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第13話 コルトバーレ観光(2)
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「コルトバーレで教会と言えばアルムス教の教会ね」
アルムス教、また知らないファンタジーワードの登場だな。
「アルムス教ってどんな宗教なんだ?」
「何って、この世界には何柱かの神々がいるわ、その中にアルムスって神がいて、その神を主に信仰してる宗教よ」
俺、宗教って聞くと霊感商法とかそっち系の救いようのない方をイメージするんだよな。
昔親がさ、飲めば癌《がん》が治る水の話をしてる人がいたって聞いた事があったんだ、まさか身近にその手の連中がいるのかって少し引いた記憶を思い出した。
「ちなみにアルムスは商売繁盛や子孫繁栄の神様よ、観光業で成功してるコルトバーレなら信仰してる人も多いわ」
「へぇ~ちなみにその宗教や信心深さにつけ込んであくどい商売してるヤツとかっていたりする? セコい手品とか使ってこれは奇跡ですとか言って人を勧誘したりとか…」
「神の名を騙った愚行をすれば神罰を食らうんじゃないかしら? 神の目はそう言うのを見逃さないって聞いたわよ?」
成る程、俺の元いた世界はどうか知らないがこの世界には本物の神様がいる。ならその神々への信仰とかを利用したり神の代弁者を騙ったりすれば当人にバレてバチが当たる訳だ。
悪人側の信仰心がどれだけのもんかは関係ない、事実として神がいるこの世界では宗教戦争とか弾圧は起こらないのかも知れないな、何しろ神様自身がアクションを起こしてくるなら人に都合の良い歴史とか作れないんだから。
俺が元いた世界にも人類の歴史を正しく覚えている神様とかいれば、もう少し人類もやらかす事が少なかったのかも知れない。
そんな柄にもないことを考えながらコルトバーレを街を歩く。
暫く移動すると教会が見えてきた、俺のイメージする物よりも二回りは大きな立派な教会だ。
青い屋根に白い壁の建造物である、広い礼拝堂もあるらしく両開きの入口のドアからはそれなりの人の出入りが確認出来た。
「アレがアルムス教の教会ね」
「おお~中々に立派な建物ですね!」
「確かに、もっとこじんまりしてるかと思ってたよ」
おっシスターもいた、服装は想像してた黒と白のシスター服を着ている。細かなデザインは違うがそもそもシスター服の細かなデザインとか俺もイメージあやふやなのでよう分からん。
要は一目であっシスターさんですねって見た目をしてる女性がいた、金髪碧眼の美少女だ。
シスター服を着ていて首にはネックレスをしてた、スタイルもモデルさん並でシスター服の上からでも足が長くスラッとしていて、出るとこはしっかり出てるのが分かった。
シスターはこちらを見ると静に微笑み挨拶をしてきた。
「おはようございます」
「おはようございます、観光で来た者なんですが。中に入る事は彼女たちなのでしょうか?」
「はいっ大丈夫ですよ」
「分かりました。それでは入らせてもらいます」
大丈夫とのことなので中に入る、左右に長いすが何列も並んでいて奥には教会の偉い人が立つであろう場所が見えた。
その後ろには白い女性の像が見てる、アレがアルムス様って事なのか?
アルムス様って女神だったのかよ。てっきり男性の神様かと思ってた。
そして結構な信徒らしき人々が無言で両手を合わせて祈りを捧げている。見るとミレイも祈っていた。
「ミレイも何か祈るような願いがあるのか?」
「ここは教会よ? せっかく来たのに祈りくらいしないと来た意味がないじゃないの」
え~祈りってそんなもののついでにするような物なの?
なんか思ってたのと違う。
「僕は祈る事もないのでパスです、神様よりも信じる相手は別にいますので」
そう言うと俺の方を見てニコッと笑うムラサキ、信頼されてるのかも知れんけど、俺はそんな神様と並べられるような人間じゃないのよ?
しかし祈る事ね…。
「なら俺はこのコルトバーレ観光と今後の諸国漫遊の旅が楽しめるようにとでも祈っておこうかな!」
早速両手を合わせて祈ってみる。
…………………ん?
それは……どうだろうかな~~~。
「!?」
なんか頭に変な声が聞こえた。気の抜けた女性の声だ、ミレイや他の信徒を見るがそんな声が聞こえてるようには見えない。
まさか俺にだけ聞こえたのか、なんで?
「ムラサキ、ミレイ。この世界は適当に祈っても神様からの声とか聞こえるのか?」
「何をバカな事を言ってるの? 神の声が聞こえるとか適当な事を言ってると神罰が当たるわよ」
「確かに女神様はいましたが、そう簡単に他の神々と接触出来るとは僕も思えません」
それじゃあ今の声は一体? 何やら不吉な物を感じたのだが……。
だがそれよりも最近ミレイの言葉が攻撃的になりすぎてる気がする、遠慮とかがなくなってきたというか。
それは良いのだが、もう少し優しく話してほしい今日この頃である。
アルムス教、また知らないファンタジーワードの登場だな。
「アルムス教ってどんな宗教なんだ?」
「何って、この世界には何柱かの神々がいるわ、その中にアルムスって神がいて、その神を主に信仰してる宗教よ」
俺、宗教って聞くと霊感商法とかそっち系の救いようのない方をイメージするんだよな。
昔親がさ、飲めば癌《がん》が治る水の話をしてる人がいたって聞いた事があったんだ、まさか身近にその手の連中がいるのかって少し引いた記憶を思い出した。
「ちなみにアルムスは商売繁盛や子孫繁栄の神様よ、観光業で成功してるコルトバーレなら信仰してる人も多いわ」
「へぇ~ちなみにその宗教や信心深さにつけ込んであくどい商売してるヤツとかっていたりする? セコい手品とか使ってこれは奇跡ですとか言って人を勧誘したりとか…」
「神の名を騙った愚行をすれば神罰を食らうんじゃないかしら? 神の目はそう言うのを見逃さないって聞いたわよ?」
成る程、俺の元いた世界はどうか知らないがこの世界には本物の神様がいる。ならその神々への信仰とかを利用したり神の代弁者を騙ったりすれば当人にバレてバチが当たる訳だ。
悪人側の信仰心がどれだけのもんかは関係ない、事実として神がいるこの世界では宗教戦争とか弾圧は起こらないのかも知れないな、何しろ神様自身がアクションを起こしてくるなら人に都合の良い歴史とか作れないんだから。
俺が元いた世界にも人類の歴史を正しく覚えている神様とかいれば、もう少し人類もやらかす事が少なかったのかも知れない。
そんな柄にもないことを考えながらコルトバーレを街を歩く。
暫く移動すると教会が見えてきた、俺のイメージする物よりも二回りは大きな立派な教会だ。
青い屋根に白い壁の建造物である、広い礼拝堂もあるらしく両開きの入口のドアからはそれなりの人の出入りが確認出来た。
「アレがアルムス教の教会ね」
「おお~中々に立派な建物ですね!」
「確かに、もっとこじんまりしてるかと思ってたよ」
おっシスターもいた、服装は想像してた黒と白のシスター服を着ている。細かなデザインは違うがそもそもシスター服の細かなデザインとか俺もイメージあやふやなのでよう分からん。
要は一目であっシスターさんですねって見た目をしてる女性がいた、金髪碧眼の美少女だ。
シスター服を着ていて首にはネックレスをしてた、スタイルもモデルさん並でシスター服の上からでも足が長くスラッとしていて、出るとこはしっかり出てるのが分かった。
シスターはこちらを見ると静に微笑み挨拶をしてきた。
「おはようございます」
「おはようございます、観光で来た者なんですが。中に入る事は彼女たちなのでしょうか?」
「はいっ大丈夫ですよ」
「分かりました。それでは入らせてもらいます」
大丈夫とのことなので中に入る、左右に長いすが何列も並んでいて奥には教会の偉い人が立つであろう場所が見えた。
その後ろには白い女性の像が見てる、アレがアルムス様って事なのか?
アルムス様って女神だったのかよ。てっきり男性の神様かと思ってた。
そして結構な信徒らしき人々が無言で両手を合わせて祈りを捧げている。見るとミレイも祈っていた。
「ミレイも何か祈るような願いがあるのか?」
「ここは教会よ? せっかく来たのに祈りくらいしないと来た意味がないじゃないの」
え~祈りってそんなもののついでにするような物なの?
なんか思ってたのと違う。
「僕は祈る事もないのでパスです、神様よりも信じる相手は別にいますので」
そう言うと俺の方を見てニコッと笑うムラサキ、信頼されてるのかも知れんけど、俺はそんな神様と並べられるような人間じゃないのよ?
しかし祈る事ね…。
「なら俺はこのコルトバーレ観光と今後の諸国漫遊の旅が楽しめるようにとでも祈っておこうかな!」
早速両手を合わせて祈ってみる。
…………………ん?
それは……どうだろうかな~~~。
「!?」
なんか頭に変な声が聞こえた。気の抜けた女性の声だ、ミレイや他の信徒を見るがそんな声が聞こえてるようには見えない。
まさか俺にだけ聞こえたのか、なんで?
「ムラサキ、ミレイ。この世界は適当に祈っても神様からの声とか聞こえるのか?」
「何をバカな事を言ってるの? 神の声が聞こえるとか適当な事を言ってると神罰が当たるわよ」
「確かに女神様はいましたが、そう簡単に他の神々と接触出来るとは僕も思えません」
それじゃあ今の声は一体? 何やら不吉な物を感じたのだが……。
だがそれよりも最近ミレイの言葉が攻撃的になりすぎてる気がする、遠慮とかがなくなってきたというか。
それは良いのだが、もう少し優しく話してほしい今日この頃である。
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