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義人
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病院に行ってからストレスを発散することを心がけた。
でも・・・・・全然良くならない。
ていうか逆に前よりも多くなった気がする。
今までは一週間に一回で放課後になっていたのに最近は二回くらいになり、たまに学校生活の中で現れることもある。
本当こいつさえいなければ楽しい高校生活を送れるのに。
そこで次の作戦に出た。病院の先生はノートを使っている人もいるって言っていた。だから、ノートを用意して僕の中にいるもう一人のことを知ろうとした。
知ることによって何か治るための手がかりがあるかもしれない!
とにかく、書こう。
そう思いペンをとった。
「・・・・・って何を書いたらいいの?」
ノートに手紙のようなものを書こうとしたがどんなふうに書いたらいいかわからず迷う。
暑中見舞いのように丁寧な文で始めたらいいかな・・・・ それとも、よう! みたいに軽く書く方がいっかな・・・
なんか上から目線だなこれは。
うーん、僕のもう一人は聞いた話によるとヤンキーみたいなやつだからな・・・
考えた末、めちゃくちゃ簡単にかいた。
「自己紹介をしてください!」
まず知ることが大事。
だからこれだけ書いてノートを閉じた。目立つようにノートの表紙に大きく「自分ノート」って書いたから見てくれるだろう。
そして次の入れ替わりを楽しみに待っていた。
次の日、僕は意識を失ってあいつが人格を持った。
そして、目覚めた時にはノートが開けてあった。たぶん何か書いてある。
今まではずっと性格が正反対で最悪っていうイメージだけだったけど、こうやって手紙をするとなんか友達みたいでワクワクした。
手紙には僕とは違う筆圧でこう書かれていた。
「俺の名は義人だ。年齢は内緒だ。内緒!」
うっ、なぜ二回書いた。なんか女子みたいでキモい・・・
ああ、続きを読まなくちゃ。
「まあ義人と呼んでくれ。知ってるかもしれねえが俺はお前とは性格が正反対だ。あと俺はヤンキー。これから大変かもしれねえがよろしくな!」
文字の汚さと言い、言葉遣いなどこの手紙を読んだだけでもうヤンキーってイメージがある。
それでもなんか嬉しかった。でもこれから義人と一緒に生きていかなくちゃいけないのは大変だな・・・・
それからも人格が変わるのに変化はなかった。
何回も入れ変わったことで分かったことがある。
長時間、義人と交代すると僕の意識はなくなってしまう。でもちょっとだけ変わる時は義人がどう思っていたかなどわかるようになった。あと興味のあるものを見ると意識は戻る。僕はパンが好きだからパンの看板や匂いを嗅いだら祐介に戻る。
この頃から僕は協力して今をなんとか生きると決めた。
そのためにも僕は義人の行動で嫌なこと、して欲しくないことをルールにした。あと、どんな一日を過ごしたか日記にしてほしいということも頼んだ。
一つ
僕の友達である二人を大切にする。特に優はすこし静かな性格だからあまり積極的にならない。
二つ
おばあちゃんに心配かけないように過ごす。
始めのルールはこれくらいだった。それでもだんだん不満が出てきてルールが増えてくる。
「それにしても、あの男わぁぁぁぁ!!」
限界が来たときにはいつもこう叫んでいる。ヤンキーっと言っているだけあり問題ばかり起こす。
義人はそのルールなど無視して、本当に好き勝手だ。
ある日には喧嘩をし、ある日には弱そうな子を脅してお金を取ろうとした時もあった。
喧嘩の後は怪我をしていたせいで何もしていない僕にまで痛みがあるし、お金を取ろうとしていた時はもらう直前に意識が戻ったからよかったけどもうちょっとで犯罪を犯すところだった。
「喧嘩を絶対にやらないこと。喧嘩されると僕まで痛いんだよ。それにもし学校に知られたらどうなるか。
弱いものを脅してお金を取らないこと。
あといじめも絶対ダメだから。
本当にわかってる?
言っていることは絶対禁止だから」
「すまんすまん! お前まで痛い思いをさして悪かった。でもあいつらから俺に舐めた口聞いてきたんだぞ。そんなやつら野放しにするなんて男としてどうかと思うぞ。
あとお金を取るのは本当に反省してる。もうしないと誓おう。
でも喧嘩は別だ。あれはあいつらが悪い」
「話し合い! せめて口喧嘩にしてよ。あんたなら絶対勝てるでしょ」
「無理だ。俺は馬鹿だからあいつらと口で喧嘩したら絶対負ける。それに拳で語らなきゃ男じゃないだろ!」
ああぁぁぁぁ!? 嫌だ! 話が通じにない。
不満が溜まり、始めと比べるとだんだん喧嘩腰の文章になっている。
よく「喧嘩するほど仲がいい」ということわざがあるけど僕は完全否定したい。
さまざまな出来事の中で僕が特に言いたい話がある。それは一度喧嘩に巻き込まれた時だ。
義人があおられて喧嘩になったらしい。路地裏に連れて行かれて三対一だ。
たぶん義人なら簡単に勝てていたのだろう。
でもその時はタイミングが悪く、たまたまパンの匂いがして意識が祐介に戻ってしまった。
結果、僕は三人のヤンキーにボコボコにされ顔からは青たんに鼻血、お腹も殴られて呼吸もやりにくかった。
さすがにこの日は相当イラついた。
そしてノートに呪文のようにぎっしりと義人に向かって「死ね死ね死ね死ね死ね死ね」と書いたことを覚えている。
次の手紙には筋トレやったどうだ、と提案された。
すこし義人の言いなりになるのは嫌だったけど、やって損はないと思い、この日から毎日やるようになった。
こんな僕にとっては最悪な出来事だけどなぜかいつもの平凡な日々より僕は生き生きしていた。
最近、学校生活の中でも義人は現れるようになった。
何か興味のあるものでもあるのかな・・・・
今日は朝のSHRで先生が話している時に気に入らない部分があったせいで現れてしまった。
「皆さん、たくさん勉強していい大学に入学しましょう。ゲームやカラオケなどで遊んでいると将来痛い目を見ることになりますよ。それに比べていい大学に行けば将来も安定した生活ができる。こんな幸せなことはありません」
「はぁぁああ、始まったよ。担任のいい大学に入学しましょう」
「ずっと言ってるよな」
裏でこそこそと明るい男子たちが話している。そしてみんなつまんなそうに話を聞いている。
ガタン!
その音にみんなの視線が俺に集まる。
「ああ、つまんねー」
俺は足を机の上に乗せて両手を頭の後ろに回し、行儀の悪い姿勢になった。
「おい、なんだ。先生に向かってそんな態度をして・・・・」
いつも大人しい祐介がこんな格好をしたこと、先生に反論したことでみんな驚いていた。
ざわざわと周りがうるせえな。
「はーい、先生質問でーす。どうしていい大学に行かないといけないんですか?」
いきなりの質問で戸惑っていたがすぐに答えた。
「祐介、それはなぁ。いい会社に就職して給料をたくさんもらうためだぞ」
「はぁ、なんかそれつまんない人生で・・・
って僕は何をやっていたんだ?」
急に意識が戻った。気づくと足を机の上に置き、みんなの視線が僕に集まる。
そして義人がやっていたことが頭の中に入ってくる・・・・・
僕はすぐに足を下ろして机の上に肘をついて頭を抱えた。
タイミング!! 最悪だよ。せめて最後までけりをつけてから戻れよ。
とても恥ずかしい黒歴史を作ってしまった。
恥ずかしい。恥ずかしすぎる。人として死ぬくらい恥ずかしかった。
「・・・・あの、とりあえずすいません生意気なことを言って・・・・」
そのまま先生に謝り、この重い空気の中SHRは終わった。
あとで説教の手紙を書くことを心に決めた。
放課後
「ハッハハハ、お前珍しいことするもんだな。でもなんかスカってしたぞ祐介の言葉。あの先生ずっといい大学に入学しようしか言わないからなんか嫌だったんだよな!」
「ああ、もうその話やめて・・・・」
思い出すだけでも最悪だ。
穴があったら入りたい。
「いや、祐介はすごいよ。あんなこと人前でできるなんて。僕なら死んでる」
「いや、もう僕心の中では死んでるから・・・・」
「ハッハハ、そうかそうか。今日は気分転換に何か祐介の好きな物食べに行かないか?
部活もないし、優も今日はフリーだろ」
「うん、何も用事ないし行こうよ」
「二人ともなんかありがとう」
僕の心を慰めるために提案してくれた気がした。
「じゃあ、パンを食べたい!」
「おう、そうか」
二人は僕の案に賛成してついてきてくれた。しかしあいつが現れた。
「いや、やっぱり肉だな。タンパク質で美味いからな!」
「いやパン!」
「肉だろ肉!」
「祐介、何一人でやってんだ・・・・・」
うう、またこいつのせいで恥ずかしい思いをした。
確かに二人から見たら一人で言い争ってるようにしか見えないもんな。
結局、パン屋へ行くことになった。
今日の朝のことを言うと、すんなりと義人は譲ってくれた。喧嘩は強いけど口喧嘩は弱いんだな!
いつも抑えるのが大変な義人の弱みを知れて悪い顔をしてしまう。この弱み、使える!
始め二重人格なんて最悪で高校生活の心配をしていたけど、楽しくなってきた!
でも・・・・・全然良くならない。
ていうか逆に前よりも多くなった気がする。
今までは一週間に一回で放課後になっていたのに最近は二回くらいになり、たまに学校生活の中で現れることもある。
本当こいつさえいなければ楽しい高校生活を送れるのに。
そこで次の作戦に出た。病院の先生はノートを使っている人もいるって言っていた。だから、ノートを用意して僕の中にいるもう一人のことを知ろうとした。
知ることによって何か治るための手がかりがあるかもしれない!
とにかく、書こう。
そう思いペンをとった。
「・・・・・って何を書いたらいいの?」
ノートに手紙のようなものを書こうとしたがどんなふうに書いたらいいかわからず迷う。
暑中見舞いのように丁寧な文で始めたらいいかな・・・・ それとも、よう! みたいに軽く書く方がいっかな・・・
なんか上から目線だなこれは。
うーん、僕のもう一人は聞いた話によるとヤンキーみたいなやつだからな・・・
考えた末、めちゃくちゃ簡単にかいた。
「自己紹介をしてください!」
まず知ることが大事。
だからこれだけ書いてノートを閉じた。目立つようにノートの表紙に大きく「自分ノート」って書いたから見てくれるだろう。
そして次の入れ替わりを楽しみに待っていた。
次の日、僕は意識を失ってあいつが人格を持った。
そして、目覚めた時にはノートが開けてあった。たぶん何か書いてある。
今まではずっと性格が正反対で最悪っていうイメージだけだったけど、こうやって手紙をするとなんか友達みたいでワクワクした。
手紙には僕とは違う筆圧でこう書かれていた。
「俺の名は義人だ。年齢は内緒だ。内緒!」
うっ、なぜ二回書いた。なんか女子みたいでキモい・・・
ああ、続きを読まなくちゃ。
「まあ義人と呼んでくれ。知ってるかもしれねえが俺はお前とは性格が正反対だ。あと俺はヤンキー。これから大変かもしれねえがよろしくな!」
文字の汚さと言い、言葉遣いなどこの手紙を読んだだけでもうヤンキーってイメージがある。
それでもなんか嬉しかった。でもこれから義人と一緒に生きていかなくちゃいけないのは大変だな・・・・
それからも人格が変わるのに変化はなかった。
何回も入れ変わったことで分かったことがある。
長時間、義人と交代すると僕の意識はなくなってしまう。でもちょっとだけ変わる時は義人がどう思っていたかなどわかるようになった。あと興味のあるものを見ると意識は戻る。僕はパンが好きだからパンの看板や匂いを嗅いだら祐介に戻る。
この頃から僕は協力して今をなんとか生きると決めた。
そのためにも僕は義人の行動で嫌なこと、して欲しくないことをルールにした。あと、どんな一日を過ごしたか日記にしてほしいということも頼んだ。
一つ
僕の友達である二人を大切にする。特に優はすこし静かな性格だからあまり積極的にならない。
二つ
おばあちゃんに心配かけないように過ごす。
始めのルールはこれくらいだった。それでもだんだん不満が出てきてルールが増えてくる。
「それにしても、あの男わぁぁぁぁ!!」
限界が来たときにはいつもこう叫んでいる。ヤンキーっと言っているだけあり問題ばかり起こす。
義人はそのルールなど無視して、本当に好き勝手だ。
ある日には喧嘩をし、ある日には弱そうな子を脅してお金を取ろうとした時もあった。
喧嘩の後は怪我をしていたせいで何もしていない僕にまで痛みがあるし、お金を取ろうとしていた時はもらう直前に意識が戻ったからよかったけどもうちょっとで犯罪を犯すところだった。
「喧嘩を絶対にやらないこと。喧嘩されると僕まで痛いんだよ。それにもし学校に知られたらどうなるか。
弱いものを脅してお金を取らないこと。
あといじめも絶対ダメだから。
本当にわかってる?
言っていることは絶対禁止だから」
「すまんすまん! お前まで痛い思いをさして悪かった。でもあいつらから俺に舐めた口聞いてきたんだぞ。そんなやつら野放しにするなんて男としてどうかと思うぞ。
あとお金を取るのは本当に反省してる。もうしないと誓おう。
でも喧嘩は別だ。あれはあいつらが悪い」
「話し合い! せめて口喧嘩にしてよ。あんたなら絶対勝てるでしょ」
「無理だ。俺は馬鹿だからあいつらと口で喧嘩したら絶対負ける。それに拳で語らなきゃ男じゃないだろ!」
ああぁぁぁぁ!? 嫌だ! 話が通じにない。
不満が溜まり、始めと比べるとだんだん喧嘩腰の文章になっている。
よく「喧嘩するほど仲がいい」ということわざがあるけど僕は完全否定したい。
さまざまな出来事の中で僕が特に言いたい話がある。それは一度喧嘩に巻き込まれた時だ。
義人があおられて喧嘩になったらしい。路地裏に連れて行かれて三対一だ。
たぶん義人なら簡単に勝てていたのだろう。
でもその時はタイミングが悪く、たまたまパンの匂いがして意識が祐介に戻ってしまった。
結果、僕は三人のヤンキーにボコボコにされ顔からは青たんに鼻血、お腹も殴られて呼吸もやりにくかった。
さすがにこの日は相当イラついた。
そしてノートに呪文のようにぎっしりと義人に向かって「死ね死ね死ね死ね死ね死ね」と書いたことを覚えている。
次の手紙には筋トレやったどうだ、と提案された。
すこし義人の言いなりになるのは嫌だったけど、やって損はないと思い、この日から毎日やるようになった。
こんな僕にとっては最悪な出来事だけどなぜかいつもの平凡な日々より僕は生き生きしていた。
最近、学校生活の中でも義人は現れるようになった。
何か興味のあるものでもあるのかな・・・・
今日は朝のSHRで先生が話している時に気に入らない部分があったせいで現れてしまった。
「皆さん、たくさん勉強していい大学に入学しましょう。ゲームやカラオケなどで遊んでいると将来痛い目を見ることになりますよ。それに比べていい大学に行けば将来も安定した生活ができる。こんな幸せなことはありません」
「はぁぁああ、始まったよ。担任のいい大学に入学しましょう」
「ずっと言ってるよな」
裏でこそこそと明るい男子たちが話している。そしてみんなつまんなそうに話を聞いている。
ガタン!
その音にみんなの視線が俺に集まる。
「ああ、つまんねー」
俺は足を机の上に乗せて両手を頭の後ろに回し、行儀の悪い姿勢になった。
「おい、なんだ。先生に向かってそんな態度をして・・・・」
いつも大人しい祐介がこんな格好をしたこと、先生に反論したことでみんな驚いていた。
ざわざわと周りがうるせえな。
「はーい、先生質問でーす。どうしていい大学に行かないといけないんですか?」
いきなりの質問で戸惑っていたがすぐに答えた。
「祐介、それはなぁ。いい会社に就職して給料をたくさんもらうためだぞ」
「はぁ、なんかそれつまんない人生で・・・
って僕は何をやっていたんだ?」
急に意識が戻った。気づくと足を机の上に置き、みんなの視線が僕に集まる。
そして義人がやっていたことが頭の中に入ってくる・・・・・
僕はすぐに足を下ろして机の上に肘をついて頭を抱えた。
タイミング!! 最悪だよ。せめて最後までけりをつけてから戻れよ。
とても恥ずかしい黒歴史を作ってしまった。
恥ずかしい。恥ずかしすぎる。人として死ぬくらい恥ずかしかった。
「・・・・あの、とりあえずすいません生意気なことを言って・・・・」
そのまま先生に謝り、この重い空気の中SHRは終わった。
あとで説教の手紙を書くことを心に決めた。
放課後
「ハッハハハ、お前珍しいことするもんだな。でもなんかスカってしたぞ祐介の言葉。あの先生ずっといい大学に入学しようしか言わないからなんか嫌だったんだよな!」
「ああ、もうその話やめて・・・・」
思い出すだけでも最悪だ。
穴があったら入りたい。
「いや、祐介はすごいよ。あんなこと人前でできるなんて。僕なら死んでる」
「いや、もう僕心の中では死んでるから・・・・」
「ハッハハ、そうかそうか。今日は気分転換に何か祐介の好きな物食べに行かないか?
部活もないし、優も今日はフリーだろ」
「うん、何も用事ないし行こうよ」
「二人ともなんかありがとう」
僕の心を慰めるために提案してくれた気がした。
「じゃあ、パンを食べたい!」
「おう、そうか」
二人は僕の案に賛成してついてきてくれた。しかしあいつが現れた。
「いや、やっぱり肉だな。タンパク質で美味いからな!」
「いやパン!」
「肉だろ肉!」
「祐介、何一人でやってんだ・・・・・」
うう、またこいつのせいで恥ずかしい思いをした。
確かに二人から見たら一人で言い争ってるようにしか見えないもんな。
結局、パン屋へ行くことになった。
今日の朝のことを言うと、すんなりと義人は譲ってくれた。喧嘩は強いけど口喧嘩は弱いんだな!
いつも抑えるのが大変な義人の弱みを知れて悪い顔をしてしまう。この弱み、使える!
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