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2部 1章
帰還
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「よう、兄さんたち、死にたくなかったら金目のモン置いていきな」
盗賊である。
リーダー格らしき男が、手に持ったシミターを掌で遊びながらこちらに言ってくる。
「お断りよ」
盗賊の言葉にディータはすぐさま答えを返す。
当然である。
「てめぇら、今の状況がわかってんのか?」
もちろん……今の私たちの状況はと言うと、盗賊らしき男たち……恐らく30人程かな?に周りを囲まれている状況だ。とはいえ、先ほどまで、オークの村で100匹近いオークに囲まれていたのに比べれば幾分も楽な状況である、それに加え、今はディータとエリンシアもいる。
「虚勢を張ってねぇで、出すもんだしやが……ぺぎゃ!?」
リーダー格らしき男が、まだ何かを言おうとしていたのだが、その言葉が最後まで紡がれることは無かった……男の言葉が終わる前に、弾丸が顔面に命中したのだ。
もちろん、撃ったのはエリンシアである。
「あら……ごめんなさいませ、顔がおムカつきましたので撃ってしまいましたわ」
酷い良いようである……いやまあ、明らかに悪い奴だと言えるような、嫌らしい顔の男ではあったのだが……。
「かしらぁああ!!!」
あら、リーダー格っぽいとは思っていたけど、本当にリーダーだったんだね、しかも頭ってことは一番上か。
「てめぇ、よくも頭を!もう、容赦しねぇぞ、やっちまえテメェら!」
頭をやられた盗賊たちが、一気にこちらに襲い掛かってくる。
「ワーウルフ達が手ごたえ無くて、暴れたりなかったのよね……ちょうどいいわ」
「ですわね」
「あ、殺さないようにね、アジトとかあるかもしれないし、捕まえて街の衛兵に引き渡そう」
「りょーかい!」
そう言うと私達は、向かってくる盗賊たちを撃退し始める、まあ、当然のごとく盗賊たちはそれほど強くはない、かなり手加減をしながら戦っても余裕であった。
しかし、そんな盗賊たちより驚いたのは、シルネアの兄、クルードだ。
彼は持っていた槍を構えると、一瞬にして盗賊3人を倒してしまう。
その槍捌きは見事としか言いようがなかった。
そして、その兄の横でシルネアも盗賊を倒していく、オークと戦っていたときみせた、敵の攻撃をレイピアでズラしながら敵の懐に潜り込み、一撃を加える。シルネアはそういう技を駆使した戦い方に長けているようだった。
「あなた達意外とやるわね……」
「いや、アンタらに比べればまだまだだよ……すげえな」
すでに、盗賊たちを倒し終えた私達は、クルードたちが、7人程を倒している間に、他の盗賊たちをすべて昏倒させていた。
「これでも俺は腕に自信があったんだが、まだまだ未熟だな」
「うんうん、カモメさん達はすごいです!」
「あはは、ありがとう♪」
素直にシルネアに褒められると、なんだかうれしい気持ちになる。
「ところで、これどうしますの?」
エリンシアが、昏倒した盗賊たちを指さして言う。
「持っていくのはさすがに大変だよね」
「そうだね、誰かが衛兵を呼んでくるしかないかな」
その間は、残ったメンバーで盗賊たちを監視しておくってことだね、まあそれが一番かな。
「なら、私が行くわ、空を飛べはすぐだし」
「了解、任せるよ」
そう言うとディータは風の魔法で空を飛び、一直線でラリアスの街まで戻っていった。
「おいおい、空も飛べるのかよ……」
「本当すごい、天啓スキルですね……」
そう言えば、この大陸の人間は女神から必ず一つ、天啓スキルというのを貰っているらしい、私達もとりあえず、得意なものを天啓スキルとして、冒険者ギルドに登録している。
でも、ということは、二人も天啓スキルと言うのを持っているっていう事だよね。
今後の為にも聞いておいた方がいいかな?
「二人はどんな天啓スキルなの?」
「ああ、俺は見ての通り、『槍術』だ」
ふむふむ、それであれだけの槍捌きなんだね。
「私は……その……」
シルネアにも聞こうと思ったのだが、シルネアはなぜか言いにくそうにしている。
「えっと、ごめん、言いにくいことなら言わなくてもいいよ?」
何か変な天啓スキルだったりするのかな?もしそうだとしたら、聞かない方がいいのかな。
「ああ、いえ、ごめんなさい、私は天啓スキルが無いんです」
「ん、そうなの?」
あれ、絶対一つはもらえる者なのかと思ったけど、そっか、天啓スキルがないってこともあるんだね……だったら、私も無いってことにすればよかったかな。
「はい……」
「そっか、そう言うこともあるんだね」
「え?」
「ん?」
私が、納得すると、シルネアが驚いたような声を上げる。
いや、シルネアだけではない、クルードも驚いたような顔をしている。
私何か変な事言ったかな?
「どうしたの?」
「いえ、それだけ……ですか?」
「それだけって……何が?」
「私、天啓スキルが無いんですよ?」
「うん、聞いたよ、そう言うこともあるんだねーって……え、何かおかしなことなの?」
「い、いえ、そんなことは……ありがとうございます」
ん?特にお礼を言われるようなことはしていないと思うんだけど、なんだろう……。
まあ、いいや、よく分からないので気にしないことにしよう。
「そう言えば、クルードの冒険者ランクもシルネアと同じEランクなの?」
「いや、俺は一応、Cランク冒険者だ」
「Cランク!すごい、確かCランクってこの街に二人しかいないんだよね!?」
「ああ……まあな、とはいえ、ここが辺境だからってだけで、王都とかに行けば、CランクやBランクはごろごろいるぞ」
あ、そうなんだ……辺境……まあ、魔の海なんて呼ばれている、私たちの大地がある場所に近いこの街は辺境と呼ばれても仕方がないのかもしれないねぇ。
「でも、Cランクってことはダンジョンとかにも入れるんだよね?」
「ああ、入れるぞ」
「いいなぁ、私達も早くダンジョンに入りたいよ」
まずの目標はそこだよね、やっぱり冒険者をやるならダンジョン攻略とかもしたいし、ダンジョンの最下層にあるお宝も手に入れたい!
……っと、ここまで会話をして私はあることに気付く。
「って、あれ、さっきからクルードと普通に会話できてるよ?」
「どういう意味だ?」
当たり前だろうとクルードは返す、いやいや、さっきまで、騒いでいた人の言葉とは思えないよ!?
ジャンピング土下座したり、シルネアに泣きついたり、ディータにあばばされたりしてた人とまるで別人なんだけど!?
「あ、えっと、ごめんなさい、兄様は、私の事となるとその……取り乱しまして……普段はこんな感じなんです」
なるほど、重度のシスコンってことなんだね。
「なるほど、カモメさんの事になると取り乱すクオンさんみたいなものですわね」
「僕はあそこまでならないよ!?」
取り乱したクオンは見てみたいとちょっと思うが、さすがにあんな状態にクオンはならないと思うよ?……多分。
「つーか、ダンジョンに入りたいなら、一緒に行くか?俺たちと一緒に行けば入れるぞ?」
「え、そうなの?」
そっか、Cランクの人と一緒にいけばダンジョンにも入れるのか!
それはいいことを聞いた。
「まあ、俺たちにも予定があるから、それが終わった後になるけどよ」
「うんうん、全然かまわないよ、その時は是非一緒に行かせて!」
「いいんですか?その……私とも一緒になっちゃいますけど?」
「え?うん……もちろん、私たちがついていくんだし、シルネアが一緒だとなんかマズいの?」
「あ、いえ、その……ありがとうございます」
またもお礼を言われた……うーん、もしかして、天啓スキルってのが無いのが引け目にでもなっているのだろうか……天啓スキルなんてのが無くてもオークや盗賊と戦えていらのだから、別にいいと思うのだけど……まあ、私達も天啓スキル持ってないしね。
「うへへ、楽しみだなぁ♪」
「だね」
「ワタクシもダンジョンは初めてですので今から楽しみですわ」
行くとしても、すぐに行けるというわけではないのだろうけど……今後の楽しみが増えたことは確かだね。
そんなことを話している間に、ディータが衛兵を連れて戻ってきた。
私達は盗賊を衛兵に任せると、今度こそ、ラリアスの街へと帰還するのだった。
盗賊である。
リーダー格らしき男が、手に持ったシミターを掌で遊びながらこちらに言ってくる。
「お断りよ」
盗賊の言葉にディータはすぐさま答えを返す。
当然である。
「てめぇら、今の状況がわかってんのか?」
もちろん……今の私たちの状況はと言うと、盗賊らしき男たち……恐らく30人程かな?に周りを囲まれている状況だ。とはいえ、先ほどまで、オークの村で100匹近いオークに囲まれていたのに比べれば幾分も楽な状況である、それに加え、今はディータとエリンシアもいる。
「虚勢を張ってねぇで、出すもんだしやが……ぺぎゃ!?」
リーダー格らしき男が、まだ何かを言おうとしていたのだが、その言葉が最後まで紡がれることは無かった……男の言葉が終わる前に、弾丸が顔面に命中したのだ。
もちろん、撃ったのはエリンシアである。
「あら……ごめんなさいませ、顔がおムカつきましたので撃ってしまいましたわ」
酷い良いようである……いやまあ、明らかに悪い奴だと言えるような、嫌らしい顔の男ではあったのだが……。
「かしらぁああ!!!」
あら、リーダー格っぽいとは思っていたけど、本当にリーダーだったんだね、しかも頭ってことは一番上か。
「てめぇ、よくも頭を!もう、容赦しねぇぞ、やっちまえテメェら!」
頭をやられた盗賊たちが、一気にこちらに襲い掛かってくる。
「ワーウルフ達が手ごたえ無くて、暴れたりなかったのよね……ちょうどいいわ」
「ですわね」
「あ、殺さないようにね、アジトとかあるかもしれないし、捕まえて街の衛兵に引き渡そう」
「りょーかい!」
そう言うと私達は、向かってくる盗賊たちを撃退し始める、まあ、当然のごとく盗賊たちはそれほど強くはない、かなり手加減をしながら戦っても余裕であった。
しかし、そんな盗賊たちより驚いたのは、シルネアの兄、クルードだ。
彼は持っていた槍を構えると、一瞬にして盗賊3人を倒してしまう。
その槍捌きは見事としか言いようがなかった。
そして、その兄の横でシルネアも盗賊を倒していく、オークと戦っていたときみせた、敵の攻撃をレイピアでズラしながら敵の懐に潜り込み、一撃を加える。シルネアはそういう技を駆使した戦い方に長けているようだった。
「あなた達意外とやるわね……」
「いや、アンタらに比べればまだまだだよ……すげえな」
すでに、盗賊たちを倒し終えた私達は、クルードたちが、7人程を倒している間に、他の盗賊たちをすべて昏倒させていた。
「これでも俺は腕に自信があったんだが、まだまだ未熟だな」
「うんうん、カモメさん達はすごいです!」
「あはは、ありがとう♪」
素直にシルネアに褒められると、なんだかうれしい気持ちになる。
「ところで、これどうしますの?」
エリンシアが、昏倒した盗賊たちを指さして言う。
「持っていくのはさすがに大変だよね」
「そうだね、誰かが衛兵を呼んでくるしかないかな」
その間は、残ったメンバーで盗賊たちを監視しておくってことだね、まあそれが一番かな。
「なら、私が行くわ、空を飛べはすぐだし」
「了解、任せるよ」
そう言うとディータは風の魔法で空を飛び、一直線でラリアスの街まで戻っていった。
「おいおい、空も飛べるのかよ……」
「本当すごい、天啓スキルですね……」
そう言えば、この大陸の人間は女神から必ず一つ、天啓スキルというのを貰っているらしい、私達もとりあえず、得意なものを天啓スキルとして、冒険者ギルドに登録している。
でも、ということは、二人も天啓スキルと言うのを持っているっていう事だよね。
今後の為にも聞いておいた方がいいかな?
「二人はどんな天啓スキルなの?」
「ああ、俺は見ての通り、『槍術』だ」
ふむふむ、それであれだけの槍捌きなんだね。
「私は……その……」
シルネアにも聞こうと思ったのだが、シルネアはなぜか言いにくそうにしている。
「えっと、ごめん、言いにくいことなら言わなくてもいいよ?」
何か変な天啓スキルだったりするのかな?もしそうだとしたら、聞かない方がいいのかな。
「ああ、いえ、ごめんなさい、私は天啓スキルが無いんです」
「ん、そうなの?」
あれ、絶対一つはもらえる者なのかと思ったけど、そっか、天啓スキルがないってこともあるんだね……だったら、私も無いってことにすればよかったかな。
「はい……」
「そっか、そう言うこともあるんだね」
「え?」
「ん?」
私が、納得すると、シルネアが驚いたような声を上げる。
いや、シルネアだけではない、クルードも驚いたような顔をしている。
私何か変な事言ったかな?
「どうしたの?」
「いえ、それだけ……ですか?」
「それだけって……何が?」
「私、天啓スキルが無いんですよ?」
「うん、聞いたよ、そう言うこともあるんだねーって……え、何かおかしなことなの?」
「い、いえ、そんなことは……ありがとうございます」
ん?特にお礼を言われるようなことはしていないと思うんだけど、なんだろう……。
まあ、いいや、よく分からないので気にしないことにしよう。
「そう言えば、クルードの冒険者ランクもシルネアと同じEランクなの?」
「いや、俺は一応、Cランク冒険者だ」
「Cランク!すごい、確かCランクってこの街に二人しかいないんだよね!?」
「ああ……まあな、とはいえ、ここが辺境だからってだけで、王都とかに行けば、CランクやBランクはごろごろいるぞ」
あ、そうなんだ……辺境……まあ、魔の海なんて呼ばれている、私たちの大地がある場所に近いこの街は辺境と呼ばれても仕方がないのかもしれないねぇ。
「でも、Cランクってことはダンジョンとかにも入れるんだよね?」
「ああ、入れるぞ」
「いいなぁ、私達も早くダンジョンに入りたいよ」
まずの目標はそこだよね、やっぱり冒険者をやるならダンジョン攻略とかもしたいし、ダンジョンの最下層にあるお宝も手に入れたい!
……っと、ここまで会話をして私はあることに気付く。
「って、あれ、さっきからクルードと普通に会話できてるよ?」
「どういう意味だ?」
当たり前だろうとクルードは返す、いやいや、さっきまで、騒いでいた人の言葉とは思えないよ!?
ジャンピング土下座したり、シルネアに泣きついたり、ディータにあばばされたりしてた人とまるで別人なんだけど!?
「あ、えっと、ごめんなさい、兄様は、私の事となるとその……取り乱しまして……普段はこんな感じなんです」
なるほど、重度のシスコンってことなんだね。
「なるほど、カモメさんの事になると取り乱すクオンさんみたいなものですわね」
「僕はあそこまでならないよ!?」
取り乱したクオンは見てみたいとちょっと思うが、さすがにあんな状態にクオンはならないと思うよ?……多分。
「つーか、ダンジョンに入りたいなら、一緒に行くか?俺たちと一緒に行けば入れるぞ?」
「え、そうなの?」
そっか、Cランクの人と一緒にいけばダンジョンにも入れるのか!
それはいいことを聞いた。
「まあ、俺たちにも予定があるから、それが終わった後になるけどよ」
「うんうん、全然かまわないよ、その時は是非一緒に行かせて!」
「いいんですか?その……私とも一緒になっちゃいますけど?」
「え?うん……もちろん、私たちがついていくんだし、シルネアが一緒だとなんかマズいの?」
「あ、いえ、その……ありがとうございます」
またもお礼を言われた……うーん、もしかして、天啓スキルってのが無いのが引け目にでもなっているのだろうか……天啓スキルなんてのが無くてもオークや盗賊と戦えていらのだから、別にいいと思うのだけど……まあ、私達も天啓スキル持ってないしね。
「うへへ、楽しみだなぁ♪」
「だね」
「ワタクシもダンジョンは初めてですので今から楽しみですわ」
行くとしても、すぐに行けるというわけではないのだろうけど……今後の楽しみが増えたことは確かだね。
そんなことを話している間に、ディータが衛兵を連れて戻ってきた。
私達は盗賊を衛兵に任せると、今度こそ、ラリアスの街へと帰還するのだった。
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