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第二章・あたし、美魔女からつづらを貰う

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「お嬢さん、ちょっといいかしら?」

学院に向かってダッシュしていたら、突然うしろから声をかけられた。

「ねぇ、そこの足の速いお嬢さん、そうそう、あなた。ボブカットでカチューシャをしているあなたよ。」

へっ?あたし?

振り向くと、40代後半~50代くらいかなぁ?綺麗に化粧をして、スラッとしたおばさんが立っていた。

おばさんは、背中に藁で編み込まれた大きな箱を背負っている。

「おばさん、誰?それにその箱、なに?」

このおばさんは、よく行くスーパーのレジのおばちゃんや、参観日にやってくる友達のママたちとは違う種類のおばさんだ。

身体のラインが出るぴたっとした赤いワンピースに、完璧に巻かれた縦ロールのブラウンヘア。

まつ毛は天まで届くんじゃないかってくらい、くるんと持ち上げられていて、ツヤ感のあるチェリー色のリップが唇を彩っている。

女優みたいな貫録のあるおばさん…いや、マダム…?だ。
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