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6章
ツァインでは
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「メリアンナ女王よ、そちらの戦況はどうだ?」
「あまりよくありませんね、幸い、敗戦は期しておりませんがこのままではいずれ帝国がこの国に攻めてくるかと……」
「そうか……」
現在、ツァインは帝国の攻撃を受けていた。
幸い、ベラリッサの協力もあり、敵はまだこの国にまでは攻めてきていないが、メリアンナ女王の話を聞く限り、そろそろ限界のようであった。
「そういえば、いつものお二人は?」
いつもの二人と言うのはコハクとミャアの事である。
カモメ達がいない間、このツァインはコハクとミャアが護っていた。
それならばなぜ、二人を戦線に投入しないのかというと、もし、そちらでの戦いに集中している間に魔族がツァインにせめて来られたらそれだけでこの国が滅ぼされてしまう可能性がある。
その為、魔族と戦うちからの持つ、コハクとリーナ、そしてミャアとコロはこの国で待機していた。
代わりにレディとソフィーナが戦線では戦っている。しかし、さしものレディも帝国に数で押され、徐々に後退をし始めているらしい。
レディとソフィーナ個人の力ではとてもではないが倒しきれない数が襲ってきているのだ。だが、その状態も少し、改善されている。
「先日、アネル殿が戻ってきたのでな、彼らにはレディ殿の援軍へ向かってもらった」
「そうですか、では、これで少しは挽回できるかもしれませんね」
「ああ、それに、闇の魔女殿も魔力の乱れを治す方法を見つけたらしいからな」
「気でしたね、ですが、そう簡単に体得できるものではないのでしょう?」
「うむ、だが、魔女殿ならきっと体得し、魔力も戻すであろう」
「信頼されているのですね、あの少女を」
「何度も救われているのでな、信じているさ」
そう言う、フィルディナンドにメリアンナ女王は「そうですか」と端的に返す。
その後も二人は情報交換をしながら、今後の対策を練るが、いい打開策は思い浮かばず、援軍に向かったた4人の活躍に期待することになったのだが、一人の兵士が部屋の扉を開け、慌てた様子で入ってくる。
「フィルディナンド様!」
「どうした!!」
「魔族です!突如魔族が街に!!」
「なんだと……?」
――――――――――轟音。
フィルディナンドが報告を受けたと同時に、城に大きな音が響き渡る。
「なっ!?……すでに城まで入られたというのか!?」
「……そんな」
驚愕し、焦るフィルディナンドと絶望の表情になる兵士。
「……これは」
だが、一人、神妙な顔をして驚いている者がいる。
メリアンナ女王だ、彼女はフィルディナンド達とは違う事に驚いていたのか、兵士の報告が来た時には冷静な表情であった彼女であったが、今の轟音が響いた後、何かを探るような仕草をし、そこで何かに気付いたようだった。
「フィルディナンド様……どうやら、今のは魔族ではないようですよ」
「何、どういうことだ、メリアンナ女王よ」
メリアンナの言葉にフィルディナンドは疑問をぶつけるが、その答えをメリアンナが答える前に、再び部屋の扉が開いた。
「王様!」
「今度はなんだ!」
「魔女殿が……魔女殿が戻られました!」
「なんだと?」
今の轟音の事に対する報告だろうと思っていたフィルディナンドだったが、予想外の報告に驚く。
「そうか、ならば、魔女殿に城に現れた魔族の討伐を……」
「はっ、その魔族なのですがすでに魔女殿が街で討伐いたしました」
「何?」
つい今しがた、魔族が現れたと報告を受けた、その次の瞬間にその魔族は滅ぼされていた。
あまりの事にフィルディナンドは頭が追い付かず、一瞬、困惑するが魔族が討伐されたのであれば問題は無い……問題はないのだが、一つ、今の報告に気になるところがあった。
「おい、今、魔女殿は『街』で魔族を滅ぼしたと言ったな?」
「はい、魔女殿は街に到着し、この城に向かっておりました、そこに魔族が現れ、それを発見した魔女殿はすぐにそちらに向かったのです」
「そうか、だが、今しがた、この城が攻撃されたような轟音が響いた……魔族は一体ではないのではないか?」
そう、もしカモメが街で魔族を討伐したのであれば、先ほどの轟音はあれほど近くには聞こえないだろう。いや、それどころか、確実に大規模な攻撃を城に受けたかのような音であった。
「はっ、それなのですが……」
「む、なんだ?……何か知っているのなら報告をしろ」
「はっ、魔女殿が放った魔法が、一撃のもと魔族を葬りまして」
「ほう、では魔女殿は完全に復活したのだな、それは朗報だ……だが、今はそれを聞いているのではない」
「い、いえ、その魔法が魔族を倒し……そのまま、勢い劣らず城の一部を破壊しまして……」
「………おい」
「さ、幸い、帝国との戦いで兵士が少なく、あの場所には誰もいなかったので被害はなく……その、魔女殿が『ごめん』と……」
「はあ……まあ、被害が無かったのならよい……それより、魔女殿が帰ってきたのだ、反撃の兆しが見えてきたぞ……すぐに魔女殿をここへ呼ぶのだ」
「はっ!」
入ってきた扉を再び潜り、兵士は慌ててカモメの元へと戻っていった。
兵士が出ていった後、フィルディナンドは大きなため息とともに頭を抱える。
「はあ……普通には帰ってこれんのかあの魔女殿は……」
「ふふふ、そうみたいですね」
それを面白そうに見るメリアンナ女王であった。
「あまりよくありませんね、幸い、敗戦は期しておりませんがこのままではいずれ帝国がこの国に攻めてくるかと……」
「そうか……」
現在、ツァインは帝国の攻撃を受けていた。
幸い、ベラリッサの協力もあり、敵はまだこの国にまでは攻めてきていないが、メリアンナ女王の話を聞く限り、そろそろ限界のようであった。
「そういえば、いつものお二人は?」
いつもの二人と言うのはコハクとミャアの事である。
カモメ達がいない間、このツァインはコハクとミャアが護っていた。
それならばなぜ、二人を戦線に投入しないのかというと、もし、そちらでの戦いに集中している間に魔族がツァインにせめて来られたらそれだけでこの国が滅ぼされてしまう可能性がある。
その為、魔族と戦うちからの持つ、コハクとリーナ、そしてミャアとコロはこの国で待機していた。
代わりにレディとソフィーナが戦線では戦っている。しかし、さしものレディも帝国に数で押され、徐々に後退をし始めているらしい。
レディとソフィーナ個人の力ではとてもではないが倒しきれない数が襲ってきているのだ。だが、その状態も少し、改善されている。
「先日、アネル殿が戻ってきたのでな、彼らにはレディ殿の援軍へ向かってもらった」
「そうですか、では、これで少しは挽回できるかもしれませんね」
「ああ、それに、闇の魔女殿も魔力の乱れを治す方法を見つけたらしいからな」
「気でしたね、ですが、そう簡単に体得できるものではないのでしょう?」
「うむ、だが、魔女殿ならきっと体得し、魔力も戻すであろう」
「信頼されているのですね、あの少女を」
「何度も救われているのでな、信じているさ」
そう言う、フィルディナンドにメリアンナ女王は「そうですか」と端的に返す。
その後も二人は情報交換をしながら、今後の対策を練るが、いい打開策は思い浮かばず、援軍に向かったた4人の活躍に期待することになったのだが、一人の兵士が部屋の扉を開け、慌てた様子で入ってくる。
「フィルディナンド様!」
「どうした!!」
「魔族です!突如魔族が街に!!」
「なんだと……?」
――――――――――轟音。
フィルディナンドが報告を受けたと同時に、城に大きな音が響き渡る。
「なっ!?……すでに城まで入られたというのか!?」
「……そんな」
驚愕し、焦るフィルディナンドと絶望の表情になる兵士。
「……これは」
だが、一人、神妙な顔をして驚いている者がいる。
メリアンナ女王だ、彼女はフィルディナンド達とは違う事に驚いていたのか、兵士の報告が来た時には冷静な表情であった彼女であったが、今の轟音が響いた後、何かを探るような仕草をし、そこで何かに気付いたようだった。
「フィルディナンド様……どうやら、今のは魔族ではないようですよ」
「何、どういうことだ、メリアンナ女王よ」
メリアンナの言葉にフィルディナンドは疑問をぶつけるが、その答えをメリアンナが答える前に、再び部屋の扉が開いた。
「王様!」
「今度はなんだ!」
「魔女殿が……魔女殿が戻られました!」
「なんだと?」
今の轟音の事に対する報告だろうと思っていたフィルディナンドだったが、予想外の報告に驚く。
「そうか、ならば、魔女殿に城に現れた魔族の討伐を……」
「はっ、その魔族なのですがすでに魔女殿が街で討伐いたしました」
「何?」
つい今しがた、魔族が現れたと報告を受けた、その次の瞬間にその魔族は滅ぼされていた。
あまりの事にフィルディナンドは頭が追い付かず、一瞬、困惑するが魔族が討伐されたのであれば問題は無い……問題はないのだが、一つ、今の報告に気になるところがあった。
「おい、今、魔女殿は『街』で魔族を滅ぼしたと言ったな?」
「はい、魔女殿は街に到着し、この城に向かっておりました、そこに魔族が現れ、それを発見した魔女殿はすぐにそちらに向かったのです」
「そうか、だが、今しがた、この城が攻撃されたような轟音が響いた……魔族は一体ではないのではないか?」
そう、もしカモメが街で魔族を討伐したのであれば、先ほどの轟音はあれほど近くには聞こえないだろう。いや、それどころか、確実に大規模な攻撃を城に受けたかのような音であった。
「はっ、それなのですが……」
「む、なんだ?……何か知っているのなら報告をしろ」
「はっ、魔女殿が放った魔法が、一撃のもと魔族を葬りまして」
「ほう、では魔女殿は完全に復活したのだな、それは朗報だ……だが、今はそれを聞いているのではない」
「い、いえ、その魔法が魔族を倒し……そのまま、勢い劣らず城の一部を破壊しまして……」
「………おい」
「さ、幸い、帝国との戦いで兵士が少なく、あの場所には誰もいなかったので被害はなく……その、魔女殿が『ごめん』と……」
「はあ……まあ、被害が無かったのならよい……それより、魔女殿が帰ってきたのだ、反撃の兆しが見えてきたぞ……すぐに魔女殿をここへ呼ぶのだ」
「はっ!」
入ってきた扉を再び潜り、兵士は慌ててカモメの元へと戻っていった。
兵士が出ていった後、フィルディナンドは大きなため息とともに頭を抱える。
「はあ……普通には帰ってこれんのかあの魔女殿は……」
「ふふふ、そうみたいですね」
それを面白そうに見るメリアンナ女王であった。
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