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ゲソコン
しおりを挟む「この女の子は誰?」
刑事はなんとなく訊いてみた。
「知らない」
「知らない?」
「知らない人だったからびっくりして逃げちゃったんだ」
そりゃ、そうか。
刑事は少年を部屋から出すと念の為死亡を確認するために倒れている男の首に手を当てた。
脈はない。
すぐに署に連絡を入れようとして携帯を部屋に置きっぱなしだと、思い出した。
とりあえず目につくところに異常はなさそうだ。
外で待っている少年と合流すると「他に部屋はある?」
と聞いた。
「部屋?」
「そう部屋」
「犯人が隠れそうな場所ってこと?」
「ま、まぁね」
「お風呂場とトイレくらいかな」
「わかった君は外で待っててくれる?」
「ひとりで?」
「そっか、じゃあ一緒に行こう」
少年は頷いた。
少年の先導で一通り離れの中を見回ったが犯人が隠れている事はなかった。
「さっきの動画もう一度見せてもらえる?」
少年は無造作に携帯を渡した。
「……なるほどね」
「やっぱりあの人が犯人?」
「いや、まだそうとは言い切れないよ」
少年は何かに気がついた様に玄関まで走ると刑事を呼んだ。
「刑事さん!」
「どうしたんだい?」
「これをみて!」
そう言って指を刺したところには雪を踏みしめなが走って行くような足跡が屋敷の外に続いていた。
「これってあの女の人の足跡だよね」
「断言はできないがおそらくはそうだろう」
何回も犯人の足跡、つまりゲソコンを見てきた刑事はそれが若い女性が走り去った時の足跡でほぼ間違いない様に見えた。
「じゃあ、やっぱり犯人はあの人って事じゃない?部屋に誰も居なかったって事は外に逃げたってことでしょ?それで僕が刑事さんを呼びに行ってる間に誰かが出てきたならその足跡が外へ続いてるはず、でしょ?」
「なるほど」
そう言って部屋に携帯を取りに戻る前に刑事は思いついて足を引っ込めた。
「一応、今の雪についてる足跡も録画しておいてくれる?」
少年は勢いよく頷いた。
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