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4章
救世主
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「はああああ!」
エリンシアは光を纏った拳を魔族に叩き付ける。魔族も異形の腕を振るいながら反撃するがエリンシアを捕らえることが出来ずに唯、エリンシアの拳を受けるのみになっていた。
「ボディーがガラ空きですわよ!」
エリンシアの渾身の一撃が魔族のお腹に決まると魔族は再び壁へと叩き付けられる。
魔族はよろけながらも立ち上がるが、その表情には焦りが現れていた。
「随分と無口な魔族さんですわね、魔族の方すべてが喋れるというわけではないんですかしら?」
魔族は表情を歪めるも、言葉を発することは無い。よく見ると、その魔族には口らしき場所が無かったのだ。
「なぜ、今になって街の人を襲ったのか聞きたかったんですけれど・・・仕方ありませんわね」
クーネル国が帝国に占領されてからすでに幾日か経過している、その間、街の人には手を出さず、食料や金品だけを巻き上げていった帝国が、なぜ今になって人々を襲ったのか、何か理由があると思われるのだが相手の魔族にはそれを話す口がなかった。
「終わりにさせていただきますわ!」
エリンシアが魔導銃を構えると、無口の魔族が口は無いが確かにニヤリと笑ったように感じられた。
そして・・・異形の腕がものすごい勢いで伸び、カモメから少し離れながらも治療の順番を待っている街の人たちの元へと襲い掛かったのだ。
「なんですって!?―――――――カモメさん!!」
「・・・え?」
カモメはエリンシアの声に振り向き、事態に気付くが、すでに間に合う距離にはいない。
魔族の腕が集まっている街の人達の元へと届く直前―――――――。
「ニャっと!」
突如現れた、猫耳と尻尾を付けた長身の女性が、その腕を蹴り上げた。
「ミャア!コロ!」
カモメのがその女性の名前とその近くで治療を始めた少女のような見た目の少年の名前を呼ぶ。
「ナイスですわ、ミャアさん!」
「ニャニャ♪」
「でも、どこから入ってきたんですの?」
エリンシアはふと疑問に思ったことを聞いてみる、教会の扉は今はエリンシアの近くにあるのだ、誰かが入ってきた気配は無かった。
「そこの壁をぶち破ってきたニャ」
ミャアが指さす方向を見ると、確かに大きな穴が開いていた。
「教会が・・・・」
そんな場合ではないとわかってはいるのだろうが、この教会で働く神父さんが目を丸くしながら大きく開いた穴を見て呟いていた。
「おっと、もうさせませんわよ!」
エリンシアの方を見ると、今一度、攻撃に移ろうとしてた魔族にエリンシアが拳を叩き付けている。
もう、攻撃をする暇を与えるものかというほどのラッシュが魔族へと叩き込まれていた。
「はあああ!」
大きく体重を乗せた拳が魔族の顔面に叩き込まれると魔族は転げていく、そして、その転がった場所の近くには人がいないことを確認すると、エリンシアは魔導銃を再び抜いた。
「今度こそ終わりですわ―――――――聖滅全力魔弾」
エリンシアの放った全力の聖属性の付与された魔弾は大きな波動砲のようになり、魔族へと襲い掛かる。
その威力に魔族は耐えきれず塵へと変わり、教会の壁ごと吹き飛ぶのであった。
―――――――――そして、その光景を見ていた神父さんは目が死んでいた。
「いっちょあがりですわ♪」
腰に手をやりながら魔導銃から出る煙を息で吹いて飛ばすエリンシアは満足そうに微笑んだ。
「すごい・・・」
「「「わああああああああ!」」」
魔族の恐怖に絶望していた街の人たちが歓声を上げる、そして、私やエリンシア、ミャアやコロ、そしてディータの元に近寄ってくるとお礼を言ってくれた。
私に対しての警戒心も少し緩くなっているようで、私の手を取ってお礼をしてくれる人もいたのだ。
私はコロと共に治療を続けながら、街の人たちの無事を喜んだ。
エリンシアは光を纏った拳を魔族に叩き付ける。魔族も異形の腕を振るいながら反撃するがエリンシアを捕らえることが出来ずに唯、エリンシアの拳を受けるのみになっていた。
「ボディーがガラ空きですわよ!」
エリンシアの渾身の一撃が魔族のお腹に決まると魔族は再び壁へと叩き付けられる。
魔族はよろけながらも立ち上がるが、その表情には焦りが現れていた。
「随分と無口な魔族さんですわね、魔族の方すべてが喋れるというわけではないんですかしら?」
魔族は表情を歪めるも、言葉を発することは無い。よく見ると、その魔族には口らしき場所が無かったのだ。
「なぜ、今になって街の人を襲ったのか聞きたかったんですけれど・・・仕方ありませんわね」
クーネル国が帝国に占領されてからすでに幾日か経過している、その間、街の人には手を出さず、食料や金品だけを巻き上げていった帝国が、なぜ今になって人々を襲ったのか、何か理由があると思われるのだが相手の魔族にはそれを話す口がなかった。
「終わりにさせていただきますわ!」
エリンシアが魔導銃を構えると、無口の魔族が口は無いが確かにニヤリと笑ったように感じられた。
そして・・・異形の腕がものすごい勢いで伸び、カモメから少し離れながらも治療の順番を待っている街の人たちの元へと襲い掛かったのだ。
「なんですって!?―――――――カモメさん!!」
「・・・え?」
カモメはエリンシアの声に振り向き、事態に気付くが、すでに間に合う距離にはいない。
魔族の腕が集まっている街の人達の元へと届く直前―――――――。
「ニャっと!」
突如現れた、猫耳と尻尾を付けた長身の女性が、その腕を蹴り上げた。
「ミャア!コロ!」
カモメのがその女性の名前とその近くで治療を始めた少女のような見た目の少年の名前を呼ぶ。
「ナイスですわ、ミャアさん!」
「ニャニャ♪」
「でも、どこから入ってきたんですの?」
エリンシアはふと疑問に思ったことを聞いてみる、教会の扉は今はエリンシアの近くにあるのだ、誰かが入ってきた気配は無かった。
「そこの壁をぶち破ってきたニャ」
ミャアが指さす方向を見ると、確かに大きな穴が開いていた。
「教会が・・・・」
そんな場合ではないとわかってはいるのだろうが、この教会で働く神父さんが目を丸くしながら大きく開いた穴を見て呟いていた。
「おっと、もうさせませんわよ!」
エリンシアの方を見ると、今一度、攻撃に移ろうとしてた魔族にエリンシアが拳を叩き付けている。
もう、攻撃をする暇を与えるものかというほどのラッシュが魔族へと叩き込まれていた。
「はあああ!」
大きく体重を乗せた拳が魔族の顔面に叩き込まれると魔族は転げていく、そして、その転がった場所の近くには人がいないことを確認すると、エリンシアは魔導銃を再び抜いた。
「今度こそ終わりですわ―――――――聖滅全力魔弾」
エリンシアの放った全力の聖属性の付与された魔弾は大きな波動砲のようになり、魔族へと襲い掛かる。
その威力に魔族は耐えきれず塵へと変わり、教会の壁ごと吹き飛ぶのであった。
―――――――――そして、その光景を見ていた神父さんは目が死んでいた。
「いっちょあがりですわ♪」
腰に手をやりながら魔導銃から出る煙を息で吹いて飛ばすエリンシアは満足そうに微笑んだ。
「すごい・・・」
「「「わああああああああ!」」」
魔族の恐怖に絶望していた街の人たちが歓声を上げる、そして、私やエリンシア、ミャアやコロ、そしてディータの元に近寄ってくるとお礼を言ってくれた。
私に対しての警戒心も少し緩くなっているようで、私の手を取ってお礼をしてくれる人もいたのだ。
私はコロと共に治療を続けながら、街の人たちの無事を喜んだ。
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