忍者刀に転生した現代忍者と追放された黒狐の貴族令嬢

遙かなた

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1章

21話

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『うるさいわね、いきなり叫ばないでよ!』
「叫ぶに決まってますわー!透明ですわ!透明ですわよ!」
(幻術!そうでござるきっとこれも幻術でござる!)
『幽霊なんだから透明なんて当たり前でしょ。ホントにうるさいわね!』
「やっぱり幽霊ですわああああああ!!」
(幽霊でござったあああああああ!!!)



 ま、待つでござる!そうだ、地球では幽霊なんていないでござるがこの世界では普通なのかもしれないでござる。え?地球にもいる?拙者は信じないでござる。


(主殿この世界で幽霊はメジャーでござるか?)
「ありえませんわ!ありえませんわ!幽霊なんていない!幽霊なんていないさ!ですわあああああ!!!」


 錯乱してるでござる……やっぱり幽霊は怖い存在でござるううううう!!!

『だからうるさいのよ!!!二人揃って叫ばないで頂戴!』
「無理ですわああああ!!!」
(無理でござるううううう!!!)


 叫ぶなというのは無理でござるよ!怖いでござる!主殿が叫ぶのもしょうがないでござる!拙者だって……あれ?


(二人揃って?拙者の声も聞こえてるでござる?)
『同類なんだから聞こえて当たり前でしょう?まったく。』
「カゲトラ様も幽霊なんですのおおおおおおおおおおお!?」
(拙者も幽霊でござった!?そういえば死んでいたでござるうううううううううう!!!!)


 刀に転生したと思ったらただの幽霊でござった!?せっかく刀として慣れて来たのにただの刀に憑りついた幽霊でござったか!拙者が怖いでござるうううううううう!


(刀から抜け出して今すぐ成仏するでござるよ拙者!!!)
「それは駄目ですわあああああああ!?」
『う る さ い!!!!!!』


 幽霊の少女が物理を無視して2メートルくらいの頭になりこちらに近づいてきた。目の前に現れた巨大な顔に主殿は卒倒し、泡を吹いて床に倒れてしまう。


(主殿おおおおお!拙者を残していかないで欲しいでござるうううう!拙者も成仏させてええええ!!!)
『出来ないわよ、成仏なんて』
(拙者は幽霊でござる、気合があれば出来るでござるよ!成仏!成仏でござる!!!)
『だから、アンタは幽霊じゃないわよ。似たようなもんだけど』
(え?幽霊じゃないでござる?)


 幽霊の少女はこくりと頷く。でかい顔のまま頷かれると怖いでござる。
 

(しかし、さっきは同類と……)
『幽霊ってのはいわゆる精神体よ。貴方たち踊る剣ダンシングソードも似たようなものよ。剣に精神体が宿り勝手に動くんだもの。まあ、普通の踊る剣は話なんて出来ないけどね。』
(普通は喋らないでござる?)
『普通は勝手に戦いだしたり、持ち主に斬りかかったりと言ったところね』
(拙者、自分の意思では動けないんでござるが……)
『あら、そうなの?変わってるのね』


 拙者は踊る剣の仲間という事でござるか……やっぱり、ホラー的存在でござる……。


『で、アンタたち一体何の用なのよ?いきなり人の家に火を放つなんて!』
(いきなりではござらん!お主が人形をけしかけて来たんじゃないでござるか!)
『はあ?私に人形遊びの趣味なんてないわよ!』
(え?じゃあ、後ろの人形は?)
『え?』


 先ほどから幽霊の少女の後ろに人形たちが集まってきている。
 てっきり少女が集めているのかと思ったが……。


『きゃああああああああああ!おばけえええええええええええええ!!!』
(お主もでござろう!?)


 少女は悲鳴を上げると気絶した主殿の後ろに隠れる。
 幽霊がお化けを怖がるなでござるよ!?
 人形たちはこちらを見るとケタケタと笑っている。



(主殿!起きるでござる!大ピンチでござる!!)
『起きて!私を助けなさい!』
「うう~ん、後五分……」
『言ってる場合かああああ!!!』
(5分後には幽霊の仲間入りでござるううう!?)
「幽霊は嫌ですわあああああ!!」


 起きたでござる。幽霊で気絶して幽霊で起きるとは……悲しいでござるな。
 しかし、主殿が起きてくれればなんとか……。


(主殿!火遁で燃やし尽くすでござる!この館ごと!!)
「解りましたわ!!!」
『解るなああああ!私の家を燃やさないでよ!それにアンタたちも死ぬでしょそれじゃ!』


 はっ、しまったでござる。つい恐怖で動転してしまったでござる。
 危うく、主殿まで危険に晒す所でござった。


(主殿危ないところでござったな、拙者動転していたでござるよ)
「すべてを燃やし尽くしてあげますわ!火遁:轟炎華!!!」
『いやああああああああ!?』


 主殿は止まらない……ぎゃああああああああああああああ!?
 炎が館に燃え移って……周り一面炎でござる!?絶体絶命でござるうううううう!?

 
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