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4章
シェリーの王器
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私たちは、怪我人の治療を続けている。
怪我人の数は多く、思ったよりも連続で治癒魔法を続けることになっている。
「カモメ、あまり魔力を使い過ぎると後の戦いに響くわよ?」
「大丈夫」
確かに、この後、どれくらいの数の敵と戦うことになるのか分からないので出来れば魔力は温存しておきたいが、目の前に怪我を負って倒れている人がいるのに放っておくなんてことできないよ。
「でも、お姉さま、魔族と戦う時に魔力が足りなくなったら・・・」
「その時は、根性でなんとかするよ」
「そうニャ、根性なら何でもきるニャ!」
私がそう言うと、ミャアが同意してくれる。
「なるのでしょうか・・・」
「なるわけないだろう」
シェリーの問いに答えるのはアルバートである。
「普通なりませんわね」
それに対して、エリンシアも同意するが、その顔は笑っていた。
「さ、怪我の軽い方はワタクシの方へ来てくださいまし」
「ちょ、エリンシアだって魔力が無かったら戦えないじゃん!」
「気合でカバーしますわ!」
「・・・お前もか」
呆れた顔で溜息を吐いた、アルバートである。
「そうね、軽い怪我なら私も治せるわ」
「私も出来ます!」
続いて、ディータとシェリーも名乗りを上げた。
皆で手分けしたお陰で街の人たちは全員治すことが出来たのだが・・・。
「思ったより魔力使っちゃったかな・・・」
結構な数の治癒魔法を使ってしまったため、残りの魔力が大分無くなっていた。
(ま、何とかなるか♪)
「治療をしながら聞いたのですが、街の中とは違い、城の中には兵士がかなりの数いるそうです」
「魔族は?」
「そこまでは・・・」
普通の兵士であれば、それ程問題はないだろう。だが、魔族がどれくらいいるかが問題である。こちらの頭数より多いと少し問題かな?
「まあ、とりあえず、シェリーたちには街の人たちを砦まで避難させてもらっていいかな?敵の強さによっては街にも被害が出るかもしれないし」
「はい、アルバート、レイモンド!」
「「はっ!」」
シェリーに呼ばれると、アルバートとレイモンドはこちらに走ってきた。
「私はお姉さまについていきます、あなた達は民の避難をお願い。」
「なっ!姫様、危険すぎます!」
「分かっています、ですが、この国の未来が掛かった戦いなのです、王女である私はその場を見届けねばなりません」
「しかし!・・・っ、レイモンド!」
自分では説得が不可能だと思ったのか、アルバートはレイモンドに助け舟を求める。だが・・・。
「姫の言う通りだアルバート、このまま、魔女殿達に任せきりでは民たちの心が姫様から離れる」
「っ!・・・しかし・・・」
「アルバート、解って、これは私が行かないと行けないことなの、国の危機に何もしない王族なんていても意味がないわ」
「・・・・・」
正直、私も初耳だったので若干驚いているので、そんな風に私を睨まないで欲しいよ・・・。
「アルバート、民の為にここまでしてくれている魔女殿をまだ信じられないのか?」
レイモンドさんがそう言うと、まるで恋人を盗られた男のような目をしていたアルバートは、悔しそうな顔を一瞬した後、頭を掻いた。
「ああ、いつの間にかシェリーがカモメに懐いていたから嫉妬していたのねあの騎士さん」
そうだったのか・・・でもね、なんで私も懐かれてるのかわからないんだよ・・・なんでだろう?
「そ、そそそそそんなことあるか!」
「凄い動揺してるニャ」
「してない!」
してるね・・・なるほど、妹を盗られた兄の心境って感じなのかな?私は兄弟、姉妹がいないからわからないけど、きっとそうに違いない。
「くっ・・・魔女殿」
「な、なに?」
「姫様を頼む・・・この方はこの国に必要な方なのだ」
「・・・分かった」
急に真面目にならないで欲しい、ちょっと身構えちゃったよ。
でも、連れていく以上はちゃんと守るよ。
「それじゃ、ちゃっちゃと行って、ちゃっちゃと倒しちゃいましょうか!」
ディータがそう言うと、私たちも「おー」と答えた。
街の人の避難をアルバートとレイモンドに任せ、私たちは城へと足を向けるのだった。
次は、どれだけの魔族がいるかもわからない、強い魔族がいるかもしれない、街や民の事を考えて戦うことが出来るとは限らないのだ・・・これで後顧の憂いはないのである。
・・・・・・・・これで多少街が壊れても大丈夫だよね?・・・ね?
怪我人の数は多く、思ったよりも連続で治癒魔法を続けることになっている。
「カモメ、あまり魔力を使い過ぎると後の戦いに響くわよ?」
「大丈夫」
確かに、この後、どれくらいの数の敵と戦うことになるのか分からないので出来れば魔力は温存しておきたいが、目の前に怪我を負って倒れている人がいるのに放っておくなんてことできないよ。
「でも、お姉さま、魔族と戦う時に魔力が足りなくなったら・・・」
「その時は、根性でなんとかするよ」
「そうニャ、根性なら何でもきるニャ!」
私がそう言うと、ミャアが同意してくれる。
「なるのでしょうか・・・」
「なるわけないだろう」
シェリーの問いに答えるのはアルバートである。
「普通なりませんわね」
それに対して、エリンシアも同意するが、その顔は笑っていた。
「さ、怪我の軽い方はワタクシの方へ来てくださいまし」
「ちょ、エリンシアだって魔力が無かったら戦えないじゃん!」
「気合でカバーしますわ!」
「・・・お前もか」
呆れた顔で溜息を吐いた、アルバートである。
「そうね、軽い怪我なら私も治せるわ」
「私も出来ます!」
続いて、ディータとシェリーも名乗りを上げた。
皆で手分けしたお陰で街の人たちは全員治すことが出来たのだが・・・。
「思ったより魔力使っちゃったかな・・・」
結構な数の治癒魔法を使ってしまったため、残りの魔力が大分無くなっていた。
(ま、何とかなるか♪)
「治療をしながら聞いたのですが、街の中とは違い、城の中には兵士がかなりの数いるそうです」
「魔族は?」
「そこまでは・・・」
普通の兵士であれば、それ程問題はないだろう。だが、魔族がどれくらいいるかが問題である。こちらの頭数より多いと少し問題かな?
「まあ、とりあえず、シェリーたちには街の人たちを砦まで避難させてもらっていいかな?敵の強さによっては街にも被害が出るかもしれないし」
「はい、アルバート、レイモンド!」
「「はっ!」」
シェリーに呼ばれると、アルバートとレイモンドはこちらに走ってきた。
「私はお姉さまについていきます、あなた達は民の避難をお願い。」
「なっ!姫様、危険すぎます!」
「分かっています、ですが、この国の未来が掛かった戦いなのです、王女である私はその場を見届けねばなりません」
「しかし!・・・っ、レイモンド!」
自分では説得が不可能だと思ったのか、アルバートはレイモンドに助け舟を求める。だが・・・。
「姫の言う通りだアルバート、このまま、魔女殿達に任せきりでは民たちの心が姫様から離れる」
「っ!・・・しかし・・・」
「アルバート、解って、これは私が行かないと行けないことなの、国の危機に何もしない王族なんていても意味がないわ」
「・・・・・」
正直、私も初耳だったので若干驚いているので、そんな風に私を睨まないで欲しいよ・・・。
「アルバート、民の為にここまでしてくれている魔女殿をまだ信じられないのか?」
レイモンドさんがそう言うと、まるで恋人を盗られた男のような目をしていたアルバートは、悔しそうな顔を一瞬した後、頭を掻いた。
「ああ、いつの間にかシェリーがカモメに懐いていたから嫉妬していたのねあの騎士さん」
そうだったのか・・・でもね、なんで私も懐かれてるのかわからないんだよ・・・なんでだろう?
「そ、そそそそそんなことあるか!」
「凄い動揺してるニャ」
「してない!」
してるね・・・なるほど、妹を盗られた兄の心境って感じなのかな?私は兄弟、姉妹がいないからわからないけど、きっとそうに違いない。
「くっ・・・魔女殿」
「な、なに?」
「姫様を頼む・・・この方はこの国に必要な方なのだ」
「・・・分かった」
急に真面目にならないで欲しい、ちょっと身構えちゃったよ。
でも、連れていく以上はちゃんと守るよ。
「それじゃ、ちゃっちゃと行って、ちゃっちゃと倒しちゃいましょうか!」
ディータがそう言うと、私たちも「おー」と答えた。
街の人の避難をアルバートとレイモンドに任せ、私たちは城へと足を向けるのだった。
次は、どれだけの魔族がいるかもわからない、強い魔族がいるかもしれない、街や民の事を考えて戦うことが出来るとは限らないのだ・・・これで後顧の憂いはないのである。
・・・・・・・・これで多少街が壊れても大丈夫だよね?・・・ね?
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