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異世界編-神の遊戯
表裏一体
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「え……なに?」
セティが興味なさそうに俺とナキの顔を交互に見る。
「ボーイを少し借りるよ」
ナキがセティに何故かその承諾を問う。
「ん……返せよ?」
興味なさそうながらも、まるで権限が自分にあるように返す。
「彼女《ルディナ》を取り返し、船を脱出する、その際に君の能力でこの場まで運んでほしい」
セティの転移能力で俺たちを運ぶよう頼む。
「むしろ、セティの能力で天辺まで誰かを転移させられないのか?」
俺は、そんな安易な考えを口にするが……
「無理だよ、さすがにあんな高いところまで身体を飛ばせない……遠くにゲートを繋ぐには予めそこに細工する必要がある……不便《たね》はつき物なんだ、しょーねん」
苦笑しながらセティが答える。
「彼女の繭はかなり高い場所にある……それを回収したら船を降りる、真下に落下を防ぐための能力《マット》を用意してくれるだけでいいよ」
ナキがセティに依頼する。
周りの連中もその化物《ようさい》の攻略にあたってはいるが……
激しい攻撃と硬い防壁に遮られ、まったく前に進めないでいる。
「おじさんの飛空挺《のうりょく》で彼女のもとまで飛ぶ……ルディナちゃんの回収《きゅうしゅつ》を優先させてもらうよ」
ナキは俺に言い……
「それまで、砲撃《こうげき》からボーイ、君の能力でおじさんと船を守ってくれるかい」
ナキが俺に頼む。
「あぁ……」
「うん……約束してくれるのなら……だったら、その代償はきちんと支払うよ」
その遥か天辺、その姿すら目視できないほどに存在する源《コア》を見上げナキが言う。
「ボーイ……始めようか……」
すでにダメージを追い、炎上する飛空挺を創り出す。
それに、ナキと俺が乗る。
目指すは、ナキの報酬《ルディナ》となる女性が捕らえられる繭。
要塞に装備された砲撃……そして本来、ニアンが持つの能力の水晶による砲撃を俺はフィルの魔力を目に宿しその一撃、一撃を目で追い、結界を張りその攻撃を防ぐ。
だが、目の前には防壁……そして何よりもサイガの持つリフレクトが目の前を遮る。
「……どうする?」
あれをどうするのか……ナキにそれを問うが……
「後……一撃なら……」
飛空挺の砲台……すでに崩壊寸前だが、後一撃、何とかしてみせると……
放たれたビーム砲がその防壁《リフレクト》を貫き、その奥へと飛空挺を潜らせる。
そして、繰り出される砲撃は俺が結界で防いでいく。
「ボーイ……謝罪がまだだったね……前に君を殴ったこと」
ナキが忙しそうに瞳を動かし結界を張る俺に振り返り言う。
「凄く響《き》いたよ……あなたの言葉は……」
そんな俺の返しにナキは鼻で笑い……
「それは、殴りがえのあったもんだね……」
寂しそうにナキが笑い……
たどり着いた繭の前で……身を乗り出し、ルディナを繭の中から開放する。
そして、そんな彼女の身体を俺に預け、俺を船の側面に導く。
見下ろす、飛空挺の下にはセティの創り出す歪みがある。
船を放棄してそこに飛び降りる。
それが……ナキが提案した作戦。
彼女を救うための作戦。
「ナキ……来てくれた……私の王子様……」
衰弱した虚ろな瞳でルディナがナキに言う。
「良かった……君を救えた……」
ナキは少し寂しそうにルディナを見ながら……
船の限界は近い……
「早く……飛空挺を……」
一緒に降りようとナキに俺は告げる。
「後《ルディナちゃん》は……頼んだよ」
そう、ナキは俺の背中を押し、飛空挺から俺とそれを抱えていたルディナの身体は落下する。
「……何を、何のつもりだよ」
俺は落下しながら今も船の上に残るナキの姿に言う。
「言っただろ……片道切符だと……あれはどうにかすると……代償は払うと……」
約束は守るよと……要塞の天辺を眺める。
「ナキ……いやだよ……これからもずっと一緒に……」
居てとルディナがナキへと手を伸ばす。
「短い……本当に短い……夢を見ているようだったよ」
ナキが呟くように……
「……覚悟はいいかい……おじさんはできている」
天辺《ニアン》を見上げナキが言う。
「いや……嫌だよナキ」
「悪ふざけはよせ、あんたも早く能力《それ》を降りろ」
ルディナと俺はそうナキに言うが……
「残念だけど……この能力はおじさんが降りると消滅するのさ……」
飛空挺《ナキ》は要塞《その》天辺を目指すように浮上を続ける。
「ムだ……むダだよ……」
近寄るナキにニアンがそう告げる。
砲台《こうげきしゅだん》の無い飛空挺。
「飛空挺《これ》はそれなりの魔力だよ……君くらいなら、これをぶつけられたらひとたまりもないのだろ?」
炎上する飛空挺が天辺に向け突進する。
船の先端で腕を組み飛空挺と共に……逃げることも迷うことも無く……
「ナキっナキーーーーッ」
俺に抱えるルディナが必死にナキに手を伸ばす。
「世界は表裏一体……持論だけどね……平等など完璧など……存在しないのさ」
ナキの瞳が迷うことなく天辺を見つめ……
繰り出される砲撃は俺の結界に守られることなく、飛空挺を崩壊させていく。
それでも……ナキは微動だにしない。
「クるナ……くルなよっ!!」
そうして、初めて精神の崩壊した化物《ようさい》は目の前の男に恐怖するように言葉にする。
「嫌だ…イヤ……お願い、ナキをナキを助けて」
俺に抱えられるルディナが俺に乞うように叫ぶ。
不甲斐ない自分を悔いながらも……そんな彼が託した彼女だけは何が何でも守らなくてはならない……
「……かっこつけすぎだろ……」
そんなナキに俺は愚痴りながら……
「友《ボーイ》に……愛しき人《ルディナ》に……犠牲《おじさん》を捧げよう……この生涯《みじかいじかん》に悔いなどないよっ」
天辺に飛空挺がぶつかり、大きな爆発が起こる。
ナキの中の水晶《まりょく》が音を立てて崩れ去る。
パラパラと、飛空挺《まりょく》の破片が落ちてくる。
同時に……ニアンの身体が崩壊していく……
そして、その絶対なる要塞が崩壊していく……
表裏一体……犠牲と代償の中で……
再び、紫色の空……落ちる瘴気が姿を現す。
「嫌……ナキ……」
セティの能力で安全な場所に辿り着いたその身体を、衰弱した身体を……
再び崩れた要塞の瓦礫の元へと運ぶ。
山済みとなったその瓦礫を一つ、一つ避けながら……
懸命にその姿を探り出すように……
「嫌だよ……ナキ……ねぇ……返事をしてよ」
瓦礫を掻き分けて、その姿を探す。
「世界は表裏一体……誰かの請け売りだけどな」
俺はそう呟き……
「その犠牲の上で……失敗など許されないだろ」
紫色の空……落ちてくる瘴気の塊に俺は告げる。
「悲観に浸る暇は無いぞ……レス、この俺をがっかりさせるな」
キリングが俺に言う。
「スコール……」
俺は再びスコールを呼ぶ。
「レイン……頼んだ」
再びポンとレインの頭に手を置く。
さぁ……一つの物語に終わりを迎えよう。
セティが興味なさそうに俺とナキの顔を交互に見る。
「ボーイを少し借りるよ」
ナキがセティに何故かその承諾を問う。
「ん……返せよ?」
興味なさそうながらも、まるで権限が自分にあるように返す。
「彼女《ルディナ》を取り返し、船を脱出する、その際に君の能力でこの場まで運んでほしい」
セティの転移能力で俺たちを運ぶよう頼む。
「むしろ、セティの能力で天辺まで誰かを転移させられないのか?」
俺は、そんな安易な考えを口にするが……
「無理だよ、さすがにあんな高いところまで身体を飛ばせない……遠くにゲートを繋ぐには予めそこに細工する必要がある……不便《たね》はつき物なんだ、しょーねん」
苦笑しながらセティが答える。
「彼女の繭はかなり高い場所にある……それを回収したら船を降りる、真下に落下を防ぐための能力《マット》を用意してくれるだけでいいよ」
ナキがセティに依頼する。
周りの連中もその化物《ようさい》の攻略にあたってはいるが……
激しい攻撃と硬い防壁に遮られ、まったく前に進めないでいる。
「おじさんの飛空挺《のうりょく》で彼女のもとまで飛ぶ……ルディナちゃんの回収《きゅうしゅつ》を優先させてもらうよ」
ナキは俺に言い……
「それまで、砲撃《こうげき》からボーイ、君の能力でおじさんと船を守ってくれるかい」
ナキが俺に頼む。
「あぁ……」
「うん……約束してくれるのなら……だったら、その代償はきちんと支払うよ」
その遥か天辺、その姿すら目視できないほどに存在する源《コア》を見上げナキが言う。
「ボーイ……始めようか……」
すでにダメージを追い、炎上する飛空挺を創り出す。
それに、ナキと俺が乗る。
目指すは、ナキの報酬《ルディナ》となる女性が捕らえられる繭。
要塞に装備された砲撃……そして本来、ニアンが持つの能力の水晶による砲撃を俺はフィルの魔力を目に宿しその一撃、一撃を目で追い、結界を張りその攻撃を防ぐ。
だが、目の前には防壁……そして何よりもサイガの持つリフレクトが目の前を遮る。
「……どうする?」
あれをどうするのか……ナキにそれを問うが……
「後……一撃なら……」
飛空挺の砲台……すでに崩壊寸前だが、後一撃、何とかしてみせると……
放たれたビーム砲がその防壁《リフレクト》を貫き、その奥へと飛空挺を潜らせる。
そして、繰り出される砲撃は俺が結界で防いでいく。
「ボーイ……謝罪がまだだったね……前に君を殴ったこと」
ナキが忙しそうに瞳を動かし結界を張る俺に振り返り言う。
「凄く響《き》いたよ……あなたの言葉は……」
そんな俺の返しにナキは鼻で笑い……
「それは、殴りがえのあったもんだね……」
寂しそうにナキが笑い……
たどり着いた繭の前で……身を乗り出し、ルディナを繭の中から開放する。
そして、そんな彼女の身体を俺に預け、俺を船の側面に導く。
見下ろす、飛空挺の下にはセティの創り出す歪みがある。
船を放棄してそこに飛び降りる。
それが……ナキが提案した作戦。
彼女を救うための作戦。
「ナキ……来てくれた……私の王子様……」
衰弱した虚ろな瞳でルディナがナキに言う。
「良かった……君を救えた……」
ナキは少し寂しそうにルディナを見ながら……
船の限界は近い……
「早く……飛空挺を……」
一緒に降りようとナキに俺は告げる。
「後《ルディナちゃん》は……頼んだよ」
そう、ナキは俺の背中を押し、飛空挺から俺とそれを抱えていたルディナの身体は落下する。
「……何を、何のつもりだよ」
俺は落下しながら今も船の上に残るナキの姿に言う。
「言っただろ……片道切符だと……あれはどうにかすると……代償は払うと……」
約束は守るよと……要塞の天辺を眺める。
「ナキ……いやだよ……これからもずっと一緒に……」
居てとルディナがナキへと手を伸ばす。
「短い……本当に短い……夢を見ているようだったよ」
ナキが呟くように……
「……覚悟はいいかい……おじさんはできている」
天辺《ニアン》を見上げナキが言う。
「いや……嫌だよナキ」
「悪ふざけはよせ、あんたも早く能力《それ》を降りろ」
ルディナと俺はそうナキに言うが……
「残念だけど……この能力はおじさんが降りると消滅するのさ……」
飛空挺《ナキ》は要塞《その》天辺を目指すように浮上を続ける。
「ムだ……むダだよ……」
近寄るナキにニアンがそう告げる。
砲台《こうげきしゅだん》の無い飛空挺。
「飛空挺《これ》はそれなりの魔力だよ……君くらいなら、これをぶつけられたらひとたまりもないのだろ?」
炎上する飛空挺が天辺に向け突進する。
船の先端で腕を組み飛空挺と共に……逃げることも迷うことも無く……
「ナキっナキーーーーッ」
俺に抱えるルディナが必死にナキに手を伸ばす。
「世界は表裏一体……持論だけどね……平等など完璧など……存在しないのさ」
ナキの瞳が迷うことなく天辺を見つめ……
繰り出される砲撃は俺の結界に守られることなく、飛空挺を崩壊させていく。
それでも……ナキは微動だにしない。
「クるナ……くルなよっ!!」
そうして、初めて精神の崩壊した化物《ようさい》は目の前の男に恐怖するように言葉にする。
「嫌だ…イヤ……お願い、ナキをナキを助けて」
俺に抱えられるルディナが俺に乞うように叫ぶ。
不甲斐ない自分を悔いながらも……そんな彼が託した彼女だけは何が何でも守らなくてはならない……
「……かっこつけすぎだろ……」
そんなナキに俺は愚痴りながら……
「友《ボーイ》に……愛しき人《ルディナ》に……犠牲《おじさん》を捧げよう……この生涯《みじかいじかん》に悔いなどないよっ」
天辺に飛空挺がぶつかり、大きな爆発が起こる。
ナキの中の水晶《まりょく》が音を立てて崩れ去る。
パラパラと、飛空挺《まりょく》の破片が落ちてくる。
同時に……ニアンの身体が崩壊していく……
そして、その絶対なる要塞が崩壊していく……
表裏一体……犠牲と代償の中で……
再び、紫色の空……落ちる瘴気が姿を現す。
「嫌……ナキ……」
セティの能力で安全な場所に辿り着いたその身体を、衰弱した身体を……
再び崩れた要塞の瓦礫の元へと運ぶ。
山済みとなったその瓦礫を一つ、一つ避けながら……
懸命にその姿を探り出すように……
「嫌だよ……ナキ……ねぇ……返事をしてよ」
瓦礫を掻き分けて、その姿を探す。
「世界は表裏一体……誰かの請け売りだけどな」
俺はそう呟き……
「その犠牲の上で……失敗など許されないだろ」
紫色の空……落ちてくる瘴気の塊に俺は告げる。
「悲観に浸る暇は無いぞ……レス、この俺をがっかりさせるな」
キリングが俺に言う。
「スコール……」
俺は再びスコールを呼ぶ。
「レイン……頼んだ」
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