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2.楽しかった昔の話を少し

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「ハルタ、昨日みたいに、可愛い喘ぎ声聞かせて」
 音さんの優しい声色に反して、ぐぷんと一気に奥に突き入れられる。
「ひ、あああっ」
 視界がチカチカして、ぞくぞくぞくっと快感が全身を走り抜けた。腹の中に、音さんの熱さと鼓動を感じる。
「イッた?」
「な、にこれっ、だめ……」
 鼓動が速くなり、身体が熱い。腹の奥が満たされ、下腹部が疼き、頭がふわふわとする。藻掻いたが、足はシーツを滑っただけだった。
「メスイキしてる」
「めす、いき……?」
 射精とは違う長く続く快感に、俺は戸惑っていた。俺自身は達しておらず、寂しげに勃ち上がったままだ。射精できずに苦しささえ覚えるが、それ以上に快感が大きかった。
「ハルタは昨日のうちに、後ろだけでイケるようになったから」
 そう言うと、音さんは腰を引く。ずるるっと腹の中から性器が抜けていき、腹が寂しくなったと思った瞬間、再びガツンと奥を突かれる。
「ああああっ」
 再びの快感の衝撃に、俺の身体はびくんっと跳ねた。自然と涙が零れる。
「ハルタ、ずっとイってて可愛い」
「イってなっ、いっ……、かわいくっ、ないです」
 俺は首を振って否定したが、自分で何を言っているかわかっていなかった。とにかく快感から逃げたかったが、音さんに覆いかぶさられて動けない。
「まだ終わらないよ」
 音さんはそう言うと、俺の腰を掴んで、抽挿を開始した。
「あっ、まって、だめ、ああっ、あっ」
 絶頂から降りてきていたのに、再び快感に襲われ、視界はスパークする。内壁が擦られ、快感が積み上がっていく。俺は喘ぐしかできなかった。
「ここ、ハルタの気持ちいいところ、覚えてる?」
「ひっ、あ、おぼえて、ないっ、っ、です」
「今、覚えて。ほら、気持ちいいって言って」
 音さんが言う気持ちいいところを捏ねるように突かれる。確かに気持ちよくて、身体と思考も熱く蕩けていく。
「きもちい、あっ、おと、さんっ、きもち、いい」
 声に出すと、快感が増す。一度声に出してしまうと、我慢できなくなった。
「ああっ、きもちいっ、そこ、あ、あっ」
「じゃあ、奥は?」
 今度は奥を抉るように突かれる。内臓が持ち上がるような感覚に、一瞬息が詰まったが、すぐに快感に支配される。脳内は熱くなり、思考がぼんやりとしてくる。
「おく、あっ、きもちいい、あ、ああっ」
「ハルタの中、締まって、俺も気持ちいい」
「おとさん、あ、もっと、して、ほしっ」
 突き入れられる度、俺の身体はびくびくと跳ねる。ベッドがギシギシと軋み、結合部からはぐちゅぐちゅと水音が鳴り続けた。俺の後孔はすっかり受け入れる器官に成り果てていた。
「っ、ああ、あっ、イく、っ、イきたい」
 俺の性器は完全に勃起して、先走りをだらだらと流していた。触れられることなく、寂し気に主張している。音さんの言うメスイキではなくて、射精をしたかった。俺は揺さぶられながら、自身に手を伸ばす。しかし、その手を音さんに掴まれ、指を絡めて握られる。
「なんで、やだ、あっ、イきたい、ああっ、おねがいっ」
「イくならこっちでイって」
 音さんはにやりと笑い、腰の動きを速くする。身体を揺さぶられ、縋るように音さんの手を握った。もう片方の手は、逆手でシーツを掴む。気持ちいいところをとんとんとノックされ、奥をごりごりと抉られ、一気に絶頂へ押し上げられる。


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