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第22話
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「まずはこちらの方に来て下さい…」
とりあえず私はあのいい香りのする樹液を出している木のところに向かった。
ここから一番近いからだ。
「あっこの香りは…」
どうやら工藤さんは探索者としてダンジョンで活動してる時にこれと似たような香りを嗅いだことがあるのか、案内をするとすぐに心当たりがあるような反応を見せてくれた。
「この木から少し変わった香りの樹液が流れてるんです、こういうのは採取してダンジョンセンターにも換金しに行ってもいいんでしょうか?」
「なるほどこれは『香花樹の樹液』ですね、ダンジョン産の立派な採取資源です」
「『香花樹の樹液』ですか、初めて聞く名前です」
「花ようないい香りがする樹液だからそう呼ばれています、香料としても有名ですが肌に塗る美容品の材料としても人気ですね」
この樹液、美容グッズの材料として人気があるらしい。
だとすれば需要はあるわけだから売る時も多少は期待できるかも。
「それと他にも採取すればダンジョンセンターに持っていけそうなものが見つかったのですが」
「えっそうなんですか?」
まだダンジョンを歩き出して大して時間は経っていない。
しかしすでに彼女は採取出来る資源を見つけてくれそうだ。
彼女は香花樹とやらの木の近くに生えている草を私に見せてきた。
「見てください。この草は他の草と違い若干色が青色に近いでしょ?」
「はい確かにそうですね…」
「これもダンジョンで採取できるアイテムの一つで『テヘル草』と呼ばれているものです」
「そちらも知りませんでした、これはどういったものになるんでしょうか?」
「いわゆる回復ポーションの原材料になりますね」
回復ポーション、要はあのダメージを受けた時に飲むと傷が消えて体力が回復するあのポーションか?
そんなゲームみたいな代物まであるとは、探索者になるためにあれこれとネットを使って調べたつもりだったが全く知らなかった。
「その草はつまり薬草といった感じですか」
「その通りです、効果のほどについてはかすり傷や切り傷が治ったりするくらいのものなのですが、それでも一瞬で傷が消えるので探索者でなくても欲しがる人は多いですね」
そりゃそうだ、人間なんて年を取れば多少の切り傷だって治るのに何日もかかる。それが一瞬に消えるんだったらまさに魔法のアイテムである。
「それではそれも採取するんですか?」
「いえっ薬草の類は傷みやすいです、これから他のとこを見ていくことになるのなら今は採取しない方が良いと思います、この『香花樹の樹液』も同じですね」
「分かりました、それでは採取は後回しにしましょう」
工藤さんは少なくとも探索者としてど素人アラサーな私なんかより遥かに経験が豊富なのは間違いなさそうだ。
ここまでの話だけでそのことは容易に想像できる、ダンジョンセンターもちゃんと仕事をして能力のある人材を回してくれたようだ。
その後我々はダンジョンの中を見て回り他の採取ポイントも見てみた。
一応はダンジョンのモンスターにも警戒はしていたもののやはりハルカやアヤメたちが言ってたとおり他のモンスターは現れることもはなかった。
ちなみにダンジョンに現れるようになった小さな虫の類とか砂浜のカニとかはダンジョンの生物を研究をしてる人はいるらしくそういう人たちの研究の為にと言う理由でダンジョンセンター はこの手の生き物も買い取ってくれるらしい。
実はダンジョンの生物を熱烈に集めるコレクターなんてのも世の中にはいるとか…世間には色々な趣味の人間がいるものだ。
お値段次第では虫取り網片手に我がダンジョンを歩くことになるかも知れないな。
最初はダンジョンの見て回って素材を採取するという話だったが少し話し合った結果それはまた後日ということになった。
ダンジョンから出て再びダンジョンに向かうという約束をしてその日は解散することになった。
「今日は本当にありがとうございました」
軽く会釈をする、今日は私が知らなかったことの多さに我ながら呆れてしまった。
今日一日でだいぶ彼女には色々と教えてもらったのだ。
「こちらこそ今度来る時は採取に必要な道具等をいくつか持ってこようかと思います」
「はい分かりました」
そんな感じで別れる。
一応スマホでやり取りができるようにアドレスの交換などをしたので明日にでもまた来てもらおうかと考える私だ。
とりあえず私はあのいい香りのする樹液を出している木のところに向かった。
ここから一番近いからだ。
「あっこの香りは…」
どうやら工藤さんは探索者としてダンジョンで活動してる時にこれと似たような香りを嗅いだことがあるのか、案内をするとすぐに心当たりがあるような反応を見せてくれた。
「この木から少し変わった香りの樹液が流れてるんです、こういうのは採取してダンジョンセンターにも換金しに行ってもいいんでしょうか?」
「なるほどこれは『香花樹の樹液』ですね、ダンジョン産の立派な採取資源です」
「『香花樹の樹液』ですか、初めて聞く名前です」
「花ようないい香りがする樹液だからそう呼ばれています、香料としても有名ですが肌に塗る美容品の材料としても人気ですね」
この樹液、美容グッズの材料として人気があるらしい。
だとすれば需要はあるわけだから売る時も多少は期待できるかも。
「それと他にも採取すればダンジョンセンターに持っていけそうなものが見つかったのですが」
「えっそうなんですか?」
まだダンジョンを歩き出して大して時間は経っていない。
しかしすでに彼女は採取出来る資源を見つけてくれそうだ。
彼女は香花樹とやらの木の近くに生えている草を私に見せてきた。
「見てください。この草は他の草と違い若干色が青色に近いでしょ?」
「はい確かにそうですね…」
「これもダンジョンで採取できるアイテムの一つで『テヘル草』と呼ばれているものです」
「そちらも知りませんでした、これはどういったものになるんでしょうか?」
「いわゆる回復ポーションの原材料になりますね」
回復ポーション、要はあのダメージを受けた時に飲むと傷が消えて体力が回復するあのポーションか?
そんなゲームみたいな代物まであるとは、探索者になるためにあれこれとネットを使って調べたつもりだったが全く知らなかった。
「その草はつまり薬草といった感じですか」
「その通りです、効果のほどについてはかすり傷や切り傷が治ったりするくらいのものなのですが、それでも一瞬で傷が消えるので探索者でなくても欲しがる人は多いですね」
そりゃそうだ、人間なんて年を取れば多少の切り傷だって治るのに何日もかかる。それが一瞬に消えるんだったらまさに魔法のアイテムである。
「それではそれも採取するんですか?」
「いえっ薬草の類は傷みやすいです、これから他のとこを見ていくことになるのなら今は採取しない方が良いと思います、この『香花樹の樹液』も同じですね」
「分かりました、それでは採取は後回しにしましょう」
工藤さんは少なくとも探索者としてど素人アラサーな私なんかより遥かに経験が豊富なのは間違いなさそうだ。
ここまでの話だけでそのことは容易に想像できる、ダンジョンセンターもちゃんと仕事をして能力のある人材を回してくれたようだ。
その後我々はダンジョンの中を見て回り他の採取ポイントも見てみた。
一応はダンジョンのモンスターにも警戒はしていたもののやはりハルカやアヤメたちが言ってたとおり他のモンスターは現れることもはなかった。
ちなみにダンジョンに現れるようになった小さな虫の類とか砂浜のカニとかはダンジョンの生物を研究をしてる人はいるらしくそういう人たちの研究の為にと言う理由でダンジョンセンター はこの手の生き物も買い取ってくれるらしい。
実はダンジョンの生物を熱烈に集めるコレクターなんてのも世の中にはいるとか…世間には色々な趣味の人間がいるものだ。
お値段次第では虫取り網片手に我がダンジョンを歩くことになるかも知れないな。
最初はダンジョンの見て回って素材を採取するという話だったが少し話し合った結果それはまた後日ということになった。
ダンジョンから出て再びダンジョンに向かうという約束をしてその日は解散することになった。
「今日は本当にありがとうございました」
軽く会釈をする、今日は私が知らなかったことの多さに我ながら呆れてしまった。
今日一日でだいぶ彼女には色々と教えてもらったのだ。
「こちらこそ今度来る時は採取に必要な道具等をいくつか持ってこようかと思います」
「はい分かりました」
そんな感じで別れる。
一応スマホでやり取りができるようにアドレスの交換などをしたので明日にでもまた来てもらおうかと考える私だ。
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