せみんなに挨拶している。
王太子ケンおじちゃんとアリステリア様の結婚はアリステリア様が押しかけ結婚。その結婚式でジェラルディン様を見初めて、半ば誘拐のような形ですぐ結婚したフェルナンド様。ドタバタ劇があったのだそうだ。他国の方との結婚はこんな形で結婚するものなのだろうか。
「ところで、義父上。何がどうなっているのですか?いったいこの国で何が起こっているのですか?」
またあのくだりを言われるのか!
「ことの始まりはケビンだ!」
えー、お祖父様、断言しないでよ。ほらあの眼力で見られてしまった。精霊様からリルクルコンビまでの話。
フェルナンド様がお腹を抱えて笑っています。この人は感情豊かな方なのか?金縛りにあったかのように目力が強く、ジェラルディン様への愛情表現は大胆だし、そして笑い上戸。
「本当になんと言うか、発想が豊かなのか?規格外なのか、突拍子もないのか、ケビンといると楽しいな。うちの国に来ないか?うちの子にならないか?」
はい?うちの子にならないかとは?これはアメリカンジョークだな。俺はいま忙しいのだ。そんなジョークに付き合っている暇はない。
「フェルナンド様、ケビンはうちの子ですので他所にはやらないですよ」
「あははは、すまんすまん、ルーク。ちょっと言ってみたかったのだ。まぁ、本気にしていいんだよ、ケビン」
ロックオン!いやいやいや、丁重にお断りいたします。俺はうちの家族が大好きなので行きませーん。そのことはきちんと言わないとね。
「フェルナンド様、僕は家族が大好きなので家族の元をぜったい離れません。僕は脛を齧って生きていくのですから、そんなわがままを言えるのは父様、イーサン兄様、ロナウド兄様ぐらいです。父様には100歳まで働いてもらわないといけないので、父様を労わりつつ働かせます。なので、イタッ、うー、父様痛いですぅ」
お約束のゲンコツ。イーサン兄様、ロナウド兄様はまたかという呆れ顔。母様は困った子ねと、と頬に手を当てて微笑んでいる。
「それに、アリス、お前、肌がきれいすぎないか?ん?若返ったか?いや、髪の毛が美しくなったのか?一体、これは」
フェルナンド様がアリステリア様を見て驚いていた。水精霊様の瓶の水をほんの少し入れただけでこの効き目だ。あまり使わないでおこうと心に決めた化粧品だ。一応、アリステリア様への献上品だ。うちには温泉があるからそちらで傷やシミや潤いなどがまかなえてしまう。これは内緒のことだよ。
「うふふふ、どう綺麗でしょう。うらやましいでしょう。ジェラルディンは家族割をケビンがしてくれるでしょうがフェル、あなたは正規値段を支払いなさい」
アリステリア様、フィルパパを煽らないでください。俺が関りがあると思われたくないのですが。それにしても2人は仲が悪いのか?
「ケビン?これもケビンが関わっているのか?」
目力が刺さる。俺は首を振る。
「もうすでに僕の手から離れ、母様やボールドウェッジ公爵様のところのアニーベル様、アンジュ様が中心となって美容部門を取り仕切ります。僕は何もしていないです。売買の関係は商会長のロナウド兄様か母様に言ってください」
良しこれで丸投げで来た。僕は言うだけ言って後は母様達にお任せなのだ。作るのは美容部門の錬金術師と薬師、魔道具は魔道具士エリン達がいる。皆に頑張ってもらおう。
「ふむ。ロナウド、商会を王都に立ち上げるのだな?見学させてもらっていいだろうか?」
「はい、ジェラルディン様も帰国前に行きたいとおっしゃってましたので、オープン前ですが案内させていただきます」
「よろしく頼む。ところで、第二王女であったフランソワとジェファーソンはどうしたのだ?」
そうなのだ、母様のもう一人の姉フランソワ様がいないのだ。旦那様はスチュワート公爵嫡男ジェファーソン様なのだ。どうしたのだろう。また姉様や隣国料理人を転移で連れてくる仕事があるのか?タクシー代払ってもらおうかな。
652
あなたにおすすめの小説
今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。
【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する
ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。
きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。
私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。
この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない?
私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?!
映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。
設定はゆるいです
英雄の孫は今日も最強
まーびん
ファンタジー
前世では社会人だったが、死んで異世界に転生し、貧乏貴族ターセル男爵家の3男となった主人公ロイ。
前世のギスギスした家庭と違い、家族の皆から愛され、ロイはすくすくと3歳まで育った。
中でも、毎日一緒に遊んでくれるじいじは爺馬鹿全開で、ロイもそんなじいじが大好き。
元将軍で「英雄」と呼ばれる最強のじいじの血を引いたロイは、じいじ達に見守られながら、今日も楽しく最強な日々を過ごす。
足手まといだと言われて冒険者パーティから追放されたのに、なぜか元メンバーが追いかけてきました
ちくわ食べます
ファンタジー
「ユウト。正直にいうけど、最近のあなたは足手まといになっている。もう、ここらへんが限界だと思う」
優秀なアタッカー、メイジ、タンクの3人に囲まれていたヒーラーのユウトは、実力不足を理由に冒険者パーティを追放されてしまう。
――僕には才能がなかった。
打ちひしがれ、故郷の実家へと帰省を決意したユウトを待ち受けていたのは、彼の知らない真実だった。
心配するな、俺の本命は別にいる——冷酷王太子と籠の花嫁
柴田はつみ
恋愛
王国の公爵令嬢セレーネは、家を守るために王太子レオニスとの政略結婚を命じられる。
婚約の儀の日、彼が告げた冷酷な一言——「心配するな。俺の好きな人は別にいる」。
その言葉はセレーネの心を深く傷つけ、王宮での新たな生活は噂と誤解に満ちていく。
好きな人が別にいるはずの彼が、なぜか自分にだけ独占欲を見せる。
嫉妬、疑念、陰謀が渦巻くなかで明らかになる「真実」。
契約から始まった婚約は、やがて運命を変える愛の物語へと変わっていく——。
ライバル悪役令嬢に転生したハズがどうしてこうなった!?
だましだまし
ファンタジー
長編サイズだけど文字数的には短編の範囲です。
七歳の誕生日、ロウソクをふうっと吹き消した瞬間私の中に走馬灯が流れた。
え?何これ?私?!
どうやら私、ゲームの中に転生しちゃったっぽい!?
しかも悪役令嬢として出て来た伯爵令嬢じゃないの?
しかし流石伯爵家!使用人にかしずかれ美味しいご馳走に可愛いケーキ…ああ!最高!
ヒロインが出てくるまでまだ時間もあるし令嬢生活を満喫しよう…って毎日過ごしてたら鏡に写るこの巨体はなに!?
悪役とはいえ美少女スチルどこ行った!?
えっ私人間だったんです?
ハートリオ
恋愛
生まれた時から王女アルデアの【魔力】として生き、16年。
魔力持ちとして帝国から呼ばれたアルデアと共に帝国を訪れ、気が進まないまま歓迎パーティーへ付いて行く【魔力】。
頭からスッポリと灰色ベールを被っている【魔力】は皇太子ファルコに疑惑の目を向けられて…
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる