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その夜
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少女は夜空を見上げていた。
それは、ぼんやりとではなく、見ようとして観ていたのだ。
漠然とした不安にかられる時や沈んだ気持ちになった時は、夜空を見上げることで幾分か払拭される事を少女は経験的に知っていたからである。
そのおかげで、他の人よりもいち早く、その異変に気がつく事ができた。
「え?」
空がなんとなく紫がかっているようにみえた、しかし、最初は目の錯覚かもしれないと思える程度の微妙な変化である。
しかし、その異変は強さを増してきて、だんだんと白夜のような明るさをおびてきた、もはや隠すことが出来ないほどの紫に染まって行く。
「...う…そ。」
少女の本能は咄嗟に警鐘を鳴らした。
「に、逃げなきゃ...。」
(どこへ?)
心の中の別の自分が訊いてくる。
こんなにも、広範囲な脅威に対しては自分は...いや、自分より何倍も優れた人間であったとしても、一様に無力であると思い知らされるような...そんな脅威を秘めた何かが、空一面に広がっていた。
少女は大人達が忘れ去っている、地球に住む生物としての意識が随分と残っていたのでその異変が単なる気象の乱れ等ではないであろう事を直感的に感じ取っていた。
ただ今は、感じ取るのが精一杯であったのだが...。
それは、ぼんやりとではなく、見ようとして観ていたのだ。
漠然とした不安にかられる時や沈んだ気持ちになった時は、夜空を見上げることで幾分か払拭される事を少女は経験的に知っていたからである。
そのおかげで、他の人よりもいち早く、その異変に気がつく事ができた。
「え?」
空がなんとなく紫がかっているようにみえた、しかし、最初は目の錯覚かもしれないと思える程度の微妙な変化である。
しかし、その異変は強さを増してきて、だんだんと白夜のような明るさをおびてきた、もはや隠すことが出来ないほどの紫に染まって行く。
「...う…そ。」
少女の本能は咄嗟に警鐘を鳴らした。
「に、逃げなきゃ...。」
(どこへ?)
心の中の別の自分が訊いてくる。
こんなにも、広範囲な脅威に対しては自分は...いや、自分より何倍も優れた人間であったとしても、一様に無力であると思い知らされるような...そんな脅威を秘めた何かが、空一面に広がっていた。
少女は大人達が忘れ去っている、地球に住む生物としての意識が随分と残っていたのでその異変が単なる気象の乱れ等ではないであろう事を直感的に感じ取っていた。
ただ今は、感じ取るのが精一杯であったのだが...。
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