居伝史〜私の経験、聞いた話、見た話〜

藤岡 志眞子

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職歴と放蕩

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初めてのアルバイトはファミリーレストランのホールだった。
それからころころ変わり、歯科助手、ファストフード店、試食販売員、タクシー会社事務、雑貨店、輸入家具会社、通信会社OL、眼科助手、キャバクラ嬢、蕎麦屋、海外アパレルブランド、フレンチレストランホール、工場流れ作業、清掃員、居酒屋、コンビニ店員、美容サロン受付…と、とにかくいろいろやってみた。
お給料ももちろん大切だが、やってみたい!が先に立ち、合わなかったらさっさと辞めるというパターンだった。
父も兄ももちろん呆れていたに違いないが、私は嫌なことがあって辞めても、すぐに求人広告をめくり仕事先を見つけ応募してすぐ働いた。働くのは好きではないが、新しいところが好きだった。
ただ、人間関係が下手くその下手くそで毎回の退職理由はそれであった。先輩、同期ともに反りが合わず、ストレスになり体調を崩す。
しかしこのままでは安定した仕事、収入は得られないと意識改革をスタート。徐々に改善されたが、相反して嫌なことは嫌、ということが言えなくなりイエスウーマンになってしまった。
人に合わせ過ぎるのも良くない…。仕事って何なんだ?言われたことだけやってる人なんているのか?お金を稼ぐって難しい…。
そんな感じでフラフラした生活を送っていた時、友人に誘われ京都に遊びに行った。宿泊施設には泊まらず(町屋)という古民家を利用した、いわゆるシェアハウスの共同スペースに寝泊まりしていた。
一泊百円。食事も参加する時だけ支払う。お風呂はないので近所の銭湯を利用する。
町屋の近くにレンタル自転車屋があったので自転車を借りての移動。なので京都で電車を使った記憶は、ない。
坂道はないし碁盤の目のような街並みなので道には迷わない。しかしたまに迷って道を聞くと(北)に行ってとか、(東)の三つ目など関東近郊にはない道案内で説明されるので「どこの寺社仏閣の近くですか?」と聞き直してみる。しかし観光客と地元民では言い方も変わるので結局わからないこともあった。

観光雑誌に載っているような有名所は人は多いし入館料などがとにかくかかる。なので私は観光地には行かずもっぱら大学に出入りしていた。京都はとにかく大学の数が多く楽しい。文化祭シーズンに当たると何処も忙しそうでお祭りのよう。
準備中に行くと制作途中の展示物や看板を見ることもできて、当時は部外者に対してそこまで警戒されていなかったので授業も勝手に受けたりなどもした(すみません)。
昼飯時になると学食に行ってごはんを食べて(激安、激美味)、それからまたチャリに跨がり街をひた走る。
間違えてちょっと恐い区域に入ってしまったこともあったが、幸運にも何も起こらなかった。とゆうか、本当に恐い所なのだろうかと思うようなふつうの町である。ひとつ異様だなと思うのは、昼間なのに誰も歩いていないところくらいで、もし人に会っていたら怒られたりしていたのだろうか?と思った。

夕方になると鴨川(加茂川)に行ってとにかくボケェ~っとする。暖かいと途端眠くなる。遠くを見れば山があり、近くを見ると川が流れ水鳥がいる。平和だ。
話しかけられることもあったが、たいてい外国人旅行者で、私が地元民だと思っていろいろ聞いてくる。もちろん何もわからないので笑って誤魔化す(おい。)。
夜になると町屋に帰って銭湯に行き、ごはんを食べたり買って来たりして食べて、寝る。
こんな事を一週間、二週間。それを定期的に行って、急に飽きた。
あれから十五年近く経つが、既に町屋はなくなったと聞くし、当時のように大学の出入りも自由ではないだろう。
貧乏旅行の内に入るものではあるが、大人になって大金払う旅行より楽しかった気がする。バッグパッカーもこんな感じなのだろうか(違うと思う。)。憧れてしまう。

体調が良くなったら割と治安の良い国から攻めてみたいな。
…その前に職を安定させねば。
ちなみに今現在は都内で堅実に、健康に携わる仕事をしております。

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