Brain Nunber

藤岡 志眞子

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number.3 リリー・ファーマシー

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その名の通り製薬会社だ。
医療施設というより一般人向けの、ドラッグストアなどに並ぶ手軽な飲み薬や塗り薬などを製造、販売している。

私は製造部門の研究要員。大学院を卒業してリリーグループに入社した。
しかし、何故かおじさんばかりの接待や秘書がやるような仕事ばかり回されて散々だった。大学で学んだ事など生かすどころか必要ないなんて言われて、腹が立って辞めたくなった。
もう辞めてしまおうと久々の研究室に行ったら、

「蓮原くん、脳の研究なんかしてたりした?」

と、見当違いな事を聞かれた。
私、薬学部ですけど。

「医学部の奴じゃ考えが固まってしまってね。新境地を開拓すると思ってやってみない?」

辞めるつもりが脳の研究者になる事になった。もちろん多少の知識はあるものの、脳神経はそこまで詳しくない。
真面目な私は医学生並みに、いやそれ以上に勉強した。そして正式に(ブレインナンバー)研究員になった。
研究所所長の小皆 要士郎(こみな ようしろう)は脳神経内科医でリリーグループに所属し、脳の限界の研究をしていた。
人間は一生のうち脳の使用率は十%ほどで、もっと使えば可能性は広がる、と説いていた。
しかし、リリーグループのファーマシー部門は風邪薬や痛み止め、簡易的な塗り薬が主だ。
なぜ脳の研究を…?小皆教授に聞いてみたら、これからの時代アルツハイマーなどの脳障害、又は他国に対抗するための学力の向上のために脳の活性化に役立つ薬が必要だ、という事だった。
…なるほど。納得して小皆教授に付いて研究に勤しむ事にした。

そして暫くして、小皆教授は大層なメカを造って消えた。死んだとも言われているがわからない。
どんなメカかって?
教授が開発した薬など全く役に立たない、無理難題な数式を解いて複数の暗号を導き出し、解除しなければいけない兵器。
その数式は教授の机にあったメモリーに入っており、はじめに、

(数式を解ける脳の持ち主が見つかれば、君達、全人類は新しい時代に生きていけるだろう。)
と、なんだか気持ち悪い事が書かれていた。
設置されたタイマーには八百と三十二日、十時間と十二分。
二年と三ヶ月ちょっと。期限が来たらどうなるのかもわからない。
タンクのような形状でやたらでかい。中を見る窓もないし、コードがたくさん繋がれている。
研究所の教授の控室に堂々と置いてあった。何なのか他の研究員にも聞いたが全くわからないという。
名前を仮に、ブレインナンバーとした。
教授の研究内容、脳の個体別研究に因んだものからである。

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