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5章
裏切り
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「王!魔物です、魔物の襲撃を受けました!」
一人の兵士が大慌てで山を下山する、人間の王の元へと駆け寄ってくる。
魔物の襲撃、それ自体はそれほど珍しいことではない為、人間の王は「何を慌てている?」と余裕の態度で応対をしていた。
だが、兵士から次に放たれた言葉で王も、その近くにいた者たちも顔色を変える。
「囲まれております!それも尋常じゃないほどの数なのです!」
「何!?魔物がか!?」
普段であれば出ても、群れの10体や20体である、こちらが4,5人のパーティであるのならば囲まれるという事もあるかもしれないが、今、山を下山しているのは人間の軍である。その数は万を超えるのだ……その人間たちを囲むほどの数の魔物がこの場にいるという……驚きもする。いや、どう考えても普通ではない。
「どういうことだ?魔族を追い返した事へ対する怒り?いや、この世界の魔物は魔族に従うことはなかった筈だ」
もちろん、この世界にも魔物はいる、だが、魔物のほとんどは知能が低く、本能で動く、その為、強い魔族に従う魔物もいることはあったが、それでもその数は多くは無かった。ほとんどの魔物は魔族に襲い掛かり返り討ちに会うか逃げ出すかである。
その為、戦いに参加した魔物はドラゴンのように知能の高い魔物で、しかもこちら側に与したのだ。
「では、ドラゴンの差し金でしょうか?」
「……」
ドラゴンであれば魔物を操ることも出来るかもしれない?確かに、出来るかもしれないが、このタイミングでそれをするだろうか?いや、そもそも、ドラゴンが人間を殺そうとするのであれば自らが来ればいいだけではないだろうか?そう考える人間の王はドラゴンでもないのではないだろうか?と思っていた。
「王!魔物の数が多すぎます!このままでは!?」
「敵の中央を駆け抜ける、一つの槍と成りて敵を貫き突破するぞ!」
「はっ!」
王の掛け声と共に、人間の軍は魔物たちの集まる中央へ突進を仕掛け、魔物を食い破る。
そして、かなりの犠牲を払いながらもなんとかその包囲を突破することに成功したのだ。
「この先の渓谷まで休まず走れ!」
山を下りきった後も、魔物たちは人間たちを追いかけてくる。
そこで、人間たちは近くにあった渓谷を目指すことにした。
魔物の大群とはいえ、狭い渓谷に入ってしまえば包囲されることは無い。
そう思い、その作戦を取ったのだ。
「王、作戦は成功です!」
「うむ、魔物一匹一匹の強さは大したことは無い、ならば大群と戦う形を取らなければよい」
「ふふ、さすが王様ね」
「何奴!」
王と兵士が話している場に女の声がひとつ、響いてきた。
「あら、あなた様のお付きの一人です、お忘れですか?」
「む、そうだったか……だが、このような場になぜいる?戦えぬ者は後方にいるようにとアネルに言っておいたはずだが?」
「申し訳ありません、あなた様が心配だったものですから」
「む……そうか、だが、ここは危険だ、魔物の行動が普通ではない。何者かがこれを仕組んでいる可能性がある」
このまま終わらない可能性もあると王は言う。
仕組んだもの、そう……この状況は何者かに仕組まれているのだろう、そうでなければ説明がつかない。
しかし、一体誰が?
「何者かが、裏にいるのか……まさか、魔族がまだこの世界に?」
「違いますわ王様、魔物は魔族の味方をしたり致しません」
「む、だが、それでは一体何者が?」
「いるではありませんか、ドラゴンという魔物を味方につけた者がその者なら他の魔物も操るなど造作もないことです」
ドラゴンを味方につけたもの?
そうだ、ドラゴンも魔物であることに違いは無い、最初の頃は魔族と戦うことはあっても、決してこちらとは協力をしようとしなかったドラゴンが、なぜかいつの間にか我々と協力していた。
ドラゴンに協力をさせた人物とは……決まっている、女神だ。
「女神殿が我々を殺そうとしたというのか?ありえぬっ!女神殿は我々を救うために戦ったくれたのだぞ!それなのに、なぜ我々を殺そうというのだ!」
「女神と言うのは気まぐれなものです、理由なんてないのではないでしょうか?唯々、殺したくなったのですよ」
「戯言を!」
そう言い放つ王であったが、だが、他にこの状況を作り上げられる人物を考え付かないのも事実であった。魔物が偶々、万単位で発生して、偶々人間の軍を襲った……そんな偶々はありえない。
だとすれば……この女性の言う通りなのでは?
いや、我らを救った女神を疑うなんてあってはいけない、もう一人の女神はその命を懸けて魔族を追い払ったではないか。
「そう、もう一人の女神さまはあの戦いで亡くなられています、では、今いる女神さまは?」
「何が言いたい?」
「光の女神さまも実は無くなっているのではないかしら?そして、あそこにいるのは偽物では?」
「な、なにを言う……」
確かに、その可能性はあるかもしれない……だが。
「それでは魔物が言う事を聞くわけわるまい、女神でなければドラゴンも力を貸さないだろう」
「ええ、ですから姿を偽っているのかもしれないですね、人間を殺すために、ドラゴンは人間と共存しようとは思っていないでしょうから」
そうだ、昨日は共に宴を上げたとはいえ、ドラゴンも魔物だ、魔族との戦いの前は我々人間にとっては脅威以外の何物でもなかった。ならば、魔族のいなくなった今は……。
「ドラゴンや魔物を使い、我々を……?」
「ええ、それも偽物の女神がです、許せませんね」
「……っ、全軍直ちに山を登るぞ!」
「はっ……は?」
「偽の女神を討つのだ!我々を殺そうとした罪、女神を騙った罪を思い知らせるのだ!」
突然の王の言葉に戸惑い始める、兵士たち。
だが、王の言葉は続く。
「女神は先の戦いで命を落としていたのだ!そして、先ほどまで我々といた者は女神を騙る悪魔よ!その悪魔が我々を殺そうと魔物を使わせたのだ!ドラゴンも奴らと同じ魔物、すでに敵と思え!我々を宴で油断させ我らを殺そうとしたのだ!」
「そ、そうなのか……」
「王が言うなら、そうなんじゃないか?」
「許せねぇ、せっかく平和になったっていうのに」
「女神さまが死んでいたなんて……」
まだ、戸惑うもの、怒りを露にするもの様々な言葉が入り乱れ始める。
「ここで、我らが逃げれば、その牙は我らの子、妻、恋人へと延びるであろう!そんなことがあっていいのか!」
「……っ!」
魔族との戦いで、様々なものを失った人間たち、失う事への恐怖は大きくなっていた。
そして、それは同時に憎悪へと変わる。
「これ以上、俺たちから何かを奪うのか……」
「王の言う通り女神さまは死んだんだ!女神さまがそんなことをするはずがねぇ!」
「そうだそうだ!」
恐怖から、怒りへ、そして憎悪へ、人間たちの目は血走り、その怒りが渦巻く。
しかし、その狂気ともいえる程の怒りの空間にはまるで花のような甘ったるい香りが充満していた。
「ふふ……」
王と話していた女がその状況を見て不気味に笑うのであった。
一人の兵士が大慌てで山を下山する、人間の王の元へと駆け寄ってくる。
魔物の襲撃、それ自体はそれほど珍しいことではない為、人間の王は「何を慌てている?」と余裕の態度で応対をしていた。
だが、兵士から次に放たれた言葉で王も、その近くにいた者たちも顔色を変える。
「囲まれております!それも尋常じゃないほどの数なのです!」
「何!?魔物がか!?」
普段であれば出ても、群れの10体や20体である、こちらが4,5人のパーティであるのならば囲まれるという事もあるかもしれないが、今、山を下山しているのは人間の軍である。その数は万を超えるのだ……その人間たちを囲むほどの数の魔物がこの場にいるという……驚きもする。いや、どう考えても普通ではない。
「どういうことだ?魔族を追い返した事へ対する怒り?いや、この世界の魔物は魔族に従うことはなかった筈だ」
もちろん、この世界にも魔物はいる、だが、魔物のほとんどは知能が低く、本能で動く、その為、強い魔族に従う魔物もいることはあったが、それでもその数は多くは無かった。ほとんどの魔物は魔族に襲い掛かり返り討ちに会うか逃げ出すかである。
その為、戦いに参加した魔物はドラゴンのように知能の高い魔物で、しかもこちら側に与したのだ。
「では、ドラゴンの差し金でしょうか?」
「……」
ドラゴンであれば魔物を操ることも出来るかもしれない?確かに、出来るかもしれないが、このタイミングでそれをするだろうか?いや、そもそも、ドラゴンが人間を殺そうとするのであれば自らが来ればいいだけではないだろうか?そう考える人間の王はドラゴンでもないのではないだろうか?と思っていた。
「王!魔物の数が多すぎます!このままでは!?」
「敵の中央を駆け抜ける、一つの槍と成りて敵を貫き突破するぞ!」
「はっ!」
王の掛け声と共に、人間の軍は魔物たちの集まる中央へ突進を仕掛け、魔物を食い破る。
そして、かなりの犠牲を払いながらもなんとかその包囲を突破することに成功したのだ。
「この先の渓谷まで休まず走れ!」
山を下りきった後も、魔物たちは人間たちを追いかけてくる。
そこで、人間たちは近くにあった渓谷を目指すことにした。
魔物の大群とはいえ、狭い渓谷に入ってしまえば包囲されることは無い。
そう思い、その作戦を取ったのだ。
「王、作戦は成功です!」
「うむ、魔物一匹一匹の強さは大したことは無い、ならば大群と戦う形を取らなければよい」
「ふふ、さすが王様ね」
「何奴!」
王と兵士が話している場に女の声がひとつ、響いてきた。
「あら、あなた様のお付きの一人です、お忘れですか?」
「む、そうだったか……だが、このような場になぜいる?戦えぬ者は後方にいるようにとアネルに言っておいたはずだが?」
「申し訳ありません、あなた様が心配だったものですから」
「む……そうか、だが、ここは危険だ、魔物の行動が普通ではない。何者かがこれを仕組んでいる可能性がある」
このまま終わらない可能性もあると王は言う。
仕組んだもの、そう……この状況は何者かに仕組まれているのだろう、そうでなければ説明がつかない。
しかし、一体誰が?
「何者かが、裏にいるのか……まさか、魔族がまだこの世界に?」
「違いますわ王様、魔物は魔族の味方をしたり致しません」
「む、だが、それでは一体何者が?」
「いるではありませんか、ドラゴンという魔物を味方につけた者がその者なら他の魔物も操るなど造作もないことです」
ドラゴンを味方につけたもの?
そうだ、ドラゴンも魔物であることに違いは無い、最初の頃は魔族と戦うことはあっても、決してこちらとは協力をしようとしなかったドラゴンが、なぜかいつの間にか我々と協力していた。
ドラゴンに協力をさせた人物とは……決まっている、女神だ。
「女神殿が我々を殺そうとしたというのか?ありえぬっ!女神殿は我々を救うために戦ったくれたのだぞ!それなのに、なぜ我々を殺そうというのだ!」
「女神と言うのは気まぐれなものです、理由なんてないのではないでしょうか?唯々、殺したくなったのですよ」
「戯言を!」
そう言い放つ王であったが、だが、他にこの状況を作り上げられる人物を考え付かないのも事実であった。魔物が偶々、万単位で発生して、偶々人間の軍を襲った……そんな偶々はありえない。
だとすれば……この女性の言う通りなのでは?
いや、我らを救った女神を疑うなんてあってはいけない、もう一人の女神はその命を懸けて魔族を追い払ったではないか。
「そう、もう一人の女神さまはあの戦いで亡くなられています、では、今いる女神さまは?」
「何が言いたい?」
「光の女神さまも実は無くなっているのではないかしら?そして、あそこにいるのは偽物では?」
「な、なにを言う……」
確かに、その可能性はあるかもしれない……だが。
「それでは魔物が言う事を聞くわけわるまい、女神でなければドラゴンも力を貸さないだろう」
「ええ、ですから姿を偽っているのかもしれないですね、人間を殺すために、ドラゴンは人間と共存しようとは思っていないでしょうから」
そうだ、昨日は共に宴を上げたとはいえ、ドラゴンも魔物だ、魔族との戦いの前は我々人間にとっては脅威以外の何物でもなかった。ならば、魔族のいなくなった今は……。
「ドラゴンや魔物を使い、我々を……?」
「ええ、それも偽物の女神がです、許せませんね」
「……っ、全軍直ちに山を登るぞ!」
「はっ……は?」
「偽の女神を討つのだ!我々を殺そうとした罪、女神を騙った罪を思い知らせるのだ!」
突然の王の言葉に戸惑い始める、兵士たち。
だが、王の言葉は続く。
「女神は先の戦いで命を落としていたのだ!そして、先ほどまで我々といた者は女神を騙る悪魔よ!その悪魔が我々を殺そうと魔物を使わせたのだ!ドラゴンも奴らと同じ魔物、すでに敵と思え!我々を宴で油断させ我らを殺そうとしたのだ!」
「そ、そうなのか……」
「王が言うなら、そうなんじゃないか?」
「許せねぇ、せっかく平和になったっていうのに」
「女神さまが死んでいたなんて……」
まだ、戸惑うもの、怒りを露にするもの様々な言葉が入り乱れ始める。
「ここで、我らが逃げれば、その牙は我らの子、妻、恋人へと延びるであろう!そんなことがあっていいのか!」
「……っ!」
魔族との戦いで、様々なものを失った人間たち、失う事への恐怖は大きくなっていた。
そして、それは同時に憎悪へと変わる。
「これ以上、俺たちから何かを奪うのか……」
「王の言う通り女神さまは死んだんだ!女神さまがそんなことをするはずがねぇ!」
「そうだそうだ!」
恐怖から、怒りへ、そして憎悪へ、人間たちの目は血走り、その怒りが渦巻く。
しかし、その狂気ともいえる程の怒りの空間にはまるで花のような甘ったるい香りが充満していた。
「ふふ……」
王と話していた女がその状況を見て不気味に笑うのであった。
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