忍者刀に転生した現代忍者と追放された黒狐の貴族令嬢

遙かなた

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1章

17話

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「こちらの依頼書などどうでしょう?」


 しばらくすると一つの依頼書を持ったセレナ殿が戻ってきた。
 依頼書の内容は森の中にある廃墟の調査。
 誰も居なくなった森の中にある廃墟に人影を見たという。
 その人影の正体を探ってきて欲しいとのこと。
 場所は少し遠くここから歩いて2、3日の距離である。
 調査と往復を考えると1週間くらいかかるだろう。
 恐らく、昨日の件で周りの目が一層悪くなるこの街からしばらく身を隠せるようにと気を使ってくれたのでござるな。セレナ殿の優しさが解るでござる。


「どう思いますかですわ」
(いいんじゃないか?行く途中で魔物を倒せばレベル上げにもなるしな)
「解りましたわ!お受けいたしますわ!」
「畏まりました、ではこちらを受注処理しておきます」


 依頼を受けた主殿は嬉しそうに準備を始める。
 その笑顔に偽りはなさそうでござる。どうやら昨日のことは覚えていないのだろうか?
 元気に手を振りながら部屋を後にする主殿はいつもと変わらない様子でござった。


「さあ、モンスターを倒しながら廃墟を目指しますわよ!」
(承知でござる!)


 ギルドを出る間……いや、街を出る間ずっと冷たい目に晒される。
 だが、主殿は気にしていないのか目が合った人間に挨拶をするほどの余裕があった。
 相手は怖がって逃げてしまったが。

 だが、街を出てしまえば他人の目を気にすることは無い。


(主殿、主殿はどんな術が使いたいでござるか?)


 拙者は何気なしに聞いてみる。


「そうですわね~、忍者と言えばコレという術はあるんですの?」
(色々あるでござるが……有名なのは『分身の術』でござるかな)
「あら、分身ができますの?」
(応とも、分身することで敵をかく乱することが出来ますゆえ、お勧めでござる)
「なら、それを使ってみたいですわ~」


 ということで、スキルポイントを使い分身の術をとっておく。残った1ポイントは念のために残しておくでござる。また火力が足りなくなったら火遁に振ることになるでござるからな。


 LV  10
 種類 忍者刀
 名前 カゲトラ
 攻撃力 30+10
 耐久力 140/140
 装備者使用可能スキル 木遁の術Lv1 火遁の術Lv3 分身の術Lv1 鑑定
 使用可能スキルポイント 1
 固有能力 自動修復(中) 念話Lv1 変化の術Lv1 切れ味アップ(小)兵糧丸作成(麻痺消し)
      兵糧丸作成(回復)
 固有スキルポイント 2


 分身の術にもレベルがあるでござるな。もしや、某漫画のように実態のある分身なども出来るようになるでござるかな?前世では拙者ですらそれは出来なかったでござるから楽しみでござる。

 
(ところで主殿、調子は悪くないでござるか?)
「もちろんですわ!すこぶる元気でしてよ」


 それは良かったでござる。
 

(あ、しまったでござる。目的地まで3日ほどかかるならテントとかを買っておくべきでござったか)
「そうですわね、でも売ってくださるお店があると限りませんし途中で寝やすいところを見つければ問題ありませんわよ」


 そうでござるな、大体のお店は主殿を見ると悲鳴を上げて閉めてしまうでござる。
 いったい、過去に何があって黒い体毛のハーフはここまで嫌われているのでござろうな。
 主殿に聞きたいでござるが、さすがに失礼でござるよな。



(だいぶ歩いたでござるな。主殿足は痛くないでござるか?)
「これくらい大丈夫ですわ……カゲトラ様?」
(どうしたでござるか?)
「もしかして昨日、ワタクシは何かやらかしましたの?」
(っ!?、な、何のことでござるか?)
「今日はカゲトラ様よくおしゃべりになりますわ。いつもここまでワタクシに気を使ってないですわよ?」


 し、しまったでござる。
 それは、気になるでござるよ。心配にもなるでござるよ。
 またいつ昨日のような主殿に変貌するかも解らぬのに……。


「ワタクシ、何かしてしまったのなら謝りますわ」
(謝る必要は無いでござる!主殿は間違ったことはしていないでござる!)
「やはり、何かしでかしましたのね……」


 墓穴を掘ったでござるううううう!?
 なんでこんな時は頭が回るでござるか!?


「ワタクシ、何をしましたの?」
(……まずは今日の寝床を探すでござるよ。落ち着いた場所で話すでござる)


 だが、主殿に伝えぬままいてまたあのような事態になった時、主殿が望まないような事になったらそれこそ不忠でござる。ちゃんと話したほうがいいでござるよな。

 拙者と主はしばらく歩くと小さな洞穴を見つけ、そこで今日は休むことにした。
 そして、焚火を囲みながら昨日の出来事を話すことにしたのだった。
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