CHANGE syndrome

ハイブリッジ万生

文字の大きさ
40 / 46

神様の条件

しおりを挟む
ジャック(ふぅ...今のはやばかったで...)

「グゥううう」

未有「そうね」

「ぁぁぁぁぁぁあ」

ジャック(それにしてもお嬢ちゃん...)

未有「なに?」

ジャック(周りの声とか気にならないんやね?)

周りでは相変わらず阿鼻叫喚の声が聞こえてくる。

未有「そうね、自分にされてた事を返してるだけだから...」

石川「あ、あがががが、お、俺が...な、何したって言うんだよ!ぁががが」

未有「何もしてないわ、そして...私も今は何もしてないから......おあいこ」

ジャック(一つだけ質問してええ?)

未有「なに?」

ジャック(これは...一応聞くルールになってるんやけど...)

未有「なによ?」

ジャック(神様になりたい?)

未有「......なに、それ?」

ジャック(だから、一応聞くだけや、素養のありそうな人には聞くルールになっとんねん)

未有「私に?...神様の?...素養があるの?」

「ううううううぅ」

未有「どこが?」

ジャック(まぁ、当然ちゃあ当然の質問やな...神様の条件は大まかに分けると三つあってな...第一は精神力)

未有「はぁ...」

「うぐぐぐぐ」

ジャック(第二に公平さ)

未有「そう?私公平かしら?」

ジャック(まぁ、そこそこ公平ならええねん、それより第三の条件...これが結構重要なんやけど...無慈悲)

未有「え?なんて?無慈悲って聞こえたけど?」

ジャック(せや、そう言うたんや、神様たるもの、ある種、冷徹なところがないと務まらないんやで?)

未有「へぇ、意外」

「ぃぃいいいいぃ」

ジャック(さよか?考えてもみい?情に流されて可愛そうな人から全部願いを叶えていったら世の中めちゃくちゃになるで?)

未有「そうかな?」

ジャック(そうなんや、それで、何人も神様交代させられてるねん…だから、願 いを叶える時はルールがあってな)

未有「ルール?」

ジャック(そう、どんな場合でも1番思いの強いひとのを叶えるんや...)

未有「ふーん...あ、てことは...」

ジャック(せや、せやから、お嬢ちゃんの願いが最優先になるんや...これは重要なルールやから覚えててな)

未有「覚えてて言われても...神様なんて無理だよ...私、普通の女の子だし..」

「ぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ」

ジャック(さよか?これだけの人間の苦痛の声を聴いて眉一つ動かさへんのは...結構、普通ちゃう気がするんやけどなぁ...)


未有の右の眉がピクリと動いた。










ジャック(で?どうなん?)

未有「神様...か...いいかもね、人間には少し失望してるし...」

ジャック(え?ほんまに?ほんまにええの?まじかぁ..1番なさそうやと思うてたけど...わしの長旅もここで終わるんか?)

未有「でも、一つだけ気がかりがあるんだけど...」

ジャック(両親のことやな?)

未有「うん」

ジャック(それは...大丈夫や)

未有「なんで?」

ジャック(さっきも言ったやろ?神様は交代するんや...)

未有「交代?」

ジャック(せや、交代や、チェンジや、嬢ちゃんの人生はワシが引き受けるよってになんにも心配はいらん)

未有「え?...ジャックが私に?ほんとうに?」

ジャック(せや、ずぅーと探してたんや...神様の器を...)

未有「ふふ...急に自分の娘が変な関西弁話したら驚くわよ?」

ジャック(それは...気をつける)

雫「だめ!」

未有「だめって言われても...何も感じないわ...心が宝石みたいに研ぎ澄まされていく様な...不思議な感覚」

ジャック(神格化が始まったみたいやな)

雫「やめて!神もどきさん!」

ジャック(そういわれても...こうなった以上、この子の意思やで...それに神格化が始まったら、いくら高次元思念体でも止めるのは不可能や)

雫「そんな...」

ジャック(意思は祈りになって、祈りが叶う時...叶える側と叶えられる側がひっくり返る...オセロみたいにな)

雫「鏡(そうやって貴方も神もどきになったのね?)」

ジャック(せや、ワシは中途半端やさかい、モドキになったけど、この嬢ちゃんならあるいは...)

雫「だめよ、そんなの...絶対にだめだよ!」

統(どうする?鏡)

鏡(論理的ではないけど...最後の手段なら...)

凶(おい、うそだろ?)

護(むぅ...しかし雫を危険な目に合わせるわけには...)

雫(みんな......)

「うううううう」
「あががががぁ」
「ひぃぃいあ」
相変わらず阿鼻叫喚の声が止むことはない。

雫「お願い」


統(......そういうと思いました。)












しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...