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絆
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薄暗い天気の中、君は過去の話を下を向きながら話す。
「・・・その時、私は泣けませんでした。
絶望しすぎていたのか、夢だと思ったのか、涙ひとつ出ませんでした・・・・」
暗い感情で眼鏡が曇る。
「そのあと、私が自殺しようと考えていたことがわかり、両親は喧嘩ばかりするようになって離婚。フフフ、笑えますよね、こんな話」
気持ちを紛らわすために無理に笑顔を作っていた。
「だから、私に関わると酷い目に合います」
君の悲しそうな顔を見て僕は何も言えなかった。ただ辛そうにしている君を見る事しかできない。
「私は人を不幸にしてしまう・・・・・・・
私には生きる価値がない・・・・」
全てを言い終えると、黙ってしまった。
しばらく強い風の音しか聞こえなかったが、雲の中から一筋の光が僕達を照らした。
「僕は、君が生きてくれているだけで嬉しいよ!」
心の底から思っている言葉を言った。
すると、一滴の涙が君の目からポロリと落ちる。
「あれ・・・・なんでだろう・・・どうしてこんな時に・・・涙が・・・・ぐすん!」
軽く手で拭いながら涙が出ていることを不思議がっている。
「はっ!」
僕は目を見開いて、全身をガタガタと震わしていた。
女の子が泣くところを初めて間近で見てしまった。
しかも僕が何か言ったせいで泣いている。
どうしよう、どうしよう。
顔が真っ青になった。
ええっと、確かこういう時は・・・・
あっ、そうだ。優しく、優しく。
心を落ち着かせるために僕がこういう時、して欲しいと思うことをやった。
君に少し近づいて背中をさする。
「ああ、えっと・・・・・」
普段やらないようなことをやって顔が赤くなる。
「朝空さん・・・・ 僕は君が生きていてくれて嬉しかったです。いつも同じ友達と過ごして、退屈な日を過ごしていました。そんな時に僕から誘って、初めて作れた友達が君です。正直、あまり会話がなくてしょうもないことを話しただけだったかもしれないけど、僕にとってはとても大切な日々でした」
胸を手に当てて、思っていたことを素直にいう。
「ハトに餌をあげて楽しんだり、パンを一緒に食べて味を楽しんだり、僕にとってはそれだけで楽しかったんです! もう朝空さん、いや雪菜さんは一人じゃないです!」
笑顔を君に向ける。
「ああ、えっとすいません。つい熱く語ってしまって・・・・・」
頬をかきながら自信なさげに下を向く。
雪菜さんは僕の方をまっすぐ見ていた。
また強い、光が僕達を照らす。
「フフフ・・・ハハハハハハハハ!!」
雪菜さんは腹を抱えて今まで聞いたことのない大きな声で笑い出した。笑いながらも瞳の端から涙が流れている。ポロポロと流れながらも雪菜さんは笑い続けた。
いきなり笑い出したから始めはギョッと驚いたが、君の笑顔をもらうように僕も声高らかに笑った。
雲が吹き飛ぶような笑顔だった。
空は少し薄暗くなり、ちらほらと星が見えている。
一頻り笑い終えると雪菜さんから話を持ちかけ出した。
「祐介君・・・・ 相談なんだけど、この話を清水さんにしても友達でいてくれるかな?」
今までの雪菜さんとすこし違って見えた。
そして頼るように僕に相談してくれたことに感動している。
おっと、なぜか涙が一滴出てきたぞ。
「ああ、えっと」
次は僕が心配された。
さっきまで僕が慰めようとしていたからすこし恥ずかしい・・・・
「ごめんなさい。すこし心を取り乱していました。必ず清水さんもそばにいてくれるよ。もし離れても僕が君の友達でいるから安心して!」
「フフフ、ありがとう!」
はにかんだ笑顔で、すこしくだけた口調で君が言った感謝の言葉。それがいつまでも頭の中で響いていた。
その姿はとても美しかった。
次の日、同じ場所へ来て、清水さんにも同じ話を雪菜さんはした。
僕はベンチの端に座り、すこし二人から距離を置いている。
この三人が揃うと自分一人だけ性別が違うから部外者のようですこし気まずい。
話終わると清水さんは君を抱き寄せた。
そして優しい口調で喋りだす。
「ずっと、苦しかったんだね。ありがと、ちゃんと話してくれて」
清水さんは君の悲しい過去に泣いていた。
すごいよね、人のために泣けるなんて。
あまり清水さんと面識がなかったけど、これを見て信用し始める。
そう思うと気まずいと思っていた心は無くなって、距離をとっていたところからすこし近づいた。
「私、朝空さんともう二度と離れないから。ぐすん、これからも友達でいようね! そしてたくさん遊びに行こう。悲しい過去を忘れるくらいの楽しい思い出を作ろう・・・・ぐすん」
力強く、抱きしめていた。
まるでもう離さないような力強さだ。
心を落ち着かせるために、パン屋で買ったパンをみんなで食べた。
「村上君、君もよろしくね! これからも友達として!」
「は、はい!」
新しい友達ができて、心の中でとってもはしゃいだ。
こうして、朝空雪菜さんは昔ほどではないがすこし明るくなった。
僕と清水が友達になって、もう一人ではなくなった。
雲ひとつない大空の下で君は笑った。
「・・・その時、私は泣けませんでした。
絶望しすぎていたのか、夢だと思ったのか、涙ひとつ出ませんでした・・・・」
暗い感情で眼鏡が曇る。
「そのあと、私が自殺しようと考えていたことがわかり、両親は喧嘩ばかりするようになって離婚。フフフ、笑えますよね、こんな話」
気持ちを紛らわすために無理に笑顔を作っていた。
「だから、私に関わると酷い目に合います」
君の悲しそうな顔を見て僕は何も言えなかった。ただ辛そうにしている君を見る事しかできない。
「私は人を不幸にしてしまう・・・・・・・
私には生きる価値がない・・・・」
全てを言い終えると、黙ってしまった。
しばらく強い風の音しか聞こえなかったが、雲の中から一筋の光が僕達を照らした。
「僕は、君が生きてくれているだけで嬉しいよ!」
心の底から思っている言葉を言った。
すると、一滴の涙が君の目からポロリと落ちる。
「あれ・・・・なんでだろう・・・どうしてこんな時に・・・涙が・・・・ぐすん!」
軽く手で拭いながら涙が出ていることを不思議がっている。
「はっ!」
僕は目を見開いて、全身をガタガタと震わしていた。
女の子が泣くところを初めて間近で見てしまった。
しかも僕が何か言ったせいで泣いている。
どうしよう、どうしよう。
顔が真っ青になった。
ええっと、確かこういう時は・・・・
あっ、そうだ。優しく、優しく。
心を落ち着かせるために僕がこういう時、して欲しいと思うことをやった。
君に少し近づいて背中をさする。
「ああ、えっと・・・・・」
普段やらないようなことをやって顔が赤くなる。
「朝空さん・・・・ 僕は君が生きていてくれて嬉しかったです。いつも同じ友達と過ごして、退屈な日を過ごしていました。そんな時に僕から誘って、初めて作れた友達が君です。正直、あまり会話がなくてしょうもないことを話しただけだったかもしれないけど、僕にとってはとても大切な日々でした」
胸を手に当てて、思っていたことを素直にいう。
「ハトに餌をあげて楽しんだり、パンを一緒に食べて味を楽しんだり、僕にとってはそれだけで楽しかったんです! もう朝空さん、いや雪菜さんは一人じゃないです!」
笑顔を君に向ける。
「ああ、えっとすいません。つい熱く語ってしまって・・・・・」
頬をかきながら自信なさげに下を向く。
雪菜さんは僕の方をまっすぐ見ていた。
また強い、光が僕達を照らす。
「フフフ・・・ハハハハハハハハ!!」
雪菜さんは腹を抱えて今まで聞いたことのない大きな声で笑い出した。笑いながらも瞳の端から涙が流れている。ポロポロと流れながらも雪菜さんは笑い続けた。
いきなり笑い出したから始めはギョッと驚いたが、君の笑顔をもらうように僕も声高らかに笑った。
雲が吹き飛ぶような笑顔だった。
空は少し薄暗くなり、ちらほらと星が見えている。
一頻り笑い終えると雪菜さんから話を持ちかけ出した。
「祐介君・・・・ 相談なんだけど、この話を清水さんにしても友達でいてくれるかな?」
今までの雪菜さんとすこし違って見えた。
そして頼るように僕に相談してくれたことに感動している。
おっと、なぜか涙が一滴出てきたぞ。
「ああ、えっと」
次は僕が心配された。
さっきまで僕が慰めようとしていたからすこし恥ずかしい・・・・
「ごめんなさい。すこし心を取り乱していました。必ず清水さんもそばにいてくれるよ。もし離れても僕が君の友達でいるから安心して!」
「フフフ、ありがとう!」
はにかんだ笑顔で、すこしくだけた口調で君が言った感謝の言葉。それがいつまでも頭の中で響いていた。
その姿はとても美しかった。
次の日、同じ場所へ来て、清水さんにも同じ話を雪菜さんはした。
僕はベンチの端に座り、すこし二人から距離を置いている。
この三人が揃うと自分一人だけ性別が違うから部外者のようですこし気まずい。
話終わると清水さんは君を抱き寄せた。
そして優しい口調で喋りだす。
「ずっと、苦しかったんだね。ありがと、ちゃんと話してくれて」
清水さんは君の悲しい過去に泣いていた。
すごいよね、人のために泣けるなんて。
あまり清水さんと面識がなかったけど、これを見て信用し始める。
そう思うと気まずいと思っていた心は無くなって、距離をとっていたところからすこし近づいた。
「私、朝空さんともう二度と離れないから。ぐすん、これからも友達でいようね! そしてたくさん遊びに行こう。悲しい過去を忘れるくらいの楽しい思い出を作ろう・・・・ぐすん」
力強く、抱きしめていた。
まるでもう離さないような力強さだ。
心を落ち着かせるために、パン屋で買ったパンをみんなで食べた。
「村上君、君もよろしくね! これからも友達として!」
「は、はい!」
新しい友達ができて、心の中でとってもはしゃいだ。
こうして、朝空雪菜さんは昔ほどではないがすこし明るくなった。
僕と清水が友達になって、もう一人ではなくなった。
雲ひとつない大空の下で君は笑った。
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