湿気った菓子

ゆき

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3Dメガネ

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ピエロと罠と君の笑顔と

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高笑いが聞こえる
気持ち悪い笑みを浮かべて
角の生えたピエロが 目を閉じて
こちらを見ている
遠くで  手でポップコーンを食べている
見たことがない色    いや違う
手で食べてない  自分で食べてない
後ろに  何かいるのだ
高笑っている   何も知らないで
あのピエロの あのピエロを見た時の
あの倦怠感と空気が固まったかのような
恐ろしさよ
私は   なぜ見たのだ
なぜ 見てしまったのだ
いや   見ることしかできなかったのだ
あれが何なのかわからないから
乏しい情報量をカバーしたいから
目で その 個体を 精一杯見たのだ
  消えた
どこかで高笑いが聞こえる
それはいつの間にか すすり泣く声に
なぜ泣く         自分で決めたことなのに
そういう存在になると   
自分が決めたことなのに    どうして
どうして 泣いているの
自分で決めたことでしょう
      いや        その選択しかなかったのだ
巨大な 期待と固定観念という壁の間に
挟まれて  思考すらも 意思すらも
その壁に 閉ざされてしまったのだ
悪魔に生まれた子が悪魔になるように
天使に生まれた子が天使になるように
そうなのだろう
生まれた瞬間に  自分の生き方を知り
自分で選べない悲しさに
生まれた子は 泣き声をあげるのだ
きっと なるべくしてなってしまったのだろう
そしてその渦に その螺旋に私も
あのピエロもきっと 
飲み込まれてしまっているのだ
逃げる
                 壁
                逃げる       壁
逃げる度に縮まっていく私と壁との距離
渦に飲み込まれていく
飲みこまれながら思う
思い知らされる  どんなにちっぽけで
どんなに 無様な生き様か
全て自分で 選択した道だと思っていた
そんなことなかったのだ
あの 手のひらで 思うように転がされていたのだ
あぁ あのピエロは だから泣いたのだ
飲み込まれたくないから
その 選定された選択の中から逃げたいから
逃げなくてもいい場所に行きたいから
私はそれにきづけなかった
いや 気づくのを 避けていた
そう  あのピエロは  私だったのだ
心の中で見ないふりをしていた私
今頃気づいてしまうなんて
しかしピエロ あなたにとって
あのポップコーンは何だったのだ
あれを食べることで  新しい何かを得ようとしたのか
 なぜ 食べさせられていたのだ
何者かに  何を意味するのかも知らないで    
だから目を閉じていたのか 
知らない方が幸せだったとでもいうのか
遅いよ そのサインにきづけなかった
もう 見てしまったのだから

もう 踊らされていることに気づいてしまった
何かに 巨大な 大きな 何かに 気づいてしまった
そしてもう 誰も逃げることは出来ないのだ
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