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⓭ (金)(銀)(銅)
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「白百合の男?」
コーラルの父、グレゴリー・スタンウィック・強羅(44)は、カーラの話を疑った。
「権田原 蜂太郎さんといって、とても良さそうな方なのよ。」
「良さそうって、会ってないんだろう?」
「やっといらっしゃって下さった、唯一のお方ですのよ?次は来週伺う、とご連絡をいただきました。」
カーラから手紙を受け取り渋い顔で便箋を開く。
「権田原…。強羅(ごうら)とさして変わらないな。」
「…そこですか。」
「次は親も来るのか。」
「はい。お母様のマリサ様がいらっしゃるそうで、家ではなく向日葵王様主催のガーデンパーティにご一緒しませんか、とお返事を書きました。よろしいですわよね。」
「うむ。……その男、称号は何なんだ。」
「銀です。」
「コーラルが嫁にいくとなると…今までのような贅沢は出来なくなるぞ。」
「わかっております。なので、なるべく婿にと話を進めて参ります。」
「うむ。コーラルのドレスは、控えめにな。」
「今からリンダ(パートリーダー)のところへ行って参ります。」
「わかった。最後の贅沢だと思って、良い素材を使って洗練された有名デザイナーのドレスでも作ってくるがいい。」
「…はい。では、行って参ります。」
カーラは不貞腐れているコーラルを連れて、仕立て屋(シルキィ)に向かった。
(白百合)
「が、ガーデンパーティって…何するの?」
コーラル(の母親)からの返事に行ったことのないパーティが記されていた。…また踊らされるのだろうか。
「皆様と庭園を散歩したり、お茶をいただいたりするのよ。まぁ、おしゃべりするってことかしらね。」
マリサがリビングのソファで刺繍をしながら答えた。初めは(赤の女)コーラルのことをあまり良く思っていなかったようだが、舞踏会のことを話したら途端に、
「まぁ、薔薇のコーラル様に見初められたの?凄いじゃない…凄いわ蜂太郎!」
と、喜びに喜んで、すぐさまご近所のおば様方に触れ回った。そのせいで僕は近所を出歩くたびに、
「まぁ、蜂太郎様。コーラル様とはどういったお話をされたのかしら?」
とか、
「コーラル様をどうやってダンスに誘ったの?」
など、根掘り葉掘り聞かれる羽目になった。気分は悪くはないが、何だか慣れないし違和感が半端ない。今まで挨拶しかしてこなかった人達が、いきなり馴れ馴れしく友達のように接してきて、何だか(気持ち悪い)。
午後、マリサと蜂太郎は仕立て屋に行き、ガーデンパーティ用のスーツを仕立てた。毎回毎回仕立てていたら、権田原家は破産する…と思うくらいのお金が飛んだ。
「はぁ。」
支払いを済ませ、財布を仕舞いながら母さんが溜息をつく。やはり、金銭的にキツいのでは…?
「…薔薇の(金)は良いわよね、服飾費はタダだもの。白百合の銀はせいぜい医療費。それだってたかが知れてるわ。我が家にはキアヌもいるし、みんな元気だがら元々掛からないけれど…文句言ったらバチが当たるわね。」
「そうなの?じゃあ、コーラル様のドレスは税金…?」
「そうよ。金は貴賓や華やかさ、美しさを他の者に誇示するために、国から資金をもらえるの。我が国にはこれだけの贅沢ができる国民がいるのよ、って他の国への見せしめでもあるのよ。」
「じゃあ、ドレスだけじゃなく、インテリアやアクセサリーなんかも?」
「えぇ。だから金の称号が与えられる薔薇や牡丹、菊の者達にやたらと派手な方がいらっしゃるでしょ?悪いとは言わないけれど、無駄に派手なのはどうかと思うわ。」
確かに。白百合や桜は金の称号が与えられないグループ。カンナの家や、我が家はあまり高い物は身に付けないし持っていない。どちらかというと、貧乏だ。その代わり学費や医療費、交通費などは年間八割くらいは国が負担してくれる。僕の大学もほとんどタダで通っているし、キアヌ兄さんの医学部も、義務教育の通学期間分の給食費くらいで卒業した。
「(銅)はどういった資金提供があるの?」
「銅は食費や、仕事に関する資金ね。会社を起こしたり、お店を開店させる時の立ち上げ資金だったり、経営をする上で掛かってくる雑費の補助金よ。大してもらってはいないと思うけど…。食費に関してはみんな意固地になって受け取ってないと聞くわ。」
「なんで。」
「ごはんも食べられないくらい貧乏だって思われたくないのよ。私の実家も銅だったけれど、一円ももらってなかったわ。」
母さんの実家は(蒲公英)の裕福な家より大変だった、と聞いたことがある。
結婚するにあたり、毎回高額な出費が嵩む。母さんの実家はそこそこの小麦粉の製造工場だったけれど、その度に頭を抱えていたに違いない。
プライドで使わぬ者。反対に、プライドのために湯水の如く使い込む者。
浮かれていたコーラルさんへの想いに、ピシッと細いヒビが入った。
コーラルの父、グレゴリー・スタンウィック・強羅(44)は、カーラの話を疑った。
「権田原 蜂太郎さんといって、とても良さそうな方なのよ。」
「良さそうって、会ってないんだろう?」
「やっといらっしゃって下さった、唯一のお方ですのよ?次は来週伺う、とご連絡をいただきました。」
カーラから手紙を受け取り渋い顔で便箋を開く。
「権田原…。強羅(ごうら)とさして変わらないな。」
「…そこですか。」
「次は親も来るのか。」
「はい。お母様のマリサ様がいらっしゃるそうで、家ではなく向日葵王様主催のガーデンパーティにご一緒しませんか、とお返事を書きました。よろしいですわよね。」
「うむ。……その男、称号は何なんだ。」
「銀です。」
「コーラルが嫁にいくとなると…今までのような贅沢は出来なくなるぞ。」
「わかっております。なので、なるべく婿にと話を進めて参ります。」
「うむ。コーラルのドレスは、控えめにな。」
「今からリンダ(パートリーダー)のところへ行って参ります。」
「わかった。最後の贅沢だと思って、良い素材を使って洗練された有名デザイナーのドレスでも作ってくるがいい。」
「…はい。では、行って参ります。」
カーラは不貞腐れているコーラルを連れて、仕立て屋(シルキィ)に向かった。
(白百合)
「が、ガーデンパーティって…何するの?」
コーラル(の母親)からの返事に行ったことのないパーティが記されていた。…また踊らされるのだろうか。
「皆様と庭園を散歩したり、お茶をいただいたりするのよ。まぁ、おしゃべりするってことかしらね。」
マリサがリビングのソファで刺繍をしながら答えた。初めは(赤の女)コーラルのことをあまり良く思っていなかったようだが、舞踏会のことを話したら途端に、
「まぁ、薔薇のコーラル様に見初められたの?凄いじゃない…凄いわ蜂太郎!」
と、喜びに喜んで、すぐさまご近所のおば様方に触れ回った。そのせいで僕は近所を出歩くたびに、
「まぁ、蜂太郎様。コーラル様とはどういったお話をされたのかしら?」
とか、
「コーラル様をどうやってダンスに誘ったの?」
など、根掘り葉掘り聞かれる羽目になった。気分は悪くはないが、何だか慣れないし違和感が半端ない。今まで挨拶しかしてこなかった人達が、いきなり馴れ馴れしく友達のように接してきて、何だか(気持ち悪い)。
午後、マリサと蜂太郎は仕立て屋に行き、ガーデンパーティ用のスーツを仕立てた。毎回毎回仕立てていたら、権田原家は破産する…と思うくらいのお金が飛んだ。
「はぁ。」
支払いを済ませ、財布を仕舞いながら母さんが溜息をつく。やはり、金銭的にキツいのでは…?
「…薔薇の(金)は良いわよね、服飾費はタダだもの。白百合の銀はせいぜい医療費。それだってたかが知れてるわ。我が家にはキアヌもいるし、みんな元気だがら元々掛からないけれど…文句言ったらバチが当たるわね。」
「そうなの?じゃあ、コーラル様のドレスは税金…?」
「そうよ。金は貴賓や華やかさ、美しさを他の者に誇示するために、国から資金をもらえるの。我が国にはこれだけの贅沢ができる国民がいるのよ、って他の国への見せしめでもあるのよ。」
「じゃあ、ドレスだけじゃなく、インテリアやアクセサリーなんかも?」
「えぇ。だから金の称号が与えられる薔薇や牡丹、菊の者達にやたらと派手な方がいらっしゃるでしょ?悪いとは言わないけれど、無駄に派手なのはどうかと思うわ。」
確かに。白百合や桜は金の称号が与えられないグループ。カンナの家や、我が家はあまり高い物は身に付けないし持っていない。どちらかというと、貧乏だ。その代わり学費や医療費、交通費などは年間八割くらいは国が負担してくれる。僕の大学もほとんどタダで通っているし、キアヌ兄さんの医学部も、義務教育の通学期間分の給食費くらいで卒業した。
「(銅)はどういった資金提供があるの?」
「銅は食費や、仕事に関する資金ね。会社を起こしたり、お店を開店させる時の立ち上げ資金だったり、経営をする上で掛かってくる雑費の補助金よ。大してもらってはいないと思うけど…。食費に関してはみんな意固地になって受け取ってないと聞くわ。」
「なんで。」
「ごはんも食べられないくらい貧乏だって思われたくないのよ。私の実家も銅だったけれど、一円ももらってなかったわ。」
母さんの実家は(蒲公英)の裕福な家より大変だった、と聞いたことがある。
結婚するにあたり、毎回高額な出費が嵩む。母さんの実家はそこそこの小麦粉の製造工場だったけれど、その度に頭を抱えていたに違いない。
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