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⓬ 思ってたんと違う。(コーラル)
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なぜ、来ない。
待てど暮らせど、権田原 蜂太郎は訪ねてこない。
あんなに良い雰囲気だったのに、なぜ?たくさんダンスをしておしゃべりをしたのに、なぜなの?
(私)を出しても引いてる素振りはなかったし、楽しそうに笑ってたのに…。
何がいけなかったの?話の端々にキツさが出ちゃってて、家に帰って会話を振り返って嫌になった、とか?
いやいやいや、それは私、だ。何回も何回も会話をエンドレスリピート。気掛かりなところはなかったはず…。(わかってないだけか?)
もやもやと考えを巡らせていると、ドアをノックする音が聞こえた。
「はい、」
「失礼します、お嬢様、ご、権田原…(笑いを堪える)、は、蜂太郎様という、方が。」
「…え?蜂太郎が?」
部屋着のままだったコーラルは急いでドレスに着替え、髪を梳かし軽く化粧をして、バタバタと客間へ急いだ。
「蜂太郎さん、」
「ご、ご機嫌よう。」
……何か、違うぞ。
客間の端で所在なく立ち尽くす蜂太郎は、舞踏会にいた蜂太郎と…何か違う。
何が違うのだろう。服装はもちろんモーニングではなく、ダブルのスーツに革靴。手には真っ赤な薔薇の花束。(おそらく十本ほど。けちったな、おい。)
髪型…か?上げられていた前髪がだらっと顔にかかり、せっかくのストロベリーブロンドが台無しとばかりぼさぼさのノーセット。
ふざけるなよ。
好きな女の家に来るヘアスタイルか!?スーツもよく見ると両ポケットにシミがある。(手洗ってそこで拭いたろ。)
スラックスは折り目がほとんど取れているし、靴も磨かずそのまま来たような感じだ。視線を上げ再び顔を見る。
おい、口によだれの跡あるぞ。
隣りのメイドが堪えきれず「ぶっ」と吹き出した。
顔を洗ってないのか?ってか、手!爪!伸び過ぎだろー!?ダンスの時も気になったけど、それから切ってないの?き、気にならないの?
「あ、あのこれ。薔薇を。」
見りゃわかるよ。あ、八本だった。なぜ。
「あ、ありがとう。」
「…………。」
なんか話せよ。
「き、今日は良い、お天気ですね。」
曇りだけど。
「そ、そうですね。雨にならなくて良かったですわね。」
「…………。」
…マジか。天気の話しかできないのか?!
「き、今日は、またお美しく…か、髪型を変えましたか?」
なんもしてねぇよ。 ってか顔は?ほぼスッピンなんですけど?
「は、ははっ。舞踏会の時は少し巻いていましたが…今日は何も。」
「そ、そうなのですか。つ、つやつやしていてお美しい髪で。」
昨日面倒くさくてヘアケアさぼったんだけどな。
「は、蜂太郎さんも舞踏会とはだいぶ違った印象で。」
「そ、そうですか?ど、どこがでしょうか?」
そんだけ違くてわからねぇのかよ。
「髪型、とか?後はお召し物も。長く愛用されている物なのかしら。」
「は、はい。スーツといったらこれしかなくて。でも、お父様が仕立ててくれた良い物らしくて。ははっ、」
一張羅でしたか。残念っ。後ろの姿見見て下さ~い。
「本日は、何か(御用)で?」
「…え。あ、あの、薔薇を。」
さっき八本受け取ったわ。
「ありがとう(ございました)。」
お帰り下さ~い。
「は、はい。では…」
本当に帰るのかよ。
くるっと方向転換をして、そそくさと権田原 蜂太郎は帰っていった。
早く帰りたかったみたいに。
思ってたんと違う。
コーラルは更にもやもやとして部屋に戻った。
待てど暮らせど、権田原 蜂太郎は訪ねてこない。
あんなに良い雰囲気だったのに、なぜ?たくさんダンスをしておしゃべりをしたのに、なぜなの?
(私)を出しても引いてる素振りはなかったし、楽しそうに笑ってたのに…。
何がいけなかったの?話の端々にキツさが出ちゃってて、家に帰って会話を振り返って嫌になった、とか?
いやいやいや、それは私、だ。何回も何回も会話をエンドレスリピート。気掛かりなところはなかったはず…。(わかってないだけか?)
もやもやと考えを巡らせていると、ドアをノックする音が聞こえた。
「はい、」
「失礼します、お嬢様、ご、権田原…(笑いを堪える)、は、蜂太郎様という、方が。」
「…え?蜂太郎が?」
部屋着のままだったコーラルは急いでドレスに着替え、髪を梳かし軽く化粧をして、バタバタと客間へ急いだ。
「蜂太郎さん、」
「ご、ご機嫌よう。」
……何か、違うぞ。
客間の端で所在なく立ち尽くす蜂太郎は、舞踏会にいた蜂太郎と…何か違う。
何が違うのだろう。服装はもちろんモーニングではなく、ダブルのスーツに革靴。手には真っ赤な薔薇の花束。(おそらく十本ほど。けちったな、おい。)
髪型…か?上げられていた前髪がだらっと顔にかかり、せっかくのストロベリーブロンドが台無しとばかりぼさぼさのノーセット。
ふざけるなよ。
好きな女の家に来るヘアスタイルか!?スーツもよく見ると両ポケットにシミがある。(手洗ってそこで拭いたろ。)
スラックスは折り目がほとんど取れているし、靴も磨かずそのまま来たような感じだ。視線を上げ再び顔を見る。
おい、口によだれの跡あるぞ。
隣りのメイドが堪えきれず「ぶっ」と吹き出した。
顔を洗ってないのか?ってか、手!爪!伸び過ぎだろー!?ダンスの時も気になったけど、それから切ってないの?き、気にならないの?
「あ、あのこれ。薔薇を。」
見りゃわかるよ。あ、八本だった。なぜ。
「あ、ありがとう。」
「…………。」
なんか話せよ。
「き、今日は良い、お天気ですね。」
曇りだけど。
「そ、そうですね。雨にならなくて良かったですわね。」
「…………。」
…マジか。天気の話しかできないのか?!
「き、今日は、またお美しく…か、髪型を変えましたか?」
なんもしてねぇよ。 ってか顔は?ほぼスッピンなんですけど?
「は、ははっ。舞踏会の時は少し巻いていましたが…今日は何も。」
「そ、そうなのですか。つ、つやつやしていてお美しい髪で。」
昨日面倒くさくてヘアケアさぼったんだけどな。
「は、蜂太郎さんも舞踏会とはだいぶ違った印象で。」
「そ、そうですか?ど、どこがでしょうか?」
そんだけ違くてわからねぇのかよ。
「髪型、とか?後はお召し物も。長く愛用されている物なのかしら。」
「は、はい。スーツといったらこれしかなくて。でも、お父様が仕立ててくれた良い物らしくて。ははっ、」
一張羅でしたか。残念っ。後ろの姿見見て下さ~い。
「本日は、何か(御用)で?」
「…え。あ、あの、薔薇を。」
さっき八本受け取ったわ。
「ありがとう(ございました)。」
お帰り下さ~い。
「は、はい。では…」
本当に帰るのかよ。
くるっと方向転換をして、そそくさと権田原 蜂太郎は帰っていった。
早く帰りたかったみたいに。
思ってたんと違う。
コーラルは更にもやもやとして部屋に戻った。
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