耳から溶かして、声で愛して

えつこ

文字の大きさ
7 / 31
2話

2 *

しおりを挟む

 さらにたちが悪いのは、乳首を開発してしまったことだった。これも犬飼のせいだ。
『乳首たってる。期待しちゃった?』
『指でコリコリするのと、舌で舐めるのと、どっちがいい?』
『ほら、自分でも触ってみて。ぷっくりした乳首が、つんって主張してる』
『乳首触ると、おまんこ締まるね』
 乳首なんて、生まれてから気にしたことはなかった。さらに、気持ちよくなれるはずがないと思っていた。しかし、オナニーやアナニーをしながら乳首を触っていると、身体はそれを快感をして変換する。乳首を摘まんだり、指で弾くと、身体が熱くなるようになってしまった。今では、俺の乳首は平らな胸で、つんっと立ち、存在を主張している。
 大学とバイトの繰り返しの毎日に、刺激が加わり、俺の毎日は充実したものに変わった。もちろん合コンに誘われれば参加するが、明らかに比重が偏ってきていた。


 
 一ヶ月もすれば、俺の後孔と乳首は立派な性感帯になっていた。童貞というだけでも人に言えないのに、またしても秘密が増えてしまい、頭を抱える。しかし、気持ちいいものは気持ちいい。性欲には抗えない。
『指、増やすぞ』
 犬飼の声に合わせ、俺は後ろに入れる指を三本に増やす。ローションで濡れている後孔は指をすんなりと受け入れた。ゴムに包まれた指を後孔に出し入れすると、じわじわと快感が生まれ、俺の腰は自然と揺れた。
 先ほどバイト終え、俺は手早くシャワーを浴びた。ベッドの上にタオルを敷き、ローションやゴム、ディルドを準備して、ワイヤレスイヤホンを耳につける。部屋の電気を全て消し、全裸でベッドに寝転んだ。これで準備は完成で、いつものように犬飼の音声を再生する。
 今日は激しく攻められたくて、『ドS彼氏と連続イキセックス』という過激な内容のシチュエーションボイスを選んだ。何度か聞いている音声で、思いっきり気持ちよくなりたいときによく聞いている。音声によって犬飼の話し方は、柔らかかったり、つっけんどんだったりと様々で、俺はこの音声の命令口調が好きだった。
『びしょびしょに濡れまくって、淫乱だな』
「はっ……、あ……」
 俺は性器を扱きながら、指で前立腺を刺激する。びりびりっと全身に快感が走り、先走りが溢れた。耳からはくちゅくちゅと卑猥な水音が聞こえ、犬飼が吐息混じりで『イく?』と尋ねてきた。
「うんっ、イく……っ……」
 俺は扱く手の動きを速くして、前立腺を重点的にとんとんと叩く。犬飼の言葉を期待して、肌がひりつく。
『いいよ、イけ』
「あっ……イくっ……、っはぁ……」
 低音で命令され、俺は抵抗することもなく射精した。後孔の縁はきゅうっと俺の指を締めつける。
『イけ』
 もう一度囁かれ、背筋にぞくぞくと快感が走る。俺は精液混じりの先走りを吐き出した。
 射精後の解放感に浸っていると、シーツが擦れる音がして、犬飼の声が近くなる。
『どこに入れて欲しい?』
 熱く吐息混じりの声に、腹の奥がきゅうっとなった。この感覚は最近感じるようになったものだ。興奮すると勃起するだけでなく、腹の奥が疼いて仕方ない。

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

どうせ全部、知ってるくせに。

楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】 親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。 飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。 ※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

【本編完結】才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。

ホマレ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。 その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。 胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。 それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。 運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。

アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました

あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」 穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン 攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?   攻め:深海霧矢 受け:清水奏 前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。 ハピエンです。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。 自己判断で消しますので、悪しからず。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

処理中です...