忍者刀に転生した現代忍者と追放された黒狐の貴族令嬢

遙かなた

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1章

9話

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「カゲトラ様!あちらにゴブリンがおりますわ!」
(変化の術!)


 拙者は忍者刀の姿から鎖鎌の姿に変身する。
 

(まずは主殿が鎖鎌の練習でござる!敵の武器目掛けて分銅を投げるでござる)
「解りましたわ!!」


 勢いの良い返事と共に分銅部分を敵に向けて投げ・・・あれ?


(主殿!?全然違う方向でござるよ!)
「むむむ、ちょっと手が滑りましたわ!もう一度えいですわ!」


 気を取り直して分銅部分を敵に向けて投げ・・・ござ!?


(今度は届いてないでござる!!)
「むむむ、敵ながらやりますわね!」
(敵は何もしてないでござるううう!)


 ゴブリンは地面に刺さった拙者の分銅部分を見つめながら首を傾げる。
 こ、これはやはり主殿に鎖鎌を操るのは無理でござろうか。
 もし、使えるようであれば変化の術のLv2を取得しようと思ったのでござるが…。


(主殿普通に倒すでござる)
「はいですわ!この葉隠れからの火吹きですわ!」


 火吹きにより丸焦げになったゴブリンから経験値を貰う。
 まだレベルは上がらないでござるな。
 変化の術が使えないとなるとやはりレベル自体を上げないといけないでござる。


「この森の敵を狩りつくすつもりで行きますわ!」


 そこまではしなくていいでござるが、少なくとも2つはレベルを上げておきたいでござるな。
 それにしても……運の数値がマイナスというのはかなりきついでござるな。
 というのも、レベルを上げようと森に出てすでに3回はレッドオーガと遭遇しているでござる。
 見かけるたびに即座に逃げている為なんとかなっているでござるが、逃げられない距離で出会う前にレベルを上げておきたいでござるな。


「ガンガンいきますわよー!」
(おーでござる!)


 ゴブリンやグレイウルフを狩り続けようやく1レベル上げることが出来た。
 すでに15匹は狩ったと思うでござるがゴブリンやグレイウルフでは簡単にはレベルが上がらなくなっているでござるな。もう少し強い敵を探すべきでござるか。


「グルルルルル」
「わぁお……ですわ」
(なんてこったでござる)


 強い敵をとは言ったでござるがレッドオーガはノーサンキューでござるよ!?


(距離を取るでござる!)
「木遁:木の葉隠れ!」


 木の葉隠れで距離を取る。
 マズいでござるな、完全に認識されてしまったでござる。
 逃げ切れるでござろうか?


「カ、カゲトラ様……」
(どうしたでござる?)
「開けた場所に出てしまいましたわ」


 主殿の言葉で周りを見てみると森の木々が無くなっている。
 どうやら森を抜けてしまったようだ。
 これはマズい、レッドオーガから逃げるなら森の木々を利用しなければならない。
 開けた場所では逃げようがないでござる。


(主殿!森の中に戻るでござる!)
「はいですわ!」
「キャアアアア!!」


 この葉隠れを使おうとした主殿の後ろで悲鳴が聞こえる。


「なっ!?」
(少女!?いや、見た目からして冒険者でござるか!?)


 ここで逃げれば後ろの少女がレッドオーガに襲われるでござる。
 準備の出来ていない今、逃げるのが得策でござるが……。


(主殿どうするでござる?)
「戦いますわ!」


 愚問でござるよな。
 それでこそ、主殿でござる!


(主殿、新しい術を覚えたでござる使ってくだされ!)
「さすが、カゲトラ様ですわ!」


 LV  5
 種類 忍者刀
 名前 カゲトラ
 攻撃力 27+10
 耐久力 140/140
 装備者使用可能スキル 木遁の術Lv1 火遁の術Lv4 鑑定
 使用可能スキルポイント 0
 固有能力 自動修復(中) 念話Lv1 変化の術Lv1 切れ味アップ(小)
 固有スキルポイント 1


 色々考えたでござるが、火力を上げることにしたでござる。
 小手先の技は雄叫びでかき消される可能性が高いでござる。
 ならば、一撃の火力に賭けるでござるよ。


(主殿、火遁:轟炎華)
「火遁:轟炎華!!!」


 レッドオーガを中心に大きな炎の華が咲く。


「グオオオオオオ!!!」


 轟々と燃え盛る炎の中心でレッドオーガが悶える。
 なんというか、予想以上にすごい威力でござるな。
 元の世界では小さな花火で敵を驚かすくらいでござったのに。
 
 5秒ほど、燃え続けた炎の華が無くなると、目から光の消えたレッドオーガがよろめき地面に倒れた。


「えっと、勝ちましたの?」
(調べるでござる、少し待たれよ)


 鑑定でレッドオーガのステータスを確認する。


 種族  レッドオーガ
 レベル 12
 HP:0/57
 MP:0/0
 力: 59
 器用:21
 頑丈:46
 俊敏:30
 魔力:0
 知力:8
 運: 6
 状態 死亡
 スキル:雄叫び 強打撃


 HPが0になっており、状態が死亡となっている。
 まさか、一撃で倒せてしまうとは……。
 レベル4でこれほどの術が使えるのなら今後はどうなってしまうのでござろうか?
 山一つ吹き飛ばせる……さすがにそんなことはないでござるよな。

 『レベルが上がりました』
 『レベルが上がりました』
 『レベルが上がりました』

 三つもレベルが上がったでござる。


「す、すごい、レッドオーガを倒しちゃうなんて」


 後ろにいた少女が言葉を漏らす。


「大丈夫ですかですわ?」
「あ、はい。強いんですね」
「いえ、ワタクシが強いわけでは……」
(主殿、拙者のことはあまり言わない方がいいでござる)
「そ、そうなんですの?」


 拙者は所詮武器でござるからな、もし悪いやからに狙われ盗まれればそれまででござる。
 あまり人に知られない方がいいでござろう。


「あ、ありがとうございました!」
「ワタクシはアウラですわ」
「アウラさん、私はリリィって言います。アウラさんはよっぽどランクの高い冒険者なんですね!」


 ほう、冒険者にはランクなどというものもあるでござるか。
 冒険者のことももっと知っておかねばいかんでござるな。
 

「いえ、ワタクシはまだ冒険者じゃないんですの」
「え、そうなんですか!?」
「ええ、まだ仮登録なんですの」
「ふぇえ……すごいです」


 感嘆の声をあげるリリィ殿。
 しかしこの子、アウラ殿を見ても逃げないんでござるな。
 失礼して、鑑定。


 名前 リリィ=オールジン
 種族 ハーフエルフ
 年齢:15
 レベル:8
 HP:38/38
 MP:42/42
 力: 20
 器用:17
 頑丈:14
 俊敏:21
 魔力:27
 知力:23
 運: 12
 状態 健康
 スキル:精霊魔術Lv3 細剣術Lv3


 ふむ、普通はこういうステータスなのでござるな。
 アウラ殿のステータスと比べるとしっかりとした数字が並んでいるでござる。
 それにハーフエルフでござるか。だが、見た目は銀髪のロングに青い瞳でござるか。
 やはり、ハーフが全て黒い見た目になるというわけではないんでござるな。


「あ、それじゃ、討伐証明の部位のこと知らないんでしょうか?」
「討伐証明部位?なんですのそれ?」
「やっぱり、討伐証明部位というのはその魔物を倒したことを証明できる物です。それがあれば倒したことを認めてもらえると思いますよ」


 なるほど、そう言えばどう証明するか考えていなかったでござるな。
 さすがに主殿にこのレッドオーガの巨体を引きずって行けとは言えないでござるしな。


「レッドオーガの討伐証明部位は角ですよー」
「ありがとうございますわ、早速へし折りますわ!」


 主殿の力ではへし折れるわけもなく、拙者を使って切り取った。
 これがあれば、晴れて冒険者でござるな。
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