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11 思ってたのと違う。(蜂太郎)
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キアヌ兄さんに言われて花屋に駆け込む。
コーラルさんは薔薇だから、薔薇が良いよね?…えっと、本数は。みんな何本くらい買うんだろう?わ、わからない。えっと~、
「すみません、紅い薔薇を、八本。」
お祖父ちゃんに八は末広がりで良い数字と聞いたことがある。間違いない、これでいこう。
自信満々にコーラルさんの家に向かう。
お父様に大人の証だ、と奮発して仕立ててもらった自慢のスーツ。前回着た後クリーニングに出し忘れたけど、大丈夫。きれい、きれい。
あ、ちょっと小腹が空いたな。コーラルさんの家でお腹が鳴ったら大変だ。通りかかったカフェに入る。カウンター席に座りメニューを見る。何にしようかな、ウェイターが来て水を置く。
「すみません、コーヒーと、ドーナツ下さい。」
「ドーナツはシュガーコーティングの物にいたしますか?」
お、美味しそう。
「はい、それで。」
「かしこまりました。」
コーヒーとドーナツが来る前にお手洗いに行こうかな。コーラルさん家でもよおしたら大変だ。
カフェの奥のトイレへ向かう。用を足し、手洗いで手を洗うと、(ない。)。ペーパータオルがない、ケースの中は空っぽだ。ハンカチ持ってたかな?両ポケットを確認する。残念ながらハンカチはなかったが、探しているうちに手の水分はなくなっていた。ついでに、と鏡を見ながら髪型とジャケットの合わせを整える。よしっ、手を離そうとした時。ビッと爪が引っ掛かった。…あ、爪切るの忘れた!
ま、いっか。
席に戻るとコーヒーとドーナツがあった。美味しそうだ。ドーナツを大きくひとくち、ぱくっ。
美味い~(幸)
コーヒーを飲んで、お会計を済ませていざコーラルさん家へ!
ごっ
すれ違いざま男性に足を踏まれた。せっかく出かけに靴を磨いたのに…。仕方なく手で汚れを払う。屈んだ拍子にセットした前髪が落ちた。あぁ、もう。汚れた手のまま髪をかき上げる。
よし、もうすぐで着くぞ。あ…何話そうかな?でも、コーラルさんはおしゃべりな人だったし、話は繋げられるだろう。はぁ、楽しみだなぁ。
こんこん
コーラルさんの家の玄関ドアをノックする。メイドが出てきて名前を聞いてきた。
「あ、権田原 蜂太郎と申します。コーラル様はご在宅でしょうか?」
メイドの顔が歪む。…ん?何か変なこと言ったかな…。
「どうぞ。こ、こちらのお部屋でお待ちください。お嬢様を呼んで参ります。」
僕の家と同じ大きさくらいだけど、並べられた調度品や家具、カーテン、シャンデリアを見るとお金を掛けているのがわかる。さすが(金)。レベルが違うなぁ。
「蜂太郎さん、」
「ご、ご機嫌よう。」
…あれ。コーラルさんの顔が笑顔から真顔になる。…?僕を舐めるようにしばらく見てから、ふっと笑顔になる。なんだ、急に来たからびっくりしただけなのかな。
「ぶっ。」
コーラルさんの横に控えたメイドが笑った。何だろう?…玄関の時も…あ、僕の名前か?そうだ、コーラルさんに褒められて舞い上がってたけど、そうだよね…変な名前だよね。(照) 気を取り直して、
「あ、あのこれ。薔薇を。」
ラッキーナンバーの八、八本にしました。(どや)
「あ、ありがとう。」
喜んでくれてる。嬉しいな~。あ、何か話さなきゃ。えっ、えっと…
「き、今日は良い、お天気ですね。」
昨日の雨も止んだし、傘がいらなくて良かったなぁ。
「そ、そうですね。雨にならなくて良かったですわね。」
そうだよね。雨の日に来たらお家の床を汚しちゃうしね。えっと…次は、ん~。あ、
「き、今日は、またお美しく…か、髪型を変えましたか?」
今日も綺麗な黒髪だ。距離があるから香りはわからないけど、きっと今日も良い香りなんだろうなぁ。
「は、ははっ。舞踏会の時は少し巻いていましたが…今日は何も。」
…そうなの?あんまり変わらないけど。
「そ、そうなのですか。つ、つやつやしていてお美しい髪で。」
「は、蜂太郎さんも舞踏会とはだいぶ違った印象で。」
え。ま、まぁ今日はモーニングじゃないし。…どこのことを言ってるんだ?髪型かなぁ…さっき直したんだけどなぁ。
「そ、そうですか?ど、どこがでしょうか?」
「髪型、とか?後はお召し物も。長く愛用されている物なのかしら。」
お、気付いてくれたぁ!やっぱり薔薇の金ともなると目の付け所が違うなぁ。
「は、はい。スーツといったらこれしかなくて。でも、お父様が仕立ててくれた良い物らしくて。ははっ、」
「本日は、何か(御用)で?」
…あれ。
「…え。あ、あの、薔薇を。」
なんか…怒ってる?
「ありがとう(ございました)。」
帰れってことかな…。なんか思ったように話が盛り上がらなかったなぁ。…急に来たから疲れちゃったのかな。
「は、はい。では…」
可哀想だからお暇しよう。
急に来た僕が悪い。日を改めて、今度は連絡してから伺おう。
でも、思ってたのと違ったなぁ。
蜂太郎は少しもやもやとした気持ちで帰路に着いた。
コーラルさんは薔薇だから、薔薇が良いよね?…えっと、本数は。みんな何本くらい買うんだろう?わ、わからない。えっと~、
「すみません、紅い薔薇を、八本。」
お祖父ちゃんに八は末広がりで良い数字と聞いたことがある。間違いない、これでいこう。
自信満々にコーラルさんの家に向かう。
お父様に大人の証だ、と奮発して仕立ててもらった自慢のスーツ。前回着た後クリーニングに出し忘れたけど、大丈夫。きれい、きれい。
あ、ちょっと小腹が空いたな。コーラルさんの家でお腹が鳴ったら大変だ。通りかかったカフェに入る。カウンター席に座りメニューを見る。何にしようかな、ウェイターが来て水を置く。
「すみません、コーヒーと、ドーナツ下さい。」
「ドーナツはシュガーコーティングの物にいたしますか?」
お、美味しそう。
「はい、それで。」
「かしこまりました。」
コーヒーとドーナツが来る前にお手洗いに行こうかな。コーラルさん家でもよおしたら大変だ。
カフェの奥のトイレへ向かう。用を足し、手洗いで手を洗うと、(ない。)。ペーパータオルがない、ケースの中は空っぽだ。ハンカチ持ってたかな?両ポケットを確認する。残念ながらハンカチはなかったが、探しているうちに手の水分はなくなっていた。ついでに、と鏡を見ながら髪型とジャケットの合わせを整える。よしっ、手を離そうとした時。ビッと爪が引っ掛かった。…あ、爪切るの忘れた!
ま、いっか。
席に戻るとコーヒーとドーナツがあった。美味しそうだ。ドーナツを大きくひとくち、ぱくっ。
美味い~(幸)
コーヒーを飲んで、お会計を済ませていざコーラルさん家へ!
ごっ
すれ違いざま男性に足を踏まれた。せっかく出かけに靴を磨いたのに…。仕方なく手で汚れを払う。屈んだ拍子にセットした前髪が落ちた。あぁ、もう。汚れた手のまま髪をかき上げる。
よし、もうすぐで着くぞ。あ…何話そうかな?でも、コーラルさんはおしゃべりな人だったし、話は繋げられるだろう。はぁ、楽しみだなぁ。
こんこん
コーラルさんの家の玄関ドアをノックする。メイドが出てきて名前を聞いてきた。
「あ、権田原 蜂太郎と申します。コーラル様はご在宅でしょうか?」
メイドの顔が歪む。…ん?何か変なこと言ったかな…。
「どうぞ。こ、こちらのお部屋でお待ちください。お嬢様を呼んで参ります。」
僕の家と同じ大きさくらいだけど、並べられた調度品や家具、カーテン、シャンデリアを見るとお金を掛けているのがわかる。さすが(金)。レベルが違うなぁ。
「蜂太郎さん、」
「ご、ご機嫌よう。」
…あれ。コーラルさんの顔が笑顔から真顔になる。…?僕を舐めるようにしばらく見てから、ふっと笑顔になる。なんだ、急に来たからびっくりしただけなのかな。
「ぶっ。」
コーラルさんの横に控えたメイドが笑った。何だろう?…玄関の時も…あ、僕の名前か?そうだ、コーラルさんに褒められて舞い上がってたけど、そうだよね…変な名前だよね。(照) 気を取り直して、
「あ、あのこれ。薔薇を。」
ラッキーナンバーの八、八本にしました。(どや)
「あ、ありがとう。」
喜んでくれてる。嬉しいな~。あ、何か話さなきゃ。えっ、えっと…
「き、今日は良い、お天気ですね。」
昨日の雨も止んだし、傘がいらなくて良かったなぁ。
「そ、そうですね。雨にならなくて良かったですわね。」
そうだよね。雨の日に来たらお家の床を汚しちゃうしね。えっと…次は、ん~。あ、
「き、今日は、またお美しく…か、髪型を変えましたか?」
今日も綺麗な黒髪だ。距離があるから香りはわからないけど、きっと今日も良い香りなんだろうなぁ。
「は、ははっ。舞踏会の時は少し巻いていましたが…今日は何も。」
…そうなの?あんまり変わらないけど。
「そ、そうなのですか。つ、つやつやしていてお美しい髪で。」
「は、蜂太郎さんも舞踏会とはだいぶ違った印象で。」
え。ま、まぁ今日はモーニングじゃないし。…どこのことを言ってるんだ?髪型かなぁ…さっき直したんだけどなぁ。
「そ、そうですか?ど、どこがでしょうか?」
「髪型、とか?後はお召し物も。長く愛用されている物なのかしら。」
お、気付いてくれたぁ!やっぱり薔薇の金ともなると目の付け所が違うなぁ。
「は、はい。スーツといったらこれしかなくて。でも、お父様が仕立ててくれた良い物らしくて。ははっ、」
「本日は、何か(御用)で?」
…あれ。
「…え。あ、あの、薔薇を。」
なんか…怒ってる?
「ありがとう(ございました)。」
帰れってことかな…。なんか思ったように話が盛り上がらなかったなぁ。…急に来たから疲れちゃったのかな。
「は、はい。では…」
可哀想だからお暇しよう。
急に来た僕が悪い。日を改めて、今度は連絡してから伺おう。
でも、思ってたのと違ったなぁ。
蜂太郎は少しもやもやとした気持ちで帰路に着いた。
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